○採用時教養実施要領の制定

平成15年1月6日

務教・学校発甲第1号

このたび、愛知県警察教養規程(平成13年愛知県警察本部訓令第35号)に基づき、採用時教養実施要領を別記のとおり制定し、平成15年1月6日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

なお、採用時教養実施要領の制定(平成9年務教・務警・学校・地総発甲第38号)は、廃止する。

別記

採用時教養実施要領

目次

第1章 総則

第2章 警察官採用時教養

第3章 一般職員採用時教養

第1章 総則

第1 趣旨

この要領は、愛知県警察教養規程の運用(平成14年務教発甲第22号)6の規定に基づき、新たに採用された警察職員に対する採用時教養の実施に関し必要な事項を定めるものとする。

第2 定義

この要領において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

(1) 警察官採用時教養 新たに採用された巡査を適正に職務を遂行し得る警察官として育成するための教養をいう。

(2) 初任教養 新たに採用された巡査に対して行う基礎的教育訓練をいう。

(3) 初任科 愛知県警察学校(以下「警察学校」という。)において初任教養を行うための課程をいう。

(4) 職場実習 初任教養を修了した巡査に対して行う警察署における教養をいい、交番における地域実習及び刑事課における捜査実習をもって編成する。

(5) 初任補修教養 職場実習を修了した巡査に対して行う基礎的教育訓練をいう。

(6) 初任補修科 警察学校において初任補修教養を行うための課程をいう。

(7) 実戦実習 初任補修教養を修了した巡査に対して行う警察署における教養をいう。

(8) 短期課程 警察官(A)の区分の試験に合格し採用された者を対象とし、教養期間を15か月とする課程をいう。

(9) 長期課程 警察官(B)の区分の試験に合格し採用された者を対象とし、教養期間を21か月とする課程をいう。

(10) 一般職員採用時教養 新たに採用された警察官以外の職員(以下「一般職員」という。)(原則として巡査相当職にある者に限る。)を適正に職務を遂行し得る一般職員として育成するための教養をいう。

(11) 一般職員初任科 警察学校において一般職員採用時教養を行うための課程をいう。

第2章 警察官採用時教養

第1 編成

警察官採用時教養は、初任教養、職場実習、初任補修教養及び実戦実習をもって編成するものとし、その推進に当たっては、相互の関連性に配意して、教養の一貫性の確保に努めるものとする。

第2 教養期間

1 長期課程は、初任科10か月、職場実習3か月、初任補修科3か月及び実戦実習5か月とする。

2 短期課程は、初任科6か月、職場実習3か月、初任補修科2か月及び実戦実習4か月とする。

3 警務部長は、必要があると認める場合は、長期課程にあっては最大4か月まで、短期課程にあっては最大3か月まで地域実習を延長し、実戦実習の期間から当該延長した期間を短縮するものとする。

第3 初任教養及び初任補修教養における教科課程等

1 教養の目的

警察官としての職責を自覚させ、使命感を培い、円満な良識と豊かな人間性を育むとともに、地域警察活動に必要な基礎的知識及び技能を確実に修得させ、体力及び気力を錬成し、もって適正に職務を執行し得る警察官を育成することを目的とする。

2 在校期間及び授業時限

在校期間及び授業時限は、次表のとおりとする。

区分

在校期間

授業時限

長期課程

初任科

44週間

800時限

初任補修科

12週間

228時限

短期課程

初任科

26週間

480時限

初任補修科

9週間

168時限

3 教養内容

(1) 教科課程

教科課程は、初任科・初任補修科教科課程(別表第1)のとおりとする。

(2) 教授細目

警察学校長(以下「校長」という。)は、教科課程に基づき、実情に合った教授細目を策定するものとする。

(3) 授業計画

ア 校長は、教養の実施に当たり、あらかじめ授業計画を策定するものとする。この場合において、1時限の授業時間は、80分とする。

イ 授業計画の策定に当たっては、地域警察官として必要な基礎的知識及び技能を確実に修得できるように、各科目の授業開始の時期及び進度を定め、教養効果がより高まるよう配意するものとする。

ウ 初任科における実務研修の実施要領については、別に定める。

4 学級編成等

学級編成は、おおむね40人の学生をもって1学級とし、原則として、各学級に正担任及び副担任を配置するものとする。

5 教養実施上の留意事項

校長は、教養の実施に当たっては、教養の重点を常に把握し、各種資料の収集、視聴覚教材の開発等のほか、部内外講師の積極的活用、演習、班別討議の導入等により、教養内容、教育技法等の改善を図り、効果的かつ効率的な教養の推進に配意するものとする。

第4 初任教養及び初任補修教養における教科外活動

1 教科外活動の目的

教科外活動は、教科課程の教育訓練と相まって、自主性、良識及び情操を培い、体力及び気力の充実を図り、もって人間性豊かな人格形成及び警察官としての資質を養うことを目的とする。

