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県議会知事提案説明

平成24年2月定例県議会 知事提案説明要旨

今議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、所信の一端を申し述べ、県議会並びに県民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 まず、はじめに申し上げます。
 天皇陛下には、18日に手術をお受けになり、手術は無事に終了し、大変安堵いたしております。
 陛下の一日も早いご快癒を心からお祈り申し上げたいと存じます。

 さて、昨年2月、多くの県民の皆様方の熱いご支持を賜り、愛知県知事に就任して以来、1年が経過いたしました。
 私は、今日まで、「日本のど真ん中、愛知・名古屋から日本を変える」、「世界と闘える愛知・名古屋をつくる」、そして「日本一元気な愛知をつくる」という強い信念のもと、様々な課題に対して、県議会の皆様方、さらには県民の皆様方のご理解とご支援を得ながら、全力を尽くしてまいりました。
 まず、就任当日には、高病原性鳥インフルエンザへの対応として、現地に赴き、状況の把握と迅速な対応の指揮をとり、翌3月には終息宣言を出すことができました。
 その直後には、東日本大震災が発生いたしました。発災後速やかに、本県として「被災地域支援対策本部」を立ち上げ、私も二度にわたり現地に出向き、被災地のニーズに対応し物資の提供や職員派遣などを行うとともに、自衛隊、警察、消防、行政関係者、医療関係者、民間企業やボランティアの方々まで、県民全員が気持ちを一つにして、被災地の一日も早い復旧・復興、さらには日本の復興を願い、支援をしてきたところであります。
 4月には、「あいちガンバロー資金」を創設し、東日本大震災の影響を受けた県内企業の資金繰り支援に万全を期したところであります。
 また、浜岡原子力発電所の運転停止への対応として、「愛知県電力・エネルギー対策本部」を即座に立ち上げ、県民や企業の皆様のご協力のもと、地域一丸となった取組を進め、夏の厳しい電力需給を乗り切ることができました。
 さらに、歴史的な円高への対応では、先頭に立って、円高是正・デフレ対策を国に働きかけるとともに、本県独自の緊急円高対策を実施いたしました。
 自動車関連税制の見直しにつきましても、究極の円高対策・内需拡大策として、国に強く働きかけ、減税やエコカー補助金創設と大きな成果をあげることができました。
 このように、次から次へと県民生活や本県経済に大きな影響を及ぼす様々な課題や問題に直面いたしましたが、いずれも、待ったなしの対応が迫られる状況の中、常に、県民の皆様の生活や企業活動の現場のことを考え、スピード感をもって行動してまいりました。
 今後も、「愛知の元気なくして日本の復興なし」との強い決意のもと、日本の産業経済を支える愛知の責務を果たしてまいる所存であります。

 このような目の前の緊急の課題に取り組む一方で、愛知の将来の発展につながる様々な取組も進めてまいりました。

 まず、昨年12月、本県が、岐阜県や名古屋市などと共同で国に申請しておりました「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」が、国際戦略総合特区として指定されました。
 この特区は、国の規制緩和や税制・金融・財政上の支援措置を受け、航空宇宙産業に係る研究開発から製造、保守管理までの一貫体制の構築を進め、アメリカのシアトル、フランスのツールーズと並ぶ、航空宇宙産業の世界三大拠点の一つとなることを目指すものであります。
 今後は、この指定を弾みとして、航空宇宙産業を次世代の基幹産業として育成し、当地域の産業の一層の高度化と集積拡大を図り、日本の成長を牽引してまいりたいと考えております。
 
 また、「知の拠点」につきましては、今月14日に、付加価値の高いモノづくりを支援する研究開発の拠点として「あいち産業科学技術総合センター」をオープンしたところであります。
 今後とも、産学行政による共同研究開発である「重点研究プロジェクト」を着実に推進するとともに、中堅・中小企業の新技術・新製品開発の取組を支援し、ナノ・マイクロ加工技術の開発などを通じて、県内企業の競争力強化を図ってまいります。
 
