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食と緑の基本計画2020 新城設楽地域推進プラン

ページID:0133440 掲載日:2023年3月27日更新 印刷ページ表示
地域推進プラン表紙

食と緑の基本計画2020 新城設楽地域推進プラン

1 推進プランの性格

 新城設楽地域推進プランは、「食と緑の基本計画2020」の基本目標の実現に向け、新城設楽地域として、その現状と特徴を踏まえて、重点的に取り組んでいく施策を掲げた実践計画です。

2 新城設楽地域の特徴

 新城設楽地域は新城市、設楽町、東栄町、豊根村からなり、県総面積の20%を有しており、このうち約90%は森林で占められています。人口は県全体の0.75%で、地域差はあるものの過疎化、高齢化が進んでおり、特に若年層の流出が著しく、生活基盤の整備等が早急の課題となっています。

 当地域の農業は、一戸当たりの平均耕地面積が20a程度ですが、標高50mから1,000mまでの標高差を生かし、稲作を主体として、地域に適合した野菜、花き、茶、果樹などの栽培及び畜産が行われています。
しかし、高齢化、過疎化に伴い農業の担い手が減少し、近年は生産者自身の高齢化も著しく進行していることから、一部の集落では農地の管理が不十分となっています。さらに鳥獣被害の拡大も生産意欲を減退させる要因となっています。
 農地を保全し、地域農業を活性化させるために、引き続き専業的農家の育成と意欲ある農家への農地の利用集積を図り、法人化を推進することで効率的・持続的な農業経営を目指します。また、Uターン、Iターンの新規就農者の他、企業参入を積極的に受け入れ担い手を確保していく必要があります。専業的農家等への農地集積が難しく、担い手が不足している地区では、集落営農組織の育成も行う必要があります。鳥獣被害対策については、個々の農家の取組に加えて、市町村、関係団体と連携して地域ぐるみの取組を引き続き進めていくとともに、鳥獣被害対策実施隊の捕獲リーダーを増加させていくことが重要です。

  当地域の林業は、本格的な利用期を迎えた森林資源を活かし、今後増加が見込まれる木材需要に対応するため、木材の安定供給に取り組むとともに、木材生産を担う人材の確保・育成と生産基盤の充実を図ることが重要な課題となっています。
 森林組合等の林業事業体が核となり、高性能林業機械等を活用した低コスト林業の推進、団地化による施業の集約化などにより林業の採算性が向上するよう普及に努めています。
 あわせて、充実した森林資源を活用して「伐る・使う→植える→育てる」を行う循環型林業を推進し、林業の振興を図ります。
 また、広く県民に森林保全に対する理解が一層深まるよう「あいち森と緑づくり事業」を活用した間伐等を進め、適切に森林整備を推進していきます。

 当地域では、地域を流れる清流を利用して、にじます、あまごなどの養殖業が行われています。また、豊川をはじめとする河川では、内水面漁協によるあゆ、あまごなどの増殖や河川清掃活動などが行われていますが、河川環境の変化や漁協組合員の高齢化などにより、水産業の持つ多面的機能の維持が危ぶまれています。 

 当地域の自然資源である森林、農地、河川は、多面的な機能を有しており、環境や防災の面で安全、安心な暮らしを支えていることを、なお一層県民に理解を深めてもらうことが重要です。このため、生物の多様性にも配慮した農林業生産基盤の整備や間伐の実施等農林水産分野における環境保全対策を、県民との協働連携による取組や関係者、関係団体との協力を通じて幅広く展開し、多面的機能の維持、向上を計画的に推進していく必要があります。
 また、食の安全・安心に配慮し、適正な食品の表示に向けた取組が必要です。 

 当地域は標高差が大きい上、自然豊かで歴史があり、茶臼山高原、農産物直売所、温泉施設、長篠城などをはじめとする観光資源にも恵まれています。平成28年2月には新東名高速道路が開通したことにより、都市部からのアクセスが容易になりました。これらの地域特性を生かした各種体験イベント等の情報を発信することで、多くの人に農山村部を訪れてもらい、豊かな自然、歴史、文化等、農山村の魅力にふれてもらうことで農林水産業の振興ひいては地域の活性化を図っていくことが重要です。

鳥獣被害防止柵                                                                                鳥獣被害防止柵(新城市)
広域農道工事

急ピッチで進む広域農道の工事

 

 

循環する林業に取り組む

循環する森林づくりに取り組む(主伐・植伐・獣害対策の施業)

 

 

農業体験交流

  農業体験交流(豊根村)

