○愛知県警察証拠物件管理要綱の制定

令和4年1月4日

刑総発甲第4号

この度、証拠物件の管理に関する業務の見直しを行ったことに伴い、別記のとおり愛知県警察証拠物件管理要綱を制定し、令和4年2月1日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

なお、愛知県警察証拠物件管理要綱の制定(平成23年刑総発甲第282号)及び触法少年に係る事件の証拠物件取扱要綱の制定(平成20年生非発甲第42号)は、令和4年1月31日限り廃止する。

別記

愛知県警察証拠物件管理要綱

第1 目的

この要綱は、愛知県警察における証拠物件の取扱い及び保管について必要な事項を定めることにより証拠物件の適正な管理を図り、もって第一次捜査権を担う警察の責務を全うすることを目的とする。

第2 準拠

証拠物件の取扱い及び保管については、次に定めるところによるほか、この要綱に定めるところによる。

(1) 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)

(2) 刑事訴訟規則(昭和23年最高裁判所規則第32号)

(3) 犯罪捜査規範(昭和32年国家公安委員会規則第2号)

(4) 犯罪者の置去品等の取扱要領の制定(令和3年刑総・総会発甲第139号)

(5) 少年法(昭和23年法律第168号)

(6) 少年警察活動規則(平成14年国家公安委員会規則第20号)

(7) 愛知県少年警察活動規程の運用(平成14年生少・生非発甲第156号。以下「少年警察活動規程の運用」という。)

第3 定義

この要綱における用語の意義は、次に定めるところによる。

(1) 証拠物件

犯罪捜査(触法少年及びぐ犯少年に係る事件の調査を含む。以下「捜査」という。)に関して押収した物件(捜査に関して採取した無主物(所有者のない動産をいう。)で財産的価値がない資料を含む。)及び銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号)の規定に基づく仮領置又は一時保管をした物件をいう。

(2) 特殊物件

証拠物件のうち、次に掲げる物件をいう。

(ア) 現金、有価証券、貴金属その他の貴重品(以下「現金等」という。)

(イ) 銃砲刀剣類及びこれらに類する物(以下「拳銃等」という。)

(ウ) 覚醒剤取締法(昭和26年法律第252号)、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)、あへん法(昭和29年法律第71号)、大麻取締法(昭和23年法律第124号)又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)の規定により、その所持等が禁止されている薬物等(以下「覚醒剤等」という。)

(3) DNA型鑑定資料

証拠物件のうち、次に掲げる資料をいう。

(ア) (9)の証拠物件管理所属から科学捜査研究所その他の鑑定機関(以下「科学捜査研究所等」という。)に対し、DNA型鑑定のために鑑定嘱託する資料

(イ) DNA型鑑定後に科学捜査研究所等から返却された鑑定資料の残余(鑑定に使用するため鑑定資料から採取等して分離した物の残余を含む。以下「DNA型鑑定資料の残余等」という。)

(4) 被疑者口くう内細胞DNA型資料

被疑者が任意提出し、所有権放棄をした口くう内細胞をいう。

(5) 一時保管

押収後、本保管に移行するまでの保管をいう。

(6) 本保管

一時保管後、引き続き留置を要する証拠物件の保管をいう。

(7) 貸出し

取調べ等のため、保管中の証拠物件を保管設備から一時的に出庫することをいう。

(8) 払出し

送致、還付、移送等のため、証拠物件の保管を解除することをいう。

(9) 証拠物件管理所属

証拠物件に係る捜査を担当する所属をいう。

(10) 受託管理所属

第7に定める保管委託のため、証拠物件の送付を受けた警察本部の所属をいう。

第4 証拠物件の管理体制

1 証拠物件管理所属における管理体制

(1) 管理責任者

ア 証拠物件管理所属に管理責任者を置き、所属の長をもって充てる。

イ 管理責任者は、自所属における証拠物件の取扱い及び保管について総括的な責任を負う。

(2) 副管理責任者

ア 証拠物件管理所属に副管理責任者を置き、警察本部の所属にあっては次長等(次長又は副隊長をいう。以下同じ。)を、警察署にあっては副署長をもって充てる。

イ 副管理責任者は、管理責任者を補佐する。

(3) 保管責任者

ア 証拠物件管理所属に保管責任者を置き、警察本部の所属にあっては管理責任者が指名する警部以上の階級にある者を、警察署にあっては証拠物件を取り扱う事件を担当する課の課長をもって充てる。

