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喫煙によるがんのリスク

喫煙によるがんのリスク

 喫煙は肺がんを始め呼吸器、消化器系のがんとの間に因果関係があるとされています。さらに、心臓病などさまざまな生活習慣病の原因になることが指摘されています。

 また、喫煙は喫煙者本人のみならず周囲の非喫煙者にも影響を及ぼします。

 がんの予防の推進にあたって、喫煙対策は重要な課題となってきます。禁煙することにより、さまざまながんのリスクを下げることができます。

 

喫煙とがんの関連の大きさ

 喫煙によってがんのリスク(がんになる、またはがんで死亡する危険性)がどれくらい上昇するかは、「相対リスク」という数値で表現されます。これは、たばこを吸わない人を1として、たばこを吸っている人のがんのリスクが何倍になるかを表します。

 表1に、日本における喫煙とがん死亡についての相対リスクを示します。喫煙によるがん死亡の相対リスクは、男性で2.0倍、女性で1.6倍でした。これは、たばこを吸う人のがんで死亡するリスクが、吸わない人に比べて男性で2倍、女性で1.6倍であることを意味します。がん種別にみると、男性では喉頭(こうとう)がん、尿路がん(膀胱(ぼうこう)・腎盂(じんう)・尿管)、肺がんで5倍前後と高く、女性では肺がんで4倍、子宮頸がん、口唇・口腔・咽頭がんで2倍以上と高くなっています。男性の相対リスクが女性に比べて高いのは、同じ喫煙者でも男性のほうが喫煙本数が多く喫煙年数が長いためであると考えられます。男性の喫煙率が下がり喫煙率の男女差が小さくなったアメリカでは、肺がんの死亡率の男女差も小さくなりつつあることが報告されています。

 がんの原因のうち喫煙がどのくらいの割合を占めるかを表す指標として、「人口寄与危険割合」があります。これは、がんの原因全体を100%として、そのうち何%が喫煙で説明できるか、を表します。表2に、日本のがん死亡における喫煙の人口寄与危険割合を示します。がん全体では、男性で39%、女性で5%が喫煙が原因であると考えられています。がん種別では、男性の肺がん、喉頭がん、尿路がん(膀胱・腎盂・尿管)で約70%と高く、女性でも肺がんでは20%と他のがん種に比べて高くなっています。女性に比べて男性で人口寄与危険割合が高いのは、男性の喫煙率が女性より高いことが主な原因です。

表1 日本における喫煙とがん死亡についての相対リスク*と人口寄与危険割合**-3コホート併合解析研究(1983年~2003年)
がん種
相対リスク人口寄与危険割合(%)相対リスク人口寄与危険割合(%)
全がん2.0391.65
口唇・口腔・咽頭2.7522.07
食道3.4611.912
1.5251.23
肝・肝内胆管1.8371.75
膵臓1.6261.88
喉頭5.573
4.8693.920
子宮頸部  2.39
腎盂を除く腎臓1.6300.6-1
尿路(膀胱・
腎盂・尿管)
5.4721.93
骨髄性白血病1.5351.00

*   相対リスク:たばこを吸わない人を1として、たばこを吸う人のがんのリスクが何倍になるかを示す指標
** 人口寄与危険割合:がんの原因のうち喫煙がどのくらいの割合を占めるかを表す指標(%)
(注)人口寄与危険割合は、相対リスクが1の場合は0となり、相対リスクが1未満の場合は負の値となります。

資料:Journal of Epidemiology, 18: 251-264, 2008

出典「独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター」

禁煙の効果

 喫煙とがんとの関連は、禁煙した人のリスク(がんになる、またはがんで死亡する危険性)が吸い続けた人と比べて下がることによっても示されています。表2は、2007年に国際がん研究機関(IARC)が報告した、禁煙によるリスクの低下についての評価です。