3 新城設楽地域における主な取組

1 競争力の高い農林水産業の展開による食料等の安定的な供給の確保

(1) 奥三河地域の強みを生かした幅広い需要に応える戦略的な品種の普及

【目標】《酒米生産量 *155t(2015年度) ⇒  250t(2020年度) 》                                                                                      
○ 地域の特産品である地酒のブランド化を強化するため、県が育種した酒造好適品種「夢山水」、「夢吟香」の栽培を推進します。                                                            ○ 中山間地向け品種の「夢山水」は北設地域を中心に、平地向け品種の「夢吟香」は新城市を中心に新規栽培者の確保と栽培拡大を図ります。
○ 酒造会社の求める品質と生産性向上を目指し、栽培技術改善を支援します。
夢吟香
商品化された「夢吟香」

 

現地技術改善研修会の様子

現地技術改善研修会

(2) 意欲ある人が活躍できる農業の実現

【目標】《新規就農者数  *毎年7人 》                                                                                                                    
 ○ 「農起業支援センター」において、就農希望者への個別相談と就農後の自立に向けて営農を支援します。
 ○ 就農林相談会に参加し、他の地域から就農希望者を積極的に受け入れます。
 ○ 就農後は栽培技術の習得や個別経営改善を行って、自立するまで継続支援します。
 
農業就農説明会                                                                 農業就農説明会(名古屋市)

 

 

 

 就農希望者への現場説明会  

 就農希望者への現場説明会(新城市) 

   
【目標】《農業生産基盤整備の推進  *農地・農業水利施設等の整備・更新面積 5年間で37ha 》                                                                  
○ 用排水路の整備、区画整理及び暗渠排水を行うことにより、地域農業の発展、向上を図ります。
○ 耕作放棄地を保全管理区域に設定することにより、農地の保全管理を行い、優良農地への悪影響を防止します。
ポンプ場                                                                                      ポンプ場の整備による用水の安定供給

(3) 資源を生かす林業の実現

【目標】《木材生産量の増大  *74千立方メートル(2015年度) ⇒ 110千立方メートル(2020年度) 》 
○ 高性能林業機械等を活用した木材生産システム、主伐・植栽・獣害対策を一貫して行う新たな施業方法の推進等により、生産性の高い林業技術の普及を図ります。
○ 森林施業の集約化を進めるとともに、計画的で効率的な森林施業を行うため、一体的でまとまりを持った森林を対象とした森林経営計画の策定を促進します。
○ 「あいち森と緑づくり事業」を活用し、森林の整備・保全を図るとともに、県産木材の利用を促進します。
木材生産

主伐による木材生産(新城市細川)

植栽体験

循環する森林づくり現地研修会 植栽体験(豊根村下黒川)

【目標】《林業を担う人材の確保・育成  *新規林業就業者数 毎年7人 》 
○ 就業相談活動や研修等により、新規林業就業者の確保と、高度な知識・技能を有する林業技術者を育成します。
○ 労働安全に関する研修の重点化や事業主への安全管理徹底の働きかけにより、林業労働災害の防止対策を推進します。
○ 小学生から大人まで幅広い世代に対して、森林・林業・木材に関する講義等を開催するとともに、植栽・間伐体験等の機会を設けます。
現地研修会                                                                                                              伐木造材技術及び安全作業を習得するための現地研修会

(4) 食品の安全・安心の確保と環境への配慮

【目標】《食品表示の普及啓発研修の開催回数  *毎年2回 》
○ 消費者が適正な名称・産地等の情報により安心して食品を選択できるよう、食品表示法(旧JAS法部分)に基づく食品表示の遵守状況調査を実施します。
○ 生産者が消費者に対して的確な情報を伝えるため、農協の産直部会、加工品部会の組合員を対象として旧JAS法に基づく食品表示の研修会を実施します。
○ 消費者から、食品表示が法令等に適合していないといった情報が寄せられた際は、迅速に関係機関への連絡や事実確認を行い、指導を実施します。

食品表示遵守状況調査                                                                                                                        

食品表示遵守状況調査                                                                                                                                                       

 

食品表示研修会                                                                                                                                                                                   食品表示研修会

2 農林水産業への理解の促進と食料等の適切な消費の実践

(1) 農林水産業を理解し身近に感じる活動の推進

【目標】《ウェブページ等を活用した情報の発信  *情報の発信件数 毎年36件 》
○ 生産者と消費者が、農林漁業体験や交流活動等を通じて中山間地域の価値を共有できるよう、事務所ウェブページの「しんせつネット」や、食育推進課のフェイスブックで各種イベントや地域の特産物を紹介し、情報発信機能の充実を図ります。
○ 農林水産業に限らず、自然や食文化、伝統文化といった地域資源を都市住民に対して積極的に情報発信し、グリーンツーリズムなど観光産業と結びついた取組を支援します。
農業体験