イ 保管責任者は、担当する事件に係る証拠物件の取扱い及び保管について責任を負う。

なお、事件を担当する課に課長代理が配置されている警察署の管理責任者は、当該課長代理を副保管責任者に指名し、保管責任者を補佐させるものとする。

(4) 取扱責任者

ア 一時保管取扱責任者

(ア) 証拠物件管理所属に一時保管取扱責任者を置き、証拠物件に係る捜査を担当する係の警部補の階級にある者(以下「事件担当係長」という。)をもって充てる。

(イ) 一時保管取扱責任者は、一時保管中の証拠物件の出納、犯罪事件管理システム(犯罪事件管理システム運用要綱の制定(令和4年刑総発甲第2号)に定める犯罪事件管理システムをいう。以下「システム」という。)への登録等、証拠物件の取扱い及び保管に係る事務を行う。

イ 本保管取扱責任者

(ア) 証拠物件管理所属に本保管取扱責任者を置き、管理責任者が指名する警部補の階級にある者をもって充てる。

(イ) 本保管取扱責任者は、本保管中の証拠物件の出納、システムへの登録等、証拠物件の取扱い及び保管に係る事務を行う。

ウ 鑑定資料取扱責任者

(ア) 証拠物件管理所属に鑑定資料取扱責任者を置き、警察本部の所属にあっては管理責任者が指名する警部補の階級にある者を、警察署にあっては、刑事課(生活安全刑事課を含む。)鑑識係の係長(刑事課に鑑識係がない警察署にあっては、鑑識業務を担当する者のうち上位の階級にある者)をもって充てる。

(イ) 鑑定資料取扱責任者は、速やかに鑑定嘱託をすることができないDNA型鑑定資料及びDNA型鑑定資料の残余等のうち、冷凍庫に保管するもの並びに被疑者口くう内細胞DNA型資料の出納、システムへの登録等、証拠物件の取扱い及び保管に係る事務を行う。

2 受託管理所属における管理体制

(1) 受託管理責任者

ア 受託管理所属に受託管理責任者を置き、当該所属の長をもって充てる。

イ 受託管理責任者は、受託管理所属における証拠物件の管理について総括的な責任を負う。

(2) 受託副管理責任者

ア 受託管理所属に受託副管理責任者を置き、当該所属の次長等をもって充てる。

イ 受託副管理責任者は、受託管理責任者を補佐する。

(3) 受託保管責任者

ア 受託管理所属に受託保管責任者を置き、受託管理責任者が指名する警部以上の階級にある者をもって充てる。

イ 受託保管責任者は、送付を受けた証拠物件の取扱い及び保管について責任を負う。

(4) 受託取扱責任者

ア 受託取扱責任者は、受託管理責任者が指名する警部補の階級にある者をもって充てる。

イ 受託取扱責任者は、受託保管責任者を補佐し、送付を受けた証拠物件の出納、システムへの登録その他証拠物件の取扱い及び保管に係る事務を行う。

第5 証拠物件の保管場所

1 保管設備

(1) 一時保管庫

ア 一時保管に係る証拠物件は、一時保管取扱責任者がそれぞれ管理する保管庫(以下「一時保管庫」という。)において保管すること。

イ 一時保管庫は、施錠設備がある堅ろうなキャビネット、倉庫等で十分な大きさのあるものとすること。

(2) 本保管庫

ア 本保管に係る証拠物件は、本保管責任者がそれぞれ管理する保管庫(以下「本保管庫」という。)において保管すること。

イ 本保管庫は、施錠設備がある堅ろうなキャビネット、倉庫等で十分な大きさのあるものとすること。

(3) 特殊物件保管庫

ア 特殊物件は、一時保管、本保管の別にかかわらず、特殊物件保管庫において保管すること。ただし、現金等その他警察署の管理責任者が必要と認める物件については、会計課長が管理する金庫等において保管することができる。

