○愛知県警察東海地震警戒警備計画の制定

平成24年8月1日

備災発甲第115号

この度、愛知県警察東海地震警戒警備計画を別記のとおり制定し、実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

別記

愛知県警察東海地震警戒警備計画

目次

第1 総則

1 趣旨

2 準拠

3 定義

4 中部管区警察局愛知県情報通信部との連携

第2 東海地震警戒警備活動の基本

第3 警備体制

1 警備本部等

2 警備部隊

第4 東海地震警戒時における措置

1 警備体制の確立

2 情報の伝達

3 警備部隊の運用

4 各種情報の収集及び報告

5 県警戒本部等との連絡

6 警察本部長の代行指示

7 社会秩序の維持

8 銃砲若しくはクロスボウ又は刀剣類に対する措置

9 危険物、危険物施設等に対する措置

10 交通秩序の維持

11 住民等への広報

12 被留置者対策

13 警察施設の防護措置等

14 通信対策

15 皇族、閣僚等が在県していた場合の措置

16 報告

第5 平素の措置

第6 雑則

第1 総則

1 趣旨

この計画は、東海地震に関連する情報の発表又は警戒宣言の発令があった場合における警察の活動(以下「東海地震警戒警備活動」という。)に関する基本的な事項について定めるものとする。

2 準拠

東海地震警戒警備活動については、大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号。以下「大震法」という。)、災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「災対法」という。)、警察庁が定める国家公安委員会・警察庁防災業務計画その他関係法規によるほか、この計画の定めるところによる。

3 定義

この計画において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

ア 所属長 警察本部の課、室及び部の附置機関、名古屋市警察部の課、警察署並びに警察学校の長をいう。

イ 警備要員 警察官及び所属長が指定する警察職員をいう。

ウ 東海地震 駿河トラフを震源域として、近い将来発生が予想される大規模な地震をいう。

エ 東海地震に関連する情報 東海地震予知情報、東海地震注意情報及び東海地震に関連する調査情報(臨時)をいう。

オ 東海地震予知情報 東海地震が発生するおそれがあると認められ、警戒宣言が発せられた場合に気象庁が発表する情報をいう。

カ 東海地震注意情報 観測された現象が東海地震の前兆現象である可能性が高まった場合に気象庁が発表する情報をいう。

キ 東海地震に関連する調査情報(臨時) 東海地域の観測データに通常とは異なる変化が観測された場合に気象庁がその変化の原因についての調査の状況を発表する情報をいう。

ク 東海地震注意情報等 東海地震予知情報又は東海地震注意情報をいう。

ケ 警戒宣言 大震法第2条第13号に規定する警戒宣言をいう。

コ 東海地震警戒時 第3の1の(1)に規定する愛知県警察東海地震警戒警備本部の設置から大規模地震の発生、東海地震に関連する情報の終了の発表又は警戒解除宣言(大震法第9条第3項に規定する警戒解除宣言をいう。)の発令までの間をいう。

サ 強化地域 大震法第3条第1項に規定する地震防災対策強化地域をいう。

シ 地震防災応急対策 大震法第2条第14号に規定する地震防災応急対策をいう。

4 中部管区警察局愛知県情報通信部との連携

この計画において、通信に関する事項については、中部管区警察局愛知県情報通信部と緊密な連携を図り、協力して行うものとする。

第2 東海地震警戒警備活動の基本

東海地震警戒警備活動の基本は、警備体制の早期確立、情報の収集、混乱の防止等に努め、防災関係機関との緊密な連携の下に警察の総合力を発揮し、個人の生命及び身体の保護を第一とした警察活動を行うものとする。

第3 警備体制

1 警備本部等

(1) 愛知県警察東海地震警戒警備本部

ア 東海地震注意情報の発表又は警戒宣言の発令があった場合は、警察本部に警察本部長を東海地震警戒警備本部長とする愛知県警察東海地震警戒警備本部(以下「東海地震警戒警備本部」という。)を設置するものとする。

イ 東海地震に関連する調査情報(臨時)の発表があった場合において、警察本部長が東海地震警戒警備本部の設置を必要と認めるときは、東海地震警戒警備本部を設置することができるものとする。

