愛知県衛生研究所

麻痺性貝毒

麻痺性貝毒原因プランクトンの中ではアレキサンドリウム属のtamarenseという種類が三河湾(愛知県)でも見られます。毒成分の基本骨格は、サキシトキシンという化学兵器にも指定されている猛毒と同じものですが、それに付加する成分によって毒性は大きく異なり、三河湾では比較的毒性の低いC1(epi-GTX8)、C2(GTX8)という貝毒成分が見られています。その薬理作用はふぐ毒のテトロドトキシンと同じで、神経細胞のナトリウムチャンネルをブロックして細胞外からのナトリウムイオンの流入を阻害するため、まず始めに運動神経麻痺が起こり、それが次第に全身へと広がって最終的には呼吸麻痺により死に至ります。