○質屋営業法令事務取扱要綱の制定

令和3年6月14日

生保発甲第108号

この度、質屋営業法(昭和25年法律第158号)に基づく事務の取扱いに関し、別記のとおり質屋営業法令取扱要綱を制定し、実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

なお、質屋営業法令取扱要綱(昭和37年防保発甲第192号)は、廃止する。

別記

質屋営業法令事務取扱要綱

第1章 総則

第1 趣旨

この要綱は、質屋営業法(昭和25年法律第158号。以下「法」という。)に基づく事務の取扱いに関し必要な事項を定めることにより、業務の効率化を図り、もって迅速かつ的確な許可等の手続を行うことを目的とする。

第2 準拠

この要綱に定める事務の取扱いについては、法、質屋営業法施行規則(昭和25年総理府令第25号。以下「規則」という。)及び愛知県質屋営業法施行細則(昭和37年愛知県公安委員会規則第6号。以下「細則」という。)の規定によるほか、この要綱に定めるところによる。

第2章 質屋の許可等に関する事務

第1 相談の受理

質屋営業に係る申請又は届出(以下「申請等」という。)に関する相談の受理は、古物営業法令関係事務取扱要綱の制定(令和2年生保発甲第50号。以下「古物要綱」という。)に定める古物営業等相談受理簿(古物要綱様式第1)を作成して行うこと。

第2 申請等の受理

質屋に係る各種申請等の受理は、規則に規定するそれぞれの申請書又は届出書(以下「申請書等」という。)1通及び別表に定める必要な添付書類の提出を受け、許可等事務受付管理システム(以下「受付システム」という。)に必要事項を登録し、当該システムから出力した受付票を交付して行うこと。

第3 事務処理経過の記録

警察署長は、第2の申請等の受理後、第5の調査を必要としないものにあっては収受票を、調査を必要とするものにあっては処理経過表を受付システムにより作成すること。また、当該調査等に係る事務処理を行った都度、処理経過表に記録し、事務処理の経過を明らかにしておくこと。

第4 各システムへの登録

1 受付システムへの登録

警察署長は、受理した申請等に係る関係書類を保安課長に送付(営業係経由。以下同じ。)したとき、保安課長から申請書等に係る関係書類を受領したとき、申請者に許可証を交付したとき等は、その都度、受付システムに必要事項を登録すること。

2 古物営業管理システム等への登録

(1) 警察署長は、申請等を受理したときは、その都度、申請等の内容に係る必要事項を古物営業管理システム(以下「古物システム」という。)に登録すること。

(2) 保安課長は、警察署長が受理した申請等の内容に係る必要事項を警察共通基盤システム(以下「本庁システム」という。)に登録すること。

第5 調査

警察署長は、第4の2の(1)の登録の後、許可に係る申請等について、必要があると認めるときは、法第3条第1項各号について次に掲げる調査を行い、その結果を許可に対する調査結果(様式第1)に記載すること。

(1) 申請者(法人である場合にあっては、代表者その他業務を行う役員)並びに法定代理人及び管理者(以下「申請者等」という。)に関する前科調査

ア 申請者等が日本人であるときは、身上調査について(様式第2)により本籍地の市区町村長に対して行うこと。

イ 申請者等が外国人又は法人であるときは、許可等に係る欠格事由の検察庁に対する照会要領の制定(平成24年生総・総会・生保・生サ発甲第149号)に定める様式により検察庁に対して行うこと。

(2) 質物の保管設備に関する調査

警察署長は、細則に規定する保管設備の基準に適合するか否かの調査を行い、その結果を質物の保管設備の調査結果(様式第3)に記載すること。

第6 質屋営業の許可の手続

警察署長は、第5の調査の結果、申請を許可するときは、許可証を申請者に交付し、交付確認票(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律事務取扱要綱の制定(平成13年生保発甲第26号)様式第10をいう。以下同じ。)に必要事項を記載し、交付を受けた者に署名、記名又は押印を(以下「署名等」という。)求めるとともに、交付年月日を古物システムに登録すること。

