| 厚生労働省は6月3日「水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項」(厚生労働省ホームページ参照)で、魚に含まれる微量の水銀が胎児に悪影響を及ぼす可能性があるとして、サメ、メカジキ、キンメダイ、クジラ類について妊婦を対象とした摂食の注意を呼びかけました。この「注意事項」は、平成13、14年度に実施された約300種、約2600検体の魚介類に含まれる水銀の含有量調査の結果と、わが国における魚介類の摂取状況等をふまえて検討されたもので、ここで示された魚種等を除き、現段階では水銀による健康への悪影響が一般に懸念されるようなデータはないこと、さらに、魚介類等の摂取は一般に人の健康に有益であり、この注意事項が魚介類の摂取の減少につながらないよう正確に理解されることを期待したいとされています。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■ 今回の「注意事項」は何に基づいているのか? わが国では今から30年前の昭和48年に魚等に水銀の暫定規制値が設定されました(昭和48年7月23日環乳第99号通知「魚介類の水銀の暫定的規制値について」)。水俣病が、メチル水銀に汚染された魚介類を長期間にわたり食べ続けた結果、水銀の蓄積が一定の量に達して発病したものと判明し、長期間摂取し続けても一定限界以内であれば発症量に達しないという観点から専門家会議で暫定基準について検討されました。専門家会議では、当時入手できる限りの内外の研究資料に基づき充分な安全率をみこんで検討した結果、総量規制として体重50kgの成人の一週間のメチル水銀の暫定摂取量限度を0.17mgと決め、これを前提とし、国民の最大平均魚介類摂取量を基として魚介類の暫定的規制値を0.4 ppmと定めました。検査の現場では、まず総水銀の検査を行ないその結果が0.4 ppmを超える場合は、さらにメチル水銀の検査を行ない、その結果が0.3 ppm(水銀として)を超えたものを、暫定的規制値を超えた魚介類と判定します。これらの魚介類が市場に流通しないように、当該魚介類の廃棄、販売の自主的規制などの適切な指導を行なうものとされています。 愛知県では、毎年、県内の市場やスーパーマーケットで売られている魚介類について、水銀の含有量調査を行なっています。ここでは、魚種ごとの総水銀濃度(水銀としてppm, ND:定量下限(0.01ppm)未満)を表に示しました。1989年から2002年までの14年間に当所で測定した値です。検体数が限られているので、あくまでも目安ですが、魚種と水銀濃度には次のような傾向が見られます。水銀濃度は食物連鎖の上位にいる魚ほど、つまり食性が肉食のものほど高濃度になります。また、魚種が同一であれば年齢の高い体長の大きいものほど高濃度になります。なお、メチル水銀濃度については、比較的高濃度に総水銀が検出された魚について当所で検査した結果、総水銀の約90%がメチル水銀でした。いずれにしても、今回の注意事項で示された魚種に比べて低い水銀含有量でした。
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