本文
議事概要(平成30年度愛知県陶磁美術館運営会議)
議事概要(愛知県陶磁美術館運営会議)
○日 時:平成30年8月3日(金曜日)午後2時~午後3時50分
○会場:愛知県陶磁美術館本館3階会議室
○出席者
・委 員:伊藤(辰夫)委員、伊藤(保德)委員、加藤委員、川上委員、設楽委員、
柴垣委員、高瀬委員、前田委員、宮本委員(座長)
・事務局:上田館長、神崎副館長、鹿島総務課長、佐藤学芸課長
○議題
(1) 平成29年度事業報告について
(2) 平成30年度陶磁美術館の運営について
○会議の概要
・事務局
配付資料により委員からの意見と事務局の考え方を説明。
(1) 近年の利用者数の状況について、H27からの減少傾向の原因を細かく分析する
必要がある。同時に魅力ある展示と広報の工夫を期待する。
→8000人規模の企画展が減少したことや昨年は、企画展が1回少なかったこと
などが要因 と考えられる。今後も継続して、検討を進め、魅力のある展覧会の
開催や効果的な広報に努めたい。
(2) 展示企画と広報の方法について、親しみやすい企画を考え、タイトルも工夫す
る と良い。
→「湯のみ茶碗」展は、どこの家庭にもある身近なやきものを取り上げ、サブタイ
トルとして「ちょっと昔の、やきもの日本縦断旅」というように工夫をした。今後も
継続していきたい。
(3) 学校教育との連携事業について、広報の方法やHPからの応募について改善
すると良い。
→平成23年度から周辺市町の校長会でPRを行っており、昨年度からは近隣8
市町に拡大 して実施している。来年度以降は、県内全体で実施することを
県教委と協議する。HPからの応募については、改善していく。
(4) HPによる広報について、情報は常に更新し、スマートフォンの文字で読み
にくい部分も改善してほしい。
→開館40周年事業の中でSNSのツイッター、インスタグラムを導入、HPのス
マートフォン対応を行い、最新の情報提供を心がける。文字の読みづらさ は
改善する。
(5) 夏休み期間中の企画について、自由研究に役立つ企画やシニア向けの
企画との両立を考えると良い。
→平成21年度から夏休み期間に交通対策課と連携し、子どもとシニア向け
の企画として、リニモツアーズ体験講座を行い、陶芸館2コースを実施、昨
年度から南館のコースを加え3
コースとした。自由研究にも対応する内容で好評を得ている。
・委員
資料から、事業の結果はわかるが、ターゲットなど目標設定がなく、次につなが
るポイントが見出せない。具体的な資料がないので、別資料で提示してほしい。
・事務局
展示やイベントに関して、今年度から細かいアンケートを実施している。これまで
入館者数という定量的な目標設定に留まっていたが、今後は、来館者の満足度
など定性的な目標を設定することも検討したい。アンケート結果の分析をふまえ、
この場で報告できるようにしたい。
・委員
事業を行うだけでも大変だが、次につながる具体性があるアンケートがあると
良い。例えば、「湯のみ茶碗」展について、普段使用しているもの(100円均一など)
と比較するなど、一般にわかりやすく、やわらかいアプローチがあると良い。
・事務局
湯のみ展については、まだ時間があるので、わかりやすいアプローチになるよう
に工夫していきたい。
・委員
5月の茶摘みイベントと9月の「湯のみ茶碗」展に関連はあるのか。茶摘み参加
者が再来館する予定があるのか。自分で摘んだ茶が自分の器で飲めると良い。
例えば、参加者が銘々皿を作り、饅頭と一緒にお茶を飲むなど、瀬戸の饅頭屋
とも連携するなど関係者を増やし、3か月、半年スパンのイベントにすることで、
「また機会があったら館に行きたい。」と思われる企画をすると良い。美術館とし
ての格調を保ちながら、若い世代の活用を図ると良い。瀬戸でも昔茶畑があっ
た。現在瀬戸市も西尾市と連携してお茶の淹れ方などワークショップを行ってい
る。50~100名動員できるイベントでアットホームな雰囲気で行っている。常滑の
急須も加えてはどうか。陶芸館も団体100名が利用できる日本有数の施設である。
・事務局
茶摘みは、「湯のみ茶碗」展との直接的な関わりはないが、定員100名のところ、
200名以上の応募があって大変好評だった。
・委員
全て抹茶にするのか。煎茶もあると良い。湯のみを使う楽しさに気付く機会を設け
ると良い。茶摘みイベントについて、100名断るのはもったいない。ユニークな企画
なので茶畑を拡大するなど工夫したほうが良い。茶畑づくりはこのイベントを予測し
ていたものか。
・事務局
200名の参加については、茶畑の規模から無理と考えている。当日摘んだ茶葉の
