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【知事会見】【あいち農業イノベーションプロジェクト】 愛知県農業総合試験場と共同で農業イノベーション創出を目指す スタートアップ等からの技術提案を募集します
愛知県では、STATION Aiプロジェクトの一環として、愛知県農業総合試験場(長久手市、以下「農総試」という。)とスタートアップ等が連携して新しい農業イノベーションの創出を目指す「あいち農業イノベーションプロジェクト」を2021年度から実施しています。
プロジェクトでは現在、2022年度に選定した18課題について、2023年度から3年間の共同研究開発を進めていますが、農業分野における更なるイノベーション創出に向け、この度、2026年度から3年間の共同研究開発に取り組む「プロジェクト2026」を新たに立ち上げます。
つきましては、下記のとおり、農総試と共同で農業イノベーション創出を目指すスタートアップ等から広く技術提案を募集しますので、是非御応募ください。
1 提案を募集する内容
2つのカテゴリーで技術提案を募集し、採択件数は5件程度を予定しています。
(1)テーマに基づく技術提案
次表に掲げる4つのテーマに対して技術提案を募集します。
・農総試では、次表のテーマに関連する試験研究を実施しており、スタートアップ等との共同研究開発に向けた基礎的なノウハウや研究フィールドを用意しています。3年間の共同研究開発期間中に迅速に成果を創出し、円滑な社会実装につなげるため、農総試の研究シーズや過去の試験研究成果に関連する技術提案の積極的な応募をお願いします。
・研究シーズ及び過去の試験研究成果の詳細は、以下ファイルを御確認ください。
共同研究開発に向けた研究シーズ [PDFファイル/1.22MB]
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テーマ名 |
関連する農総試の研究シーズ(※1)及び過去の試験研究成果(※2) |
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1 |
未来へつなげるサステナブル農業の実現 |
【研究シーズ】 ○有機農業に活用可能な天然由来マルチ資材の開発 ○初心者でも簡単に捕獲!入らずにはいられない強力誘引型の中型哺乳類用罠の開発 【過去の試験研究成果】 ・トマト及びナスの未利用有機物の地球温暖化抑制効果の評価 ・水田生態系ネットワークを再生する技術の開発 ・茶における各種防除技術の組み合わせによる害虫防除技術の開発 ・茶における有機栽培防除体系の構築及び評価 ・ジネンジョ栽培におけるパイプの埋設深度と芋の収量・品質の評価 |
2 |
データ活用・自動化による栽培技術の高度化・省力化 |
【研究シーズ】 ○施設園芸における超小型植物水分動態センサと高精度培地水分センサによる「見える化」技術の開発 ○てん茶の高品質・省力栽培に向けた棚式被覆自動開閉システムの開発 ○撮影画像を用いた茶生育診断技術の開発 【過去の試験研究成果】 ・スマートフォンによるインスタント土壌診断システムの開発 ・ICT(インフォメーション アンド コミュニケーションテクノロジー)およびRT(ロボット テクノロジー)を利用した施設野菜(トマト、ナス、キュウリ)の栽培支援システムの開発 ・トマト等の施設果菜における環境及び生育制御技術を用いた高能率・高付加価値栽培指針の作成 ・イチゴ新品種「愛きらり®」の特性を、クラウドカメラ等で解明 ・イチゴの環境制御・栽培管理技術の開発 ・ハウスミカンにおける点滴かん水同時施肥栽培と果実品質及び収量の評価 ・いもち耐病性程度の評価 |
3 |
急激な気候変動に対応した技術の開発 |
【研究シーズ】 ○施設園芸の省力的高温対策のためのドローン遮熱剤塗布技術の開発 ○キクの開花遅延及び立枯れ症状を軽減する地温抑制技術の開発 【過去の試験研究成果】 ・イオンビーム照射によるイチジクの変異誘導及び優良個体の選抜 ・キクの花色変異素材の開発 ・夏季のキク栽培における頭上散水を中心とした安価な日中の高温対策 |
4 |
持続可能な畜産モデルの開発 |
【研究シーズ】 ○豚の腟内温度の多点測定による発情予測技術の開発 【過去の試験研究成果】 ・堆肥品質評価法の開発 ・豚・鶏の飼養管理技術の開発 |
※1 農業現場の課題解決に向け、大学や企業等との共創によるイノベーション創出を前提に農総試で実施している研究
