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高剛性を有するアルミニウム合金-無機粒子複合体
高剛性を有するアルミニウム合金-無機粒子複合体(特開2024-174565)
概要
アルミ合金基地に平均粒径0.01~10µmのホウ化チタンを分散させることで高剛性と被削性を両立できる。混粉機と粉末を入れる容器を絶縁した状態で設置し、混粉することでアルミ合金粉末のまわりにホウ化チタン粉末を吸着させ、その粉末を積層造形することで上記組織を有する高剛性アルミ合金製品を作製できる。
従来技術の課題
車両などの軽量化を図るため、従来の鉄系部材をアルミニウム合金等の軽金属に代替するための検討が進められている。このようなアルミニウム合金系において、高剛性化を意図して、高ヤング率の無機粒子を分散させた研究開発が行われている。しかし、従来技術では高硬度の粗大無機粒子を含むために機械加工が難しいという課題があった。
課題解決の手段とその効果
特定の方法で混合した、アルミニウム(合金)とホウ化チタンの混合粉末を積層造形法により処理することで、微細ホウ化チタンが均一分散したアルミニウム基合金を製造することができる。積層造形法を用いる事で加工代が削減できる。また、ホウ化チタンが微細であることにより、機械加工が可能である。
主な利用分野/市場動向
本開発技術では強度が高いだけでなく、変形が小さい(高剛性)部材が製造可能であり、部材の軽量化につながる。軽量化が求められる自動車部材をはじめ、各種治具など機能部材等に適用できる。
技術の詳細解説
アルミニウム合金粉末と粒径の小さなホウ化チタン(TiB₂)粉末を、絶縁スペーサを介した金属製容器で撹拌混合することでホウ化チタン粒子をアルミニウム合金粒子表面に均一に吸着させる。この混合粉末を積層造形法(例えば粉末床溶融結合法)により成形することで、微細ホウ化チタンが均一分散した高剛性アルミニウム基合金を得ることができる。
積層造形により作製したアルミニウム基合金の外観 アルミニウム基合金の顕微鏡写真
開発状態
積層造形(粉末床溶融結合法)により作製したアルミニウム基合金の機械特性の評価
技術支援
【共同研究】 要相談
【技術指導】 可
【サンプル提供】 要相談
問い合わせ
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