一部を使って、手もみ体験と小川流による煎茶会も行った。残りの茶葉は西尾市
の協力で抹茶にし、11月3日の茶会に使用するのでPRしたい。アンケートでも9割
以上が満足という回答をいただいている。茶摘みは来年度も開催したい。茶畑は
5年前、前副館長の寄附によるもので、当時からイベントも考えていた。引き続きボ
ランティアと一緒に育てていきたい。
・事務局
「湯のみ茶碗」展では「愛知の茶屋」と題し、県内生産の煎茶を館蔵の湯のみ茶碗
を用いて体験するイベントを企画している
・委員
「瀬戸陶芸の黎明」展については、その素晴らしさが伝わる展示でよかった。窯業
高校の生徒は観覧したか。「本業と新製」展について、全国的には知られていない
言葉である。資料1-3を見ると、来館者数について、陶芸館が全体の半分近くを占
めている。安定的なように見え、半数が数回訪れるようであるが、リピーターが多い
のか。本館と陶芸館が離れており、利用が固定的になるのではないか。連動する
と良い。
・委員
「六古窯」のひとつである瀬戸市・常滑市が、中世から現代まで稼働している重要な
窯業地として日本遺産に認定された。このほか、滋賀県甲賀市、福井県越前市、兵
庫県篠山市、岡山県備前市が「六古窯」として古くから知られている窯場である。こ
れらの地域の中で、この瀬戸に愛知県陶磁美術館がある、ということは大きなアド
バンテージである。たとえば六古窯の学術サミットを当館で開催し、全国から陶磁
ファンを呼ぶことも可能ではないか。また、越前市も参加している国交省の「昇龍道」
や、同じ愛知県の高浜市なども巻き込んでイベントを行うというのはどうか。来年は
難しくとも、2020年までにそういう試みはできないだろうか。
・事務局
ギャラリートークにおいて窯業高校の専攻科のクラス単位での参加はあったが、
普通科の来館は少なかった。
・事務局
アンケートの来館回数は企画展のものであり、陶芸館の利用状況ではない。
・事務局
印象として、陶芸館の固定客・常連さんは一定数ある。学校利用は全体的に減少
傾向にあり、一般利用者はGWや夏休みなどの利用が多い。
・委員
昔に比べて倍以上イベントが増えている。開館当初は専門家の教育や研究に重点
が置かれていた。教育普及事業について、どこの館も同じようなことをしているので
はないか。自館の特徴を出すためにも、原点に戻って研究を意識し、研究者も養成
するくらいの要素を持つべきではないか。展覧会のタイトルが固い。「瀬戸陶芸の黎
明」展について、「黎明」という言葉は中学生以下にはわからないのではないか。
「知られざる古代の名陶」についても文語になっており、「受贈外国陶磁」という言葉
も漢字が多く一般化されているか疑問である。「地宝」という言葉も本来は県宝であ
り、言葉からイメージがピンとこない。
・委員
陶磁美術館は愛知県の財産を管理するという命題があるが、ジブリパークとの連携
や割引など子ども連れの方々をどう誘致するか検討した方が良いのではないか。
・委員
仕事で名古屋に来て、愛知県の素晴らしさを知った。テレビのブラタモリでも、せとも
のやノリタケが紹介されている。TOTO、INAXの陶器のトイレなど、愛知県とやきも
のの原点をもっと周知すべき。明治村の夏目漱石が住んでいた建物に森鴎外も住
んでいたという建築と文豪の関係など、キャッチコピーやストーリーが大事。幅広い
層を取り込めるのではないか。
・委員
本館の建設直後に復元され、毎年焼成方法の再現が行われている中世、近世の
「復元古窯(大窯と登り窯)」や、増築時に発掘調査され、整備された駐車場の平安
~鎌倉時代の古窯などは、他館にない魅力ある施設である。復元古窯の成果報告
について、展示や活用方法の見直しをすべき。かつて、毎年10月10日に開催した
友の会茶会はいくつかの流派など組織が関わっていた。現在11月3日の茶会は、
NPOと連携しているが、いくつかの流派にわたるなど組織の見直しも検討すべき。
・事務局
現在、様々な形でNPOに協力をいただいている。連携を強化し、昔の友の会レベ
ルにまで引き上げられればと考えている。
・委員
子ども向けの花器製作といけばなの企画を過去に行った。子どもの喜ぶ色などを
用意した結果、子どもの自由な発想がみられ、楽しそうな姿が印象的だった。そ
の子どもたちも現在は、大人になって来館しているか。たくさんの子どもに同様の
体験をしてほしい。携帯型学習キットについて、子どもがわくわくするような作品を
入れてほしい。ロフトのマグカップやごはん茶碗などカラフルで子どもに選ばせた
ら楽しむと感じた。やきものを見て面白いと思える内容にしてほしい。
・座長
本日は長時間にわたり活発な御審議をありがとうございました。