○ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例の運用
令和元年8月27日
刑国・生保発甲第120号
この度、ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例(令和元年愛知県条例第36号)が令和元年12月1日(一部の規定は、同年10月1日施行)から施行されることに伴い、その運用に関し必要な事項を別記のとおり定め、同日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。
別記
第1 総則
1 条例制定の趣旨
ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例(令和元年愛知県条例第36号。以下「条例」という。)は、ヤードにおける盗難自動車の解体を防止するため必要な規制を行うことにより、自動車の盗難の防止に資するために制定されたものである。
2 準拠
条例の施行に関する事務の取扱いについては、条例及びヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例施行規則(令和元年愛知県公安委員会規則第5号。以下「規則」という。)、ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例に基づく公表に関する規程(令和元年愛知県公安委員会規程第4号。以下「規程」という。)の定めによるもののほか、この通達の定めるところによる。
第2 相談の受理及び報告
自動車解体業に係る相談等の申出があったときは、次により処理すること。
(1) 警察署長は、自動車解体業に係る届出に関する相談の受理は、簡易なものを除き、面談により行うこと。
(2) 警察署長は、(1)の相談を受理したときは、自動車解体業相談受理簿(様式第1)を作成し、記録すること。
(3) 条例に定める違反行為(以下「条例違反行為」という。)に関する風評等の警察安全相談、情報提供等(以下「相談等」という。)を受理した職員は、警察安全相談等及び苦情の取扱いに関する規程(平成24年愛知県警察本部訓令第4号)の定めに基づいて、所属の長に報告すること。
第3 自動車解体業の開始に係る届出
1 自動車解体業開始届出書の受理
警察署長は、条例第3条第1項の規定による自動車解体業の開始に係る届出があったときは、自動車解体業開始届出書(規則様式第1。以下「開始届出書」という。)及び別表に掲げる添付書類の提出を受けること。この場合において、必要な事項を許可等事務受付管理システム(許可等事務受付管理システム運用要綱の制定(平成27年生保発甲第67号)に定める許可等事務受付管理システムをいう。以下「受付システム」という。)に登録し、受付システムにより自動採番された届出番号が付された受付票を届出者に交付することにより、当該届出番号を通知すること。
なお、開始届出書の記載漏れ、書類の添付漏れ等の形式的要件の適否を審査し、不備があればこれを補正させること。
2 自動車解体業審査結果表の作成
警察署長は、開始届出書の受理時において、ヤードごとに自動車解体業審査結果表(様式第2)を作成し、開始届出書の添付書類の適否、確認事項等を記録すること。
3 事務処理の経過の記録
職員は、開始届出書に係る事務処理を行ったときは、その都度、受付システムで作成した収受票により、当該職員が所属する警察署の長に報告し、その取扱状況を明らかにしておくこと。
4 書類の整理等
警察署長は、開始届出書に係る事務処理を終えたときは、開始届出書、添付書類及び自動車解体業審査結果表をヤードごとに整理し、保管するとともに、その写しを保安課長に送付(営業係経由)すること。
5 届出の登録
保安課長は、4の送付を受けたときは、速やかに古物営業管理システム(古物営業法令関係事務取扱要領の制定(平成9年生保発甲第22号)に定める古物営業管理システムをいう。以下「管理システム」という。)に必要な事項を登録すること。
第4 自動車解体業の廃止又は届出事項の変更に係る届出
1 自動車解体業廃止届出書又は自動車解体業届出事項変更届出書の受理
警察署長は、条例第3条第2項の規定による自動車解体業の廃止又は届出事項の変更の届出があったときは、次に掲げる区分に応じて、それぞれに定める書類の提出を受けること。この場合において、必要な事項を受付システムに登録し、当該システムの受付票を届出者に交付すること。
ア 自動車解体業の廃止の届出
自動車解体業廃止届出書(規則様式第2。以下「廃止届出書」という。)
イ 自動車解体業の届出事項の変更の届出
2 事務処理の経過の記録及び書類の整理等
警察署長は、1の受理をしたときは、第3の3及び4に準じて処理すること。
3 届出の登録
保安課長は、1の受理に係る書類の写しの送付を受けたときは、第3の5に準じて処理すること。
