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家畜衛生情報(平成17年1月〜6月)(東三河家畜保健衛生所)


《平成17年6月》

○第19回愛知県子山羊品評会並びに山羊セリ市開催される

 平成17年6月10日、愛知県緬山羊協会主催の子山羊品評会が、豊川市の宝飯豊川畜産農業協同組合の家畜市場において盛大に開催されました。
 この春産まれた県内産の子山羊41頭(雄18頭、雌23頭)が出品され、多くの報道関係者や幼稚園児たちが見守る中、当所の花木所長を始め3名の審査員により厳正な審査が行われました。
 その結果、
 最優秀賞(知事賞)には、新城市の川窪直一さん出品の雄「三河川窪05-1-6」号が選ばれました。
 優等賞には雄の部で作手村の今井幹男さん出品の「今菜睦月135」号、雌の部では新城市の大嶌道久さん出品の「ゆき05-905」号が選出されました。
 また、品評会終了後、全国的にここを含めわずか3か所となったセリ市が開かれ、在来種であるシバ山羊を含め大小さまざまな山羊140頭が上場されました。
 山羊の乳は、牛乳と比べて脂肪球がより細かいために消化吸収に優れ、健康食品として見直されてきています。また、低カロリー・ヘルシーな肉としての需要の他、ふれあい展示動物やアニマルセラピーへの利用も注目されています。粗食に耐え、子供や女性でも容易に扱える山羊を有効活用し、私たちの生活がさらに豊かで実りあるものになるよう願っております。
 セリ市の売買価格は、次のとおりです。前回よりかなり高値で取引されました。

山羊セリ市市況
市場開催 区分 入場頭数 売買頭数 最高価格 最低価格 平均価格
今回
平成17年6月10日
84 77 45,150 2,100 21,409
56 52 42,000 3,150 14,740
140 129 45,150 2,100 19,166
前回
平成17年6月10日
46 39 43,050 3,150 19,608
55 55 32,550 210 11,366
99 95 43,050 210 14,837

○めん羊、山羊等への牛専用飼料の給与が禁止されます

 現在、めん羊、山羊、しか(以下、めん羊等)を牛用の飼料で飼っている農家もあることと思います。牛専用飼料(牛用飼料添加物を含む飼料のこと)をめん羊等の飼料とすること(製造、販売、給与など)は平成15年7月1日付けで禁止されています。
 2年間の経過措置によって、飼料の給与については禁止されていませんでした。経過措置の終わる7月1日以降は、給与についても禁止となりますので、以前に購入した牛用飼料については給与を停止するか、若しくは、飼料販売元にめん羊等への使用の可否について、確認ください。また、新規に購入される飼料についても、めん羊等に給与できることを業者にご確認ください。

○中国で継続発生している口蹄疫に対する防疫を

 中国の東部の省において牛の口蹄疫が発生したというニュースについてはすでにご存じと思います。その後も中国では口蹄疫の発生が継続しており、国は5月27日より、中国からの「偶蹄類および家きんの加熱処理肉等」並びに「穀物のわら」および「飼料用の乾草」の輸入を一時停止する措置をとっています。
 個人レベルでできる防疫として以下の事柄を徹底して、中国からの口蹄疫侵入防止に努めてください。

  • 養牛および養豚農場
  •  1)農場の清掃・消毒・出入りの制限
  •  2)中国産輸入粗飼料中に糞などの異物を発見した場合の給与中止、ならびに家畜保健衛生所、購入元への連絡
  •  3)給与する畜産物残渣の加熱処理
  •  4)中国からの旅行者(帰国者)については、入国直後には農場に入れない
  •  5)中国の畜産農場に由来する物品を持ち込まない
     
  • 中国への旅行者(入国者)
  •  1)畜産農場への訪問を自粛
  •  2)偶蹄類由来の畜産物は加熱処理したもの以外は持ち込まない
  •  3)やむを得ず畜産農場を訪問した場合は、靴底消毒、衣服の洗濯、入浴をする

○平成17年度の豚の抗体検査結果について

 今年度、4月から6月にかけて東三河管内の養豚農家165戸で豚1457頭の抗体検査を行ないましたが、その結果は表1〜3の通りでした オーエスキー病は165戸1457頭すべて陰性でした。トキソプラズマ病は1457頭中44頭陽性で陽性率は3.0 %でした。昨年度の陽性率1.7 %に比べやや増加傾向でした。猫やネズミの侵入に気を付けましょう。
 豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)は1457頭中1158頭陽性で陽性率は79.5 %でした。昨年度の陽性率77.1 %と比べほぼ同様の傾向でした。