2 教科外活動の構成

教科外活動は、起床から就寝までの時間帯から教科の時間帯を除く時間帯の諸活動とし、日朝活動(起床から授業開始までの活動をいう。)、特別活動(教科終了から午後5時30分までの活動をいう。)及び日夕活動(午後5時30分から就寝までの活動をいう。)をもって構成する。

3 教科外活動の単位

(1) 教科外活動の単位は、学生会活動、学級活動、クラブ活動及び寮生活を基本とする。

(2) 学生会活動は、学校生活、各種行事等の円滑な推進を図るための活動等を通じて、自主自律の精神を養う場とする。

(3) 学級活動は、ホームルーム等による対話を通じて、学級担任教官と学生又は学生相互間の良好な人間関係を醸成し、しつけ教育等を効果的に進める場とする。

(4) クラブ活動は、体育クラブ及び文化クラブをもって編成するものとし、これらの活動を通じて、情操のかん養を図り、体力及び気力を錬磨する場とする。

(5) 寮生活は、団体生活を通じて、互いに切磋せっさ琢磨たくまして修養に努めるとともに、自主性、協調性、良識、責任感等を身に付けさせる場とする。

4 教科外活動実施上の留意事項

教官は、教科外活動の実施に当たり、学生の自主自律による運営に配意するとともに、青年警察官の特性をよく理解し、個性の把握に努め、愛情と熱意をもった指導及び助言を行うように努めるものとする。

第5 職場実習及び実戦実習

職場実習及び実戦実習の実施要領については、別に定める。

第6 教養の適正な管理

1 校長は、採用時教養の全期間を通じて、学生の警察官としての適格性の把握に努め、適正な指導及び処遇に配意するものとする。

2 校長は、試験その他の方法により、初任教養及び初任補修教養における教養の効果を測定し、その結果を授業内容に反映させなければならない。

3 校長は、初任教養又は初任補修教養において必要な教養を充足していないと認める学生については、必要な補充教養を受けさせた後、当該教養を修了させるものとする。

4 校長は、初任科生及び初任補修科生の教養の修得状況を配置先の警察署長にきめ細かく連絡するものとする。

5 校長は、職場実習生及び実戦実習生の配置先の警察署長に対し、初任教養及び初任補修教養に関する意見等を求めるとともに、教養課長との協議の結果、採用すべきものと認めた意見等については、これを速やかに授業計画等に反映させるものとする。

6 職場実習生及び実戦実習生の配置先の警察署長は、校長と連携を図りながら、当該実習生について、警察官としての適格性の把握に努め、適正な指導及び処遇に配意するものとする。

7 職場実習生及び実戦実習生の配置先の警察署長は、校長から上記5による意見等を求められたときは、管内治安情勢、実習生の実習実施状況等を勘案し、校長が初任教養及び初任補修教養を効果的に実施する上で参考となる意見等を述べるものとする。

第7 その他

初任教養及び初任補修教養の期間中における学生の居住先については、警察学校の学生寮とする。

第3章 一般職員採用時教養

第1 課程

一般職員採用時教養の課程は、一般職員初任科とする。

第2 教養期間

一般職員初任科の教養期間は、4週間とする。

第3 一般職員採用時教養における教科課程等

1 教養の目的

一般職員としての職責を自覚させ、使命感を培い、円満な良識と豊かな人間性を育むとともに、その職務の遂行に必要な基礎的知識及び技能を確実に修得させ、もって適正に職務を執行し得る一般職員を育成することを目的とする。

2 授業時限

総授業時限数は、80時限とする。

3 教科課程

教科課程は、一般職員初任科教科課程(別表第2)のとおりとする。

第4 準用

第2章の第3の3(2)(3)ア、4、5、第4、第6及び第7の規定は、一般職員採用時教養について準用する。

〔平17務教・学校発甲57号平20務教・学校・地総発甲141号平21務教・学校発甲76号平23務教発甲71号平26務教発甲19号平29務教・学校発甲12号令2務教・学校・地総・刑総発甲181号・本別記一部改正〕

別表第1

〔平17務教・学校発甲57号平20務教・学校発甲72号平21務教・学校発甲76号平22務教発甲30号平23務教発甲71号平24務教発甲45号平25務教発甲57号平29務教・学校発甲12号令2務教・学校・地総・刑総発甲181号令4務警発甲38―1号・本表一部改正〕

初任科・初任補修科教科課程

教授種目

教授科目

教授要目

職務倫理

職務倫理

(1) 訓育等

(2) 最近の情勢、警察改革等を踏まえた職務倫理の基本

(3) 各種人権課題への理解

法学

法学

(1) 憲法・警察行政法

(2) 刑法

(3) 刑事訴訟法

(4) 民法

(5) 法学概論

基本実務

1 社会

(1) 社会

(2) 対話と報告

2 地域警察活動

(生活安全)