第5 記録の毀損等の届出
1 経過の聴取等
2 聴取内容の登録
保安課長は、1の通知を受けたときは、管理システムに必要事項を登録すること。
第6 保管命令
1 保管命令の手続
2 保管命令の取消しの手続
国際捜査課長等は、1の命令を取り消したときは保管命令取消書(様式第5)を交付すること。
3 交付後の手続
国際捜査課長等は、1又は2の交付状況をヤード関係交付簿(様式第6。以下「交付簿」という。)に記載し、その状況を明らかにするとともに、その旨及び交付年月日を保安課長に通知すること。
4 交付状況の登録
保安課長は、3の通知を受けたときは、管理システムに必要事項を登録すること。
第7 実態把握及び取締り
1 条例違反行為の実態把握
所属の長は、第2の(3)で受理した警察安全相談を資料化するなどして、ヤード及び自動車解体業者の実態を的確に把握すること。
2 取締りの推進
条例違反行為の取締りに当たっては、警察安全相談及び立入検査結果等を精査し、違反事実の特定に努めること。
なお、警察署長は、条例違反の取締りに関し疑義があるときは、国際捜査課長と協議すること。
第8 行政処分
1 行政処分の具申
ア 条例違反事案を事件送致した場合
事件関係書類の写し
イ 条例違反事案を事件送致しなかった場合
(ア) 違反事実現認報告書(様式第8)の写し
(イ) 自動車解体業者、違反行為者及び参考人に係る聞取書(様式第9)の写し
(ウ) その他条例違反事案を疎明するために必要な書類の写し
(3) 警察本部の所属の長が、ヤードに係る条例違反事案を処理したときも、(2)と同様とする。
2 行政処分の手続
(1) 指示
ア 保安課長は、1の(1)の具申により指示をするときは、指示処分の対象者(以下「指示処分対象者」という。)に対し、愛知県行政手続条例(平成7年愛知県条例第28号。以下「行手条例」という。)第13条第1項第2号に規定する弁明の機会を付与して行うこと。この場合において、弁明通知書(聴聞及び弁明の機会の付与に関する規則(平成6年国家公安委員会規則第26号。以下「聴聞等規則」という。)別記様式第16号)を作成し、具申元の警察署長に送付すること。
イ 警察署長は、アの送付を受けたときは、これを遅滞なく指示処分対象者に交付すること。この場合において、必要な事項を交付簿に記載するとともに、交付年月日を保安課長に通知(行政処分係経由。以下同じ。)すること。
ウ 行手条例第28条に規定する相当な期間は、指示処分対象者に弁明通知書を交付した日から1週間以上の期間とする。
(2) 事業停止命令
ア 保安課長は、1の(1)の具申があった場合において、事業停止命令をするときは、事業停止命令の対象者(以下「業停命令対象者」という。)に対し、行手条例第13条第1項第1号に規定する聴聞を行うこと。この場合において、聴聞通知書(聴聞等規則別記様式第6号)を作成し、具申元の警察署長に送付すること。
イ 保安課長は、聴聞を行うに当たっては、業停命令対象者に対し、その期日の1週間前までに行手条例第15条第1項の規定による通知を行うこと。
なお、行手条例第15条第3項の規定により通知を行う場合は、聴聞開催の公示書(様式第11)により公示すること。
ウ 警察署長は、アの送付を受けたときは、これを遅滞なく業停命令対象者に交付すること。この場合において、必要な事項を交付簿に記載するとともに、交付年月日を保安課長に通知すること。
3 行政処分の執行
(2) 警察署長は、(1)の送付を受けたときは、これを当該行政処分の対象となる自動車解体業者(以下「行政処分対象者」という。)に交付すること。この場合において、その交付状況を交付簿に記載するとともに、交付年月日を保安課長に通知すること。
4 行政処分結果の登録及び公表
(1) 保安課長は、3の(2)の通知を受けたときは、管理システムに必要な事項を登録すること。
(2) 保安課長は、事業停止命令を行ったときは、速やかに規程に基づく公表を行うこと。
第9 勧告及び公表
1 勧告
(1) 勧告該当事案の報告
(2) 勧告書の送付
保安課長は、(1)の報告により勧告を実施するときは、勧告書(様式第13)を警察署長に送付すること。
(3) 勧告書の交付
(2)の送付を受けた警察署長は、これを遅滞なく勧告の対象者に交付し、その交付状況を交付簿に記載するとともに、交付年月日を保安課長に通知すること。
なお、勧告の効力は、当該勧告を行った日から1年間とする。
(4) 勧告内容の登録
保安課長は、(3)の通知を受けたときは、管理システムに必要な事項を登録すること。
2 公表
(1) 公表該当事案の報告
警察署長は、勧告の対象者のうち、第12条第2項に規定する公表の必要があると認めるときは、公表の対象者(以下「公表対象者」という。)に対し、意見を述べる機会を付与することとし、勧告・公表該当事案報告書により関係書類とともに公安委員会に報告すること。
