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松本里美さん その3

ページID:0232921 掲載日:2019年4月1日更新 印刷ページ表示

その3 多文化ソーシャルワーカー養成講座への参加

~愛知県多文化ソーシャルワーカー養成講座を修了して、シェイクハンズの活動に活かしたことはありますか~

 自分たちの活動は、一種のイベント屋と言われたこともありました。しかし、多文化共生が本当に必要になってきたと最近感じるようになってきたため、養成講座に参加しました。

 多文化ソーシャルワーカー養成講座は、参加者の立場性、専門性が様々。それぞれの見ているものが違います。養成講座に参加して自分が変わったかなと思うことは、これまではややもすると、全体主義のように子ども達に対応してしまっていたかもしれないと気づけたこと。最近では人権問題を意識しながら外国人の方々に関わるようになりました。日本語教室内で何らかの問題が生じて終了してもらうことになった場合でも、本人のためにきちんと終了してもらうためにはどのようにすべきか、スタッフで考えるようになりました。私はまだソーシャルワーカーの専門性を充分に身につけてはいないけれども、だからこそがむしゃらにこれからもやっていくしかない、そういう立場の人間がいてもいいかな…と思い日々頑張っています。応援対象者を、「クライエント」と呼ぶことに抵抗があるので。外国人は情報が不足していることが多く、相談してもらって初めて問題が明るみになります。そこで皆といろんな情報を交換したり、議論ができるのです。

~外国人の若者に伝えたいメッセージはありますか~

 外国人の生活問題は地域の問題です。外国人のことだからと深刻な問題を放置すると子ども達にしわ寄せが行ってしまいます。団地などは外国人に対して見る目が厳しいです。偏見、批判はなかなかほぐれない。犯罪予備軍は外国人だというのは思いこみ。日本人の若者も危うい所に位置していることもある。若者と親とを繋ぐことが大切です。外国人の若者には、「日本人より倍の努力が必要だけれど、その分、倍の未来・仕事が見つかるよ!!」と言いたいです。私は昔、10代のころ、調理師免許をとっていたのですが、ワンディシェフで今になってそれが活かされるなんてとても不思議な感じです。人生、無駄なことは何ひとつないのです。かならず過去の努力と経験は未来に活かされるのだと思います。

~シェイクハンズの夢は何ですか~

 シェイクハンズの大きな夢、目標の一つは、自分たちの拠点の施設を立ち上げることです。拠点があれば安心して皆が集うことができるからです。犬山在住の外国人住民だけでなく、働いている人も近隣の人も、そこで、いつでも自由に学習や交流することができる。勿論、子ども達も勉強できる場です。一つずつ夢に向かって目標をたてて、楽しく、歩んでいきたいと思うばかりです。明るい子ども達の未来とともに・・・

お話を伺ったのは平成22年の春でした。約1年目の平成23年4月24日、松本さんの夢の一つが叶いました。みんなが集える拠点が開所したのです。「寺小屋シェイクハンズ」です。寺小屋シェイクハンズのお披露目式には外国人の方ばかりでなく、地域の方や学校・保育園の先生方なども見学に来てくださったそうです。寺小屋シェイクハンズは、これからの多文化共生社会を担う地域の先駆的な拠点として、住民の方々に溶け込み愛されていくのではないでしょうか。