※2 過去に一定の成果を得たものの、技術の発展に伴い、新たな機器やサービスなどの開発や社会実装が見込める試験研究
(2)自由提案枠
1(1)のテーマに関わらず、本県農業を取り巻く課題の解決に資する技術提案を幅広く募集します。なお、応募に際し、共同研究開発を希望する研究室を選択していただきますので、以下の農総試WEBページを参照し、各研究室の取組を御確認ください。
〔WEBページ(農業総合試験場の組織と業務)〕
https://www.pref.aichi.jp/site/nososi/0000010651-site.html
2 主な応募資格
農総試と共同で、本県農業の課題解決に向けた技術開発を行う能力を有し、法人格を有するスタートアップ(大学等における起業家教育の一環として提案する場合や大学発ベンチャーなどで、応募時点で法人格を有しない者であっても、法人との共同提案による応募も可能)。
3 技術提案の募集
(1)募集期間
募集開始:2025年5月20日(火曜日)
募集締切:2025年7月14日(月曜日)
(2)応募方法
ア 以下の特設ページ内の「応募用入力フォーム」にて、必要事項の入力や資料の添付を行ってください。入力に際しては、できるだけ具体的、定量的、かつ簡潔明瞭に記載してください。
〔あいち農業イノベーションプロジェクト特設ページ〕
イ 応募後、提案内容について農総試職員等によるヒアリングを実施する場合があります。また、必要に応じて追加資料の提出等をお願いする場合があります。
4 審査
提出された技術提案に対し書類審査を行い、最終審査候補者を選定します。最終審査候補者は、応募に際して選択した研究室とともにプレゼンテーションによる最終審査に臨み、県は最終審査結果をもとに採択者を決定します。採択件数は5件程度を想定しています。なお、審査は県が組織する「あいち農業イノベーション研究会」の有識者から助言を得て行います。
〔あいち農業イノベーション研究会 有識者〕
○名古屋大学 教授 浅川晋(あさかわすすむ)
○中部大学 教授 牛田一成(うしだかずなり)
○名城大学 教授 津呂正人(つろまさと)
○豊橋技術科学大学 教授 高山弘太郎(たかやまこうたろう)
○愛知県立大学 教授 神谷幸宏(かみやゆきひろ)
○一般社団法人AgVenture Lab 代表理事理事長 荻野浩輝(おぎのこうき)
5 提案が選定された場合のメリット
(1)農総試との共同研究開発に向けた計画作成支援
2026年度以降に行う共同研究開発に向けた共同研究開発計画の作成や予備試験を2025年度内に行っていただきます。これに要する経費について、1件あたり最大100万円を支給します。
なお、経費の支給額は、実際の経費執行額に応じて決定しますので、無条件で100万円の支払いを保証するものではありません。
(2)農総試の研究ほ場等の活用
共同研究開発予備試験では、農総試の研究ほ場等を活用できます。
なお、本事業とは別に実施している県の試験研究等に支障がない範囲での活用となります。
(3)農総試との共同研究開発の実施
共同研究開発計画の内容や予備試験の結果が、農業現場の課題解決や社会実装に資すると見込まれる場合においては、3年間の共同研究開発について予算措置を検討します。これにより、2026年度以降、農総試との共同研究や生産現場を用いた実証試験に発展することが可能となります。
(4)専門家による支援
愛知県の農業部門において研究開発と生産現場を繋ぐ専門職員である革新支援専門員(農総試在籍)や農業系アクセラレーター等の専門家による支援を受けることができます。
また、必要に応じて、専門的知見を有する大学等とのマッチングも調整します。
(5)スタートアップ支援プログラム等各種支援制度の案内
将来的な事業化に向けて、国及び県が実施するスタートアップ支援に関するプログラム、助成金などの諸制度の活用について支援を行います。
(6)県内農業関係者とのマッチング支援
成果の社会実装及び県内での事業展開に向けて、県内の農業関係者とのマッチングを支援します。
(7)試験研究に関する競争的資金獲得に向けた計画作成支援
農業系の外部のコーディネーターと連携し、共同研究開発を発展させた競争的資金獲得へ計画作成などの支援が可能です。
(8)取組内容や成果のPR
取組の内容やその成果について、特設ページ等での発信や県が開催するイベント等を活用したPRを行います。なお、公開の可否や内容については個別に調整します。
〔プロジェクト成果のPR事例〕
○【知事会見】「環境に配慮して生産された米」の情報発信の実証試験を開始しました