第7 質屋営業の不許可の手続

1 公安委員会への進達

(1) 警察署長は、法第2条第1項に規定する許可に係る申請について、第5の調査の結果、法に定める許可の基準に抵触することが判明したときは、許可申請書、添付書類、許可等に対する調査結果等に不許可とする意見を添えて保安課長に提出すること。

(2) 保安課長は、(1)により提出を受けた不許可とする意見について、許可を受けるための証拠があればその提出を受けて審査を行い、不許可と認めるときは、その結果を生活安全部長に報告すること。

(3) (2)の報告を受けた生活安全部長は、当該申請者から意見を聴取し、許可をしないことを決定しようとするときは、当該関係書類を添えて公安委員会に諮ること。

2 不許可等通知書の交付

(1) 保安課長は、公安委員会が不許可の議決を行ったときは、不許可等通知書(古物要綱様式第5)を作成し、1の関係書類を添付して審査依頼を行った警察署長に送付すること。

(2) 保安課長から不許可通知書等の送付を受けた警察署長は、不許可等通知書を申請者に交付して通知するとともに、交付確認票に必要事項を記載し、交付を受けた者に署名等を求めること。

第8 営業内容の変更手続

1 営業所移転の許可手続

(1) 警察署長は、法第4条第1項に規定する営業所移転に係る許可の申請を受理したときは、第5の(2)の調査を行うこと。

(2) 警察署長は、(1)の調査の結果、申請を許可する決定をしたときは、申請者に許可通知書(様式第4)を交付し、許可証の必要箇所を書き換えること。

(3) 営業所移転の許可申請を受理した警察署長は、移転前の営業所の所在地が他の警察署の管轄区域であった場合は、当該警察署の長に連絡の上、当該営業所に係る関係書類の送付を受けること。

2 管理者の新設又は変更の許可手続

(1) 警察署長は、法第4条第1項に規定する管理者の新設又は変更に係る許可の申請を受理したときは、当該管理者について、第5の(1)の調査を行うこと。

(2) 警察署長は、(1)の調査の結果、申請を許可する決定をしたときは、申請者に許可通知書を交付し、許可証の必要箇所を書き換えること。

3 廃業又は死亡の届出手続

法第4条第2項に規定する廃業の届出又は同条第3項に規定する死亡の届出があった場合においては、法第9条の規定により許可証の返納を受理しているときは、届出があったものとみなす。

4 休業又は営業の再開等の届出手続

警察署長は、法第4条第2項に規定する休業の届出又は規則第7条第2項に規定する休業の期間延長の届出若しくは同条第3項に規定する営業の再開の届出を受理したときは、これらの期間等及び理由を古物システムに登録すること。

5 その他の変更手続

(1) 警察署長は、法第4条第2項に規定する申請書の記載事項に係る変更の届出を受理したときは、当該変更が許可証の書換えを必要とするかどうかの確認を行うこと。

なお、届出の内容が業務を行う役員又は法定代理人の変更で、調査を行う必要があるときは、第5の(1)の調査を行うこと。

(2) 警察署長は、(1)の届出のうち、許可証の記載事項に変更が生ずる場合は、書換えの申請を受理し、当該許可証の必要箇所を書き換えること。

6 質物の保管設備の変更手続

警察署長は、規則第9条に規定する質物の保管設備の変更の届出を受理するときは、当該保管設備が細則に規定する保管設備の基準に適合しているか否かについて審査すること。

第9 許可証の亡失又は盗難の届出手続

法第8条第3項に規定する許可証の亡失又は盗難の届出があった場合において、同条第4項の規定により再交付申請を受理しているときは、届出があったものとみなす。

第10 許可証の再交付の手続

警察署長は、法第8条第4項に規定する許可証の再交付申請を受理したときは、許可証を再交付し、交付確認票に必要事項を記載した上で、交付を受けた者に署名等を求めるとともに、再交付年月日を古物システムに登録すること。