 「東三河県庁」が、いよいよ4月からスタートいたします。
 地域が一体となって東三河地域の振興に取り組んでいくため、東三河振興ビジョンを策定してまいりますが、10年後の東三河の目指すべき姿を示す将来ビジョンの策定だけでなく、観光や新産業など分野別の実行計画的なプラン策定にも着手してまいります。
 ビジョンの策定や地域課題への対応に当たっては地元の意向をしっかりと受けとめるため、企画立案段階から市町村、民間組織など地域の皆様方と協議を行う場を設置いたします。
 また、林業振興などの本庁機能の一部移管や許認可等の権限移譲を進めるとともに、地域の課題に対応するための振興施策や三遠南信地域との県境を越えた連携を進めるなど、東三河の発展を愛知県全体のさらなる飛躍につなげてまいりたいと考えております。
 これから1か月余り、「東三河県庁」が十分に機能するよう、万全の準備を進めてまいります。

 さて、今月から、中京独立戦略本部において、中京都構想の具体化に向けて議論が始まりました。
 これまで、愛知・名古屋は、圧倒的な産業集積を背景に、我が国の産業経済を力強くけん引してまいりましたが、今後も、高いポテンシャルを活かしつつ、全世界からヒト・モノ・カネを集め、「世界と闘える大都市」を築き上げていかなければなりません。
 まずは、愛知・名古屋の協調・連携関係をより強固にしつつ、観光や産業振興を始めとした具体的な政策を積み重ねていくとともに、その中でこれらの政策効果を最大化できる体制等を追求してまいります。
 こうして、中京都構想の具体化に向けた議論を加速させていく中で、国から地方への大幅な権限、税財源の移譲を進め、課税自主権を強化し確立することで、自らの責任で地域経営を行えるようにすることを国に強く要求してまいります。
 大都市こそ成長のエンジンであり、道州制も視野に、大都市圏の自立・独立を果たし、日本の新たな成長戦略を描いてまいります。
 愛知が東京や大阪とも連携し、日本の大都市、三大都市圏から、明治以来の日本の国の統治のかたちを変え、そして日本を前進させていく大きなうねりを引き起こしてまいりたいと考えております。
 
 我が国や本県を取り巻く社会経済情勢は、依然として重苦しい閉塞感に覆われておりますが、新しいあいちのスタートに向けた取組を強力に推進し、愛知のさらなる飛躍につなげてまいりたいと考えております。

 次に、平成24年度当初予算編成につきまして、ご説明いたします。
 
 まず、最近の経済情勢についてであります。
 我が国の経済情勢は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にある中で、緩やかに持ち直しており、また、この地域につきましても、自動車関連の生産について、大震災やタイの洪水被害の影響を克服し生産体制も整いつつあり、緩やかに持ち直しております。
 しかしながら、先行きについては、欧州の政府債務危機の影響や為替レートの変動などによる景気の下押しリスクが存在することに加え、電力供給の制約や原子力災害の影響、さらには、デフレの影響、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることから、引き続き予断を許さない状況であります。
 
 平成24年度当初予算は、このように依然として厳しい経済環境の中で、本県財政は引き続き厳しい状況にあり、多額の収支不足への対応を迫られる難しい編成作業となりました。
 一方、こうした厳しい状況の時であるからこそ、愛知の産業力、経済力、文化力、地域力を発揮し、日本のエンジンとしての役割を果たしていかなければとの強い思いから、積極的な姿勢で取り組み、愛知がトップランナーとして日本をけん引するための施策に意を用いて予算編成を進めてまいりました。

 それでは、まず、平成24年度の当初予算に盛り込みました3つの重点施策について、申し述べたいと存じます。
 
 第一は、モノづくり産業の競争力の強化と次世代産業の育成・振興についてであります。
 
 最近の歴史的な円高は、景気の先行きを下振れさせるリスクとなるばかりか、産業の空洞化を通じて、地域の経済活力や雇用を喪失させるとともに、法人事業税や住民税が先細りすることなどにより、地方財政を一層深刻化させることが懸念されます。
 そこで、本県といたしましても、産業経済の活性化に取り組むことが最優先課題と考え、当面の緊急対策として、産業空洞化対策に全力を傾注してまいりたいと考えております。
 