表1 オーエスキー病 (ラテックス凝集試験)
地 区 検査戸数 陽性戸数 農場別陽性率(%) 検査頭数 陽性頭数 個体別陽性率(%)
豊川宝飯地区 20 0 0.0 180 0 0.0
豊橋地区 55 0 0.0 519 0 0.0
田原渥美地区 80 0 0.0 678 0 0.0
新城鳳来地区 10 0 0.0 80 0 0.0
合計 165 0 0.0 1457 0 0.0
表2 トキソプラズマ病 (ラテックス凝集試験)
地 区 検査戸数 陽性戸数 農場別陽性率(%) 検査頭数 陽性頭数 個体別陽性率(%)
豊川宝飯地区 20 1 5.0 180 3 1.7
豊橋地区 55 9 16.4 519 10 1.9
田原渥美地区 80 18 22.5 678 23 3.4
新城鳳来地区 10 3 30.0 80 8 10.0
合計 165 31 18.8 1457 44 3.0
表3 豚繁殖・呼吸障害症候群 (PRRS)(エライザ試験)
地 区 検査戸数 陽性戸数 農場別陽性率(%) 検査頭数 陽性頭数 個体別陽性率(%)
豊川宝飯地区 20 12 60.0 180 106 58.9
豊橋地区 55 47 85.5 519 431 83.0
田原渥美地区 80 78 97.5 678 588 86.7
新城鳳来地区 10 5 50.0 80 33 41.3
合計 165 142 86.1 1457 1158 79.5

○高病原性鳥インフルエンザ情報(平成17年6月)

  1. 中国での高病原性鳥インフルエンザ発生状況(その1)
    • 5月23日、OIEEが中国政府からの緊急通報を回覧
    • ・報告日:5月21日
    • ・診断方法:臨床及び精密検査(5月18日確定)
    • ・初発:5月4日
    • ・推定ウイルス侵入日:
    • ・発生場所:青海省(渡り鳥の生息地域)
    • ・感染群:死亡した渡り鳥(519羽)
    • その後の中国農業省の報告によると、感染して死んだ渡り鳥は1,000羽を越えた。
  2. 中国での高病原性鳥インフルエンザ発生状況(その2)
    • 中国新彊ウイグル自治区塔城市の飼育場で、ガチョウ1,042羽が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、このうち460羽が死亡したことを、中国政府から通報を受けた香港特別行政区政府が6月8日、明らかにした。
    • 特区政府によると、地元の衛生当局が、同じ飼育場のガチョウ約13,000羽を処分し、周辺を封鎖した。
     
  3. アメリカ・ニューヨーク州からの家きん肉等の一時輸入停止措置
    • (1) アメリカの一部の州では、従来から弱毒タイプの鳥インフルエンザが発生しており、これらの州からの家きん肉等については輸入を禁止されている。
    • (2) このため、同病の我が国への侵入防止に万全を期すため、農林水産省は6月9日、新たに発生が確認されたとして、ニューヨーク州からの家きん肉等の輸入を、同日付けで一時停止したと発表。当該輸入停止措置については、当該州における同病の清浄性が確認されるまでの間継続される。
    • (3) アメリカからの輸入停止は、コネチカット州、ニュージャージー州に次いで3州目。
    •    (農林水産省からの情報及びインターネット情報を要約)

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《平成17年5月》

○人畜共通感染症としての日本脳炎

 初夏が近づき、蚊の発生する季節となりました。
 蚊といえば養豚家の皆さんには母豚に異常産を起こす「日本脳炎」が頭に浮かぶのではないでしょうか。日本脳炎ウイルスは妊娠豚が感染すると異常産を、種雄豚は造精機能障害を起こしますが、肥育豚では症状がなく体内でウイルスが増える、いわゆる増幅動物となります。感染は豚から豚への直接感染ではなく、蚊の吸血行為による伝播により感染していきます。 
 したがって、病気の流行は蚊の発生時期と密接に関係しています。母豚は感染時には異常を示さず、分娩予定日前後になって異常子を娩出することとなりますので、8月から11月が異常産のピークとなるようです。
 県内各地の家畜保健衛生所では、毎年夏にワクチン未接種豚の抗体調査を行なっています。昨年は知多家畜保健衛生所管内で8月に豚への感染が認められています。
 予防には生ワクチン接種が主流となっていますが、不活化ワクチンと組み合わせて数回接種する方法をお勧めします。
 接種時期としては異常産のピーク時期などから、また接種から免疫を獲得するまである程度時間を要するため、ウイルスが活動する1か月前の6月末までには最終接種を終えるようにしてください。

