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【あいち農業イノベーションプロジェクト】「スマートフォンを用いたしその病害虫高精度AI診断技術」を 開発しました!

ページID:0622652 掲載日:2026年1月16日更新 印刷ページ表示
2 飢餓をゼロに9 産業と技術革新の基盤をつくろう13 気候変動に具体的な対策を

 愛知県では、STATION Aiプロジェクトの一環として、愛知県農業総合試験場(長久手市)とスタートアップ等が連携して新たな農業イノベーションの創出を目指す「あいち農業イノベーションプロジェクト」を2021年度から実施しています。
 この度、農業総合試験場と株式会社ミライ菜園(名古屋市)の共同研究開発により、県の特産野菜「しそ(大葉)」を対象に、スマートフォンで撮影した画像とAIによる問診を組み合わせ、高精度に病害虫を診断できるAI診断技術を開発しましたのでお知らせします(公開特許公報 2025-100067)。
 本技術により、経験の浅い生産者でも病害虫を迅速かつ正確に診断し、最適な病害虫防除を行うことが可能となります。

1 開発の背景

 農業における病害虫の診断には知識と経験が求められます。誤った診断は、無駄な農薬散布や、病害虫被害の拡大を招く恐れがあります。
 トマトやイチゴなど主要作物では、AIによる病害虫診断の導入が進んでいます。一方、しそは、愛知県が産出額全国1位を誇る特産野菜ですが、全国的にはマイナー作物に分類されるためAI診断の活用が遅れています。
 そこで、しそを対象に、スマートフォンで撮影した画像等から高精度に病害虫を判定できるAI診断技術を開発することとしました。

アザミウマ類食害痕

写真1 害虫(アザミウマ類)による食害痕(白斑点)

2 研究開発の内容

(1)開発したAI診断技術について
 これまでの多くのAI診断技術は、1枚の画像のみで判定するため、AIが被害部位ではない背景等に誤って着目したり、症状が酷似する病害虫被害と誤診するリスクがありました。この問題を解決するため、画像を複数読み込ませるとともに、畑での発生状況など、AIによる問診情報を組み合わせた新たなAI病害虫診断技術を開発しました。
 AIによる問診は、病害虫の専門家が診断時に行う観察や聞き取りを再現しており、画像認識だけでは防げない誤診を排除し、診断能力を専門家と同等の水準に近づけています。

(2)診断精度について
 本技術は、しその主要な病害虫11種を平均94%という高い精度で診断が可能です。
 画像1枚のみを用いるAI診断では十分な精度が得られませんでしたが、複数の画像を読み込ませ、かつ、問診を組み合わせて診断するAIに改良したことで、精度が平均で16%向上(78%→94%)しました。
 また、生産者から特に要望の多い「肉眼では判別しにくい微小害虫(コナジラミ、ハダニ等)による被害」も高い精度で判断できるようになりました。

AI病害虫診断技術を組み込んだ診断アプリケーション

図 AI病害虫診断技術を組み込んだ診断アプリケーション
  (左:問診画面、右:診断画面)

3 今後の展望

 今後は複数画像と問診を組み合わせた診断手法をしそ以外の作物にも応用し、幅広い品目で高精度なAI診断が可能となることが期待されます。
 なお、今回開発したAI病害虫診断技術は、株式会社ミライ菜園が提供する「TENRYO(テンリョウ)(AIで病害虫の発生を予測し、最適な病害虫防除を可能にする農業支援アプリケーション)」への搭載により、2026年度に社会実装する予定です。

診断を行う様子

写真2 開発したアプリケーションで診断を行う様子

【参考1】株式会社ミライ菜園について

所在地  愛知県名古屋市昭和区鶴舞1-2-32 STATION Ai
代表者  代表取締役社長 畠山(はたけやま) 友史(ともふみ)
設 立  2019年5月
事業内容 病害虫予報、病害虫診断等農業に関わるAIサービスの開発・提供
連絡先  広報担当:荒川 E-mail:l.arakawa@tech-pr.jp

【参考2】あいち農業イノベーションプロジェクトについて

 愛知県では、農業総合試験場や大学が有する技術、フィールド、ノウハウとスタートアップ等の新しいアイデアや技術を活用した共同研究体制の強化を図り、新しい農業イノベーションの創出を目指す「あいち農業イノベーションプロジェクト」を2021年度から開始しています。
 現在、2022年度に選定した18課題について、農業総合試験場とスタートアップ等が共同で「研究開発型」のイノベーション創出事業に取り組んでいます(2025年8月4日経済産業局発表済み)。
 また、2026年度から新たに3年間の共同研究開発に取り組む5課題を、今年度選定しました(2025年10月22日発表済み)。
 このほか、2024年度からは、県の普及指導員がスタートアップ等と産地を結び、現場の「ほ場」で既存技術の応用や機器の改良、アプリの開発などを行い、課題解決に必要な新技術の迅速な導入を目指す6課題の「現場フィールド活用型」のイノベーション創出にも取り組んでいます(2025年9月30日発表済み)。

「研究開発型」イノベーション創出における課題の概要 [PDFファイル/643KB]

 

このページに関する問合せ先

(研究成果及び技術の概要に関すること)
愛知県農業総合試験場
環境基盤研究部病害虫研究室
担当:荒川、馬場
電話:0561-41-9514(ダイヤルイン)
メール:nososi@pref.aichi.lg.jp

(あいち農業イノベーションプロジェクトに関すること)
愛知県農業水産局農政部農業経営課農業イノベーション推進室
イノベーション推進グループ
担当:井手、久米
電話:052-954-6413(ダイヤルイン)
​メール:nogyo-innovation@pref.aichi.lg.jp

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