 まず、「産業空洞化対策減税基金」の創設についてであります。
 喫緊の課題である産業空洞化への対応として、本県への企業立地・設備投資を促進するとともに、県内における付加価値の高いモノづくりの継続・拡大を支援することが重要であります。
 そこで、法人県民税減税に代替する措置として、毎年度、法人県民税の10%に相当する50億円を基金に積み立て、これを原資として企業立地、研究開発や実証実験を支援する3つの補助制度を創設いたします。
 一つ目に、大規模投資案件を想定した対応として、従来10億円としてきた補助上限額を、全国トップレベルの100億円まで大幅に引き上げ、地域経済に大きなインパクトをもたらす大規模な工場などの誘致につなげてまいります。
 二つ目に、中小規模の投資案件への対応として、市町村と連携し、長年にわたり地域経済を支えてきた県内企業の再投資を支援することで、その県外への流出防止に努めるほか、サプライチェーンの中核をなす分野や成長産業分野において、小さくてもきらりと光る投資案件を支援してまいります。
 三つ目に、次世代自動車、航空宇宙、環境・新エネルギーなど、将来の成長が見込まれる分野において、企業が大学、公設試験研究機関等と連携して行う研究開発を支援するほか、研究開発の成果を実用化に結び付けるための実証実験を支援してまいります。特に、国際戦略総合特区の対象業種である航空宇宙分野の案件などについては、補助率や限度額の上乗せ措置を講じてまいります。
 
 次に、本県独自のエコカー免税についてであります。
 我が国及び本県の基幹産業である自動車産業につきましては、国内需要の拡大に向けて、自動車関連税制の抜本的な見直しを、本県が中心となって国へ強く働きかけてまいりました。この結果、「平成24年度税制改正大綱」においては、エコカー減税の継続・拡充と併せ、自動車重量税について1,500億円規模の負担軽減が行われることとなったほか、国の第4次補正予算において、3,000億円規模のエコカー補助金が創設されることとなりました。
 こうした国の施策に加え、本県独自に、電気自動車とプラグインハイブリッド自動車の次世代自動車につきまして、平成24年度及び平成25年度に新車登録をされた県民の方々を対象に、自動車税を新車登録年度とその翌年度から5年間免除するエコカー免税を導入することといたします。
 なお、買い控えを防止するため、今年の1月1日から3月31日までに登録をされた方にも、平成24年度から5年間、免除をいたします。
 個人消費を回復し、地域経済を支える裾野の広い自動車産業を支援するとともに、地球温暖化防止にも寄与するものであり、産業と環境の両面から、愛知を元気にする新しい戦略として取り組んでまいります。
 
 次に、豊田・岡崎地区の研究開発施設用地造成事業についてであります。
 この事業は、豊田市と岡崎市にまたがる約650ヘクタールの区域に、全体事業費1,100億円を超える計画で、自動車産業の研究開発拠点の用地を整備するものであります。
 本県が、モノづくり技術の中枢的な役割を担う地域として引き続き発展していくためには、産業の研究開発機能の強化・集積が必要であります。施設の完成時には、約4,000人の方々が働く自動車研究開発施設となり、本県の産業振興や地域の活性化にもつながる重要なプロジェクトであります。
 来年度には、本格的な造成工事に着手してまいりますが、自然環境の保全にもしっかりと配慮し、事業予定地に残す里山環境を守りながら自然との共生を実現する研究開発拠点として、早期の完成を目指してまいりたいと考えております。
 
 第二は、世界一の環境先進県づくりを目指す環境施策についてであります。
 
 この地域は、2005年の愛知万博、2010年のCOP10の開催など環境分野での実績は世界にその名を知られるところであり、県民の皆様方の環境に対する意識が非常に高い地域であります。
 愛知県は日本一の産業県でもありますが、今や環境施策を抜きにした経済成長はありえません。持続可能な社会の実現に向け、世界のトップランナーとして環境施策に取り組み、環境と産業経済を両立させていく必要があります。
 