 [人と日本脳炎]
 名前は日本脳炎ですが、その発生は日本のみでなくアジア、オセアニア地方で広く発生し、WHOは毎年5万人が感染し1万人以上が死亡するとしています。
 毎年厚生労働省は、人での日本脳炎の流行予測に役立てるために、研究機関(国立感染症研究所)による全国日本脳炎豚情報をネット上で公表しています。
 これによると、昨年はおとなりの三重県で8月9日の調査で抗体陽性の豚が確認されているようです。いずれにせよ人間も、蚊に刺されないよう忌避剤などを有効利用して刺されない対策を取ることと、厚労省プログラムにしたがったハイリスクグループのワクチン接種を実施することが重要となります。

  具体的な接種パターンの一例(L-K)
 第1回目の生ワクチン接種(5月中旬) → 4週間 → 第2回不活化ワクチン(6月中旬)

○家畜伝染病発生情報(ニューカッスル病)

  1. 発生農場
    福岡県小郡市岩田の愛玩鶏飼養者(飼養羽数 64羽)
  2. 経緯
    5月2日の朝、飼養鶏1羽が死亡し、沈うつ等の症状を呈する鶏が数羽確認されたことから、市役所経由で管轄する家畜保健衛生所に届出があった。
    病性鑑定の結果、検査材料よりニューカッスル病ウイルスが分離されたため、5月5日に本病と決定。なお、今回の発生はニューカッスル病ワクチン未接種の愛玩鶏飼養場所での発生であった。
  3. 主な防疫対策
    • (1) 発生場所を中心とした半径3km以内の採卵鶏農場(1戸)と同地区愛玩鶏飼養者(6戸)への立入検査
    • (2) 本病のまん延を防止するため、発生場所における本病の病原体を拡げるおそれのある物品の移動を、当分の間禁止するとともに、発生場所周辺で飼養される鶏等の本病の病原体を拡げるおそれのある物品の移動自粛を要請。

○獣医師の皆様へ 〜診療簿等の電磁的記録による保存について〜

 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信技術の利用に関する法律の施行に伴い、この4月から、診療簿、検案簿、及びエックス線使用状況記載帳簿(以下診療簿等)について、電磁的記録の作成、保存ができるようになりました。
 診療簿等の電磁的記録については保存記録の見読性、機密性、完全性の問題等、多くの留意点がありますので、下記のとおり、パスワード管理の徹底、記録責任の明確化、並びにプライバシー保護等、十分に留意されますようお願いいたします。

  1. 存記録の機密性の確保
     保存記録にアクセスできる人間を限定して、パスワード管理を徹底する等、電磁的記録に記録された
     事項へのアクセスを許されない者からのアクセスを防止する措置を講じること。
  2. 保存記録の完全性の確保
    (1)法令に定める保存義務期間内、復元可能な状態で保存すること。
    (2)保存義務期間中における電磁的記録に記録された事項の改変または消去の事実の有無及びその内容を確認することができる措置を講じること。
    (3)作成責任の所在を明確にすること。
  3. その他
    (1)診療施設の管理者は、診療簿等の電磁的記録の保存に関する運用管理規程を定め、これに従って当該電磁的記録の運用を行うこと。
    (2)運用管理規程には、以下の事項を定めること。
    • ア 運用管理を総括する組織・体制・設備に関する事項
      イ 診療簿等の電磁的記録の見読性、機密性及び完全性の確保に関する事項
      ウ 飼育動物の所有者等のプライバシー保護に関する事項
      エ その他適正な運用管理を行うために必要な事項
    (3) 飼育動物の所有者等のプライバシー保護に十分留意すること。

○ヨーネ病を撲滅するために

 今年も牛の定期検査が始まります。
 支所では5月23日から、本所は6月6日からヨーネ病の検査開始となります。ヨーネ病を撲滅するために、予防方法についてお知らせします。

