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ペロブスカイト太陽電池普及拡大プロジェクト
ペロブスカイト太陽電池普及拡大プロジェクトとは
1 経緯(プロジェクトの選定)
愛知県は、2050年カーボンニュートラルを実現するため、2021年から全国の民間企業等を対象に、革新的・独創的な脱炭素プロジェクトのアイデアを募集するとともに、提案されたアイデアの中から、事業化すべきプロジェクトを学識者からなる「あいちカーボンニュートラル戦略会議(以下「戦略会議」という。)」で選定し、事業化の支援を行っています。
2024年12月26日(木曜日)に開催した戦略会議において、株式会社アイシン(刈谷市)、中部電力ミライズ株式会社(名古屋市東区)、関西電力株式会社(大阪府大阪市)の3者から提案のあった、再生可能エネルギーの導入量を飛躍的に増加させるための「ペロブスカイト太陽電池※普及拡大プロジェクト」を新たに選定しました。
本県は、学識者や企業、市町村等からなる「あいちペロブスカイト太陽電池推進協議会」の設立や、ペロブスカイト太陽電池の実証導入、モデルケースの確立、有用性のPR、導入ポテンシャルの調査、導入拡大に向けたボトルネックの把握や解決策の検討を実施することで、太陽光発電導入量の飛躍的な増加に資する、本プロジェクトの事業化を支援します。
※ペロブスカイト太陽電池(以下「PSC」という。)
ペロブスカイトという結晶構造を用いた太陽電池で、従来のシリコン系太陽電池と比べて軽量で柔軟性に優れる。
2 プロジェクトの概要
<プロジェクトのイメージ>
(1)背景
本県は「あいち地球温暖化防止戦略2030(改定版)」において、CO2排出量を2030年度に46.0%削減(2013年度比)することを目標としており、その達成に向けては、県内の再生可能エネルギーを1.7倍(2021年度比)に増加させ、580万kWを目指しています。この目標では、太陽光発電において171万kW分を上積みする(2021年度:289万kW → 2030年度:460万kW)必要があると試算しています。
PSCは、従来のシリコン型の太陽電池では設置が困難だった建物の壁面や耐荷重のない屋根などに活用でき、太陽光発電の導入量を飛躍的に増加させる可能性があるため、PSC導入量の早期最大化を実現することで、業務部門・家庭部門等の幅広い分野においてCO2排出量の大幅な削減が期待されます。
(2)内容
県や市町村の公共施設、民間施設等において、株式会社アイシンが製造するPSCを実証導入し、モデルケースを確立するとともに、PSCの有用性をPRします。
また、中部電力ミライズ株式会社、関西電力株式会社のこれまでの太陽光発電事業に係る知見・技術を活かして、県内におけるPSCの導入ポテンシャルを調査するとともに、普及拡大に向けたボトルネックの把握や解決策の検討を実施します。
これらの取組を通じ、本地域に、PSCの導入モデルスキームを横展開し、PSC開発メーカーや発電事業者等の投資活性化を促進することで、全国に先駆けて社会実装することを目指します。
(3)提案企業の主な役割
役割 | 会社名 |
---|---|
PSC製造、普及に関する各種検討 | 株式会社アイシン |
地域内のPSC導入ポテンシャル推計に向けた情報提供、各種検討 | 中部電力ミライズ株式会社 |
PPA※事業によるPSC普及拡大に向けた各種検討 | 関西電力株式会社 |
※Power Purchase Agreement
事業者が、施設の屋根や土地を借りて、太陽光発電設備を設置し、発電した再エネ電気を施設所有者に販売すること。
3 支援の概要(2025年度)
(1)「あいちペロブスカイト太陽電池推進協議会」の設立
全国に先駆けてPSCを地域に最大限導入するため、建材メーカー、ゼネコン・住宅メーカー、PSCの施工・システム設計・メンテナンス等のサービス提供事業者、率先利用企業・市町村、本プロジェクトの社会実装に向けて提案のある企業等からなる「あいちペロブスカイト太陽電池推進協議会」を設立し、プロジェクトを推進します。
(2)PSCの実証導入とモデルケースの確立
県公共施設等における実証導入に向けて、実証フィールドを募集し、必要な予備調査や施工方法の検討を実施します。実証開始後は、取得したデータを活用し、県内への横展開を目指したモデルケースを確立します。また、PSCの有用性をPRする資材を作成します。
(3)導入ポテンシャルの調査
県内におけるPSCの導入ポテンシャル推計のため、調査方法の検討に加え、PSC設置コストやCO2削減効果の推計を実施します。また、導入拡大に向けたボトルネックの把握や解決策の検討を実施し、県内におけるPSCの導入目標を掲げたビジョンを策定します。
あいちペロブスカイト太陽電池推進協議会
太陽光発電の導入量を飛躍的に増加させる可能性がある、PSCを地域に最大限導入するため、学識者や企業、市町村等からなる「あいちペロブスカイト太陽電池推進協議会」を設立しました。ペロブスカイト太陽電池の実証導入、モデルケースの確立、有用性のPR、導入ポテンシャルの調査、導入拡大に向けたボトルネックの把握や解決策の検討を実施し、本プロジェクトの事業化を支援していきます。
あいちペロブスカイト太陽電池推進協議会規約 [PDFファイル/97KB]
第1回会議(2025年5月30日開催)
資料
議事次第 [PDFファイル/56KB]
資料1_協議会規約 [PDFファイル/157KB]
資料2_第1回会議資料 [PDFファイル/1.17MB]
※企業等活動情報を含むため、資料の一部は非公開