 昨年9月に、「国連ESD(持続可能な開発のための教育)の10年」最終年会合が平成26年に愛知・名古屋において開催されることが決定いたしました。
 こうした国際会議は、持続可能な社会づくりを進めていく上で、大きな弾みになりますので、世界を代表する「環境首都あいち」の実現に向け、万博やCOP10の成果を引き継ぎ、様々な取組を展開してまいりたいと考えております。
 平成24年度は、地元として国際会議が円滑に行われるよう開催支援の準備を進めるほか、県内の学校でESDの理念を実践するユネスコスクールを大幅に拡大するとともに、県民参加のイベントを実施するなど、地域を挙げて開催機運を盛り上げてまいります。
 
 一昨年のCOP10では、「自然と共生する社会」という理念が示されるとともに、生物多様性の保全を推進する「愛知目標」が採択されました。
 このCOP10の理念を継承し、「愛知目標」の達成に向けて、新しい「あいち自然環境保全戦略」を策定してまいります。
 そして、生きものの生息環境をつなぐ生態系ネットワークの形成と、開発によって失われる自然を別の場所で代償する制度を組み合わせた愛知県独自の取組である「あいち方式」の具体化に向けて検討を進め、生態系の保全・再生を図りながら、持続可能な生物多様性を育む地域づくりを進めてまいります。
 さらに、本年10月にインドで開催されるCOP11におきましては、こうした本県の先導的な取組について発表し、「環境首都あいち」を全世界にアピールいたします。
 
 次に、三河湾の環境再生についてであります。
 三河湾は、閉鎖性水域で平均水深が約9mと浅く、依然として赤潮が発生するなど、環境改善が強く求められております。       
 そこで、三河湾の環境再生を図るため、県民の皆様、NPOや市町村と一体となって、里海調査や体験活動を行うとともに、生物多様性について学ぶセミナーや滋賀県・琵琶湖と連携したシンポジウムを開催するなど、「三河湾環境再生プロジェクト」に取り組んでまいります。
 
 次に、新エネルギー・省エネルギーの推進についてであります。
 福島第一原子力発電所の事故を受けて、エネルギー政策の見直しが重要な課題となっております。
 本県では、「愛知県電力・エネルギー対策本部」において、節電対策など、当面の電力の安定供給の確保に取り組んでおりますが、中長期的には、エネルギーリスクに強く、持続可能な分散型のエネルギーシステムの構築を目指していくことが重要であると考えております。
 そこで、新エネルギーの実証研究を推進するとともに、環境調査センター・衛生研究所につきまして、改築に向けた施設の検討調査に併せて、先進的な新エネルギーの活用や省エネルギー性能の向上を実践する環境配慮型の施設設備を導入するモデル施設として検討を行ってまいります。
 
 第三は、「県民のくらしの安心・安全の確保」についてであります。
 愛知の将来の発展につながる施策を進めていく上でも、まず、重要なことは、県民の皆様方が安心・安全に暮らせることであります。
 特に、地震防災対策の充実・強化と医療・健康・福祉対策の推進は、県民の皆様方のくらしの安心・安全の確保を図る施策として、最優先で取り組んでまいります。
 
 まず、地震防災対策の充実・強化についてであります。
 東日本大震災を目の当たりにし、東海、東南海及び南海の三連動地震等の発生が懸念される中、地震防災対策の見直しが急務と考え、昨年の6月には地震対策有識者懇談会を、9月には被害予測調査検討委員会を開催するなど、地震対策アクションプランの見直しに向けた調査を進めております。
 また、昨年の11月には、臨時の防災会議を開催し、港湾のコンテナ流失防止対策や浜岡原子力発電所に係る情報連絡体制の整備などについて、本県の地域防災計画の見直しを行ったところであります。
 引き続き、本県の災害対応力の検証と三連動地震等を想定した被害予測調査を進め、地震防災対策の充実強化につなげてまいります。
 また、県民の皆様方の住宅の耐震対策につきましては、市町村と連携して耐震診断と耐震改修の支援を引き続き行うほか、県立学校につきまして、生徒の安全や避難所の確保を図るため、予算を増額し耐震化を推進してまいります。
 道路、河川、海岸、砂防、港湾など公共構造物の耐震化につきましても、引き続き重点的に取り組み、安心・安全な愛知の県土整備を進めてまいります。
 