(1) 生活安全警察総論

(2) 防犯活動

(3) 保護・行方不明者発見活動

(4) 古物営業、質屋営業、警備業及び探偵業

(5) 人身安全対処事案への対応

(6) 少年警察活動

(7) 銃砲及びクロスボウ並びに刀剣類の種別と規制・火薬類の規制

(8) 風俗環境の浄化

(9) 外国人労働者に係る雇用関係事犯の取締り

(10) 生活経済事犯の取締り

(11) その他特別法令等違反の取締り

(12) サイバー犯罪対策

3 地域警察活動

(地域)

(1) 警察官の服務

(2) 受傷事故防止

(3) 心の健康づくり

(4) 相談業務

(5) 犯罪被害者支援

(6) 留置管理業務

(7) 地域警察勤務の概要

(8) 交番及び駐在所勤務

(9) 地域警察の警戒活動

(10) 通信指令及び無線通話

(11) 市民との良好な関係の保持

(12) 地域警察活動演習

4 地域警察活動

(捜査)

(1) 犯罪捜査の基本

(2) 被害届、告訴、告発及び自首の取扱い

(3) 臨場及び現場鑑識

(4) 実況見分調書及び領置調書の作成

(5) 急訴事案に対する措置

(6) 逮捕及び逮捕手続書

(7) 取調べ及び供述調書

(8) 捜査活動の方法

(9) 捜査情報の収集と捜査報告書

(10) 捜査実務

(11) 組織犯罪対策

(12) 指掌紋

(13) 足痕跡

(14) 写真

(15) その他の鑑識

(16) 捜査書類等の作成要領

(17) 捜査実務能力検定

(18) 鑑識技能検定

5 地域警察活動

(交通)

(1) 交通警察活動の基本

(2) 交通警察実務に必要な基礎知識

(3) 交通規制と交通安全施設等

(4) 交通指導取締り

(5) 交通事故事件の捜査要領

(6) 運転者対策

(7) 交通警察活動演習

6 地域警察活動

(警備)

(1) 警備警察の意義

(2) 共産主義運動

(3) 大衆・労働運動

(4) 極左暴力集団

(5) 特殊組織犯罪

(6) 右翼運動等

(7) 外事警察

(8) 国際テロ

(9) サイバー攻撃

(10) 警衛・警護

(11) 治安、雑踏及び災害警備

(12) 警備警察活動

7 地域警察活動

(情報通信)

(1) 警察の情報通信

(2) 無線従事者に必要な基礎知識

8 地域警察活動

(現場対応措置)

実戦的総合訓練

9 実務研修

実務研修

体育・術科

1 体育

体育

2 術科

(1) 術科概論

(2) 点検・礼式及び教練

(3) 総合対処法

(4) 逮捕術

(5) 拳銃

(6) 柔道

(7) 剣道

(8) 救急法

その他

諸行事等

(1) 学校行事

(2) 試験

(3) 補充調整

備考

1 柔道・剣道は、選択科目である。

2 短期課程は、法学概論を除く。

別表第2

〔平25務教発甲57号令2務教・学校・地総・刑総発甲181号・本表一部改正〕

一般職員初任科教科課程

教授種目

教授科目

教授要目

職務倫理

職務倫理

(1) 訓育

(2) 最近の情勢、警察改革等を踏まえた職務倫理の基本

(3) 堅実な私生活

法学

法学

(1) 憲法

(2) 地方自治法

(3) 刑事手続法

(4) 民法

基本実務

1 基本実務

(1) 警察の組織と責務

(2) 服務

(3) 職務専念義務

(4) 心の健康づくり

2 一般教養

(1) 応接マナー(市民応接)

(2) 文書の作成と管理

(3) PC・ネットワーク基礎

(4) 警察情報システムの概要及び情報セキュリティ対策

(5) サイバーセキュリティ概論

専門実務

警察実務

(1) 警察会計

(2) 給与厚生

(3) 部門別警察の現状と当面の課題

体育・術科

1 体育

体育

2 警察礼式

警察礼式

その他

諸行事等

(1) 入校式・卒業式

(2) 実務研修

(3) 考査

(4) 補充調整

採用時教養実施要領の制定

平成15年1月6日 務教・学校発甲第1号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3編 務/第3章 養/第1節
沿革情報
平成15年1月6日 務教・学校発甲第1号
平成17年 務教・学校発甲第57号
平成20年 務教・学校・地総発甲第141号
平成20年 務教・学校発甲第72号
平成21年 務教・学校発甲第76号
平成22年 務教発甲第30号
平成23年 務教発甲第71号
平成24年 務教発甲第45号
平成25年 務教発甲第57号
平成26年 務教発甲第19号
平成29年 務教・学校発甲第12号
令和2年 務教・学校・地総・刑総発甲第181号
令和4年 務警発甲第38号の1
令和5年3月29日 務警・学校・刑総発甲第76号