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温泉の効能

2006年1月17日

温泉の効能って、どうしてきめられるの?

岩風呂に入っているおじいさん

こんな質問をよく受けます。それに対する答えは、"日本の温泉医学は江戸時代の貝原益軒や宇田川溶庵などから始まっていると思われますが、口伝えによる伝統的な効能や温泉治療に基づく症例等、温泉の効能は多岐にわたっています。すでに定説となっていることも多くありますが、関係学会等では現在も温泉の効能についてデータを集積中" です。

このことは、下記環境省の禁忌症、適応症の決定基準に述べられている文言からも明らかです。 「温泉の医治効用は、その温度その他の物理的因子、化学的成分、温泉地の地勢、気候、利用者の生活状態の変化その他諸般の総合作用に対する生体反応によるもので、温泉の成分のみによって各温泉の効用を確定することは困難である。

じゃ、どうして温泉の掲示に効能が載っているの?

温泉の効能が多岐にわたることによる温泉利用施設での混乱を避けるため、温泉法(昭和23年に出来た法律で、温泉の保護や利用に関することを法的に規定しています。)第14条で定められている温泉の成分等の掲示について、環境省がまだ環境庁であった昭和57年に通知を出しています(昭和57年環自施第227号)。その通知により当時全く統一性のなかった温泉成分等の掲示に関し、温泉を公共の浴用又は飲用に供しようとする場合の温泉の利用許可に伴う掲示内容(温泉の分析検査、温泉の禁忌症、適応症及び入浴又は飲用上の注意の決定等)の全国的な適正化を図ったからです。通知には、別紙1で「温泉の禁忌症及び入浴又は飲用上の注意決定基準」を示し、別紙2では「温泉の適応症決定基準」も参考として示され(温泉の一般的禁忌症、泉質別禁忌症と適応症)、さらに「必ず医師の意見を徴して決定すること」とあります。そして、温泉の禁忌症及び入浴又は飲用上の注意決定は、温泉利用施設の管理者が掲示内容を都道府県知事に届出後、知事の審査を経て決定されます。また、温泉の適応症の決定は都道府県知事の判断によることとされています。

愛知県内には下記に述べるように温泉の専門医は必ずしも多くありません。そこで、当所では、温泉分析における泉質分類に基づいて環境庁通知の別紙1,2の禁忌症、適応症等をそのまま記載する形で、温泉分析書別表として温泉分析書に添付することにしています。

なお、この通知は、医療機関における温泉治療のための利用については適用されず、医療機関の判断と経験に任されています。

温泉の専門医はどこにいるの?

古くから湯治場として利用されている温泉地の温泉診療所や○○大学温泉研究所と称する所に行けば、温泉医学に詳しい医師に出会うことが出来ると思います。

学会レベルでは、日本温泉気候物理学会に二つの認定制度があります。

  1. 温泉療法医:正しい温泉・気候・物理療法を普及・発展させるために、患者に対し温泉・気候・物理療養指導を行い得る医師であるとして、1976年に発足しています。2006年1月現在で全国に872名で、県内では12名です。
  2. 温泉療法専門医:温泉・気候・物理医学について一定以上の臨床経験と研究業績を持ち、2年以上温泉療法医の経験を持った医師であるとしています。1990年からの温泉療法認定医制度を変更して2005年から新たに発足したものです。温泉療法専門医については学会のホームページ上で名簿も公開されていますが、2006年1月現在で全国に177名で、県内では1名です。

どこの温泉がいい?

岩風呂に入っているおばあさん

こう聞かれたら、"あなたは温泉に何を求めていますか"と聞き返えさせて下さい。あなたが温泉に求めるものによって答えが変わって来るからです。単に気分転換を含めた保養・休養という事であれば、温泉地の自然や建物、浴場の環境や整備状況、そして、食事や接遇内容、さらには誰と行くか等によっても、良い温泉が変わってくるでしょう。そして、特に療養が目的ということならば、前述の温泉療法医や温泉療法専門医の常駐する温泉地を選ばれるのが良いでしょう。愛知県内の温泉は、こちら(あいちの温泉)で見てくださいね。

(衛生化学部生活科学研究室)

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