 次に、医療・健康・福祉対策の推進についてであります。
 我が国の医療や介護・福祉などの社会保障を取り巻く状況につきましては、急速な少子高齢化による人口構造の変化や雇用環境の変化など社会経済情勢に大きな変化が生じており、本県におきましても、県民誰もが安心して健康に暮らすことのできる社会を築いていくため、「地域医療の確保」、「高齢者の方々のくらしの安心確保」、「安心して子育てができる環境の確保」に、優先的に取り組んでまいります。
 一点目は、「地域医療の確保」についてであります。
 昨年、小児・周産期医療、救急医療、精神医療を3つの柱とする本県の地域医療再生計画が高く評価され、全国トップクラスの地域医療再生基金の交付を受けました。
 地域における医療課題に対応するため、この基金を活用しながら、安心して子どもを産み育てられる小児・周産期医療体制の整備、緊急性の高い疾患に対する救急医療体制の整備、精神医療体制の構築に取り組んでまいります。
 小児医療につきましては、小児・新生児を専門に対応する高度な救急医療の必要性が高まっていることから、あいち小児保健医療総合センターを小児救急の全県的な拠点として位置づけ、小児専用の集中治療室などを備えた施設を整備することとし、その基本設計に着手いたします。
 また、愛知県心身障害者コロニーにつきましては、発達障害を含む障害者医療の拠点施設として再編整備を行うこととし、基本設計に着手いたします。
 本県の精神科医療を支えてきた県立城山病院につきましても、施設の老朽化への対応とともに、公立病院・民間病院の適切な役割分担のもとで、精神科救急医療体制の機能強化を図るため、改築を行うこととし、実施設計に着手いたします。
 二点目は、「高齢者の方々のくらしの安心確保」についてであります。
 今後、団塊の世代の方々が75歳以上を迎える将来を見据えた体制づくりが急務であり、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けていくために、医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスを切れ目なく提供する「地域包括ケアシステム」を構築する必要があります。
 このため、新たに医療・福祉などの関係者による懇談会を設置し、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取組を検討してまいります。
 また、引き続き、あいち介護予防支援センターによる市町村の地域包括支援センターへの支援や見守りなどの生活支援サービスの充実を図るとともに、介護保険施設の計画的な整備を一層推進してまいります。
 三点目は、「安心して子育てができる環境の確保」についてであります。
 働きながら子育てをする家庭が増加傾向にあることなどから、子育てと仕事の両立を進展させる必要があります。
 このため、家庭的保育者、いわゆる保育ママの方々を活用し、地域と企業が連携して事業所内保育施設を設置する新たなモデルの調査・研究を行い、福祉行政と雇用行政の両面から「新しい保育」の実現を目指してまいります。