ヨーネ病とは  
 牛の法定伝染病で、ヨーネ菌とよばれる細菌が病原体です。ヨーネ菌は、牛に感染すると腸の粘膜内で少しずつ増え、糞便や乳汁に排出されます。ヨーネ菌を含む糞便等で環境などが汚染されると、餌や水を介して口から感染します。腸の粘膜が発育途中である幼齢の子牛は、特に感染しやすい傾向があるので、哺育期の管理に注意が必要です。
 ヨーネ病は感染から発病するまでの期間が1年から数年と長く、この間症状もなく検査で見つけにくい病気です。また、有効なワクチンや治療薬がありません。
 そのため、愛知県では平成11年より定期検査にて、隔年でヨーネ病のELISA(エライザ)検査を実施し、ヨーネ病の摘発・淘汰に努めています。
予防・撲滅するためには
 検査による感染牛の早期発見と早期淘汰
 畜舎内外の消毒と踏み込み消毒槽の設置
 子牛の早期隔離と専用牛房での育成 哺育期に「感染させない」管理として、分娩後における子牛の速やかな隔離と、カーフハッチ等子牛専用牛房での育成を心がける。搾乳牛の後ろに子牛をつなぐことは、感染の危険性大です。
 初乳は加熱処理した物、もしくは初乳製剤を給与
初乳の加熱処理とは  
初乳を63 ℃〜65 ℃30分による低温長時間殺菌処理をする。(初乳に含まれるビタミン・ミネラルのほとんどは加熱の影響を受けない。)
初乳製剤とは  
健康な牛の初乳を乾燥粉末にした製品。温湯に溶いて給与する。

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《平成17年4月》

○家畜伝染病発生情報(ニューカッスル病:福岡県 平成17年4月27日)

  1. 発生農場
     福岡県小郡市干潟のブロイラー農場(18棟 飼養羽数27,500羽)
  2. 経緯
     3月29日に入すうした1,500羽の群が、4月3,4日のワクチン接種(飲水投与)後、19日になって衰弱鶏が見られ、20日に死亡、廃用が増加した。そのため、家畜保健衛生所に届出があり、22日に本病と決定。
     20日から22日までに120羽(8 %)が死亡。
  3. 主な防疫対策
    (1)発生農場を中心とした半径3km以内の農場(6戸)への立入検査
    (2)本病のまん延を防止するため、発生農場及び隣接農場の鶏及びその死体、本病の病原体を拡げるおそれのある物品の移動を、当分の間禁止

    なお、福岡県では、16年12月から17年1月にかけて、別のブロイラー農場で本病の発生がありましたが、疫学的には関連はないもようです。

○家畜伝染病発生情報(ニューカッスル病)平成17年4月15日

 奈良県において、愛玩鶏でニューカッスル病が発生したとの情報が、農林水産省からありました。
 本病については、予防接種の徹底により、幸い全国的な大流行は発生していないものの、大規模・集約的な飼養形態の下で、ひとたび発生した場合、その被害は極めて大きなものになりかねない状況です。
 養鶏・養鶉農家におかれましては、日頃の予防接種等、飼養衛生管理の徹底に努め、また、異常家きん等発生時の早期通報体制を徹底することにより、本病の発生予防・早期発見に遺漏のないよう特段の御配慮をお願いします。
 4月14日に、奈良県から、公表された内容は以下のとおりです。

  1. 発生農場
     奈良県奈良市 飼養規模:260種の鳥類を約1,500羽飼養(ワクチン未接種)
  2. 発生の経過
     3月30日 コノハヅク1羽が死亡。
     4月1日 ワライカワセミ2羽が元気消失し、1羽が死亡。
     4月7日 もう1羽が瀕死となったため、これら3羽を病性鑑定のため管轄する家畜保健衛生所に搬入。
     4月13日 ウイルス分離検査により、ニューカッスル病ウイルスが分離されたことから、本病をニューカッスル病と決定。
     4月14日 半径3km以内の地域に所在する2戸の採卵鶏飼養農場に立入検査を実施し、異常が認められないこと、ワクチン接種済であることを確認するとともに、衛生管理対策の徹底について周知。
  3. 今後の対応
    (1)発生舎の消毒
    (2)他の飼養鳥類に対する移動の自粛・緊急ワクチン接種の指導
    (3)踏込消毒槽の設置等の飼養衛生管理基準の遵守を指導

○高病原性鳥インフルエンザ等関連情報(インターネット情報を要約)