(2) 警察署東海地震警戒警備本部

東海地震警戒警備本部が設置された場合は、警察署に警察署長を署東海地震警戒警備本部長とする警察署東海地震警戒警備本部(以下「署東海地震警戒警備本部」という。)を設置するものとする。

(3) 地震発生時における警備本部体制への移行

東海地震警戒警備本部及び署東海地震警戒警備本部(以下「東海地震警戒警備本部等」という。)の設置中に東海地震が発生した場合は、愛知県警察自然災害警備基本計画の制定(令和4年備災発甲第60号。以下「警備基本計画」という。)に定めるところによりそれぞれ甲号総合警備本部又は乙号総合警備本部及び現地警備本部への移行を行うものとする。

(4) 警備連絡室及び警察署連絡員

ア 東海地震に関連する調査情報(臨時)が発表された場合は、警察本部に警備第二課長を室長とする警備連絡室を設置するものとする。

イ 警察署長は、警備連絡室が設置された場合は、警察署連絡員を指定し、警備連絡室との連絡に当たらせるものとする。

(5) 東海地震警戒警備本部等の組織及び任務

ア 東海地震警戒警備本部

東海地震警戒警備本部の組織及び任務は、警備基本計画別表第2を準用する。

イ 署東海地震警戒警備本部

署東海地震警戒警備本部の組織及び任務は、東海地震警戒警備本部に準じて警察署の実情に応じ、警察署長が定めるものとする。

ウ 警備連絡室

警備連絡室の組織及び任務は、警備基本計画別表第4を準用する。

(6) 各班の運用

東海地震警戒警備本部が設置された場合は、総括班、部隊運用班、情報班、受援連絡班、報道対策班、留置管理班、施設班、装備班、地域運用班、通信指令班、交通対策班、交通規制班及び通信班を警察本部総合指揮室において運用するものとする。これら以外の班は、東海地震警戒警備本部長が警察本部総合指揮室での運用を指示する場合のほか、各班長が指定する場所において運用するものとする。

(7) 東海地震警戒警備本部等の要員の指定

所属長は、あらかじめ東海地震警戒警備本部等及び警備連絡室の要員を指定し、任務その他執るべき措置について指示するものとする。

(8) 体制の解除

東海地震警戒警備本部等及び警備連絡室の設置事由がなくなった場合は、警備体制を解除するものとする。

2 警備部隊

(1) 警備部隊の編成及び任務

ア 警備本部直轄部隊

(ア) 警備本部を設置した場合は、次に掲げる部隊を警備本部直轄部隊として運用するものとする。

a 機動隊

b 第二機動隊特別大隊

c 災害警備特別部隊

d 第二機動隊一般大隊警察本部部隊(第二機動隊一般大隊において警察本部の職員で編成された部隊をいう。以下同じ。)