イ 特殊物件保管庫は、施錠設備がある堅ろうな金庫等で十分な大きさのあるものとすること。

(4) 冷凍庫

ア DNA型鑑定資料は、変質等の防止のため必要があるときは、一時保管、本保管の別にかかわらず、冷凍庫において保管すること。

なお、停電等が発生したときは、非常用電源又は可搬式発電機を使用して冷凍庫を稼動させるなどし、DNA型鑑定資料の劣化を防止すること。

イ 冷凍庫は、施錠設備があり、マイナス20℃の温度を保つことができるものとすること。

(5) 被疑者口くう内細胞DNA保管庫

ア 被疑者口くう内細胞DNA型資料は、被疑者口くう内細胞DNA保管庫において保管すること。

イ 被疑者口くう内細胞DNA保管庫は、施錠設備があるポスト型のもので、ワイヤー等で設置場所に固定できるものとすること。

(6) 執務時間外保管庫

ア 執務時間(県の執務時間を定める規則(平成元年愛知県規則第82号)に規定する執務時間をいう。以下同じ。)外に証拠物件(特殊物件を除く。)を保管するときは、執務時間外保管庫において保管すること。

イ 執務時間外保管庫は、施錠設備がある堅ろうなキャビネット、倉庫等で十分な大きさのあるものとすること。

(7) 管理責任者が指定する場所

ア 一時保管庫又は本保管庫に収納できない証拠物件については、管理責任者が保管に適切な場所を指定して保管すること。ただし、執務時間外において、執務時間外保管庫に収納できない証拠物件については、当番責任者等(愛知県警察処務規程(昭和51年愛知県警察本部訓令第6号)に規定する当番責任者、当直長及び統括責任者並びに当直責任者をいう。以下同じ。)が保管に適切な場所を指定して保管すること。

イ 管理責任者又は当番責任者等が指定する場所には、原則として、施錠設備を有する警察署の駐車場、駐輪場その他の適切な場所を選定すること。ただし、やむを得ず施錠設備のない場所で証拠物件を保管するときは、当該証拠物件に応じた盗難防止措置を徹底すること。

2 鍵の保管

(1) 鍵の保管者

ア 一時保管庫、本保管庫、冷凍庫及び被疑者口くう内細胞DNA保管庫(以下「一時保管庫等」という。)の鍵は、原則として保管責任者が保管すること。ただし、保管責任者が不在のときは、副管理責任者がこれらの鍵を保管すること。

なお、一時保管庫等の鍵については、保管責任者が管理する一時保管庫等とは別に、分室等に設置された一時保管庫等を副保管責任者が管理しているときに限り、当該副保管責任者が保管することができる。

イ 管理責任者は、執務時間外に証拠物件を一時保管庫等から出し入れする必要があるときは、あらかじめ当番責任者等に当該鍵を保管させることができる。

ウ 特殊物件保管庫の鍵は、副管理責任者が保管すること。ただし、執務時間内において、副管理責任者が不在の場合にあっては管理責任者が、執務時間外にあっては当番責任者等が当該鍵を保管すること。

エ 執務時間外保管庫の鍵は、次に掲げる者が保管すること。

(ア) 執務時間内

a 警察本部 管理責任者が指定する警部以上の階級にある者

b 警察署 副管理責任者又は警務課長

(イ) 執務時間外

当番責任者等

(2) 鍵の保管方法

保管設備の鍵は、施錠設備のある場所に収納して保管すること。

第6 証拠物件の取扱要領

1 押収に伴う措置

(1) 押収等をした警察官の措置

警察官は、証拠物件を押収したとき又は事件の移送若しくは引継ぎのため証拠物件の引渡しを受けたときは、紛失、滅失、変質、破損等(以下「紛失等」という。)を防止するための適切な保存措置を執った上、速やかに事件担当係長に報告し、その取扱いについて指揮を受けること。ただし、執務時間内において事件担当係長が不在の場合にあっては、当該証拠物件に係る捜査を担当する係の警察官のうち、管理責任者が指名する者(以下「捜査担当者」という。)に、執務時間外にあっては当番責任者等に報告し、その指揮を受けること。