農業体験(新城市)

 

 

花祭り             

伝統文化「花祭り」(豊根村)

 

3 自然災害に強く緑と水に恵まれた生活環境の確保と元気な地域づくり

(1) 災害に強く安全で快適な生活環境の確保

【目標】《治山施設の整備により山地災害に対する防災機能の向上が図られる面積      *治山面積 5年間で825ha 》 
○ この地域は、地形が急峻で山地災害が発生しやすい条件下にあり、また、重要な水源地域であることから、災害の防止、水源のかん養や生活環境の保全等、森林の多面的機能が発揮されるよう、治山事業による施設の計画的な整備を図ります。
○ 施設を計画的に整備するため、関係市町村と連携して地元調整を図り、水源地域整備事業や地域防災対策総合治山事業などの、地区指定事業の積極的な導入を図ります。                                                                                                                        ○ パンフレットやポスター等を市町村に配布し、治山施設の災害防止を果たす役割をPRします。 
復旧前   復旧後                                                                   山腹崩壊地の復旧(設楽町)
【目標】《林道の開設延長    *林道 5年間で14 km 》
○ 森林施業の基盤となる林道の開設を推進・支援します。
○ 奥地林の森林施業を推進するため、路網の整備を図ります。
○ 農山村の交通環境の改善を図ります。
林道白樺支線

林道白樺支線(設楽町)

(2) 森林・農地・漁場の有する多面的機能の発揮

【目標】《中山間地域等直接支払制度の活用   *1,080ha(現状維持) 》 
○ 中山間地域の農振農用地において、耕作放棄の発生を抑え農業の有する多面的機能を維持するため、中山間地域等直接支払制度を活用した農地の維持・管理活動を支援します。
○ 交付金制度の円滑かつ適正な実施のため、市町村に対して支援・指導を行います。
集落での保全活動

集落での保全活動(新城市)

【目標】《県民との協働連携による生物多様性の保全活動の推進  *毎年11組織 》
○ 多面的機能を持つ農地等の重要性について広く啓発することにより、ため池や用排水路などの農業用施設等における県民参加型の生物多様性の保全に向けた活動を支援します。

 

生き物調査の様子

生き物調査

 

(3) 農林水産業を核とした元気な地域づくり

【目標】《中山間地域の資源を活用した主な施設の利用者数   *1,210千人(2020年度) 》
○ 事務所ウェブページ等で地域の直売所や体験施設の情報を発信し、来訪者数の増加を図ります。
○ 農産物の栽培講習会を開催し、消費者ニーズに応える農作物の生産を支援し、地域の直売所の活性化を図ります。
○ 新東名高速道路の開通を生かし、来訪者数の増加を図ります。
こんたく長篠                                                                                      こんたく長篠(新城市)                                                   

 

豊根グリーンポート宮嶋                                                                                    豊根グリーンポート宮嶋(豊根村)                           

 

【目標】《鳥獣被害対策実施隊の捕獲リーダー数  *20人(2020年度) 》 
○ 鳥獣被害防止総合対策事業など各種助成制度を活用して市町村、地域が取り組む鳥獣害対策を支援します。
○ 野生鳥獣による農作物の被害面積、被害額の削減のために、集落を対象とした研修会の開催、モンキードッグの取組、わなを活用したニホンジカ等の捕獲、サルの接近警戒態勢の整備及び集落環境の整備等を推進します。
○ 地域の鳥獣被害防止活動の円滑な実施のため、鳥獣被害対策実施隊のうち、狩猟免許を持つ捕獲リーダーの人数を、狩猟免許取得の補助等を通して増加させる取組を支援します。
 侵入防止柵                                                                                                    侵入防止柵(新城市)                        

 

捕獲活動                                                                                     捕獲活動(豊根村)                          

 

4 新城設楽地域推進プランの達成に向けた推進体制

 市町村、農林水産業や商工関係団体、地域消費者団体、県関係機関等を構成員とする「食と緑の基本計画新城設楽地域推進会議」において、主な取組の総合的な連絡・調整を進めるとともに、計画的な推進を図ります。          

 なお、地域推進プランの的確な推進を図るため、各年次の取組状況と今後の取組方向などを取りまとめた地域レポートを毎年度作成し、進行管理を行います。

「食と緑の基本計画2020 新城設楽地域推進プラン」の印刷用ファイルはこちらからご覧いただけます。

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