 続きまして、平成24年度当初予算において取り組むことといたしましたマニフェストを推進する施策などにつきまして、7つの柱に沿って、順次、ご説明申し上げます。

 一つ目は、元気な経済・産業・地域づくりについてであります。
 モノづくり愛知の経済や雇用を支える上で重要な役割を果たしている中小企業につきましては、引き続き厳しい経営環境に置かれておりますことから、資金繰り支援策として、経済環境適応資金の円高対応緊急対応枠について、金利を引き下げた上で、取扱期間を延長するほか、円滑な事業承継を支援するために融資制度を拡充するなど、中小企業の方々の幅広い資金需要に応えてまいります。
 「知の拠点」の中核施設「あいち産業科学技術総合センター」に隣接し、ナノテク分野の研究開発を支援する「シンクロトロン光利用施設」につきましては、今年度中に、建屋及び実験ホールの建設工事を終え、平成24年度中の供用開始に向け準備を進めてまいります。
 次に、農林水産業の振興についてであります。
 本県の優れた農林水産物の知名度向上のため、「食と緑あいちブランド」創出に向けた地域活動を支援するとともに、中国の上海市においてプロモーション活動を行うなど、輸出拡大に向けた取組を積極的に推進してまいります。
 また、本県の花き産出額は、昭和37年以来、49年間連続して全国一を続けており、こうした花き産業の一層の振興を図ることは、本県の元気な産業、地域づくりに欠かせないものであります。
 このため、花きの需要拡大や花と緑あふれる地域づくりを目指し、来年度から順次、地域のアニバーサリーに合わせるなど県内各地で県民参加型の「あいち花フェスタ」を開催するとともに、愛知万博10周年の節目となる平成27年度には、全国的なイベントである「全国都市緑化フェア」の本県開催を目指してまいります。
 次に、国際交流についてであります。
 グローバル化の進展に伴い、本県を取り巻く国際的な環境は大きく変容しています。ますます激しくなる世界の都市圏との競争に打ち勝つためには、発展著しいアジア等の新興国との経済的・人的連携を強め、その成長力を取り込むとともに、世界から人と企業、情報が集まるよう、国際的な魅力や産業力を強化することが重要であります。
 このため、現在の「あいちグローバルプラン」を改訂し、総合的な国際戦略を策定するとともに、推進体制の強化を図り、急速に変化する世界情勢に機敏に対応してまいります。
 観光振興につきましては、大きな誘客が見込まれる首都圏や関西圏において、名古屋市と連携した観光プロモーションを行い、本県の観光の魅力を広く発信し、それらの地域からの観光客の拡大を図ってまいります。
 また、昨年7月に「あいち戦国姫隊」を結成し、三英傑を始めとする多くの戦国武将を輩出した愛知の魅力を大いに発信し、県内外で高い評価をいただいているところであります。このため、来年度におきましても、引き続き「あいち戦国姫隊」に活躍していただき、武将観光をさらに強力に推進してまいります。

 二つ目は、安全で災害に強い地域づくりについてであります。
 まず、地震防災対策につきましては、同報系防災無線などの整備のため、市町村の地震防災対策事業に対する支援を引き続き行うほか、東日本大震災の教訓を踏まえた消防団活動の重要性に鑑み、地域の自主防災の要である消防団の組織運営や活動の充実強化を図るための活動指針を策定し、今後の大規模災害時の対応強化を図ってまいります。
 次に、交通安全対策についてであります。
 本県における交通事故死者数は、昨年は、残念ながら、再び全国ワースト1位という結果となりました。交通事故死者数の減少を目指すため、本県の死亡事故の特徴を踏まえて、高齢者の方の事故防止対策や交差点対策について、新たに自転車安全運転講座を開設するなど重点的に実施してまいります。
 また、交通死亡事故が多発した場合に「交通死亡事故多発警報」を発令し、迅速かつ集中的に交通安全対策を講ずる制度を創設するとともに、事故多発交差点の改良及び信号機のLED化など交通安全施設の整備強化を進め、全国ワースト1位返上に向けた取組を強力に推進してまいります。
 次に、治安対策についてであります。
 本県では、平成18年に「あいち地域安全緊急3か年戦略」を策定以後、二度にわたる3か年戦略による短期集中的な取組を展開してきた結果、平成23年の刑法犯認知件数は約11万9千件となり、平成17年に比べ約8万件減少したものの、依然として日々多くの犯罪が発生しており、治安の維持回復は、県政の重要課題であります。
 そこで、警察官を増員するとともに、新たな地域安全戦略を策定し、住宅対象侵入盗や自動車盗などへの対策を重点的に実施するほか、安全で安心して暮らせる地域づくりに向けた取組を一層推進してまいります。
 このほかの防災対策につきましては、福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、本県周辺の原子力発電所において事故が発生した場合に備えた原子力災害に係る応急対策等について検討を進め、本県の地域防災計画に位置づけてまいります。また、放射性物質については、食品・水道水の検査や大気中のモニタリングを行う監視体制を継続してまいります。

 三つ目は、環境首都あいちづくりについてであります。
 2050年頃の目指すべき愛知の姿を見据え、望ましい低炭素社会の姿とその実現に向けた方策を示す新たな「地球温暖化防止戦略」の取組として、家庭や中小企業での省エネ対策の促進を図るとともに、住宅用太陽光発電の設置に対して引き続き助成し、全国一を誇る太陽光発電の一層の普及を促進してまいります。
 また、EV・PHVタウン構想を推進し、次世代自動車の普及を図るなど、低炭素社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
 さらに、資源循環型社会の形成推進につきましては、先導的で効果的なリサイクル事業等への支援や新たな循環ビジネスの創出を促進するとともに、バイオマスを始め未利用資源を地域のエネルギーとして活用する事業を展開するなど、循環型社会の実現を目指してまいります。
 このほか、平成24年度も引き続き、「あいち森と緑づくり税」を活用し、手入れが行き届かない人工林の間伐、放置された里山林の保全・整備、都市部における貴重な緑地の保全・創出、さらには、県民参加による森や緑の保全活動や環境学習などの取組を着実に推進してまいります。