(2) 意見を述べる機会の付与
ア 保安課長は、(1)の報告があったときは、意見聴取通知書(様式第14)を警察署長に送付すること。
イ アの送付を受けた警察署長は、遅滞なく公表対象者に意見聴取通知書を交付し、その交付状況を交付簿に記載するとともに、交付年月日を保安課長に通知すること。
ウ 警察署長は、意見聴取通知書を交付した公表対象者から口頭による意見の申出を受けたときにあっては意見聴取調書(様式第15)を作成し、書面による意見の申出を受けたときにあっては必要な事項が記載されていることを確認した上で受領してその旨を保安課長に通知すること。この場合において、公表対象者が意見を述べる期日は、公表対象者に意見聴取通知書が送達されてから1週間以上の期間を空けること。
(3) 公表内容の登録及び公表
保安課長は、意見を述べる機会の付与の手続終了後、公安委員会から公表の承認を得たときは、管理システムに必要な事項を登録するとともに、速やかに規程に基づく公表を行うこと。
第10 報告及び立入検査
1 報告及び資料の提出の要求
(2) 国際捜査課長等は、(1)の交付状況を交付簿に記載し、その状況を明らかにするとともに、その旨及び交付年月日を保安課長に通知すること。
(3) 保安課長は、(2)の通知を受けたときは、管理システムに必要事項を登録すること。
2 立入検査
(1) 立入検査実施時の遵守事項
職員は、立入検査を実施するときは、次に掲げる事項を遵守すること。
(ア) 立入検査開始前に自動車解体業を行っていると認められる者に身分証明書(規則様式第9)を提示すること。
(イ) 自動車解体業を行っていると認められる者又はその代理人、使用人その他の従業者と認められる者の立会を求めること。
(ウ) 犯罪捜査のために利用しないこと。
(エ) 自動車解体業に属さない場所に立ち入らないこと。
(2) 身分証明書の管理
ア 国際捜査課長等は、あらかじめ立入検査を行う者を指定すること。
イ 国際捜査課長は、アにより指定された者の身分証明書の作成を行うこと。
ウ 国際捜査課長等は、あらかじめ次に掲げる区分に応じ、それぞれに定める者のうちから、身分証明書の管理責任者を指定すること。
(ア) 警察本部 国際捜査課の警部以上の階級にある者
(イ) 警察署 刑事課(生活安全刑事課を含む。)の警部以上の階級にある者
エ 管理責任者は、身分証明書を適正に管理するため、身分証明書管理簿(様式第17)を作成し、身分証明書の管理に係る事務を行うこと。
オ 管理責任者は、立入検査を実施する都度、立入検査を実施する職員に身分証明書を貸与すること。
カ 管理責任者は、身分証明書管理簿により、身分証明書の貸与及び返納の経過を明らかにしておくこと。
(3) 立入検査の実施結果の報告
ア 職員は、立入検査を実施したときは、速やかにその結果を自所属の長(以下「立入実施所属長」という。)に報告すること。この場合において、報告を受けた立入実施所属長は、その結果のいかんを問わず、その旨を国際捜査課長に通知すること。
イ 国際捜査課長は、アの通知を受けた場合で、当該立入りに係るヤードの所在地が立入実施所属長の管轄区域外であったときは、当該立入結果を、当該ヤードの所在地を管轄する警察署長に通知すること。
第11 分掌事務
この条例の施行に関し国際捜査課及び保安課の分掌事務は次のとおりとする。
(1) 国際捜査課
ア 条例違反の取締りに関すること。
イ 行政処分の処理のうち具申及び指示書等の交付に関すること。
ウ 勧告該当事案の処理のうち報告及び勧告書の交付に関すること。
エ 公表該当事案の処理のうち報告及び意見聴取通知書の交付に関すること。
オ 立入検査の報告及び身分証の管理に関すること。
(2) 保安課
ア 自動車解体業の届出受理に関すること。
イ 行政処分の処理に関すること((1)のイを除く。)。
ウ 勧告該当事案の処理に関すること((1)のウを除く。)。
エ 公表該当事案の処理に関すること((1)のエを除く。)
別表
〔令4務警発甲39号・本表一部改正〕
1 届出の添付書類一覧表
添付書類の種別 | 個人 | 法人 |
ヤードの平面図及びヤードの周囲の略図 | ○ | ○ |
登記事項証明書、賃貸借契約書その他のヤードの土地又は建物の使用について権限を有することを疎明する書類 | ○ | ○ |
住民票の写し | ○ | |
登記事項証明書 | ○ | |
役員に係る住民票 | ○ |
2 自動車解体業者が未成年者であるときに必要な添付書類
法定代理人 | 添付書類 |
個人 | 当該法定代理人の住民票の写し |
法人 | 当該法人の登記事項証明書及び代表者に係る住民票の写し |
〔令2刑国・生保発甲71号・本様式一部改正〕
〔令2務警発甲176号・本様式一部改正〕
〔令2務警発甲176号・本様式一部改正〕
〔令2刑国・生保発甲71号・本様式一部改正〕