第11 許可証の返納手続

警察署長は、法第9条に規定する許可証の返納を受理したときは、返納年月日を古物システムに登録すること。

第12 質契約を終了させるための必要な行為を行う者等に係る承認手続

1 質契約を終了させるための必要な行為を行う者に対する審査

警察署長は、法第28条第3項第1号の規定により質契約を終了させるための必要な行為(以下「終了行為」という。)を行う者として承認するときは、終了行為を行う者としての適否を審査すること。

2 終了行為を行う場所の審査

警察署長は、法第28条第5項の規定により終了行為を行う場所について承認するときは、その場所の適否を審査すること。

3 承認書の交付

警察署長は、1及び2の審査の結果、支障がないと認めるときは、終了行為を行う者に承認書(様式第5)を交付し、交付確認票に必要事項を記載し、交付を受けた者に署名等を求めること。

第3章 指導及び取締り等

第1 指導及び取締り

1 基本方針

指導又は取締りを実施するに当たっては、その対象が許可営業者であることに鑑み、健全な営業を確保するための指導を優先することを基本方針とする。

2 実態把握

警察署長は、立入りその他の警察活動全般を通じて入手した情報により管轄区域内の質屋の実態把握に努めるとともに、把握した情報を資料化し、指導及び取締りに活用すること。

第2 差止め(保管命令)

警察署長は、法第23条の規定に基づき、質屋に対し、質物の保管を命じた場合にあっては質物保管命令書(様式第6)を、その命令を取り消した場合にあっては質物保管命令取消書(様式第7)を当該質屋に交付し、質物保管命令簿(様式第8)に必要事項を記載すること。

第3 立入検査

1 実施要領

警察署長は、次に掲げる場合においては、法第24条第1項の規定に基づき、立入検査を実施すること。

ア 法令違反により指導又は警告を受けた質屋の営業所における事後の状況を確認する必要があるとき。

イ 健全な営業を確保するための指導をするとき。

ウ 行政処分を行ったとき。

エ 営業に関する苦情、法令違反に関する風評等を認知したとき。

オ その他法令違反防止のため必要があると認めたとき。

2 実施結果の記録

警察署長は、立入検査を実施した場合は、その結果を古物システムに入力すること。

3 配意事項

警察署長は、立入検査を実施するときは、次に掲げる事項に配意すること。

ア 立入検査開始前に営業者その他の関係者に身分を証明する証票として警察手帳を提示すること。

イ 営業者又は営業所の責任者を立ち会わせること。

ウ 検査の対象を当該営業に直接関係する事項に限ることとし、正当な業務を妨害しないこと。

エ 営業時間中に実施すること。

オ 立入検査に際して法令違反を発見した場合は、検挙その他の必要な措置を執ること。

第4章 行政処分に関する事務

第1 具申又は通報

1 行政処分の具申

警察署長は、質屋が法第25条第1項各号のいずれかに該当し、その許可を取り消し、又は営業を停止する必要があると認めるとき(2に定める通報を受けた場合を含む。)は、行政処分具申書(様式第9)に関係書類を添えて公安委員会(保安課長経由。以下同じ。)に具申すること。

2 営業所の所在地を管轄する警察署への通報

警察署長は、管轄区域外に所在する質屋が許可の取消し又は営業の停止の事由に該当することを認知したときは、当該営業所の所在地を管轄する警察署長に通報書(様式第10)に関係書類を添付して通報すること。

第2 行政処分の手続

1 聴聞通知書の送付

保安課長は、第1の1の行政処分の具申を受け、聴聞を行う必要があると認めるときは、聴聞通知書(聴聞及び弁明の機会の付与に関する規則(平成6年国家公安委員会規則第26号。)別記様式第6号)を作成し、具申した警察署長に送付すること。

