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あいちの自然と生きもの(生態系の多様性)

ページID:0367015 掲載日:2022年3月25日更新 印刷ページ表示

 愛知県は日本列島のほぼ中央に位置し、海から山地まで多様な自然環境を含みます。名古屋の年平均気温(平年値)は約15℃と温暖な気候であり、冬でも月平均気温が0℃を下回ることはありません。また、年間降水量(平年値)は約1,500mmであり、日本の平均降水量約1,700mmと比較すると、若干少なめです。冷温帯から暖温帯までの気候区分を含み、山地帯の奥山生態系、丘陵地の里地里山生態系、農地や都市のひろがる平野生態系、海辺の干潟や藻場といった里海・沿岸生態系、そして、河川・水辺生態系、湿地湿原生態系といった多種多様な生態系があります。

マップ

 


1 奥山生態系

 奥山生態系は三河地域の山地に位置しています。長野県、岐阜県、静岡県の山地と接し、県最高峰の茶臼山(豊根村)が含まれています。標高差は1,000m以上と県内で最も起伏量の大きい地域です。天竜川(県境)のほか、豊川、矢作川といった大きな河川が流れ、渓谷の美しい景色も見られます。

茶臼山 手入れされた人工林


2 里地里山生態系

 里地里山生態系は、三河地域の山地(奥山生態系)と平野部(平野生態系)に挟まれた地域で、尾張北東部や名古屋東部丘陵、知多半島、矢作川中流域、豊川中流域などの丘陵地を中心に広がっています。里地里山生態系の地質は、古く固い地質からなる山地の前面に第三紀層が展開することにより、尾張丘陵及び知多丘陵、岡崎平野の山麓地帯を形成しています。

里山 間伐作業


3 平野生態系

 平野生態系は、県西部の木曽川・庄内川中下流域に発達する濃尾平野、西三河の岡崎平野、東三河の豊橋平野などに成立し、市街地と郊外の広大な農地が広がっています。里地里山地域の前面にあたり、いずれもデルタ平野を形成しています。愛知県は、このデルタ平野の肥沃な土壌を活かし、古くから農業の盛んな地域です。

平野 彼岸花


4 里海・沿岸生態系

 愛知県は、太平洋に面するとともに、伊勢湾、三河湾という内湾を擁し、渥美半島の表浜のように直接外海に面した長い砂浜海岸や内湾の干潟、砂浜、磯浜などの自然海岸、堤防が築造された人工海岸など、変化に富んだ600kmに及ぶ海岸線を有しています。これらの海域及び海岸地域に成立した生態系が里海・沿岸生態系です。

いらご やまとおさがに


5 河川・水辺生態系

 愛知県には、木曽川、庄内川、矢作川、豊川といった4つの大河川が存在しており、これらをはじめとした多くの河川の水域から河岸までのエコトーン、湖沼やため池の水域から池岸までのエコトーンが河川・水辺生態系に該当します。河川生態系には、瀬、淵、水辺林(渓畔林・河畔林)、山付部、河原、砂州、みお筋、水際や高水敷の植生、ヨシ原、ワンド、堤防沿いの樹木など多様な環境が存在し、河川の上流、中流、下流でもそれぞれ特徴的な生態系を形成しています。

木曽川ワンド ダイサギ


6 湿地湿原生態系

 愛知県には、数多くの湧水湿地が分布しています。湧水湿地は、斜面が崩壊した場所や土砂が堆積した谷底面などを湧水が涵養することにより成立している湿地・湿原のことであり、尾張丘陵、知多半島、渥美半島及び三河山地に広く分布しています。「東海丘陵要素植物群」として知られるミカワシオガマ、シラタマホシクサなどの希少種を含む多くの植物と、ハッチョウトンボ、ヒメタイコウチなど多種の昆虫類が確認されており、豊田市の矢並湿地、上高湿地及び恩真寺湿地はラムサール条約にも登録されています。

葦毛湿原 ハッチョウトンボ


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