(2) 事件担当係長等の措置

(1)の報告を受けた事件担当係長、捜査担当者又は当番責任者等(以下「事件担当係長等」という。)は、当該証拠物件を押収した警察官から押収経緯を確認した上、次に掲げる措置を執るとともに、速やかに保管責任者又は副保管責任者(以下「保管責任者等」という。)に措置結果を報告すること。

なお、(イ)から(エ)までの措置は、押収した警察官等に補助させることができる。

(ア) 証拠物件について、明らかに捜査を行う必要がないと認めたときは、還付の手続を執ること。

(イ) 留置を要すると認めた証拠物件(被疑者口くう内細胞DNA型資料を除く。)は、システムに当該証拠物件の品名、数量等の情報を登録すること。

(ウ) システムにより証拠物件保存簿(様式第1)を作成し、証拠物件に係る出納の状況を明確にすること。

(エ) システムにより付箋(様式第2)を作成し、証拠物件に当該付箋を取り付けること。

(3) 当番責任者等の措置

ア 保管方法等

(1)の報告を受けた当番責任者等は、(2)の措置を執るとともに、証拠物件と押収関係書類とを対照し、品名、数量等を確認した上、当該証拠物件を執務時間外保管庫において保管すること。

イ 保管責任者等への引継ぎ

当番責任者等は、警察署当番又は当直勤務中に執務時間外保管庫に保管していた証拠物件を押収関係書類の写しと共に、当該証拠物件に係る捜査を担当する課の保管責任者等に引き継ぐこと。

ウ 警察署当番又は当直勤務中における引継ぎ

当番責任者等は、勤務の交替に際しては、当該証拠物件と押収関係書類の写しとを目視確認した上で確実に引き継ぐなど、証拠物件の紛失防止に配意するとともに、署日誌(愛知県警察処務規程(昭和51年愛知県警察本部訓令第6号)様式第2号)等を活用して、引継ぎの状況を明らかにしておくこと。

2 一時保管の手続等

(1) 保管責任者等の措置

ア 保管責任者等は、事件担当係長等からの報告又は当番責任者等から証拠物件の引渡しを受けたときは、証拠物件と押収関係書類とを対照し、品名、数量等を確認すること。

イ 証拠物件を確認した結果、留置して捜査を行う必要があると認めたときは、一時保管取扱責任者又は鑑定資料取扱責任者に対し、一時保管の措置を執らせること。

(2) 一時保管取扱責任者等の措置

一時保管取扱責任者又は鑑定資料取扱責任者は、保管責任者等から一時保管の指示を受けた証拠物件について、次に掲げる書類と対照するとともに、システムへの登録状況を確認した上で一時保管の措置を執ること。

(ア) 当該証拠物件に係る押収関係書類

(イ) 犯罪事件指揮・処理簿(愛知県警察捜査指揮規程(平成12年愛知県警察本部訓令第6号)様式第1。以下「事件指揮簿」という。)又は少年事件処理簿(少年警察活動規程の運用様式第4)

3 本保管の手続等

(1) 一時保管取扱責任者の措置

一時保管取扱責任者は、次のいずれかに該当するときは、保管責任者等に対し、証拠物件に係る捜査の進捗状況及び当該証拠物件の措置状況について報告すること。

(ア) 証拠物件に係る捜査は未了であるものの、当該証拠物件の押収後、おおむね1か月が経過したとき。

(イ) 証拠物件の押収後、1か月を経過していないものの、当該証拠物件に係る全ての捜査を終了したとき。

(2) 保管責任者等の措置

(1)の報告を受けた保管責任者等は、速やかに本保管取扱責任者に証拠物件の保管を引き継がせること。ただし、次に掲げる場合においては、一時保管取扱責任者に証拠物件の保管を継続させることができる。

