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食品に残留する農薬等の
ポジティブリスト制度について

2006年6月1日更新
2006年4月26日掲載


平成18年5月29日から食品中の残留農薬基準として、ポジティブリスト制度が施行されました。(平成15年5月30日公布「食品衛生法の一部を改正する法律」に基づく)

ポジティブリスト制度とは、基準が設定されていない農薬等が人の健康を損なうおそれのない一定量(一律基準)を超えて残留する食品の流通を原則禁止する制度です。

輸入食品の安全性に対する関心が高まっている一方、残留基準が設定されている農薬のみが規制の対象となる現行のネガティブリスト制度では、残留基準が設定されていない農薬等を含む食品の流通に対する規制が困難となっていました。新制度では、全ての農薬等に残留基準を作りリスト化し、リストにない農薬が使用された場合についても一定量を超えて含まれている場合には規制対象となり、食品の安全管理が強化されます。

従来の制度ネガティブリスト制度
残留基準値の設定がないもの、およびリストに無い農薬(海外使用農薬、無登録農薬等)の残留は規制できない
・例えばA農薬残留基準
(単位:ppm)
トマト1
キャベツ0.5
レタス基準値なし
ハクサイ基準値なし
基準値がない場合、A農薬がどれだけ残留しても規制対象とならない

ポジティブリスト制度化
残留する可能性のある農薬について、対象とする全ての食品毎に基準値を設定してリスト化
残留基準値の設定がないもの、およびリストに無い農薬も一律基準により規制対象となる
(単位:ppm)
トマト1
キャベツ0.5
レタス一律基準
ハクサイ一律基準
一律基準値(0.01ppm)を超えて検出されると規制対象となる

そもそも農薬は、農薬取締法により使用する農作物と病害虫の組み合わせが決められており、農薬の作物への使い方によって基準値が設定されています。したがってこの組み合わせにないものは残留基準が設定されておらず取り締まりの対象外となっていました。新規農薬の登録や輸入食品の増加に伴い、規制対象農薬数は年々増加し、2005年までに約240の農薬に残留基準が設定されてきました。しかし世界には700〜800種類の農薬が使用されているとも言われており、新しく導入されたポジティブリスト制度により、個別に残留基準の設定された約600の農薬に加え、残留基準が設定されていない全ての農薬についても原則規制されることになりました。

ポジティブリスト制度の導入により検査対象農薬数は大幅に増加しましたが、当研究所では、高感度検出機器を用いた多成分一斉分析法によるスクリーニング、および残留農薬モニタリングデータの情報により検出頻度の高い農薬を選択した効率的な分析を併用して、新制度に対応した検査を行なっていきます。

ポジティブリスト制度に関する詳しい内容については、厚生労働省のページをご覧ください。

(衛生化学部医薬食品研究室)

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