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愛知県自然環境保全地域 白鳥山(しろとりやま)

ページID:0598591 掲載日:2026年1月21日更新 印刷ページ表示

白鳥山全景

白鳥山の自然

 白鳥山は北設楽郡設楽町の北東部、津具川左岸にほぼ独立してそびえる標高968mの山塊です。山麓には白鳥神社がありその参道沿いには老齢のヒノキとツクバネガシ、ヤブツバキ等の常緑広葉樹類がみられます。神社からの登山道沿いはヒノキ・スギの植林地ですが、山頂周辺の石英質の片麻岩等からなる岩壁、急斜帯は植林が進まず自然林が残されました。
 また、地質面では、山体を形成する岩体に小規模な晶洞が見られ、稜線付近では規模がやや大きく数も多くなります。このような晶洞には小さな水晶が産出することがあり、特異な自然環境を形成しています。

白鳥神社参道の写真

白鳥神社参道

白鳥山の地質

 白鳥山がある設楽町は、中生代白亜紀(約6600万年~1億4300万年前)にできた片麻岩や花こう岩からできています。これらの岩石の上には新生代新第三紀中新世の前期(約1800万年前)に海底に堆積した砂岩、泥岩や凝灰岩がのっており、また、それらを貫いた流紋岩、安山岩、玄武岩等の火山岩や火山砕屑岩が見られます。また、この火山活動の時にできた金の鉱床もあり、この地方は昭和20年頃までは金の採掘が行われていました。
 白鳥山は、全山が石英質の片麻岩からできています。この片麻岩にはところどころに亀裂があり、これが広がり空洞となったところに小さな水晶ができていることがあります。このような空洞を晶洞といいます。
 水晶というのは、石英の結晶がまわりからじゃまされることなく成長したときにできるもので、六角柱状で互いの面のなす角度は120度になっています。

山頂からの写真 珪質片麻岩の写真

(左から)白鳥山山頂からの眺め、珪質片麻岩

 晶洞のある珪質な片麻岩の写真 晶洞中の水晶の写真

(左から)晶洞のある珪質片麻岩、晶洞中にできた水晶

白鳥山の植生

 標高770mの山腹に白鳥神社があり、参道沿いには老齢のヒノキのほかツクバネガシ、ウラジロガシ、リンボク、ヤブツバキ、ヒサカキ等の常緑樹類が生育しています。参道下部の林道傍に生えるオオキツネノカミソリは県内稀産種のひとつです。
 標高850m以上の急斜面・岩角地には、モミ、ツガ、ヒメコマツ、コウヤマキ等の針葉樹が優勢で、その下層には乾燥環境に耐えるツツジ科低木が多種生育しています。ベニドウダン、コアブラツツジ、アクシバ、ウスノキ、ハナヒリノキ、アセビ、ミツバツツジ、トウゴクミツバツツジ、モチツツジ、バイカツツジ、ウスギヨウラク、ヒカゲツツジ、等です。また、点在する岩壁に着生してオオミミゴケ、タチハイゴケ、イワダレゴケ、コセイタカスギゴケ、ミヤマクサゴケ等、白鳥山が唯一の、または白鳥山のほか2~3の地域のみに生育する蘚類が見られます。寒地性のタチハイゴケ等は亜高山帯針葉樹林の林床に大群落を作るので、標高1,000m以下の山地に生育するのは珍しい現象です。南面の岩壁に着生する地衣類のイワタケも県内稀産種です。一方岩角地に生育するコウヤマキは日本特産種で、主に関東以西の本州、四国、九州に分布します。愛知県内でコウヤマキが群落をなすのは、白鳥山のほか設楽町水梨、設楽町・新城市界の山稜部等の、きわめて限られた箇所しかありません。

オオキツネノカミソリ

オオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)
白鳥山では8月中旬に花を咲かせます。キツネノカミソリに比べて雄ずいが花びらより長いのが特徴です。

 

ハナヒリノキ

ハナヒリノキ(ツツジ科)
和歌山県以北の本州~北海道に分布する温帯性低木です。葉の粉末が鼻に入るとくしゃみ(はなひり)が出るから名付けられたといわれます。

 

