ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

ハンセン病対策のページ 

人間回復の橋

人間回復の橋(邑久長島大橋・岡山県瀬戸内市)

 みなさん、ハンセン病という病気をご存知ですか?
 ここでは、ハンセン病の歴史について、また、ハンセン病に関する愛知県の取り組み等をご紹介します。

ハンセン病の歴史・愛知県の取組み

(1) ハンセン病とは、どんな病気?

 ハンセン病は”らい菌”による感染症の一種です。”らい菌”は1873年(明治6年)、ノルウェーのアルマウェル・ハンセンによって発見され、ハンセン病は彼の名前にちなんで名付けられました。
   ハンセン病はおもに皮膚や末梢神経などがおかされる病気で、外見上に特徴的な変形が生じたり、熱さ、冷たさ、痛みなどの感覚が麻痺するため、やけどや傷ができても分からなかったりすることがあります。

ご存知ですか?

  • ”らい菌”の感染力は非常に弱く、成人の場合はほとんど感染することはありません。感染しても発病することはまれで、これまで、療養所の医師や看護師などの職員にハンセン病になった人はいません。
  • 不治の病ではなく、現在では適切な治療により完治し、早期に治療すれば、身体に障害を残すことはありません。
  • 治癒後に残る変化は、単なる後遺症でしかありません。

 ハンセン病は以前、「らい病」「らい」などと呼ばれていましたが、現在では、過去の偏見・差別の歴史等を踏まえ「ハンセン病」の名称を使用しています。

(2) なぜ、差別されたのでしょう

 ハンセン病にかかった人々が不当な偏見・差別を受けてきたのはなぜでしょうか。 
 それは、次のような理由が挙げられます。

  •  隔離政策により、病気にかかるとハンセン病療養所に隔離されたり、住居が消毒されたりし て、感染力の強い病気、怖い病気という偏見や誤解が広まったこと。
  • 皮膚や末梢神経が侵され、変形や機能障害が生じ、顔や手足に一見してハンセン病と分かる症状が出たこと。
  • 有効な治療薬プロミンが昭和22年に国内で使用されるようになるまでは、発病すると病気が進行してしまい、不治の病と考えられたこと。

(3) 何が誤っていたのでしょう

 明治40年(1907年)制定の法律「癩(らい)予防ニ関スル件」、昭和6年(1931年)制定の「癩予防法」及び昭和28年(1953年)制定の「らい予防法」には、それぞれハンセン病患者の隔離が規定されていました。これらの法律には退所の規定がないこともあり、病気が治ったとしても、社会に戻れる人はほとんどいませんでした。 
   療養所長には懲戒検束権(ちょうかいけんそくけん:下記参照)が付与され、また逃亡防止のための特別病室(重監房)の設置や園内通用券(下記参照)の発行が行われたこともありました。乳幼児は感染しやすいということから(抵抗力が弱いため)、療養所内において断種や、人工妊娠中絶が行なわれていたこともあります。 
   また、らい(ハンセン病)患者を県からなくそうとする「無癩県運動(むらいけんうんどう)」が官民一体となって行われたときもありました。

  • 懲戒検束権とは?
     大正5年に定められ、療養所長に、7日以内常食量2分の1までの減食、30日以内の監禁などの懲戒又は検束の権限が与えられました。
  • 園内通用券とは?
      療養所では、入所者の逃亡を防止するため、お金の代わりにその療養所内でしか通用しない金券を発行しました。

 ハンセン病の原因である”らい菌”の感染力は弱く、かつ、かりに感染しても発病することは極めてまれな病気です。 
  しかしながら、ハンセン病は、恐ろしい病気であるという誤解から、ハンセン病にかかった人々は、このように長い間、人権を侵害されてきたのです。

隔離政策に反対した人物  小笠原 登 医師

 明治21年7月10日、愛知県あま市にある圓周寺(えんしゅうじ)の三男として生まれ、大正15年から京都帝大(現在の京都大学)でハンセン病治療を担当。ハンセン病の発病は体質によるところが大きいこと、ハンセン病は不治ではないこと等の考えから、当時の強制隔離、断種に反対しました。82歳で死去。
 ハンセン病患者に対し献身的な医療活動をされ、人権擁護も含め公共の福祉増進に尽くされた功績から、平成19年8月5日、旧甚目寺町(現あま市)より名誉町民の称号が授与されました。

(4) 回復者の方は今・・・

 全国で1,725名(平成27年5月1日現在)の方が、14か所のハンセン病療養所(国立13か所、私立1か所)で生活しています(愛知県出身者 67名 7か所:平成28年4月1日現在)。すでにほとんどの方はハンセン病が治っていることから入所者と呼ばれています。入所者の平均年齢は、約84歳と高齢となっています。
 入所者は自由に療養所を退所、再入所することができますが、高齢化、後遺症、ハンセン病への誤った偏見・差別のために、多くの方は現在も療養所で生活しています。

(5) 最近の動向について

平成8年の「らい予防法」廃止以降、どのような出来事があったのでしょうか?