ア 証拠物件に係る捜査は未了であるものの、近く事件処理を終結し、払出しをする見通しがあるとき。

イ 引き続き、貸出し及び返納を行う必要があるなど、一時保管取扱責任者に保管させることが適当であると認めるとき。

(3) 本保管取扱責任者の措置

ア 本保管取扱責任者は、保管責任者等から本保管の指示を受けた証拠物件について、一時保管取扱責任者から当該証拠物件及び押収関係書類並びに事件指揮簿又は少年事件処理簿の引継ぎを受けること。

イ 本保管取扱責任者は、引継ぎを受けた証拠物件と関係書類とを対照するとともに、システムへの登録状況を確認した上で本保管への保管替えを行うこと。

(4) 封印措置

保管責任者は、本保管に係る証拠物件について、原則として封印措置を執ること。ただし、保管責任者が封印措置による効果が期待できないと認めるときは、この限りではない。

4 証拠物件の貸出し及び払出し手続

証拠物件を取り扱う者は、当該証拠物件の貸出し又は払出しを行うときは、次の手続を行うこと。

ア 貸出し

(ア) 証拠物件の貸出しを受けるときは、当該証拠物件の保管責任者等に貸出しの承認を受けること。

(イ) (ア)により貸出しを受けた証拠物件を返納するときは、保管責任者等に返納し、その確認を受けること。

イ 払出し

(ア) 証拠物件の払出しを行うときは、当該証拠物件の保管責任者等に払出しの目的を説明した上で当該証拠物件を受領すること。

(イ) 送致、還付、移送等により、証拠物件の払出しを行ったときは、その旨を保管責任者等及び取扱責任者に報告すること。

(ウ) 保管責任者等から、払出しを目的として証拠物件を受領したものの、払出しを行わなかったときは、証拠物件を保管責任者等に返納し、その確認を受けること。

ウ システムへの登録

証拠物件の貸出し、払出し又は返納を行ったときは、その都度、証拠物件保存簿に必要事項を登録し、出納の状況を明確にすること。

5 証拠物件の時効送致(付)

保管責任者は、証拠物件が事件の送致(付)要領の制定(平成12年刑総発甲第80号)4の(2)に該当するときは、当該証拠物件の送致又は送付の措置を執ること。

第7 保管委託

1 保管委託の種別

管理責任者は、次に掲げる証拠物件について必要があると認めるときは、それぞれ次に定める者に対し、その保管を委託すること。

ア 警察部内の場合

(ア) おおむね100万円を超える現金、財産的価値がおおむね100万円を超える有価証券、貴金属その他の貴重品 総務部会計課長

(イ) 冷凍保存を必要とするDNA型鑑定資料のうち、超低温槽(施錠設備を有し、マイナス80℃の温度を保つことができる冷凍庫をいう。)により保存すべきもの 科学捜査研究所長

(ウ) 拳銃等、覚醒剤等その他当該証拠物件に係る事件の捜査を主管する警察本部の所属(以下「捜査主管所属」という。)において集中保管すべきもの 捜査主管所属の長

(エ) 大型物品等で警察署において保管することが不便なもの又は長期間の保管が見込まれる証拠物件のうち、保管を委託することが適当と認めるもの 適当な保管施設を有する警察本部の所属の長

イ 警察部外の場合

(ア) 火薬類その他危険物 法令に基づく適法な施設を有する者

(イ) 警察部内で保管委託を行うことが困難なもの その保管に適当と認められる施設の管理者

2 保管委託等の手続

(1) 警察部内の場合

ア 保管委託の申請

管理責任者は、保管の委託又は解除を依頼するときは、システムにより保管委託・解除申請書(様式第3)を作成し、受託管理責任者に申請すること。

イ 証拠物件の受入れ及び払出し

受託取扱責任者及び証拠物件管理所属の取扱責任者は、証拠物件の受入れ又は払出しに際しては、当該証拠物件とシステムへの登録状況とを対照するとともに、証拠物件の異状の有無等を確認すること。この場合において、封印措置が施された証拠物件の受入れ又は払出しを行うときは、封印を開披することなく、封印状況、収納容器の異状の有無等を確認することをもって、在中している証拠物件の確認に代えることができる。

