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平成30年度 第1回愛知県幼児教育研究協議会の概要
平成30年度第1回愛知県幼児教育研究協議会を開催しました。
本会は、本県の幼児教育に関する諸問題について、研究協議会を行う協議会です。今回の協議会では、平成30年度の協議題である「幼児期の育ちを支える幼稚園・保育所・認定こども園と家庭との連携の在り方について」 ―『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』を手掛かりにして―について、御意見と御助言をいただきました。その内容を報告します。
研究協議会の概要
平成30年度第1回愛知県幼児教育研究協議会の概要
日時:平成30年5月16日(水曜日)午前10時から正午
場所:愛知県三の丸庁舎 地下104会議室
1 開会
2 愛知県教育委員会挨拶(学習教育部長)
3 委員等紹介
4 会長・副会長選出
5 会長・副会長挨拶
6 議事
【報告事項】
(1)平成30年度愛知県幼児教育研究協議会協議題について
「幼児期の育ちを支える幼稚園・保育所・認定こども園と家庭との連携の在り方について」
―『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』を手掛かりにして―
【協議事項】
(1)幼児期の育ちを支える幼稚園・保育所・認定こども園が、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」をどのように捉えていくか
・ 生涯にわたる学びを支える幼児教育の在り方について、平成28・29年度幼児教育研究協議会で示された。幼稚園教育要領等では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」という、より具体的な形で示され、到達目標ではないということは書かれているが、保護者に10の姿を説明するのは難しいと感じる。
・ 10の姿を取り出すことで目標になってしまう心配があると言われている。遊びの中に、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿が育まれていくことをいかに分かるように示すかということである。
・ 子供たちが遊んでいる具体的な場面を取り出してみて、保育者が意識をして見てみることが大事だと思う。保育園では、0歳児から預かっていて、言葉にならない言葉をしっかり受け止めたり応答的な対応をしたりして接している。
・ 10の姿のように目標を掲げておくと分かりやすい。小学校の教育につながっていったらうれしい。
・ 私の小学校では幼稚園や保育所と年に2回勉強会を開催したり、グループ討議をしたりして、信頼関係を築いている。入学までに様々な努力をしてくださっているのを聞いて、園でしっかり遊んできた子は、いろいろなことを新鮮に受け止めて、うれしそうに「勉強が楽しい」「給食がおいしい」といつも笑顔で、生き生きと生活している。
・ 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」と聞くと、とても難しく感じてしまう。しかし、具体的な子供たちの姿を見つめ、少しずつ変化していくプロセスを大事にしていきたいと思っている。先生たちと一緒に具体的な子供のつぶやきや動きなど、いろいろな角度で見ていきたいと思う。
・ 幼稚園、保育所、認定こども園の先生たちにとって、総合的な遊びの中で捉えていくことが、大変重要なことである。この協議題の中でもう一つ見ていかなくてはならないことは、保護者とのつながりだと思う。10の姿の育ちが保護者に分かっていただければ、子供にとっては、よりよい生活の連鎖が生まれてくるに違いない。
○ 幼稚園と保育所の教育的な内容の温度差の違いはどうか。認定こども園はどういうところなのか。保育所や幼稚園と何か違う教育の仕方をしているのか。
→ 保護者の方々の就労に関係なく過ごすことのできる、保育所の機能と幼稚園の機能を合わせ持った施設が認定こども園である。幼稚園は文科省、保育所は厚生労働省、認定こども園は内閣府が所管しているが、今回改訂をされて、3歳から5歳の子供たちの教育内容が一緒になった。「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は到達目標ではないが、幼稚園、保育所、認定こども園が「こういった子供に育てたい」と共通理解して、小学校へ積み上げていきたいということである。
・ 小学校からみると、保育園から来た子供たちも幼稚園から来た子供たちも違いがない。小さいうちに勉強してきたことよりも、今から教えてくれることを一生懸命に聞きたいな、知りたいな、覚えたいなと子供たちが思うことの方が、小学校側からすると、とても有り難い。
(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」をどのように保護者に発信していくか
・ 現場で10の姿について勉強をしているが、ちょっとしたエピソードを職員会などで話をすると、職員間の共通理解になる。もちろんこれが到達点ではないが、保育指導を考える材料となる。保護者には、エピソードとともに紹介している。今は、保育者の気付きを大事にしようと思い、取り組んでいる。
・ 今までは見えない教育だったものが、10の姿があると何となく分かる。難しくて心配してみえる先生もいるが、これが小学校の通知表の観点のようになってはいけない。どこまでできたかという結果だけにこだわってはいけない。そこをどう保護者に伝えていくのかが、これから非常に大切なことだと思う。
・ 園の教育目標をエピソードを交えながら保護者に話した。今後、映像や写真を使って子供たちの育ちを伝えていきたい。
・ 10の姿は、幼児期の遊びを通しての総合的な学びの姿と捉えていきたい。保護者の方にどう伝えると分かり合えるのかを考え、分かり合えたところで、共に子供のことを一緒に考えていけるとよい。
・ 10の姿が教科ではないということをしっかり保護者に伝えなければならない。10の姿に到達するために指導してほしいという保護者が出てくることもあると予想する。園の先生方も10の姿を意識し、保護者に伝えていくことを慎重にしていかないといけないと思う。
・ 協議題についての理解が十分ではないが、勉強していきたい。
・ 今、目の前にいる子供たちがこんな価値のある生活をしているということを保育者は、感覚的に知っている。保護者の方に幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿に照らし合わせて、分かりやすいエピソードにしてまとめて伝えるというのは難しい。しかし、保護者の方がイメージできるように発信していくことが、幼児教育の可視化につながっていくと思う。
・ リーフレットが、保護者の方、幼児教育に携わっている専門家、小学校の先生にも、伝えやすい、目の前の子供を見たら共通理解できるものにするということを再確認したいと思う。保護者の方に分かりやすい、保育の手掛かりになる、さっと見ればイメージが湧く、そのようなリーフレットを作成することができたらよいと思っている。
・ 幼児をどう理解するかということがまず大事なことで、どう理解するかということがよく見えてきたところで、自分の指導をもう一回振り返ってみる。この指導の在り方でよかったのかなと改善していく。小学校以降の子供も、指導と評価の一体化ということがずっと言われている。幼稚園でも保育所でも認定こども園でも同じである。幼児理解をまずは保育者が共通理解し、理解したことを保護者の方により分かりやすく伝えていくことが必要になってくる。
・ 評定ではないが、「今ここまで育っていますよ。だから私たちはこれからこのように育てていきますよ」とお伝えするのに、10の姿が一つの手掛かりになるのではないかと思う。
・ 幼稚園や保育所や認定こども園だけでなく、保護者の方と地域の方と社会全体でそれを共有したい。そうすれば、今回の改訂の一番のキーワードになっている「社会に開かれた教育課程」につながっていく。
(3)平成30年度専門部会について
(4)平成30年度開催計画等について
7 連絡・依頼事項
8 閉会の言葉(義務教育課長)
9 閉会