2 公示

保安課長は、聴聞を行う場合は、聴聞開催公示書(古物要綱様式第17)により公示すること。

3 聴聞通知書の交付等

警察署長は、聴聞通知書の送付を受けたときは、これを遅滞なく処分対象者に交付するとともに、交付確認票に必要事項を記載し、交付を受けた者に署名等を求めること。

4 行政処分通知書の送付

保安課長は、公安委員会が法第25条に基づく許可の取消し又は営業の停止を行うときは、行政処分通知書(様式第11)を具申した警察署長に送付すること。

5 行政処分通知書の交付等

警察署長は、行政処分通知書の送付を受けたときは、これを処分対象者に交付するとともに、交付確認票に必要事項を記載し、交付を受けた者に署名等を求めること。

第3 行政処分の登録

保安課長は、行政処分の手続を行ったときは、本庁システムに必要事項を登録すること。

第4 他の都道府県公安委員会への通知

1 保安課長への通報

他の都道府県公安委員会の許可を受けた質屋の営業者又はその代理人、使用人その他の従業者が、法令に違反したことを認知した警察署長は、通報書(様式第10)に必要書類を添付して保安課長に遅滞なく通報すること。

2 関係都道府県公安委員会への通知

(1) 1の通報を受けた保安課長は、申請を許可した都道府県公安委員会にその事実を遅滞なく通知すること。

(2) 保安課長は、許可の取消し又は営業の停止処分を受けた質屋が他の都道府県公安委員会の管轄区域内にも営業所を有する場合は、関係都道府県公安委員会にその旨を直ちに通知すること。

第5章 雑則

この要綱に定めるもののほか、質屋営業法令事務の取扱いに関する細目的事項は、保安課長が別に定める。

別表

質屋の許可申請及び変更届出の添付書類

態様

添付書類の種別

許可申請

変更届出

新規の個人

新規の法人

営業所の移転

管理者の新設又は変更

住民票の写し(本籍又は国籍記載のもの)





履歴書





法第3条第1項第4号に掲げる者に該当しない旨の誓約書





法第3条第1項第6号に掲げる者に該当しない旨の市区町村長の発行する証明書(外国人は不要)





保管設備の構造概要書及び図面


譲渡人の承諾書又はその相続を証明するに足りる書類

※営業所を譲り受け、又は相続して新規許可を受けようとする場合




定款及び登記事項証明書




※新たに就任した場合

代表者その他業務を行う役員の住民票の写し(本籍又は国籍記載のもの)




代表者その他業務を行う役員の履歴書




代表者その他業務を行う役員の法第3条第1項第4号に掲げる者に該当しない旨の誓約書




代表者その他業務を行う役員の法第3条第1項第6号に掲げる者に該当しない旨の市区町村長の発行する証明書(外国人は不要)




管理者の住民票の写し(本籍又は国籍記載のもの)

※管理者を定める場合

※管理者を定める場合



管理者の履歴書



管理者の法第3条第1項第9号ロに掲げる者に該当しない旨の誓約書



管理者の法第3条第1項第6号に掲げる者に該当しない旨の市区町村長の発行する証明書(外国人は不要)



法定代理人(法人の場合は、代表者その他業務を行う役員)の住民票の写し(本籍又は国籍が記載のもの)

※法定代理人のある場合

※法定代理人のある場合



※新たに就任した場合

法定代理人(法人の場合は、代表者その他業務を行う役員)の履歴書



法定代理人(法人の場合は、代表者その他業務を行う役員)の法第3条第1項第4号に掲げる者に該当しない旨の誓約書



法人の法定代理人の定款及び登記事項証明書



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質屋営業法令事務取扱要綱の制定

令和3年6月14日 生保発甲第108号

(令和5年9月8日施行)

体系情報
第4編 生活安全/第3章 安/第1節 業/第1款 質屋・古物商
沿革情報
令和3年6月14日 生保発甲第108号
令和4年12月1日 生保発甲第150号
令和5年9月8日 生保発甲第151号