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育成品種 花き21
きく「スプレーアイチ夏1号」
スプレーアイチ夏1号
愛知県農業総合試験場は、鮮やかな黄色の花を咲かせ、夏の暑い時期でも安定して出荷できる新品種「スプレーアイチ夏1号」を全国農業協同組合連合会と共同開発しました。本品種は、高温期でも開花が遅れず、美しい花の形を長く保つことから、プレゼント用の花束やフラワーアレンジメントなど様々な用途で利用される夏の黄色スプレーギクの主力品種として普及することが期待されます。
「スプレーアイチ夏1号」の特徴
- 花びらが斜め上を向き、開花が進んでも美しい花の形を長く楽しむことができます。
- 鮮やかな黄色の花びらと緑色の芯のコントラストがきれいです。
- 7~9月の高温期でも、安定して出荷できます。
- 日持ちは、従来品種と同程度で、切り花を2週間程度観賞できます。
- 生育が旺盛で、栽培しやすい品種です。
「スプレーアイチ夏1号」の開発の経緯
愛知県は全国一のスプレーギク生産県であり、出荷量は全国の約3分の1を占めています。田原市、豊川市などに大きな産地があり、白、黄、ピンク色など様々な花色の品種が温室の中で一年中栽培されています。7~9月の高温期に栽培する品種は、暑さの影響で到花日数*が長くならない特性を持つことが重要ですが、既存の黄色品種には、花弁の開きと芯の黄化が早いといった短所があり、生産者からは耐暑性と花の美しさを兼ね備えた品種の開発が求められていました。そこで、農業総合試験場東三河農業研究所では、全国農業協同組合連合会と共同で、平成19年からから新品種の開発に取り組み、6年間かけて「スプレーアイチ夏1号」を開発しました。
*到花日数:切り花の長さを確保するための夜間照明を終了してから開花するまでの日数