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【あいち農業イノベーションプロジェクト】「湿害を回避できる大豆の高速畝立播種機」の社会実装について

ページID:0623904 掲載日:2026年1月22日更新 印刷ページ表示
2 飢餓をゼロに9 産業と技術革新の基盤をつくろう

  愛知県では、STATION Aiプロジェクトの一環として、愛知県農業総合試験場(長久手市)とスタートアップ等が連携して新しい農業イノベーションの創出を目指す「あいち農業イノベーションプロジェクト」を2021年度から実施しています。
 この度、農業総合試験場と鋤柄(すきがら)農機株式会社(岡崎市)の共同研究開発により、大豆の高速畝立播種(うねたてはしゅ)機を開発し、受注生産が可能となりましたのでお知らせします。
 本機は、畝立てと同時に播種する(種をまく)ことにより大豆の主な減収要因である湿害を回避し、生育の健全化と高収量を実現します。さらに、従来機より高速な播種が可能で、播種前の耕起作業が不要となるなど、作業性にも優れています。

1 開発した高速畝立播種機の特徴

(1) 湿害回避による生育・収量改善

 大豆は生育初期の湿害に極めて弱く、種子の腐敗や発芽不良を引き起こし、収量低下の大きな原因となります。今回開発した高速畝立播種機は、畝を立てながら播種を行うことにより湿害を防ぎ、初期生育を改善します。
 さらに、生育初期だけでなく、生育期間全体を通じて湿害が起こりにくくなるため、1株あたりの収量増加も期待できます。
  2023、2024年度に実施した生産現場及び農業総合試験場内での実証試験では、特に播種後に降雨が多い条件下で、従来機に比べ約30~90%の増収を確認しました。

播種後40日の大豆の様子

写真1 播種後40日の大豆の様子
 左:高速畝立播種機
 右:従来の播種機

 

畝立てによる湿害回避のイメージ

図 畝立てによる湿害回避のイメージ

(2) 高い作業性

 本県では、米・麦・大豆を2年で3作するブロックローテーション※が定着しており、大豆は主に小麦の後作として栽培されます。小麦の刈取後に大豆を播種する場合、通常は「事前耕起」と「播種」を分けて行いますが、本機は、耕起・畝立て・播種を1回で同時に実施可能です。さらに、ロータリ部分の改良により時速4~5kmの高速播種作業が可能(従来機は時速2~3km)で、作業時間を大幅に短縮できます。
 また、降雨後でも事前耕起なしで播種できるため、収量低下リスクを軽減します。

※ 地域の農地を複数のブロックに分け、米、麦、大豆などを順番に作付けする方式

2 高速畝立播種機の生産・販売について

 共同研究開発者である鋤柄農機株式会社において、2026年2月から受注生産を開始します。生産者は3条播種タイプと4条播種タイプから選択可能です。
 本機は「畝立ロータリ」と「播種ユニット」の2つのパーツで構成され、セット購入のほか、パーツ単位での購入も可能です。
 注文方法、価格、納期などの詳細は鋤柄農機株式会社までお問い合わせください。

商品化した播種機

写真2 商品化した播種機
 左:3条播種タイプ(条間75cm) 右:4条播種タイプ(条間57xm)

3 成果発表について

(1) 高速畝立播種機の展示

  「あいち農業イノベーション研究会※」の構成員が主催する水稲生産者向け農業機械実演試乗会「2026 AGRI NEXT」において高速畝立播種機を展示します。

  〔2026 AGRI NEXT〕
  日時:2026年1月28日(水曜日) 午前10時~午後3時
  場所:安城産業文化公園デンパーク(愛知県安城市赤松町梶1)付近ほ場
  主催者:あいち中央農業協同組合及び愛知県経済農業協同組合連合会

  ※ 下記「参考2」参照

(2) 共同研究開発成果の発表

 「あいち農業イノベーションプロジェクト」の成果発信や愛知発の農業イノベーションの更なる創出に向けたイベント「あいち農業イノベーションサミット2026」において、本共同研究開発の成果発表を行います。

 〔あいち農業イノベーションサミット2026(2025年12月16日発表済み)〕
  日時:2026年2月9日(月曜日) 午前11時~午後5時
  場所:STATION Ai(愛知県名古屋市昭和区鶴舞1-2-32)
  主催者:愛知県
  参加申込:https://aichi-agri-summit-2026.peatix.com

【参考1】鋤柄農機株式会社について

所在地:愛知県岡崎市矢作町西林寺38番地
設立:1835年
従業員数:40人
代表社員:鋤柄 忠良(すきがら ただよし)
電話番号:0564-31-2107
事業内容:トラクター用成形機、マルチ、不耕起V溝直播機、各種アタッチメントを主体とし、各種農作業機の開発から製造、販売支援を行う。

鋤柄農機ロゴ

【参考2】あいち農業イノベーション研究会について

 あいち農業イノベーションプロジェクトの取組を推進するために2021年12月に設置した研究会。構成員は、県内の大学(名古屋大学、中部大学、名城大学、豊橋技術科学大学、愛知県立大学)、農業団体(愛知県農業協同組合中央会、愛知県経済農業協同組合連合会)、農業ベンチャーキャピタル((一社)AgVenture Lab(アグベンチャーラボ))、国(東海農政局)及び県。

【参考3】あいち農業イノベーションプロジェクトについて

 愛知県では、農業総合試験場や大学が有する技術、フィールド、ノウハウとスタートアップ等の新しいアイデアや技術を活用した共同研究体制の強化を図り、新しい農業イノベーションの創出を目指す「あいち農業イノベーションプロジェクト」を2021年度から開始しています。
 現在、2022年度に選定した18課題について、農業総合試験場とスタートアップ等が共同で「研究開発型」のイノベーション創出事業に取り組んでいます(2025年8月4日経済産業局発表済み。)。
 また、2026年度から新たに3年間の共同研究開発に取り組む5課題を、今年度選定しました(2025年10月22日発表済み。)。このほか、2024年度からは、県の普及指導員がスタートアップ等と産地を結び、現場の「ほ場」で既存技術の応用や機器の改良、アプリの開発などを行い、課題解決に必要な新技術の迅速な導入を目指す6課題の「現場フィールド活用型」のイノベーション創出にも取り組んでいます(2025年9月30日発表済み。)。

「研究開発型」イノベーション創出における課題の概要 [PDFファイル/199KB]

このページに関する問合せ先

愛知県農業総合試験場
作物研究部作物研究室
担当:森崎、平岩
電話:0561-41-9517(ダイヤルイン)
メール:nososi@pref.aichi.lg.jp

愛知県農業水産局農政部部農業経営課農業イノベーション推進室
イノベーション推進グループ
担当:井手、久米
電話:052-954-6413(ダイヤルイン)
メール:nogyo-innovation@pref.aichi.lg.jp

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