e 警察本部特科部隊

(イ) 警備本部直轄部隊の組織及び任務については、警備基本計画第3章の第1の1の(9)のアの規定を準用する。

イ 警察署部隊

(ア) 警察署長は、現地警備本部を設置した場合は、必要に応じて警察署部隊を編成するものとする。

(イ) 警察署部隊の編成及び任務は、警備本部直轄部隊に準じて警察署の実情に応じ、警察署長が定めるものとする。

(2) 警備部隊の装備

ア 警備本部直轄部隊の服装は、状況により広域緊急援助隊の服制(平成7年警察庁告示第2号)に定める災害活動服を着用できるものとする。

イ 警備部隊員を私服により運用するときは、必要に応じて警察職員であることを示す腕章を着装するものとする。

第4 東海地震警戒時における措置

1 警備体制の確立

(1) 警備要員の招集及び参集

ア 招集

(ア) 所属長は、次に掲げる場合は、警備要員の総員招集を行うものとする。

a 警戒宣言が発令された場合

b 東海地震注意情報が発表された場合

c 第3の1の(1)の規定により東海地震警戒警備本部が設置された場合

(イ) 所属長は、招集を迅速的確に行うため、あらかじめ招集命令伝達系統図を作成するものとする。

イ 参集

警備要員は、次に掲げる事項を認知した場合は、自己の所属に自主参集するものとする。

a 警戒宣言の発令

b 東海地震注意情報の発表

ウ 応招又は参集の免除等

(ア) 警備要員のうち次のいずれかに該当する者は、応招又は参集を免除するものとする。

a 休職中の者

b 停職中の者

c 警察大学校又は管区警察学校に派遣中又は入校中の者

d 他の機関に派遣中の者

(イ) 所属長は、警備要員のうち次のいずれかに該当する者は、あらかじめ指定して応招又は参集を免除することができるものとする。

b aのほか、特別の事情があって所属長がやむを得ないと認めた者

(ウ) 警備要員は、次のいずれかに該当する場合は、所属長に願い出て応招又は参集の猶予又は免除を受けることができるものとする。

a 傷病により、応招し、若しくは参集することが困難である場合又は応招し、若しくは参集することにより著しく症状が悪化するおそれがある場合

b その他特別の事由がある場合

(2) 交通機関停止時の応招又は参集要領等

警戒宣言の発令により一般交通機関の運行が停止した場合の応招又は参集要領は、地震の発生を想定し、原則として徒歩、自転車、二輪車等により自己の所属に応招し、又は参集するものとする。ただし、応招又は参集途上で地震が発生した場合は、警備基本計画の定めるところによるものとする。

(3) 警備要員の心構え

ア 日頃から、一般交通機関の途絶を想定した自己の所属への応招又は参集の方法、経路等を研究し、応招又は参集途上の愛知県内の警察署の位置を把握しておくものとする。

イ 応招又は参集途上に見聞きした被害状況等の把握に努め、応招又は参集後、直ちに自己の所属長に報告するものとする。

ウ 東海地震に関連する調査情報(臨時)が発表されている間は、テレビ、ラジオ等の情報に特に注意を払うものとする。

2 情報の伝達

(1) 警察本部の措置

ア 執務時間内の措置

(ア) 通信指令課長は、東海地震に関連する情報の発表又は警戒宣言の発令を受理し、又は認知した場合は、直ちに警備第二課長に連絡するものとする。

(イ) 警備第二課長は、直ちに東海地震注意情報等の内容又は警戒宣言の発令を警察本部長に報告するものとする。

(ウ) 警察本部長は、東海地震注意情報等の内容又は警戒宣言の発令を、警察本部本庁舎の所属長及び警察本部来庁者に対しては庁内放送等により、その他の所属長に対しては有線通信、無線通信又は至急通報管理システムにより伝達するものとする。

イ 執務時間外の措置

(ア) 通信指令官は、東海地震注意情報等の発表又は警戒宣言の発令を受理し、又は認知した場合は、直ちに警察本部長に報告するほか、当直司令及び各部の当直責任者に連絡するものとする。

(イ) 警察本部長は、東海地震注意情報等の内容又は警戒宣言の発令を警察本部本庁舎以外の所属長に対して有線通信、無線通信又は至急通報管理システムにより伝達するものとする。

(ウ) 当直司令は部の当直を置かない部の部長及び警察本部本庁舎の所属長に対し、部の当直責任者はそれぞれの部長及び警察本部本庁舎の所属長に対し東海地震注意情報等の内容又は警戒宣言の発令を報告するものとする。

ウ 東海地震警戒警備本部が設置されている場合

通信指令課長は、東海地震注意情報等の発表又は警戒宣言の発令を受理し、又は認知した場合は、直ちに東海地震警戒警備本部長に報告するものとする。

(2) 所属長の措置

所属長は、東海地震注意情報の発表又は警戒宣言の発令を受理し、又は認知した場合は、次に掲げる措置を執るものとする。

(ア) 所属職員への伝達

(イ) 総員招集の徹底

(ウ) 来庁者への伝達及び危険防止の措置

(エ) 市町村長への通報

(オ) 津波の発生を想定した沿岸部住民等への情報伝達及び広報

3 警備部隊の運用

(1) 部隊運用の基本

東海地震警戒警備本部長及び署東海地震警戒警備本部長(以下「東海地震警戒警備本部長等」という。)は、人の滞留等による混乱が予想される地域、場所等及び緊急交通路、交通規制対象道路等の交通対策上の主要箇所等に、早期に部隊の配置を行うものとする。

