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スプレーギクの新品種「スプレー愛知夏4号」、「スプレー愛知秋2号」を開発しました~新品種で産地の更なる発展を目指します~

ページID:0465890 掲載日:2023年6月9日更新 印刷ページ表示
9 産業と技術革新の基盤をつくろう

 スプレー愛知夏4号とスプレー愛知秋2号 

    「スプレー愛知夏4号」         「スプレー愛知秋2号」

 

 愛知県農業総合試験場は、スプレーギク(※1)の新品種、「スプレー愛知夏4号」と「スプレー愛知秋2号」を開発しました。
「スプレー愛知夏4号」は、花色が黄色で、夏の暑さに強い夏秋系品種(※2)です。
「スプレー愛知秋2号」は、花色が純白で、寒い時期でも安定して開花する秋系品種(※2)です。
 両品種とも、今後のスプレーギク主力品種として普及することが期待されます。


※1 スプレーギクは、茎から小枝がスプレー状に広がって多数の花を咲かせるタイプのキクです。花の形や色にバリエーションがあるため、花束、生け花、テーブルフラワーなど様々な用途で利用されています。
※2 キクは通常秋に開花する植物ですが、品種改良と栽培技術の開発により一年中出荷されています。夏(7~9月)に収穫する夏秋系品種と、秋から翌春(10~6月)に収穫する秋系品種があります。

1 新品種の特徴

 (1)「スプレー愛知夏4号」
 ・花弁の色が鮮やかな黄色で、茎が硬く、葉がしっかりしています。
 ・夏の暑さによる開花の遅れや生理障害が少なく、7月から9月の高温期にも品質の高い切花を安定して出荷できます。
 ・側枝(そくし)の数が少なく、栽培管理や収穫がしやすい品種です。
 (2)「スプレー愛知秋2号」
 ・花弁の色が純白で、葉色の濃緑とのコントラストが鮮やかです。
 ・寒い時期でも茎がよく伸び、開花が早く、開花の揃いも良いことから、計画的な生産・出荷販売ができます。

2 開発の経緯

 これまでのスプレーギク品種では、夏の高温期や冬の低温期における生育・開花の遅れが問題となっており、県内のスプレーギク生産者からは、厳しい暑さや寒さの中でも安定して生産できる新品種が求められてきました。
 こうした要望を踏まえ、愛知県農業総合試験場は、夏秋系品種では暑い時期でも開花の遅れや生理障害の発生が少ないこと、秋系品種では寒い時期でも茎の伸長性が良いことを目標に、新たなスプレーギクの開発に取り組んできました。

 (1)「スプレー愛知夏4号」
 2018年に、強い耐暑性を有する系統と、葉が硬く花色が良い系統を交配しました。その後、県内の花き生産者の団体である愛知県花き温室園芸組合連合会スプレーマム部会の協力を得て選抜・現地適応性試験を実施し、3年11か月で開発しました。

 (2)「スプレー愛知秋2号」
 2018年に、茎が硬く伸びが良い系統と、花色が純白で花の形が良く、寒い時期でも開花が早い系統を交配しました。その後、愛知県花き温室園芸組合連合会スプレーマム部会の協力を得て、選抜・現地適応性試験を実施し、4年3か月で開発しました。

3 品種登録出願状況

 「スプレー愛知夏4号」は、2023年2月1日に品種登録出願を行いました。
 「スプレー愛知秋2号」は、2023年6月8日に品種登録出願を行いました。

4 今後の予定

 今後、愛知県花き温室園芸組合連合会スプレーマム部会などの生産者団体等と許諾契約を結び、出荷を開始していく予定です。「スプレー愛知夏4号」は、2027年度に年間50万本、「スプレー愛知秋2号」は、2027年度に年間100万本の出荷を目標としています。

 

参考資料

1 キクの生産状況

 2021年における本県のキク生産は、産出額196億円(出典:令和3年生産農業所得統計)で全国1位です。
 

2021年産 全国のキク出荷量上位県
  作付延べ面積 出荷量 産出額
1位 愛知県 1,280ha 44,670万本 196億円(36.3%)
2位 沖縄県 712ha 23,420万本 60億円(11.1%)
3位 福岡県 215ha 7,830万本 37億円(6.9%)
全国 4,258ha 129,800万本 539億円(100.0%)

(作付延べ面積と出荷量:農水省 令和3年産花きの作付(収穫)面積及び出荷量産出額:令和3年生産農業所得統計)

 

2 スプレーギクの生産状況

 本県のスプレーギクの作付延べ面積は193ha、出荷本数7,105万本、産出額41億円(出典:令和2年度愛知県花き生産実績)で、全国1位となっており、2020年現在では、県内142戸の農家により生産されています。
 スプレーギクは苗を定植してから3カ月ほどで収穫が可能であるため、夏秋系品種と秋系品種を組み合わせて、1つの温室内で年間3回程度栽培し、一年中出荷されています。
また、本県におけるスプレーギク出荷量に占める夏秋系品種の割合は約3割、秋系品種は約7割となっています。

このページに関する問合せ先

​愛知県農業総合試験場            愛知県農業水産局農政部農業経営課
東三河農業研究所花き研究室         農業イノベーション推進室技術調整グループ
担当 北谷、玉越              担当 橋詰、東野
電話 0532-61-6235            電話 052-954-6410(内線3666、3667)
メール nososi-toyohashi@pref.aichi.lg.jp   メール nogyo-innovation@pref.aichi.lg.jp