○愛知県警察ストレスチェック等実施要領の制定
平成28年11月1日
務厚発甲第181号
この度、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第66条の10の規定に基づき、心理的な負担の程度を把握するための検査及びその結果に基づく面接指導を実施し、職員の心の健康の不調を未然に防止するため、別記のとおり愛知県警察ストレスチェック等実施要領を制定し、平成28年11月7日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。
別記
愛知県警察ストレスチェック等実施要領
第1 趣旨
この要領は、労働安全衛生法(以下「法」という。)第66条の10の規定に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)及びその結果に基づく面接指導(以下「面接指導」という。)の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
第2 ストレスチェック制度の目的
ストレスチェック制度は、メンタルヘルス不調者を選別するためのものではなく、ストレスチェック及び面接指導により職員自身のストレスへの気付き及びセルフケアを促すとともに、対処の支援、職場環境の改善等を通じてメンタルヘルス不調の未然防止を組織的に推進することを目的とする。
第3 実施体制
1 総括健康管理者
総括健康管理者(愛知県警察職員健康管理規程(令和5年愛知県警察本部訓令第6号。以下「健康管理規程」という。)第5条に規定する総括健康管理者をいう。以下同じ。)は、愛知県警察におけるストレスチェック制度を統括管理するものとする。
2 主任健康管理者
主任健康管理者(健康管理規程第6条に規定する主任健康管理者をいう。以下同じ。)は、愛知県警察におけるストレスチェック制度の推進状況を把握し、3の所属長が行う適正管理に対して必要な指導、助言、支援等を行うものとする。
3 所属長
所属の長(以下「所属長」という。)は、各所属におけるストレスチェック制度の適正管理に努めるとともに、職場環境の改善を図るものとする。
4 実施者
(1) 実施代表者
実施代表者は、総括産業医(健康管理規程第13条に規定する総括産業医をいう。以下同じ。)とする。
(2) 共同実施者
共同実施者は、所属の産業医及び労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「規則」という。)第52条の10に規定する医師等のうち総括健康管理者が指定する者とする。
5 実施事務従事者
(1) 本部実施事務従事者
ア 厚生課に本部実施事務従事者を置き、健康管理室の職員をもって充てる。
イ 本部実施事務従事者は、実施者の指示により、愛知県警察におけるストレスチェックの実施の事務を行うものとする。
(2) 所属実施事務従事者
ア 各所属に所属実施事務従事者を置き、健康管理事務を担当する者又は警部補以下の階級(同相当職を含む。)にある者のうちから所属長が指名するものをもって充てる。
イ 所属実施事務従事者は、実施者の指示により、各所属におけるストレスチェックの実施の事務を行うものとする。
第4 ストレスチェックの実施要領
1 実施回数及び時期
ストレスチェックは、年1回以上実施するものとし、実施時期については総括健康管理者が別に定める。
2 受検対象者
愛知県警察一般職非常勤職員等の身分、勤務管理等に関する要綱の制定(令和2年務警発甲第55号)に定める臨時補助職員を除く愛知県警察の職員を受検対象者とする。ただし、療養休暇、休職、育児休業等の事由で受検することが困難な者を除く。
3 実施方法
(1) ストレスチェックの実施に必要な事項は、総括衛生委員会(健康管理規程第19条に規定する衛生委員会をいう。以下同じ。)において審議し、総括健康管理者が別に定める調査票に掲げる項目により実施するものとする。
(2) ストレスチェックの受検及び回答は、システム(健康管理システム運用要綱の制定(平成25年務厚・総情発甲第162号)に定める健康管理システムをいう。以下同じ。)により行うものとする。ただし、システムを利用することができないときは、主任健康管理者が別に定めるところにより受検及び回答を行うものとする。
4 受検勧奨
実施者は、職員のストレスチェックの受検の勧奨に努めなければならない。この場合において、ストレスチェックを受ける義務はないが、専門医療機関に通院中その他の特別な事情がない限り受検することが望ましいことを周知するものとする。
5 ストレス程度の評価及び高ストレス者の選定方法
(1) ストレスチェックの個人結果は、総括健康管理者が別に定める方法を用いて評価するものとする。
(2) 高ストレスの疑いがある者(以下「高ストレス者」という。)の選定は、総括衛生委員会において審議し、総括健康管理者が承認する選定基準によるものとする。
(3) 高ストレス者を選定する場合は、(2)の選定基準に加え、補足的に次に掲げる面談の結果を参考にすることができる。
ア 実施者が行った面談
イ 実施者の指名及び指示により、その他の医師、保健師、精神保健福祉士又は臨床心理士が行った面談
6 結果通知