タチハイゴケ

タチハイゴケ(イワダレゴケ科)
​亜高山、高山帯に広く分布する大型の蘚類です。愛知県内の唯一の生育地が白鳥山です。

 

イワタケ

イワタケ(地衣類イワタケ科)

岩壁等に着生します。広く北海道~九州に分布しますが古来不老長寿薬として珍重され今でも食用とされるので普通では見られなくなっています。

 

フジシダ

フジシダ(コバノイシカグマ科)
岩壁下の岩屑斜面等に群生します。フジの名前は愛知県犬山市の尾張富士山にちなむものです。

 

コウヤマキ群落 コウヤマキ

(左から)岩壁上のコウヤマキ群落、コウヤマキ
コウヤマキは白亜紀に出現して北半球に分布をひろげたものですが、現在では地球上で日本の西半部にのみ生き残った日本特産種と考えられています。

白鳥山の動物

 白鳥山の山頂のくぼ地には、水と泥が溜まった小さい池があります。ここにイノシシがやってきて、からだに泥をこすりつけ、皮膚についたダニなどの寄生虫を取ります。このような場所を“ぬた場”と言います。5月下旬には、このぬた場池に張り出した枝に、モリアオガエルの卵塊がいくつもぶらさがり、池の中では早くも孵化したオタマジャクシがのどかに泳いでいる姿を見ることができます。また、この沼地には県内では稀産のルリボシヤンマの生息が見られます。

ぬた場の写真

ぬた場池

ご注意

自然環境保全地域内では、鉱物の掘採、動植物の捕獲・採取等が規制されています。水晶等は観察するだけにしてください。

所在地(北設楽郡設楽町津具白鳥他)

所在地

愛知県白鳥山自然環境保全地域の保全計画(抜粋)

昭和54年3月2日指定
(指定時の計画書から抜粋しているため、最新の状況と異なる可能性があります)

指定理由

 白鳥山(標高968メートル)は領家変成岩より成り、全山にわたってその変成岩中には晶洞がみられ、その中には水晶を産出する。
 比較的数少ない植生であるヒメコマツ、コウヤマキの群落が成立する。ここに生育するオオミミゴケ、イワダレゴケ等の寒地系のコケは、主として中部以北の亜高山帯に分布するもので、現在のところ本県では白鳥山が唯一の生育地である。
 昆虫では、県内稀産のルリボシヤンマを産する。
 したがって、これらの貴重な自然環境を保全するため、自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例第20条第1項第2号の地形若しくは地質が特異な地域、及び同項第4号の植物の自生地、野生動物の生息地として愛知県自然環境保全地域に指定するものである。

保全計画

1 保全すべき自然環境の特質 
(1)植生
   岩壁には、オオミミゴケ、イワダレゴケ、タチハイゴケ、コセイタカスギゴケ、ミヤマクサゴケの寒地系のコケが生育していて、本県では白鳥山を唯一の産地とするものがある。また、ツツジ科の植物を豊産することは特筆に値する。
   主稜部を主に、ヒメコマツ、コウヤマキの群落が成立しており、これは県内においても数少ない群落のひとつである。
   白鳥山神社参道付近には、暖地的要素の強いリンボクが生育する一方、林床にはナライシダ※などの温帯性の植物も繁茂し、暖温両帯の性格を示している。また、林縁にはオオキツネノカミソリのような稀産の種も生育するなど植物生態的に貴重な地域である。
 (2)野生動物
   頂上の小沼には、県下稀産ルリボシヤンマを産する。
 (3)地形・地質
   白鳥山は全山領家変成岩からなり、特に頂上部は、その中に水晶の結晶を産する。
   このようなところは、県内で他に例がない。
※白鳥山で生育しているナライシダは、近年暖地性のナンゴクナライシダである可能性が指摘されています。他の温帯性の植物としては、タカヤマナライシダやウラゲイワガネが確認されています。
2 面積
地区別面積

特別地区

(全域 野生動植物保護地区)

普通地区 合計

5.71 ha

7.90 ha 13.61 ha

白鳥山自然環境保全地域