(2) 警察部外の場合

警察部外への保管委託は、保管委託先から保管請書(司法警察職員捜査書類基本書式例(平成12年最高検企第54号)様式第39号又は少年警察活動規程の運用様式第28)を徴し、その経過を明らかにしておくこと。

第8 点検

1 定期点検

管理責任者は、副管理責任者、保管責任者等及び取扱責任者を指揮し、証拠物件の取扱い及び保管の状況について、年2回以上点検を実施させること。

2 随時点検

(1) 保管責任者等は、証拠物件の取扱い及び保管の状況について、随時点検を行うこと。

(2) 保管責任者等は、取扱責任者に点検を実施させることをもって、(1)の点検に代えることができる。

3 点検結果の報告等

1及び2の点検を実施した者は、システムにより点検結果表(様式第4)を作成し、管理責任者に報告すること。

4 封印措置を施した証拠物件の点検

封印措置が施された証拠物件については、封印状況、収納容器の異状の有無等を確認することをもって、在中している証拠物件の点検に代えることができる。

5 保管委託に係る証拠物件の点検

保管委託に係る証拠物件の点検は、1から4までに準じて受託管理所属において実施すること。この場合において、「管理責任者」とあるのは「受託管理責任者」と、「副管理責任者」とあるのは「受託副管理責任者」と、「保管責任者等」とあるのは「受託保管責任者」と、「取扱責任者」とあるのは「受託取扱責任者」と読み替える。

第9 人事異動に伴う証拠物件の引継ぎ

1 証拠物件管理所属における引継ぎ

(1) 証拠物件管理所属の管理責任者、保管責任者等及び取扱責任者は、人事異動によりその職を離れるときは、保管中の証拠物件の点検を実施した上で後任者に引き継ぐこと。

(2) 引継ぎを受けた後任者は、着任後速やかに、引継ぎを受けた証拠物件の保管状況等を確認すること。

2 保管委託に係る証拠物件の引継ぎ

保管委託に係る証拠物件の引継ぎは、1と同様に実施すること。この場合において、「管理責任者」とあるのは「受託管理責任者」と、「保管責任者等」とあるのは「受託保管責任者」と、「取扱責任者」とあるのは「受託取扱責任者」と読み替える。

3 不備に対する措置

1又は2により引継ぎを受けた後任者は、引継ぎを受けた証拠物件の保管状況等に不備を認めたときは、前任の管理責任者等に問い合わせ、必要に応じて関係職員を自所属に呼び出すなどして必要な措置を講ずること。

第10 事故発生時の措置

1 警察本部長への報告

(1) 職員は、取扱中又は保管中の証拠物件について、紛失等の事故の発生を認知したときは、直ちにその状況を管理責任者に報告すること。

(2) (1)の報告を受けた管理責任者は、速やかに捜査事故簿(犯罪捜査規範別記様式第25号)により警察本部長(事件主管課長経由)に報告すること。ただし、当該事故に係る事件が、触法少年又はぐ犯少年に係る事件であるときは、速やかに調査事故簿(少年警察活動規程の運用様式第51)により警察本部長(少年課長経由)に報告すること。

2 刑事総務課長等への報告

1の(2)の報告を受けた事件主管課長又は少年課長は、捜査事故簿又は調査事故簿の写しを当該部の庶務を担当する課の課長及び刑事総務課長に送付すること。

第11 その他

この要綱の実施に関し必要な細目的事項は、刑事部長が別に定める。

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愛知県警察証拠物件管理要綱の制定

令和4年1月4日 刑総発甲第4号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第6編 事/第1章 査/第8節 証拠品・置去品
沿革情報
令和4年1月4日 刑総発甲第4号
令和5年3月17日 務警発甲第46号