最近の動向
動き内容
司法の動き○熊本、鹿児島両県の元患者13人が、「らい予防法」により強制隔離され、人権侵害を受けたとして、平成10年7月、熊本地裁に国家賠償を求めて提訴しました。
 この「らい予防法違憲国家賠償請求訴訟」において、平成13年5月11日に熊本地裁は、国の全面的な責任を認め、総額18億余円の賠償を命じました。
国の動き

○上記の判決について、国は、控訴断念を決定し、平成13年5月25日をもって判決が確定しました。小泉純一郎首相は談話を発表し、謝罪をしました。
 6月7日には衆議院で、6月8日には参議院で「ハンセン病に関する決議」を採択しました。また、「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」が6月22日に公布され、施行されました。
○「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が平成20年6月18日に公布され、平成21年4月1日から施行されました。
○ハンセン病隔離政策による被害者の名誉回復と追悼のための石碑が厚生労働省の玄関前に建てられ、平成23年6月22日に除幕式が開かれました。

愛知県の動き

○知事のお詫びのメッセージ(13年6月~7月)
  職員が愛知県出身者の入所している全国の9療養所へ届けました。
○愛知県議会の決議(13年7月)
  ハンセン病対策に全力で取り組む決議を行いました。
○知事、県議会議長等の面談(13年9月、15年10月、18年10月、19年10月、20年10月、21年10月、22年10月、23年10月、24年10月、25年10月、26年10月)
  駿河療養所の入所者9名が愛知県を郷土訪問された際、知事、県議会議長が面談し、お詫びと反省の言葉を述べました。(13年9月)
 入所者が愛知県を郷土訪問された際、知事、県議会議長が面談し、意見要望等を伺っております。(15年以降)                      平成26年10月は、多磨全生園、長島愛生園、邑久光明園の3名の入所者と面談しました。

○知事の療養所訪問(15年4月、16年8月、18年3月、18年9月、19年7月、20年7月、21年7月、22年4月、23年7月、24年5月、25年8月、26年7月、27年8月)
  知事が長島愛生園(4回)、邑久光明園(3回)、多磨全生園(4回)、駿河療養所(3回)、神山復生病院及び菊池恵楓園(2回)を訪問し、納骨堂への献花及び本県出身の入所者との面談を行いました。

知事面談
(平成27年11月25日、県議会議事堂にて面談)

(6) 私達にできることは・・・

 隔離政策が長く続き、ハンセン病の方は多くが隔離され、社会からは遠ざけられた存在となっていました。現在隔離政策はありませんが、大部分の方は療養所で生活されており、また、国内では新規患者は年間数名程度ということもあり、ハンセン病患者(または入所者)を身近で知っている方は少ないと思います。また、若い世代ですと、ハンセン病という病気を知らないという方もいらっしゃるかもしれません。
 しかし、人権という観点から考えた時、ハンセン病に対しての国の施策、行政が行ってきたこと、並びにハンセン病にかかった人々の重い歴史は、私達が知っておかなければならないことではないでしょうか。 私達一人ひとりが、歴史を振り返り、過去の反省にたってこれからのことを考えていく必要があるといえるでしょう。
 ハンセン病回復者方々は、本当は故郷に帰りたいのかもしれません。しかし、家族に遠慮してそれを言い出せない人がいます。また、家族が行方不明で帰る場所がない人もいます。隔離政策が長期間続いたために、入所者の方は社会生活が困難になっています。

私達にできることは、何でしょうか?

  • ハンセン病と人権について、話し合ってみましょう。
  • ハンセン病療養所や資料館を訪ねてみましょう。
  • 療養所を退所された方が近くにいらっしゃったら、積極的に交流してみましょう。
  • 他に何ができるか考えてみましょう。

 ハンセン病についての正しい知識をもち、それをみんなに伝え、社会から偏見・差別をなくしましょう。そして、ハンセン病回復者の方々とその家族が安心して暮らせるよう支援しましょう。
 どんな病気であっても、その人の人権が損なわれることがあってはなりません。

(7) 愛知県のハンセン病施策

 愛知県では、ハンセン病に対する取り組みとして、次のような事業を行っています。

  • 療養所への訪問
  • 入所者の方の郷土訪問
  • 療養所への地元新聞の送付
  • 在宅者のための専門医による療養相談
  • 啓発事業(リーフレット作成配布、パネル展等)

 今後も、ハンセン病回復者の方々の意見・要望をお聞きしながら、ハンセン病対策に取り組んでいくことにしています。

ハンセン病相談窓口

 愛知県では、ハンセン病に関する専任の保健師が、入所されている方、在宅の方などの相談に応じています。 
  連絡先:健康福祉部保健医療局健康対策課原爆・難病企画グループ 
  電話:052-954-6268(ダイヤルイン)