 たばこを吸い続けた人より禁煙した人のほうがリスクが低いがんとして、口腔がん、食道がん(扁平上皮癌)、胃がん、肺がん、喉頭がん、膀胱がん、子宮頸がん(扁平上皮癌)があります。膵臓がん、腎細胞がんについても研究報告は少ないものの、禁煙した人は喫煙継続者よりがんのリスクが低いとされています。

 これらほとんどのがん種で、禁煙してからの期間が長くなるほどリスクが低くなります。特に、子宮頸がん(扁平上皮癌)では、禁煙後急速にリスクが下がり、その後、たばこを吸ったことがない人のレベルまで下がり続けます。また喉頭がんでも、禁煙後急速にリスクが低くなり、10~15年でリスクが約60%下がります。肺がんは、禁煙後5~9年でリスクが下がり始めます。肺がんは、禁煙後のリスクがたばこを吸ったことのない人のレベルまで下がることは難しいですが、禁煙する年齢が若いほど禁煙の効果は大きくなり、何歳で禁煙をしてもリスクは下がります

表2 国際がん研究機関(IARC)による禁煙とリスク低下に対する評価
がん種禁煙の効果
(1)禁煙した人のリスクが現在喫煙者より低いか(2)禁煙継続によりリスクが低下するか(3)たばこを吸ったことがない人のレベルまでリスクが低下するかその他
口腔禁煙後20年以上で非喫煙者のレベルまでリスクが低下することを示す複数の研究がある。
上咽頭・鼻腔 
食道リスクの低下は扁平上皮癌で認められる。禁煙後10年で非喫煙者の2倍のレベルまでリスクが低下する。腺癌に関する研究報告は少なく、関連を判断するには不十分。
禁煙する年齢が若いほどリスクは低下する。禁煙期間の影響については研究報告が少ない。
肝臓禁煙者のリスクは現在喫煙者より低いと考えられるが、地域によって研究結果が一致しない。
膵臓禁煙後リスクは低下するが、少なくとも禁煙後15年は非喫煙者よりリスクが高い。
喉頭禁煙後、急速にリスクが低下し、10~15年で約60%低下する。
禁煙後5~9年で現在喫煙者と比べて明らかにリスクが低下する。
子宮頸部リスク低下は扁平上皮癌で認められる。禁煙後、非喫煙者のレベルまで急速にリスクが低下する。
腎細胞禁煙期間の影響については研究報告が少ない。
膀胱がん禁煙後リスクは低下するが、少なくとも禁煙後25年は非喫煙者よりリスクが高い。
骨髄性白血病 

(1)禁煙した人のリスクが現在喫煙者より低いか 

 ◎:禁煙した人のリスクは現在喫煙者より低い

 ○:禁煙した人のリスクは現在喫煙者より低いと考えられる

 △:禁煙した人のリスクは現在喫煙者より低いと考えられるが、研究報告は限られている 

*:研究報告が一致していない

(2)禁煙継続によりリスクが低下するか

 ◎:禁煙後、現在喫煙者と比べて急速にリスクが低下する 

○:禁煙後、禁煙期間が長いほど現在喫煙者と比べてリスクが低下する

 -:情報が不十分

(3) たばこを吸ったことがない人のレベルまでリスクが低下するか 

◎:禁煙後、たばこを吸ったことがない人のレベルまでリスクが低下する

 ○:禁煙後、長期間かかるがたばこを吸ったことがない人のレベルまでリスクが低下する 

△:禁煙後、現在喫煙者と比べてリスクは低下するが、たばこを吸ったことがない人のレベルまでは低下しない 

*:禁煙後、たばこを吸ったことがない人のレベルまではリスクが低下しないと考えられるが、研究報告が限られている 

-:情報が不十分

(空白):記載なし

資料:国際がん研究機関 がん予防ハンドブック たばこ対策 第11巻(2007年)

出典「独立行政法人国立がん研究情報センターがん対策情報センター」

問合せ

愛知県 健康福祉部 保健医療局健康対策課
がん対策グループ
電話:052-954-6326(ダイヤルイン)
E-mail: kenkotaisaku@pref.aichi.lg.jp