 
  1. 北朝鮮で、高病原性鳥インフルエンザが発生(インターネット情報を要約)
     平成17年3月15日、北朝鮮において、高病原性鳥インフルエンザの発生を疑う事例があった情報を受けて、同国からの家きん等の一時輸入停止措置がとられている。
     当初、北朝鮮は、発生そのものを否定していたが、3月27日になって、「最近、平壌(ピョンヤン)の養鶏場など2,3の養鶏場で、高病原性鳥インフルエンザが発生した」と、国家獣医非常防疫委員会が発表した。防疫措置として、緊急予防接種が実施され、また、感染した鶏など約21万羽が、埋却等の処分が実施された。
     ウイルスのタイプは、アジアでこれまで発見されたことのないH7型であることが判明。感染ルートとして、渡り鳥が有力であると、北朝鮮側が発表。
  2. メキシコからの家きん肉等の一時輸入停止措置(平成17年4月1日付け農林水産省プレスリリースから)
     (1) メキシコの一部の州では、従来から弱毒タイプの鳥インフルエンザが発生しており、これらの州からの家きん肉等については輸入を禁止されている。
     (2) 3月31日、在京メキシコ大使館から、新たに弱毒タイプの鳥インフルエンザ(H5N2型)がコアウイラ州及びドゥランゴ州において発生したとの情報提供があった。
     (3) このため、同病の我が国への侵入防止に万全を期すため、今般新たな発生が確認された二州からの家きん・家きん肉等の輸入を、同日付けで一時停止されることとなった。
      当該輸入停止措置については、当該州における同病の清浄性が確認されるまでの間継続される。
  3. 高病原性鳥インフルエンザに関連した大陸方面からの渡り鳥に関する調査(平成17年4月1日付け自然環境局プレスリリースから)
     大陸方面から日本への渡り鳥について、沖縄県与那国島で野鳥(主として渡りをする陸鳥類)を捕獲し、高病原性鳥インフルエンザウイルスの保有状況を調査したところ、「全ての検体で、高病原性鳥インフルエンザウイルスは不検出」との結果が判明した。
     調査は、平成17年3月13日(日)〜16日(水)に実施され、合計81個体の咽頭スワブ等の検体が採取された。また、全ての血清において、H5型ウイルスに対する抗体は検出されなかった。
  4. カラス同士の感染を確認(インターネット情報から要約)
     高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が、カラス同士で感染することを、動物衛生研究所での実験で初めて確認された。カラスが鶏と同様に、高病原性鳥インフルエンザを広めることを示す結果で、同研究所は、「H5N1型が人に感染する可能性は極めて低いが、鶏舎にはカラスを近づけないなどの対策が必要」とコメントしている。

○全国的な豚コレラワクチンの全面中止を提言(インターネット情報から要約)

 昨年3月から9月にかけて確認された、鹿児島県における豚コレラ疑似患畜事例に関し、鹿児島県は、感染経路の検証等を行い、今後の家畜防疫の推進に資するため、鹿児島大学の高瀬公三教授を座長とする、専門家からなる「豚コレラ疑似患畜確認事例検討チーム」を設置し、開催した3回にわたる検討会の結果を本年3月23日に報告書(概要版)として公表しました。
 報告書(概要版)には、(1)事例の検証 、(2)豚コレラ防疫に関する提言、(3)豚コレラ撲滅対策に関する提言の3点の概要が書かれています。豚コレラ撲滅対策の提言の中では、今回の事例における清浄性確認検査において、ワクチン未接種農場での清浄性確認は容易であったが、未接種農場でも接種農場から豚を導入している場合等、接種豚が混在していると、接種記録の確認等に時間を要するなど初動防疫に大きな障害となったと述べています。このように一連の事例を通じ、改めて接種豚と未接種豚が混在することは防疫上の混乱を引き起こすことが確認されたことから、報告書は、「今回の鹿児島県の一連の事例を踏まえ、行政と生産者が一体となり、早急に全国的なワクチンの全面中止によるワクチンを使用しない防疫体制の確立を図り、本病の清浄化を達成すべきである。」と結んでいます。

○第46回愛知県B&Wショウが開催されました

 平成17年3月28日(月)愛知県畜産総合センターで第46回愛知県ブラックアンドホワイト(B&W)ショウが開催されました。本ショウは、ホルスタイン改良同志会の皆さんが改良水準を比較検討するとともに会員相互の親睦を図ることを目的としています。
 今回は(社)家畜改良事業団 十勝種雄牛センター 福屋茂生氏によりフレッシュな、きびきびとした審査が行われました。
 主な成績は、以下のとおりです。(管内出品牛チャンピオンのみ)

 ・経産牛
  グランドチャンピオン及びベストアダー オブ ザ ショウ
  第10部:バークハーツ カーン リンデイ 豊橋市 神田峰男さん
  第7部:テイフオシ マーシヤル ストラウド 豊橋市 三浦正志さん

 ・新人賞:渥美 伊藤保さん、豊橋 前田和也さん
 おめでとうございます。

 尚本会は、4月23日〜24日に静岡県で開催予定であった「第30回中部日本B&Wショウ」へ駒を進める選考会でもあり、当管内より9頭が選考されておりました。
 しかし、出場県にて伝染性呼吸器病発生の疑いがあり、来年に延期となりました。

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《平成17年3月》

○導入豚の隔離施設ありますか?