(2) 警備本部直轄部隊

ア 機動隊及び第二機動隊特別大隊

直ちに編成し、東海地震警戒警備本部長の特命事項を行うものとする。

イ 災害警備特別部隊及び第二機動隊一般大隊警察本部部隊

東海地震警戒警備本部長が必要に応じて編成し、及び運用するものとする。

ウ 警察本部特科部隊

(ア) 先行情報隊

直ちに編成し、東海地震警戒警備本部長の特命事項を行うものとする。

(イ) 自動車警ら隊

混乱が予想される地域、場所等に警ら用無線自動車を配置し、警戒、広報活動等のほか、東海地震警戒警備本部長の特命事項を行うものとする。

(ウ) 鉄道警察隊

鉄道事業者等と連絡調整を行い、混乱状況の把握、混乱防止の指導等のほか、東海地震警戒警備本部長の特命事項を行うものとする。

(エ) 交通特科隊

a 第一交通機動隊及び第二交通機動隊

交通対策上の主要箇所等に配置し、交通混雑の防止、整理誘導、広報等を行い、警戒宣言の発令時には、緊急交通路の確保等の交通規制を実施するほか、東海地震警戒警備本部長の特命事項を行うものとする。

b 高速道路交通警察隊

インターチェンジ、サービスエリア等において広報を行い、警戒宣言の発令時には、一般車両の強化地域への流入制限、走行車両の低速走行の規制等を行うとともに、強化地域内の車両及び運転者の避難及び誘導を行うほか、東海地震警戒警備本部長の特命事項を行うものとする。

(オ) 警察航空隊

直ちに出動準備を行い、東海地震警戒警備本部長の特命事項を行うものとする。

(カ) 捜査特科隊

混乱又は犯罪の発生が予想される地域、場所等に配置し、警戒活動のほか、東海地震警戒警備本部長の特命事項を行うものとする。

(キ) (ア)から(カ)まで以外の警察本部特科部隊については、東海地震警戒警備本部長が必要に応じて編成し、及び運用するものとする。

4 各種情報の収集及び報告

(1) 所属長の報告事項

所属長は、次に掲げる事項を東海地震警戒警備本部長に報告するものとする。

(ア) 東海地震注意情報の発表時又は警戒宣言の発令時の現在員数

(イ) 毎正時及び毎時30分現在の警備要員の応招又は参集状況

(ウ) 応招又は参集免除者数

(2) 署東海地震警戒警備本部長の報告事項

署東海地震警戒警備本部長は、(1)のほか次に掲げる事項を東海地震警戒警備本部長に報告するものとする。

(ア) 署東海地震警戒警備本部の設置場所、連絡先電話番号等

(イ) 部隊編成状況

(3) 関係所属長の報告事項

(1)のほか次に掲げる事項を把握した所属長は、東海地震警戒警備本部長に報告するものとする。

(ア) 東海地震注意情報等の発表又は警戒宣言の発令に対する住民等の反応及び避難の状況

(イ) 主要幹線道路、交通規制対象道路等の渋滞、駐車車両等の状況

(ウ) バス、電車、航空機等公共交通機関の状況

(エ) 主要駅、繁華街、地下街その他の不特定多数の者が集まる施設・場所の混乱状況

(オ) 極端な暴動、混乱等特異事案又は不法事案の発生状況又は事態収拾に関する今後の見通し

(カ) 交通規制、避難誘導、混乱防止、犯罪の予防及び取締り等警察措置の実施状況

(キ) 県、市区町村等防災関係機関が行った地震防災応急対策の実施状況

(ク) その他流言飛語等特異な事項

5 県警戒本部等との連絡

(1) 東海地震警戒警備本部長等は、必要な情報を県又は市区町村の地震災害警戒本部(以下「県警戒本部等」という。)に連絡するものとする。

(2) 東海地震警戒警備本部長等は、県警戒本部等へ連絡員を派遣するものとする。

6 警察本部長の代行指示

(1) 大震法第23条第5項の規定による警察本部長の行う指示、要請又は勧告(以下「代行指示」という。)は、要求した市町村を管轄する警察署長を通じて行うものとする。

