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三州鬼瓦工芸品
産地の歴史
享保五年(1720年)の徳川吉宗による瓦葺奨励の後、地場産業として本格的に栄え始めました。西三河地方に流れる矢作川が猿投山の粘土を下流域に運び、瓦の原料となる良質な粘土が豊富に採れたことと、海に面し海運で江戸に輸送できたことが発展の要因と考えられています。
特徴
製品に釉薬をかけず、焼成後の高温状態の時に酸素を遮断して強制還元(燻化)を行うことで、「いぶし銀」と呼ばれる独特の発色が現れます。瓦屋根の中で、魔除け、厄除け、繁栄や富の象徴として飾られてきた鬼瓦が、庶民の暮らしの中に取り入れられ、床の間飾りや玄関飾りへと用途を広げてきました。また、近年では国宝・重要文化財などの復元も手掛けています。
製造方法
「型紙」を使った総手造り、または「石膏型」により粗成形し「木べら」または「金べら」を用いて手作業によって仕上げます。焼成後に「込み(燻化)」を行い、製品の表面に炭素被膜を形成することで「いぶし銀」を発色させます。
伝統的工芸品指定
指定年月日 平成29年11月30日
団体の概要
三州瓦工業協同組合
〒444-1325 愛知県高浜市青木町六丁目2番地13