○総合対処法訓練等の推進要綱の制定
令和7年12月22日
務教発甲第219号
この度、より実戦に即した総合対処技能の修得及び向上に資する総合対処法訓練並びにその前提となる訓練及び教養の在り方を見直したことに伴い、別記のとおり総合対処法訓練等の推進要綱を制定し、令和8年1月1日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。
なお、総合対処法訓練要綱の制定(令和2年務教発甲第147号)は、令和7年12月31日限り廃止する。
別記
総合対処法訓練等の推進要綱
第1 目的
この要綱は、総合対処法訓練並びにその前提となる訓練及び教養の在り方について必要な事項を定め、より実戦に即した総合対処技能の修得及び向上を図り、もって警察官の総合的な事態対処能力を向上させることを目的とする。
第2 定義
この要綱における用語の意義は、次に定めるところによる。
(1) 警察術技訓練 犯人等の制圧又は検挙に有効な逮捕術及び拳銃の訓練をいう。
(2) 総合対処法訓練 警察術技訓練により修得した全ての術技を前提として、犯人等の襲撃、抵抗等に直面した場合の状況判断能力を養うとともに、勤務員相互の連携及び装備資機材(拳銃、警棒、特殊警戒用具、刺股、楯、催涙スプレー等をいう。以下同じ。)の効果的活用方策を修得し、もって受傷することなく犯人等を制圧し、又は検挙するための総合対処技能の向上を図るための訓練をいう。
(3) マインドセット教養 職務執行の現場で発生し得る受傷リスクを具体的に認識させ、警察術技訓練及び総合対処法訓練の実施について動機付けを図るための教養をいう。
(4) 総合対処法訓練等 警察術技訓練及び総合対処法訓練に加え、マインドセット教養を実施する訓練(以下「訓練等」という。)をいう。
第3 訓練等推進体制
1 訓練等総括責任者
(1) 警察本部に訓練等総括責任者を置き、教養課長をもって充てる。
(2) 訓練等総括責任者は、訓練等の推進を総括し、次に掲げる事務を行う。
ア 訓練等の指導体制の充実に関すること。
イ 訓練環境の整備に関すること。
ウ 各所属における訓練等の推進状況の管理に関すること。
エ 各所属における訓練等の推進に対する指導、助言及び支援に関すること。
オ 訓練等の安全管理対策に関すること。
カ 各所属における訓練等の推進に対する賞揚措置等に関すること。
2 訓練等責任者
(1) 所属に訓練等責任者を置き、所属の長をもって充てる。この場合において、訓練等総括責任者は、訓練等責任者を兼ねるものとする。
(2) 訓練等責任者は、訓練等総括責任者と連携して、安全管理に配意の上、所属における訓練等を計画的に推進すること。
3 訓練等推進責任者
(1) 所属に訓練等推進責任者を置き、警部以上の階級にある者のうちから訓練等責任者が指名するものをもって充てる。
(2) 訓練等推進責任者は、年間を通じた効果的かつ効率的な訓練計画を策定し、実効のある訓練等を推進すること。
4 訓練指導者
(1) 教養課、自動車警ら隊、鉄道警察隊、機動捜査隊、第一交通機動隊、第二交通機動隊、高速道路交通警察隊、機動隊、警察署及び警察学校(以下「特定所属」という。)に訓練指導者を置き、術科訓練指導者等配置要綱の制定(平成14年務教発甲第31号)第4の2に定める総合対処法訓練の訓練指導者をもって充てる。
(2) 訓練指導者は、訓練参加者、訓練場所及び訓練状況を把握した上で、適切かつ具体的な訓練指導、安全管理の推進及び受傷事故の防止に努めなければならない。
第4 訓練等の計画の策定
1 訓練計画の策定
訓練等推進責任者は、訓練等が特定の者に偏ることのないよう、所属する全ての警察官(教養課の訓練推進責任者にあっては、特定所属以外の警察官を含む。)が実施できる訓練計画を策定すること。また、所属における実施状況を管理し、訓練等の実施が低調な者に対しては、補完の訓練等を実施させること。
2 実効のある訓練計画の策定
訓練計画の策定に当たっては、基本の反復に終始した単調なものとならない実効のある訓練計画を策定すること。
3 効率的な訓練計画
訓練計画の策定に当たっては、警務部長が別に定める訓練実施基準に示す各訓練単位について、効率的に実施できるよう、各所属の実情に応じて訓練計画を策定すること。
第5 推進上の留意事項
1 指導体制の充実
(1) 訓練等総括責任者は、逮捕術及び拳銃の指導に必要な知識及び技能の修得並びに向上を図るための専科又は講習を実施すること。
(2) 訓練等総括責任者は、(1)の専科又は講習を訓練指導者及び訓練指導者としての適性を有すると認められる者に受講させるなど、訓練指導者の計画的な育成に努めること。
(3) 訓練等総括責任者は、各所属に対する適正かつ効果的な訓練実施の指導に努めること。
2 気運の醸成及び訓練環境の整備
(1) 訓練等総括責任者は、各所属の訓練参加者に訓練等の必要性及び重要性を理解させること。
(2) 訓練等総括責任者は、訓練等の推進状況が良好な所属及び個人に対する賞揚措置を励行するなどにより、訓練等を推進する気運の醸成を図ること。
(3) 訓練等総括責任者は、実効性及び安全性に配意した警察術技訓練及び総合対処法訓練が推進できるよう、訓練場所の確保、警棒、警じょう、防護用具その他訓練に必要な装備資機材の整備等の環境整備に努めること。
3 訓練等の推進支援
訓練等総括責任者は、各所属における訓練等の推進状況を的確に把握し、その計画、内容及び安全管理に関する指導及び助言を行うほか、必要に応じて訓練指導者を派遣するなどの支援を行うこと。
4 緊張感の保持
訓練指導者は、警察術技訓練及び総合対処法訓練の実施においては、訓練の目的を十分理解させるとともに、実際の職務執行と同様の緊張感を保持させること。
5 実効ある指導
(1) 訓練指導者は、術技の指導に当たっては、動作の模範を示し、術技の要領及び要点を理解させること。
(2) 訓練指導者は、訓練等の実施に当たっては、個々の体力及び精神力を錬成するほか、警察官として必要な資質の向上に努めること。
6 安全管理
訓練等の安全管理に当たっては、術科訓練安全管理要領の制定(令和7年務教発甲第218号)の定めるところによる。
7 複数所属が合同で実施する訓練等における指導体制
(1) 複数所属が合同で訓練等を実施するときは、当該訓練を主催する所属の訓練等責任者及び訓練等推進責任者の責任において企画及び運営を行うこと。
(2) 訓練等責任者は、関係所属間における訓練指導者の運用について、必要に応じて調整を図ること。
8 警察施設の有効活用
訓練指導者は、安全管理に配意しつつ、訓練等の内容に応じて、会議室、講堂、柔剣道場その他のあらゆる警察施設を有効活用して訓練等を実施すること。
9 他の教養訓練の機会を捉えた合理的かつ効率的な運用
訓練指導者は、総合対処法訓練及びマインドセット教養について、警察学校、射撃場等に集合して行う他の教養訓練、警察本部の各部が企画する教養訓練等の機会と併せて実施するなど合理的かつ効率的な運用を行うこと。
第6 細目的事項
この要綱に定めるもののほか、訓練等の実施に関する細目的事項は、警務部長が別に定める。