(2) 警察署長は、市町村長から代行指示の要求を受けた場合は、警察本部長にその旨を報告しなければならない。

7 社会秩序の維持

東海地震警戒警備本部長等は、次により東海地震警戒時における社会秩序の維持を図るものとする。

ア 混乱防止の措置

(ア) 警戒宣言の発令時において、主要駅、繁華街、地下街その他不特定多数の者が集まる施設・場所の管理者や自治体等の関係機関と緊密に連携して広報、整理誘導等の混乱防止措置を行うものとする。

(イ) 正しい情報の積極的な広報及び混乱発生時における迅速な対処により、流言飛語による混乱の防止措置を行うものとする。

イ 不法事案に対する措置

(ア) 窃盗犯、粗暴犯、暴力団又は国際犯罪組織による組織的な事犯その他の混乱等に乗じた犯罪の予防及び取締りを行うものとする。

(イ) 暴力団等による地震発生後に向けた復旧・復興事業への参入・介入の防止を図るものとする。

ウ 避難に伴う措置

(ア) 警戒宣言の発令時において、災対法第60条の規定により避難の対象となる地区(以下「避難対象地区」という。)の居住者等への避難誘導は、市区町村等関係機関と連携を密にした活動を行うものとする。

(イ) 避難に伴う混雑等において危険な事態が発生するおそれがあると認める場合は、大震法第25条に規定する措置を執るものとする。

(ウ) 沿岸部又は津波被害が予想される地域を管轄する署東海地震警戒警備本部長は、東海地震注意情報等の発表又は警戒宣言が発令された際には、地震発生に備えた避難広報等に努めるものとする。

(エ) 避難の方法は徒歩によるものとされているが、市町村長があらかじめ指定した避難対象地区の居住者等については車両による避難を行うことができることから、居住者等による車両の避難について、市町村等関係機関と連携を密にするものとする。

(オ) 避難先及び避難対象地区に対する警戒活動を行うものとする。

(カ) 避難及び誘導に当たっては、避難行動要支援者(高齢者、障害者、乳幼児その他特に配慮を要する者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難なものであって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するものをいう。)を優先した活動を行うものとする。

エ 自主防災活動に対する支援

自治会、町内会、自主防災組織等の住民等による防災活動に対する支援を行うものとする。

8 銃砲若しくはクロスボウ又は刀剣類に対する措置

東海地震警戒警備本部長等は、次により銃砲若しくはクロスボウ又は刀剣類に対する必要な措置を執るものとする。

ア あらゆる広報媒体を活用して、猟友会をはじめとした関係団体並びに銃砲若しくはクロスボウ又は刀剣類の所持者及び販売業者等に対し、運搬等の自粛及び保管管理の徹底を指導するものとする。

イ 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号)第26条第1項に規定する告示の必要性を検討するための情報収集に努めるものとする。

9 危険物、危険物施設等に対する措置

東海地震警戒警備本部長等は、次により危険物、危険物施設等に対する必要な措置を執るものとする。

ア 危険物運搬車両等

火薬類、核燃料物質その他の危険物の運搬については、関係業界に対しその自粛を要請するとともに、現に運搬している車両に対しては、最寄りの施設への避難等必要な措置を指示するものとする。

イ 危険物施設等

石油コンビナート等の危険物施設等に対しては、関係行政機関と連携して各種情報の収集に努めるとともに、危険物等による被害の発生を防止するための必要な措置を要請するものとする。

10 交通秩序の維持

(1) 交通規制

ア 基本方針

(ア) 東海地震注意情報の発表時

東海地震注意情報の発表から警戒宣言の発令までの間は、必要に応じて道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「道交法」という。)に基づく警察署長及び高速道路警察隊長並びに現場の警察官による交通規制を行うものとする。

