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UVレーザーを応用して木材の表面硬さ等を大幅に向上させる技術

表層圧密木材及びその製造方法(特開2018-165030)

要約

 UVレーザインサイジングを応用し、木材の表層へ樹脂を含浸処理することで、樹脂複合化により表面硬度や耐衝撃性が飛躍的に向上します。レーザの加工時間が実用上の課題ですが、本特許は、含浸層を選択的に圧密化させることで所要物性を担保し、結果的にレーザの加工密度を減らして加工時間を短縮することを提案します。これにより、同時に樹脂量を削減することができます。さらに、強度と耐水性を両立させるための樹脂の混合条件を提案します。
 本特許は愛知県の単独出願特許です。

特徴/セールスポイント

 木材の表面のみを選択的に樹脂と複合化できるため、軽さ、断熱性など、木材本来の特性はそのままに、表面の硬さ、耐衝撃性、耐汚染性を飛躍的に向上させることができます。スギ材などに代表される軟質な木材では、内部の隙間に樹脂が浸透する余地が多くあるため、その効果が顕著です。しかし、有意な性能向上を得るためには十分な樹脂の浸透(図1における緑色の部分)が必要なので、多数のインサイジング加工(穴開け加工)に時間を要し、同時に樹脂の使用量も多くなってしまいます。本特許では、レーザによる穴開けの加工時間を短縮し、樹脂量を削減する方法を提案しています。また、強度と耐水性を両立させるための樹脂の混合条件を提案しています。

主な応用分野/市場動向

 屋内外の床材・壁材等の建材
 天板、筐体、棚板等に供する家具材料

提供する技術内容

 製造技術・試作品

開発状態

 試作品有

図表

UVレーザインサイジング(図1中の右上に見られる穴)を施したスギ材の表面に、可視化するため樹脂の一例としてカシュー塗料を刷毛塗り処理しました。乾燥後、表面を鉋加工したものが図中の下の写真で、インサイジング部分(周辺を除く中央)には浸透が認められ、断面の観察からは、樹脂はほぼ穴の加工深さまで到達していることがわかりました。(塗料の場合でも一定の強度の向上が得られました。)
 
図1 UVレーザインサイジングと表面に樹脂(塗料)を含浸処理したスギ材
(左上)インサイジング加工後の表面、(右上)表面の拡大像、(下)樹脂を塗布含浸して複合化した後に鉋加工した表面
特許の概要
しかし、一定量の浸透を得るためには多くの穿孔が必要で、現状の技術では加工に時間がかかります。また、浸透する樹脂が多くなれば高価になってしまいます。そこで、同様の物性を確保しつつそれらの課題を解決する方法として、樹脂の硬化処理の時に同時に表層の圧密化を行います。穿孔数を減らすことで加工時間は短縮できます。穿孔数の減少に伴い、樹脂の浸透量は減少しますが、圧密の過程で分散、均質化するため、一定の変形の固定効果(耐水性)と強度を確保できます(なお、特許ではさらに強度と耐水性を両立させるための樹脂の混合条件を提案しています)。図2に加工後の木材の断面を示します。表層のみ年輪が緻密になっていることが観察できます。その結果、樹脂量を減らしても、圧密なしで樹脂量が多い場合と同等の性能が得られます。
 
図2 本技術により加工した木材の断面
特許概要2

開発機関

 あいち産業科学技術総合センター

問合せ

愛知県知的所有権センター
電話 0561-76-8318
FAX  0561-76-8319
愛知県 経済産業局 産業部 産業科学技術課 (研究開発支援グループ)
電話 052-954-6370
FAX  052-954-6977