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エコシステム実験棟
エコシステム実験棟施設
平面水槽
水温、塩分、流れ、潮汐、風、波などの物理的条件や栄養塩類などの化学的条件を任意に設定でき、自然に近い干潟環境を室内で人工的に再現できる装置です。装置は自然光を取り入れるため、ガラス屋根の実験棟に納められています。干潟の生態系やその浄化能力に関する実験ができ、現場観測からは得られない物理的・化学的・生物的なデータをリアルタイムに収集して解析します。
・大きさ
幅5m×長さ8m×高さ1.8m 3基
・機能
潮汐(0~1.5m)、 水平移流(0~25cm/秒)、 造波(波高5cm、周期 0.5~2.0秒)、 送風(0~5m/秒)
・解析装置
流向・流速計、 水位計、 光量子計、 レーザー式砂面形状測定装置、 多項目水質計(水温・塩分・pH・DO・濁度・クロロフィル)、 オートアナライザー(TN・NH4・NO3・NO2・SiO2・PO4・TP)、 懸濁物粒子粒径分布計等

平面水槽全景と採泥の様子
回流水槽
地形や海象によって生じる様々な流れを設定することができ、底生生物や海藻(草)に流れが及ぼす影響を調べることができます。海藻(草)を長期に生育させるため、上部には照明装置が設置してあります。
・大きさ(観測部) 長さ13m×幅2m×高さ4m (長さ7.5m×幅1.5m×高さ2.1m)
・流速 0~50cm/秒
・往復流周期 10~20秒
・砂厚 50cm
・最大光量 20,000Lux

回流水槽全景と送水時の様子
魚介藻類実験室
プランクトン実験室
微生物実験室
エコシステム実験棟で行う試験研究
(1)高い水質浄化機能と生物生産力を有する干潟生態系の解明
干潟とそこに流入する海水との間で交換される物質の分析や干潟上の生物量を測定することにより、干潟が持つ浄化能力の定量化や生態系の構造解明を行い、富栄養化した内湾における干潟の役割を評価します。
(2)人工干潟等の造成技術の開発
高い水質浄化能力と生物生産が発揮される条件を検討し、人工干潟造成に必要な技術を開発します。
(3)干潟造成に用いる海砂の代替となる造成基質の開発
現在、貴重な資源となっている海砂に代えて利用できる人工干潟の造成基質(山砂、砕石・ヘドロ固化等人造砂)の効果を検討します。
(4)効果的な人工藻場造成技術の開発
アマモなどの藻場が形成する条件を解明し効果的な藻場造成技術を開発します。

