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生物工学研究室
養液栽培における高温性水媒伝染病害の安全性診断マニュアルを策定しました
策定の背景・目的
野菜・花き類の養液栽培では、地球温暖化の影響により、これまでなかった高温性水媒伝染病害(高温性ピシウム病)が発生するようになってきました。県内の花き養液栽培においても、これらの水媒伝染病害の発生が認められ、その被害が大きな問題となっています。
これらの病原菌は培養液を介して瞬く間に施設全体に広がるため、発見が遅れると防除が難しいのが現状です。このような高温性ピシウム病による被害軽減のためには、早期診断が極めて重要です。
そこで、高温性ピシウム菌の簡易検出法を開発し、その技術を活用した安全性診断手法の確立とマニュアル策定を行いました。
このマニュアルを活用することにより、病害に対する対処療法ではなく、発症前の早期診断と被害予測から最適な防除法を選択することができる科学的根拠に基づいた病害管理が可能になります。
県内のポインセチアの養液栽培
ポインセチアの高温性ピシウム菌による根腐病
マニュアルについて
このマニュアルでは、養液栽培で発生する水媒伝染病害の対策を中心として、高温性ピシウム菌の簡易検出法、既存の防除技術と組み合わせた総合的な防除対策法等について解説しています。
また、栽培作物(ポインセチア、トマト、ホウレンソウ、ミツバ、ネギ、バラ)ごとの安全性診断手法についてもまとめています。
このマニュアルは、国立大学法人 東海国立大学機構 岐阜大学 環境社会共生体研究センター 菌類生態学(景山・日恵野)研究室の「養液栽培における高温性水媒伝染病害の安全性診断マニュアル」のページからダウンロードできます。
なお、本マニュアルは農林水産省「農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業(平成23~25年度)」により作成しました。
問合せ先
愛知県農業総合試験場
環境基盤研究部生物工学研究室
電話: 0561-41-8969(ダイヤルイン)
E-mail: nososi@pref.aichi.lg.jp