ストレスチェックの個人結果は、ストレスチェック実施後速やかにシステムにより受検者に通知するものとする。ただし、システムを利用することができない者に対しては、実施者が個人結果を印刷して通知するものとする。
7 セルフケア
職員は、ストレスチェックの結果並びに結果に記載された実施者による助言及び指導に基づき、適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うよう努めなければならない。
8 検査結果の集団ごとの分析
(1) 実施代表者は、部門、所属、警察本部の係又は警察署の課若しくは係を一つの集団とし、当該集団を単位としたストレスチェックの個人結果の集計及び分析(以下「集団分析」という。)を行い、その結果を総括健康管理者(主任健康管理者経由)に報告するものとする。ただし、集団が10人未満のときは、個人特定につながり得ない方法によらなければならない。
(2) 総括健康管理者は、集団分析の結果について、必要と認める範囲で所属長に通知するものとする。
(3) 所属長は、通知された集団分析の結果に基づき、職場環境の改善に努めるものとする。
第5 医師による面接指導
1 面接指導の申出
高ストレス者は、次に掲げる者への検査結果の提供に同意した場合に限り、医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出ることができる。
ア 総括健康管理者
イ 所属長
ウ 7の就業上の措置を講ずる上で、総括健康管理者又は所属長が必要と認める者
2 面接指導の勧奨
実施者は、高ストレス者に対し申出方法を教示するなどして、面接指導の勧奨に努めなければならない。
3 申出方法
(1) 面接指導の申出は、ストレスチェック結果の通知を受けてから1か月以内にシステムにより行うものとする。ただし、システムを利用することができないときは、主任健康管理者が別に定めるところにより行うものとする。
(2) 実施代表者は、高ストレス者から面接指導の申出があったときは、面接指導の申出を当該職員の所属長に通知するものとする。
4 面接指導の依頼
所属長は、高ストレス者から面接指導の申出を受けた場合は、総括産業医、所属の産業医その他の医師に面接指導の実施を依頼するものとする。
5 実施方法
(1) 所属長は、面接指導の申出を受けてからおおむね1か月以内に面接指導が実施されるよう面接指導を実施する医師と日程等を調整するものとする。この場合において、所属長は面接指導を受ける職員が面接指導の対象者であることを他の職員に知られることのないよう配慮しなければならない。
(2) 面接指導の日程等は、実施事務従事者が当該職員に通知する。
6 結果及び意見の聴取
所属長は、面接指導を実施した医師に対し、面接指導が行われてからおおむね1か月以内に、面接指導結果報告書及び就業上の措置に係る意見書(様式第1。以下「報告書」という。)により、結果及び意見を聴取するものとする。
7 就業上の措置
所属長は、面談を実施した医師の意見を勘案し、就業上の措置が必要であると認めるときは、当該職員の実情を考慮して、必要な措置を講ずるとともに、措置結果報告書(様式第2)に報告書の写しを添付して総括健康管理者(主任健康管理者経由)に報告するものとする。
第6 情報管理
1 個人結果の取扱い
(1) 第5の1の場合を除き、ストレスチェックの個人結果を当該職員及び実施者以外の者が閲覧してはならない。
(2) ストレスチェックの個人結果は、システムのサーバ内に受検の日から起算して5年間保存するものとし、本部実施事務従事者のうちから実施代表者が指名する者を保存担当者とする。
2 面接指導に係る資料の取扱い
面接指導を申し出た職員が提供したストレスチェックの個人結果及び当該職員の面接指導に係る報告書は、所属長が適切に管理するものとし、第5の7の措置に必要な最小限の範囲で利用することができる。
3 集団分析結果の取扱い
集団分析結果は、総括健康管理者、主任健康管理者、所属長及び所属長が必要と認める職員が利用することができる。
第7 守秘義務
ストレスチェック及び面接指導の実施を通じて知り得た職員の健康情報は、第三者に漏らしてはならない。
第8 不利益な取扱いの禁止
所属長は、ストレスチェック制度に関し、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) ストレスチェックを受けないことを理由として、その職員に不利益な取扱いを行うこと。
(2) ストレスチェックの結果を理由として、その職員に不利益な取扱いを行うこと。
(3) ストレスチェックの結果の提出に同意しないことを理由として、その職員に不利益な取扱いを行うこと。
(4) 面接指導の申出をし、又は申出をしないことを理由として、その職員に不利益な取扱いを行うこと。
(5) 就業上の措置の実施に当たり、法及び規則に定められた手順を踏まず措置すること並びに必要な要件を満たさない内容により、その職員に不利益な取扱いを行うこと。
第9 その他
ストレスチェック及び面接指導の実施に関し必要な細目的事項は、総括健康管理者が別に定める。
〔平29務厚発甲78号平30務厚発甲60号・本別記一部改正〕
〔令元務警発甲93号令2務警発甲176号・本様式一部改正〕
〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