(イ) 警戒宣言の発令時

a 一般道については、一般車両の強化地域内での走行を極力抑制するとともに、強化地域への流入は極力制限すること。

なお、強化地域からの流出は交通の混乱が生じない限り、原則として制限しないものとする。

b 高速自動車国道及び自動車専用道路(国道155号及び国道247号の指定区間(通称「西知多産業道路」をいう。)を除く。以下「高速道路等」という。)については、一般車両の強化地域内のインターチェンジ等から進入を制限するとともに、強化地域への流入を制限し、強化地域からの流出は、制限しないものとする。

c 避難路及び緊急交通路については、優先的にその機能確保を図るものとする。

イ 根拠及び手続

東海地震注意情報の発表から警戒宣言の発令までの間の交通規制は道交法第5条及び第6条の規定により、警戒宣言の発令時の交通規制は大震法第24条並びに道交法第5条及び第6条の規定により行うこととし、このうち大震法による場合は、大規模地震対策特別措置法施行規則(昭和54年総理府令第38号)別記様式第4の標示の設置並びに道路管理者及び関係公安委員会への通知を行うものとする。

ウ 緊急交通路の確保

東海地震警戒警備本部長等は、次に掲げる交通規制等の措置により緊急交通路の確保を行うものとする。

a 第1次措置

(a) 強化地域規制

東海地震警戒警備本部長等は、高速道路等の各インターチェンジ等において、流入制限を行うものとする。

(b) 強化地域周辺規制

東海地震警戒警備本部長等は、強化地域内への流入を極力制限するため、主要箇所において必要な交通の規制及び誘導を行うものとする。

b 第2次措置

東海地震警戒警備本部長等は、避難及び地震防災応急対策に支障が生じる事態が発生した場合は、必要な交通規制の見直しを行うものとする。

エ 広域交通規制

東海地震警戒警備本部長等は、交通の混乱を防止し、かつ、緊急輸送を確保するため、警察庁及び中部管区警察局と調整の上、広域的な交通規制及び誘導を行うものとする。

オ 広域的な避難場所の周辺道路

東海地震警戒警備本部長等は、避難場所としての機能を確保するため、駐車禁止、一方通行、指定方向外進行禁止等の必要な交通規制を行うものとする。

カ 津波被害発生予測地域の周辺道路

東海地震警戒警備本部長及び沿岸部を管轄する署東海地震警戒警備本部長は、津波被害発生予測地域内の道路及び同地域に通ずる道路について、通行禁止等の必要な交通規制を行うものとする。

キ 石油コンビナート等特別防災区域の周辺道路

東海地震警戒警備本部長等は、石油コンビナート等特別防災区域を指定する政令(昭和51年政令第192号)に規定する県内の石油コンビナート等特別防災区域の周辺道路において、必要な交通規制を行うものとする。

(2) 緊急通行車両の確認手続等

交通部長が別に定めるところにより行うものとする。

(3) 信号機の滅灯対策

関係所属長は、信号機電源付加装置等の信号機の滅灯対策に資する装置の設置箇所及び交通整理計画等の再確認を行い、緊急交通路等の円滑な交通整理及び誘導に備えるものとする。

(4) 関連措置

東海地震警戒警備本部長等は、交通秩序の維持に関し、次に掲げる措置を行うものとする。

(ア) 一般車両使用抑制への協力依頼

(イ) 情報収集及び提供の推進体制の確立

(ウ) 報道機関及び道路交通情報センターとの連携

(エ) 放置車両等の排除

(オ) 交通管制施設の機能確保

(カ) 警備業協会との協定に基づく交通誘導等の要請

(キ) 日本自動車連盟との協定に基づく放置車両等除去の要請

11 住民等への広報

東海地震警戒警備本部長等は、次に掲げる方法等により住民等への広報活動に努めるものとする。

ア 広報活動の重点

(ア) 東海地震注意情報等の内容に関する情報

(イ) 車両運転の自粛及び運転者の執るべき措置

(ウ) 交通の状況及び交通規制の実施状況

(エ) 犯罪の予防等のために住民が執るべき措置

(オ) 地震発生後の避難のために必要な情報

(カ) 混乱防止のための必要な情報

イ 広報の方法

(ア) 交番、駐在所及び警ら用無線自動車の勤務員の活用

(イ) 警察用車両、警察用航空機等の活用

(ウ) 各種ネットワーク及び広報媒体の活用

(エ) 報道機関に対する協力要請

(オ) 町内会、自治会等との連携

12 被留置者対策

東海地震警戒警備本部長等は、東海地震注意情報等の発表時又は警戒宣言の発令時においては、被留置者の避難措置のため、避難先、護送体制、護送車両の確保及び避難先経路の確認を行うほか、必要に応じて車両による移送等被留置者の安全確保の措置を講ずるものとする。