 養豚場における疾病対策の第一は農場に新たな疾病を持ち込まないことです。持ち込む原因としては、豚や人、車両、野生動物、風等種々ありますが、導入豚が持ち込む危険が最も高いと考えられます。 
 導入豚による疾病の持ち込みを防ぐには、(1)衛生状態の明らかな清浄な農場から導入する。(2)なるべく導入先を1か所に限定する。(3)導入後一定期間隔離観察し、臨床症状、抗体検査等により異常がないことを確認する。ことが重要となります。特に導入後の隔離観察は必ず実施する必要があり、その間収容する施設として隔離施設は欠くことができません。平成16年12月に施行された飼養衛生管理基準にも、「他の農場等から導入する場合、導入家畜に異常がないことを確認するまで隔離すること」と示されています。
 隔離施設にはもう一つ、馴致やワクチネーションにより農場の常在菌に対して免疫を獲得するまで飼養する施設としての役割もあります。つまり導入豚が農場に常在している疾病に感染することで発症し、ウイルスや細菌を排出している状態で既存の豚群に入れることで農場内の疾病発生の引き金になる事があるからです。
 このように隔離施設には検疫豚舎としての役割、馴致・免疫獲得豚舎としての役割、さらに空いている時には病豚の隔離豚舎としても利用できるなど非常に有益な施設となります。まだまだ隔離施設のない養豚場が見受けられますが、疾病のコントロールなくして安全な畜産物の生産はできません。ぜひ隔離施設の設置を検討してください。

○飼料安全法の基準・規格に関する違反事例について

 飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(以下「飼料安全法」)に基づき、2月中旬に、独立行政法人肥飼料検査所が実施した立入検査において、同法の基準・規格の違反事例が2例公表されましたので、その概要をお知らせします。詳細は、農林水産省のホームページをご覧ください。
 1例目は、抗生物質の過剰含有事例です。
 肉用牛肥育用配合飼料には、飼料添加物であるモネンシンナトリウム(成分規格は30g力価/トン)が使用されていますが、それが49.2g力価/トンと成分規格より過剰に含有された飼料が出荷されていたとのことです。
 これについて、独立行政法人肥飼料検査所を通じ、当該業者に対して、
 (1) 基準・規格に違反した飼料の出荷停止
 (2) 当該飼料の出荷先の確認、違反事実の連絡及び回収
 等について指導がなされています。
 また、当該飼料の出荷先の畜産農家に対して、都道府県を通じて当該飼料の給与停止を指導しています。

 2例目は、牛用飼料中に家きん由来たんぱく質が検出された事例です。
 現在、飼料安全法では、牛用の飼料に動物性たんぱく質が含まれることを禁止していますが、若齢牛育成用配合飼料を検査したところ、家きん由来たんぱく質が検出されたとのことです。
 これについても、1の事例と同様の措置が当該業者に対してなされています。
 なお、家きん由来のたんぱく質にはBSEの感染性はありません

○家畜排せつ物法に基づく立入検査を実施しています

 畜産農家で発生する家畜排せつ物の適正な管理と、たい肥等の利用促進を目的とした、家畜排せつ物法(正式には、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」)が、平成16年11月1日から完全施行され、約5か月が経過しました。同法に基づく立入検査は、一定規模以上の全ての畜産農家が対象となります。当所では、猶予期間内に家畜排せつ物の管理(処理・保管)施設が整備できなかったり、不十分なことから、野積み・素堀などの不適正な管理状態のおそれがある農家を優先的に立入検査を実施しています。
 不適正な事例については、改善されるまで立入検査を継続、立入検査状況については、その都度農林水産事務所農政課・農業改良普及課、市町、関係団体等の担当者にも逐一報告し、早期改善のための協力依頼をしています。
 家畜排せつ物の不適正な管理が継続すると、悪臭、害虫発生、水質汚濁などの原因にもなります。特にたい肥等の不需要期の適正な管理が重要となってきます。
 今後も、年間を通じて、順次立入検査を実施して行く予定ですので、全ての畜産農家が家畜排せつ物法を遵守できるよう、今後とも御理解と御協力をお願いします。

○第16回東三河B&Wショウが開催されました

 平成17年3月3日(木)、宝飯豊川畜産農業協同組合において、第16回東三河ブラックアンドホワイト(B&W)ショウが開催されました。
 ストレートマン キャトルケア サービスの高橋直人社長を審査員に招き、「時間ある限り勉強しあいましょう」と、県内年明け初の共進会がスタートしました。
 結果は以下のとおりです。

 未経産グランドチャンピオン: 愛知東 齋藤健浩 第三部 エルムレーン デ コール エランド
 同リザーブチャンピオン: 豊橋 朝倉志行 第二部 コーニュコピア エランド レイチェル