(8) ハンセン病年表

 古くから、「業病」、「天刑病」(悪行のたたり)として、偏見・差別の対象となり、故郷を離れて浮浪徘徊し、社寺仏閣で物乞いする人が少なくありませんでした。
ハンセン病年表
西暦和暦内容
1873年明治6年ハンセン(ノルウェー)が”らい菌”を発見
1897年明治30年第1回国際らい会議で感染説が確立
1907年明治40年法律「癩予防ニ関スル件」制定
1909年明治42年第2回国際らい会議で”らい菌”の感染力が弱いことを確認
1915年大正4年結婚を許す条件として患者の断種を開始
1916年大正5年療養所長に懲戒検束権を付与
1929年昭和4年「無らい県運動」愛知県の民間運動が発端になり始まる
1931年昭和6年「癩予防法」制定
1940年昭和15年厚生省が「無らい県運動」の徹底を通知
1947年昭和22年国内で治療薬プロミンの使用始まる
1953年昭和28年「らい予防法」制定
1954年昭和29年愛知県内の婦人団体が療養所訪問始める
1960年昭和35年WHO(世界保健機関)が差別法の撤廃、及び外来治療を提唱
1963年昭和38年愛知県が外来診療開始 (現在は、療養相談として実施)
1988年昭和63年人間回復の橋(邑久長島大橋・岡山県)開通
1993年平成5年高松宮記念ハンセン病資料館(東京都東村山市)開設
1996年平成8年「らい予防法」廃止
2001年平成13年らい予防法違憲国家賠償請求訴訟の熊本地裁判決
「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」公布・施行
2004年平成16年愛知県が「ハンセン病の記録」作成
2005年平成17年「ハンセン病問題に関する検証会議」が『最終報告書』を公表
2006年平成18年「第2回ハンセン病問題に関するシンポジウム」愛知県にて開催
2007年平成19年国立ハンセン病資料館 再開館
2009年平成21年「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が平成21年4月1日から施行
  • 愛知県の療養相談
     ハンセン病回復者の方は、療養所を退所してしまうと、ほとんど診療が受けられなくなることから、愛知県では、在宅で診療が必要な方のために、療養所の専門医を招いて診療を行っていました。現在は、療養相談を定期的に行っています。
  • 人間回復の橋(このページの先頭の写真です。)
     岡山県瀬戸内市邑久町の離島、長島には、ハンセン病療養所の長島愛生園と邑久光明園があります。この離島と本土を結ぶ邑久長島大橋は、昭和63年に開通しました。
        この橋により、療養所と社会が1本の橋でつながり、交流できるようになったことから、「人間回復の橋」と呼ばれています。
  • 「ハンセン病の記録」
     愛知県では、歴史を振り返り、ハンセン病に関する正しい知識の普及を図るため、各種の歴史的資料や施設入所者の手記等をまとめた冊子「ハンセン病の記録-ハンセン病とともに・偏見差別のない愛知をめざして-」 を平成16年5月に作成しました。

(9) リンク

〈ハンセン病療養所等一覧〉
※下線のついている療養所名・資料館名をクリックすると、各ホームページへジャンプします。
  ・松丘保養園
      ・東北新生園
      ・栗生楽泉園 (愛知県出身者在住療養所)
      ・国立ハンセン病資料館
      ・多磨全生園 (愛知県出身者在住療養所)
      ・神山復生病院 
      ・駿河療養所 (愛知県出身者在住療養所)
      ・長島愛生園 (愛知県出身者在住療養所)
      ・邑久光明園 (愛知県出身者在住療養所)
      ・大島青松園 
      ・菊池恵楓園 (愛知県出身者在住療養所)
      ・星塚敬愛園 (愛知県出身者在住療養所)
      ・奄美和光園
      ・沖縄愛楽園
      ・宮古南静園
 全14療養所のうち、神山復生病院は私立、それ以外の13療養所は国立です。(各国立療養所にはこのページからリンクしています) 
   愛知県出身者は、全国7療養所に入所されています。

 〈厚生労働省〉 ~ハンセン病に関する情報ページ~
    ○問合せ先 厚生労働省健康局難病対策課ハンセン病係
        電話:03-5253-1111 (内線2369)
        厚生労働省ホームページ

問合せ

 地域で暮らしておられるハンセン病回復者の方を対象に、療養相談(専門医による医療相談)を行っています。その他の相談にも対応します。
 ハンセン病に関するパネルの貸出し、その他、図書やビデオなどの啓発資材に関する情報を提供します。
学校その他での、ハンセン病問題についての知識普及・啓発にご利用ください。
 これらにつきまして、健康対策課原爆・難病企画グループまでお気軽に問合せください。

問合せ

愛知県 健康福祉部 保健医療局健康対策課
原爆・難病企画グループ
電話:052-954-6268(ダイヤルイン)
E-mail: kenkotaisaku@pref.aichi.lg.jp

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)