愛知県衛生研究所

「ジャガイモによる食中毒」に注意しましょう

2010年4月14日(更新日:2025年12月16日)

2010年2月、愛知県内の小学校で児童らが栽培したジャガイモを調理して食べ、おう吐や腹痛などの症状を呈する食中毒が発生しました。

当衛生研究所で、原因物質を科学的に特定するため液体クロマトグラフィー/質量分析計(LC-MS)を用いて分析したところ、 「調理前のジャガイモ」、「調理済みのジャガイモ」、「取り除いたジャガイモの皮」、「おう吐物」の検体すべてから 有毒成分であるソラニンおよびチャコニン(総称:ソラニン類)が検出されました。

ソラニン類とは

ソラニン類は、ジャガイモの芽や緑色の皮、未熟なジャガイモに多く含まれるステロイド系アルカロイド配糖体で、溶血作用、抗コリンエステラーゼ作用を有し、中毒症状を引き起こします。

主な中毒症状

特に児童は、成人よりも少量で中毒症状が現れるため注意が必要です。 成人では50 mg以上、児童では15.6〜40 mg程度の摂取で症状が出る可能性があります。

ソラニン
α-ソラニンの化学構造

加熱調理で分解されるのか?

ソラニン類は熱に強く、通常の茹で調理では分解されません。 高温(210℃以上)では一部分解される可能性がありますが、完全な除去は困難です。

ソラニン中毒を防ぐポイント

以下の点に注意することで、ジャガイモによる食中毒を予防できます。

 1. 栽培時および保存時に光に当てない

 2. 10℃前後の涼しく暗い、通気性の良い場所で保管する

 3. 芽が出ていたり皮が緑色になっている場合、厚めに取り除く

 4. 未熟なジャガイモは食べない

 5. 児童には大量に食べさせない

 6. 苦みやえぐみを感じたら、一緒に調理した他の食材も含め、それ以上食べない

室温で保存する場合は、紙袋や新聞紙で包んだ上で段ボールにしまう二重構造が遮光・通気性の面で推奨されます。

参考資料・リンク