 経産グランドチャンピオン:豊橋 神田正直 第六部バークハーツ カーン リンデイ)
 同リザーブチャンピオン:渥美 平井一冨 第六部マダム ソル クロシルド

 ベストリードマン:愛知東 前田好賛
 ベストプロダクション:渥美 木村睦美 第六部ロングビーチ アシリー ボーバ

 今年は4月に開催される中部日本B&Wショウが第30回と節目の年となります。秋には第12回全日本ホルスタイン共進会が開催されます。

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《平成17年2月》

○E型肝炎をご存知ですか?[豚とE型肝炎ウイルスとの関係は?]

 E型肝炎って?
 数年前まではE型肝炎ウイルス(EHV)による肝炎は輸入感染症(海外旅行者が感染して帰国する場合)とされ、畜産分野で問題にされることはありませんでした。ところが、最近になって渡航歴の無い患者が多数発生し、また、豚に類似のウイルスが存在することが判明し、感染源としての豚が一躍脚光を浴びることとなってしまいました。
 このウイルスは遺伝子的に4つの型に分けられますが、輸入感染症としては1型2型が、豚からは3型4型が多く検出され、種類が少し異なっているようです。
 人が感染し発症する場合は、15〜60日の潜伏期間をおいて腹痛、食欲不振、嘔吐、濃色尿、発熱、黄疸などの症状が表れ、ほとんどの場合一過性の急性肝炎でおわりますが、稀に劇症肝炎となり死に至ります。しかし、大半の人は感染しても発症まで至りません。
 より詳しく知りたい方は、「国立感染症研究所 感染症情報センターHP感染症の話 E型肝炎」をご参考下さい。
 豚との関係は?
 養豚場でのウイルス浸潤調査の結果、ほとんどの養豚場で抗体陽性となり、6か月齢ともなれば80 %以上の陽性率となるとのことです。ところが、このウイルスは豚にはなんら症状を示さず、豚の体内で増えて同居豚の間で一斉に感染が広がります。
 主な感染時期は育成期で、出荷時にはほとんどが感染耐過しています。しかし、まれにウイルスを保有している豚が食肉処理された場合、肉やレバーが汚染されて、それを加熱不十分で食用にした場合などに人が経口感染して発症するようです。
 ちなみに、養豚家やその畜産業の従事者が特に高率に発症しているわけではありませんのでご安心ください。
 罹らないための予防策は?
 基本的には経口感染症(いわゆる食中毒)ですので、養豚家の皆さんにおいては、作業終了時のうがいと手洗いを励行して下さい。また、肉を食べるときには生食をさけ、十分に加熱処理を行ないウイルスを死滅させて食べることです。最近の感染例では、しか、いのししのレバーや生肉を食べて発症している例がほとんどです。豚は本来生で食べるものではないので、大丈夫だとは思いますが、これらの事例を肝に銘じて病気の予防に心がけてください。

○家きん飼養者の皆様へ
  野鳥侵入防止対策、踏み込み消毒槽の再点検をお願いします

 昨冬は、高病原性鳥インフルエンザが山口県に始まり、国内では3か所・4農場で発生し、風評被害を含め家きん産業に大きな被害をもたらしました。東南アジアでは、現在も発生が続き、人への感染もみられています。韓国では、日本に発生する以前から発生があり、最終的に19件もの大きな発生となりました。そこから、渡り鳥によって日本に持ち込まれたと考えられています。
 韓国では、それ以降監視を強化しており、今冬では、昨年12月にアヒル農場において弱毒型のものが調査で見つかったのみで、その後発生はありません。また同じ時期に台湾においても渡り鳥から弱毒型のものが見つかっています。
 現時点(2月15日)では、近隣国での発生がないため、国内で発生する確率は低いものの、原因となるウイルスは渡り鳥により運ばれてくると考えられていますので、全く安全とは言い切れません。
 また、国内では12月に福岡県のブロイラー農家において、ニューカッスル病が発生し、発生鶏群が処分されましたが、今年に入り再発生したため農場内の全羽が処分されました。
 これらの病気は、野鳥や野生動物、あるいは汚染された物品によって畜舎内に持ち込まれると考えられています。
 ニューカッスル病には予防法としてワクチンがあります。しかし、一番の予防法は病気の原因であるウイルスを持ち込まないこと、
 つまり
 ・野鳥・野生動物を畜舎内に入れない(もし入ってしまっても出来るだけ早く追い出す)。
 ・畜舎へ入るときは靴を履き替える、あるいは消毒槽などで靴底をきれいにする。
 ことが肝要です。この時期は野鳥や野生動物にとって餌となるものがほとんどなくなるため、畜舎に近づいてきます。病気を防止するためにもこれらの再点検をお願いします。
 また万一発生があった場合にも、出来るだけ早く対処することにより、被害を最小限に抑えることができるので、何か異常がみられた時は速やかに当所に連絡してください。

《平成17年 1月》

○肥育牛の突然死が増加しています!