13 警察施設の防護措置等

所属長は、東海地震注意情報の発表時又は警戒宣言の発令時においては、次に掲げる措置を執るものとする。

ア 警察施設の点検及び整備

施設内の点検を行うとともに、地震発生後の出入口の確保に努めるものとする。

イ 火気点検及び防火措置

(ア) 火気使用設備及び危険物施設の使用を中止し、又は制限するものとする。

(イ) 消防器具の点検を行うものとする。

(ウ) 愛知県警察庁内管理要綱の制定(平成6年総施発甲第27号)第2の7に定める措置を執るものとする。

ウ 転倒防止及び非常持出しの準備

ロッカー、書棚等については、転倒防止措置を講ずるほか、非常持出しの準備等を行うものとする。ただし、拳銃及び実包については、保管庫の転倒防止措置、確実な施錠の実施等の防災対策を講じ、むやみに庫外へ持ち出してはならない。

エ 警察用車両の措置

(ア) 庁舎の倒壊等により警察用車両が被災するおそれがある場合は、原則として避難場所以外で、警察用車両を保管しても活動及び管理に支障を及ぼさない場所に移動するものとし、適当な場所がない場合は、むやみに庁舎外へ搬送してはならない。

(イ) 保有する警察用車両の現状を把握するとともに、災害警備活動に使用する車両を確保するものとする。

なお、警察本部本庁舎の所属長は、装備課長による警察用車両の配分に備えた措置を執るものとする。

オ 非常用発電機の準備

非常用発電機の給油、予備燃料の確保等に努めるものとする。

14 通信対策

所属長は、地震発生時に備え通信手段を確保するものとする。

15 皇族、閣僚等が在県していた場合の措置

東海地震警戒警備本部長等は、東海地震注意情報の発表時に皇族、閣僚等が在県し、警察に対して移動に関する協力要請があった場合は、最寄り駅、空港、ヘリポート等への移動について可能な限り協力するものとする。

なお、警戒宣言の発令時において皇族、閣僚等が在県している場合には、車両又は航空機利用による緊急輸送等必要な措置を講ずるものとする。

16 報告

(1) 警察庁及び中部管区警察局に対する報告

東海地震警戒警備本部長は、次に掲げる事項を警察庁及び中部管区警察局へ報告するものとする。

(ア) 警備体制

(イ) 住民等の反応及び避難状況

(ウ) 主要幹線道路等の交通状況

(エ) 特異事案等の発生状況

(オ) 警察措置の実施状況

(2) 公安委員会への報告

警察本部長は、実施した警察活動につき、公安委員会に対して報告を行うものとする。

第5 平素の措置

警察署長は、東海地震発生に備えて、警備基本計画第2章の第2に定める平素の措置を推進するほか、管轄区域内において大震法第7条に定める地震防災応急計画を作成しなければならない施設、事業者等について実態把握を行うとともに、市区町村と連携して必要な措置を行うものとする。

第6 雑則

この計画に定めるもののほか、計画の実施に関し必要な事項は、警備部長が別に定めるものとする。

〔平27備災発甲114号同215号同務警発甲234号平30備災発甲72号令4備災発甲68号・本別記一部改正〕

愛知県警察東海地震警戒警備計画の制定

平成24年8月1日 備災発甲第115号

(令和5年9月1日施行)

体系情報
第8編 備/第2章 備/第2節 災害警備
沿革情報
平成24年8月1日 備災発甲第115号
平成25年 務警発甲第76号
平成26年 務警発甲第65号
平成27年 備災発甲第114号
平成27年 備災発甲第215号
平成27年 務警発甲第234号
平成29年 備災発甲第13号
平成30年 備災発甲第72号
平成31年 務警発甲第47号
令和3年 務警発甲第156号
令和4年 備災発甲第68号
令和5年3月20日 務厚発甲第49号
令和5年3月28日 務警発甲第66号
令和5年8月18日 交規発甲第147号