https://www.pref.aichi.jp/press-release/2023wg6.html
○企業等から排出される炭酸ガスを活用したイチゴ群落内施用システムの開発に係る現地実証試験の開始について
https://www.pref.aichi.jp/press-release/ichigo-co2.html
○あいち農業イノベーションサミット2025
6 スケジュール(予定)
2025年5月20日~7月14日 |
技術提案の募集 |
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2025年5月30日 |
募集に関する説明会 及び 農総試の研究シーズ説明会(リバースピッチ) |
2025年7月14日~8月18日 |
ヒアリングの実施及び書類審査 |
2025年8月18日 |
最終審査候補者の決定 |
2025年8月20日~10月3日 |
最終審査候補者と技術提案を受けた農総試研究室による共同プレゼンテーション審査に向けた準備 |
2025年10月7日 |
最終審査(共同プレゼンテーション審査) |
2025年10月中旬 |
選定結果公表 |
2025年10月中旬~2026年2月13日 |
共同研究開発計画の作成及び予備試験の実施 |
2026年2月13日 |
共同研究開発計画書の提出 |
2026年3月上旬 |
共同研究開発への移行に向けた審査会 |
7 その他
(1)説明会
応募希望者を対象に、以下により説明会を開催します。なお、説明会への参加は応募要件ではありませんが、欠席により不利益を受けても県はその責任は負いません。
日時:2025年5月30日(金曜日)午前10時から
方法:オンライン開催(Zoom Webinars)
参加申込:以下のURLから、お申込みください。
URL:https://deloitte.zoom.us/j/93804346316?pwd=ew1Zqgko7YOodZDNvfGbm43Z6scbK5.1
(2)募集要領
本募集の詳細や留意事項などを以下の「あいち農業イノベーションプロジェクトの「プロジェクト2026」に係る技術提案募集要領」に整理していますので、応募に際しては必ず確認してください。
なお、技術提案採択後に実施していただく共同研究開発計画の作成や2026年度以降の共同研究開発に係る要領等を併せて掲載しますので、応募の参考としてください。
あいち農業イノベーションプロジェクトの「プロジェクト2026」に係る技術提案募集要領 [PDFファイル/392KB] [PDFファイル/393KB]
〔参考要領等〕
・あいち農業イノベーションプロジェクトにおける共同研究開発計画作成要領 [PDFファイル/335KB]
・共同研究開発に係る委託研究契約書(ひな形) [PDFファイル/297KB]
【参考】あいち農業イノベーションプロジェクトについて
愛知県では、農総試や大学が有する技術、フィールド、ノウハウとスタートアップ等の新しいアイデアや技術を活用した共同研究体制の強化を図り、新しい農業イノベーションを創出するために「あいち農業イノベーションプロジェクト」を2021年度から進めています。
現在、スタートアップ等と農総試が共同で、2022年度に選定した18課題について、「研究開発型」のイノベーション創出に取り組んでいます。
また、2024年度からは、県の普及指導員がスタートアップ等と産地を結び、現場の「ほ場」で既存技術の応用や機器の改良、アプリの開発などにより、課題解決のために必要な新技術の迅速な導入を目指す「現場フィールド活用型」のイノベーション創出にも取り組んでいます。
詳細については、以下を参照してください。
【参考】あいち農業イノベーションプロジェクトについて
6つのテーマごとの共同研究の概要 [PDFファイル/201KB]
あいち農業イノベーションプロジェクト!((Youtubeリンク))
このページに関する問合せ先
(技術提案の募集に関すること)
愛知県農業水産局農政部農業経営課農業イノベーション推進室
イノベーション推進グループ
担当:市川、久米
電話:052-954-6413(ダイヤルイン)
メール:nogyo-innovation@pref.aichi.lg.jp
(試験研究の内容に関すること)
愛知県農業総合試験場
研究戦略部 企画調整室
担当:土本、間下
電話:0561-41-8963(ダイヤルイン)
メール:nososi@pref.aichi.lg.jp