 今年度に入り管内で肥育牛の突然死が多数確認されています。牛の品種、月齢、雌雄に関係なく、季節性、地域性、産地にも共通点はみられません。これまでのところ、搾乳牛での発生はありません。
 症状は共通していて、健康だった牛が突然起立不能になり、半日〜3日で死亡し、連続して同居牛の死亡が続きます。
 当所で病性鑑定を行った結果クロストリジウム属の細菌が原因とわかり、同居牛へのワクチン接種を指導しています。ワクチン接種後死亡牛の発生はありません。
 このような原因不明の突然死が続く時は、抗生物質の投与とクロストリジウム属トキソイドワクチンの接種をお奨めします。
 クロストリジウム属の菌は健康な牛の腸や便の中にも存在し、土壌中で何年も生きる事ができます。病気の予防には畜舎の清掃・消毒とワクチン接種が有効です。

○豚抗酸菌病

 豚抗酸菌病はマイコバクテリウム属の菌を原因とする感染症です。ほとんどの症例で臨床症状を認めませんが、まれに発育不全を示すものがあります。そのため、病豚の大部分は食肉検査所において腸間膜リンパ節の肉眼病変によって摘発されます。
 本病は菌に汚染されたオガクズ床敷が感染源となり、オガクズ豚舎の使用増加に伴い本病も増加してきました。また、オガクズ未使用農家では感染豚の糞便が感染源となります。特に母豚が感染すると、分娩前後に糞便中に大量に排菌するため、同居新生豚の大部分が感染することになります。
 本病原菌はヒトの肺結核の原因菌ともなり、近年ではヒトの後天性免疫不全症候群(AIDS)の日和見感染病の重要な病原体とみなされています。そのため公衆衛生上からも注目される病気であり、国内では病変部位の内臓廃棄にとどまりますが、将来的には全廃棄の対象疾病となるかも知れません。
 本菌は抗菌剤耐性がきわめて強く、投薬治療は効果が認められにくいため、感染豚の摘発と豚舎衛生管理重要な防疫対策となります。
 対策としては、オガクズの導入先を変える、菌汚染陰性を確認したオガクズを導入する、糞便の清掃につとめる、本病の汚染のない豚群から新規導入する等の手段が考えられます。

○牛白血病の抗体検査を実施しました【設楽支所】

 牛白血病はリンパ系細胞の異常増殖を特徴とする腫瘍性疾患の総称で、国内での発生の7割以上が流行型牛白血病に分類される成牛型です。その病原体は牛白血病ウイルスで、感染すると血液中にこのウイルスに対する免疫抗体ができます。毎年、酪農家において牛定期検査の残余血清を用い、本病の抗体検査を実施しています。

牛白血病の抗体検査結果(設楽支所管内)(ゲル内沈降試験)
検査戸数(戸) 検査頭数(頭) 陽性頭数(頭) 陽性牛率(%)
陽性農家調査 8 332 117 35.2
浸潤状況調査 19 94 11 11.7

 今年度は既に白血病ウイルスが侵入している陽性農家8戸332頭中117頭が陽性、また、今まで白血病ウイルスが侵入していない農家を対象とした浸潤状況調査では19戸94頭中、5戸11頭で抗体陽性が確認され、5戸が新たに白血病抗体陽性農家となりました。
 牛白血病は発症率は低いのですが、一旦発症すれば治療法がないため、経済的損失は少なくありません。陽性農家では陽性牛、陰性牛を分けて飼育し牛舎内での感染拡大を防ぎ、陰性農家では導入牛の陰性確認を行ない、農場への侵入を防ぎましょう。

牛白血病ウイルスの伝搬様式
感染の危険性 処置
輸血、汚染注射器具
除角、断尾を同一器具で実施
直腸検査を同一手袋で実施
吸血昆虫による伝搬
イアータッグ
殆どなし 人工授精、受精卵移植
産子が感染する割合
伝搬経路 感染率(%)
精液・卵を介する感染 0
子宮内・産道感染 4 以下
初乳、常乳による感染 6〜16

お問い合わせ

愛知県東部家畜保健衛生所
電話 0532-45-1141