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本庁舎屋根改修工事について

ページID:0590130 掲載日:2025年12月24日更新 印刷ページ表示

本庁舎屋根改修工事(2022年10月~2026年1月)

1 本庁舎屋根改修工事の概要

 愛知県庁本庁舎は、1938年(昭和13年)に完成し、2014年(平成26年)に国の重要文化財に指定された建物です。2022年10月から2026年1月までの工期で銅板屋根の葺替えのための屋根改修工事を実施しました。​

 

改修前本庁舎全景

改修前

改修後本庁舎全景

改修後

 

〇主な改修内容

・直接仮設工事:免震装置付き鉄骨素屋根の設置

・躯体工事:軒裏モルタルの補修

・木工事:銅板屋根の木下地の補修

・屋根工事:銅板の葺替え

・雑工事:避雷針の撤去復旧 等

 

〇工事期間

2022年10月18日~2026年1月30日(40カ月)

 

〇参考:本庁舎建物概要

・構造規模 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上6階・地下1階・塔屋1階
・延床面積 28,314平方メートル
・竣工年月 1938年 ( 昭和13年)3月
・文化財登録 「登録有形文化財」(1998年登録)・「重要文化財」(2014年指定)

 

 

2 屋根改修工事の流れ

(1)素屋根の設置 屋根周囲に素屋根(自立式足場)を設置する。

素屋根外側

素屋根の外側

素屋根内側

素屋根の内側

 

(2)銅板の撤去 工事監督者による現況調査を経て、改修仕様を確定する。

銅板の撤去

 

(3)木下地の調査・補修 調査を経て、取り替える木材の範囲を確定する。(文化財保護の観点より、可能な限り再利用を検討する。)

木下地の調査・補修

 

(4)銅板の新設

銅板の新設

 

(5)葺替え完了、素屋根の解体

素屋根の解体

 

○参考:素屋根の概要について

・素屋根は、文化的価値の高い建物を雨風から守り、安全に工事を行うために屋根全体を覆うものです。

・素屋根構造は、素屋根の重量を建物だけで支持することができないため「自立式足場」を採用しました。

・建物が免震構造であり、地震時に素屋根と建物が一体の免震構造として可動する必要があるため、素屋根の柱脚部には「すべり支承」を設けました。

素屋根モデル

素屋根架構イメージ及び自立式足場モデル図(地上から柱で支える足場)

素屋根構造

柱の直下に設置されたすべり材が、表面処理を施した鋼板(すべり板)の上をすべることで、免震建物と素屋根が一体となって可動する。

○参考:木下地の補修について

・文化財保護の観点より、可能な限り既存木材を再利用しました。

・今回交換した木材には「令和四年度補修」と刻印をつけ、将来の修理において交換した時期が分かるようにしています。

木下地の継ぎ接ぎ

木下地の継ぎ接ぎ

改修時期の刻印

改修時期の刻印

○参考:葺替え直後の銅板について

・葺替え直後は銅の輝きがありましたが、現在は落ち着いた色になっています。

葺き替え直後の銅板屋根

 

 

3 今後の変化について

 本庁舎の屋根(瓦)は、改修前は緑青色に染まっていました。これは銅が酸化した結果見られる被膜によるものです。

屋根の修理工事後、銅色の屋根は徐々に酸化が進んで行き、改修前のような緑青色の屋根を見ることができるのは約30年後と言われています。

改修前

改修前の本庁舎屋根(緑青色の屋根)

改修後

改修後の本庁舎屋根(銅色の屋根)

○参考:本庁舎6階屋根部材展示コーナー

・本庁舎6階エレベーターホール(正庁前)に本庁舎模型と並んで、改修前に使用していた屋根部材を展示しています。

・御来庁の際はぜひご覧ください。

本庁舎屋根部材展示