 四つ目は、安心できる健康・医療・福祉社会づくりであります。
 子どもや障害者の方、母子・父子家庭の方、高齢者の方々に、安心して医療を受けていただくための福祉医療制度につきましては、財政状況が大変厳しい中ではありますが、現行制度を維持してまいります。
 いじめ・不登校対策につきましては、未然防止や早期発見・早期解決のため、小学校へのスクールカウンセラーの配置を拡大するとともに、困難な事案への対応やスクールカウンセラーの指導的な役割を担うスーパーバイザーを新たに設置し、教育相談体制のさらなる充実を図ります。
 次に、障害者対策についてであります。
 三河地域における重症心身障害児の入所施設の不足を解消するため、第二青い鳥学園の移転改築につきまして、平成27年度の開所を目指して、実施設計に着手してまいります。
 また、健康対策につきましては、国の基金を活用し、引き続き、市町村が実施する子宮頸がんなどの予防接種事業に助成するほか、薬草を通じて、薬の正しい知識の普及や心とからだの健康づくりを推進するため、平成26年度の開園に向けて「あいち健康の森」に薬草園を整備してまいります。
 次に、雇用対策についてであります。
 引き続き厳しい雇用情勢に鑑み、国が事業期間を延長した緊急雇用創出事業基金活用し、失業者に対する雇用機会等を提供する事業につきまして、市町村とも連携して推進してまいります。
 喫緊の課題である若者の雇用につきましては、新たに、大学生を対象とした中小企業の魅力を伝える職場体験を行うなど、若者の就職支援の充実を図ってまいります。
 このほか、「技能五輪全国大会」及び「全国障害者技能競技大会」につきましては、平成26年の本県開催に向けて、広報活動などにより機運を盛り上げるとともに、選手強化を図るなど、モノづくり愛知を支える技能者の育成と障害者雇用に努めてまいります。

 五つ目は、教育・文化立県あいちづくりについてであります。
 まず、教育立県あいちの礎となる愛知の将来を担う人づくりについてであります。
 子どもたちの学習意欲を引き出し、基礎学力の向上を図るため、小学校1年生及び2年生並びに中学校1年生の35人学級を引き続き実施するとともに、養護教諭の配置の充実や中学校における学習支援など、きめ細やかな配慮のできる教育環境づくりを進めてまいります。
 特別支援学校につきましては、肢体不自由養護学校に長時間かけて通学する児童の負担軽減や学習意欲の向上を図るため、近隣の小学校での共同学習や交流活動を行うモデル事業を新たに実施いたします。
 また、職業体験活動を通じて児童生徒の勤労観・職業観を育成し、主体的な進路選択の支援を進めるために、子どもたちの発達段階に応じたキャリア教育を引き続き推進してまいります。特に、高等学校におきましては、産業界などで活躍される方々から技術や経験を活かした指導を受ける講座を新たに開設するとともに、平成25年度の全国産業教育フェア開催に向けた準備に取り組むなど、次世代の愛知を担う人づくりを進めてまいります。
 さらに、本県の学校教育において重要な役割を果たしている私立学校につきましては、その振興と父母負担の軽減を図るため、私立学校経常費に対する補助や授業料への補助などの各種助成を着実に実施してまいります。
 次に、文化芸術の振興についてであります。
 世界に発信するアートフェスティバルとして、平成25年に開催いたします「あいちトリエンナーレ2013」に向けまして、出品作家の選定や展示計画の作成など準備を着実に進めるとともに、開催機運を盛り上げるため、県内各地での現代美術展の開催、若手芸術家の育成や子ども向けの普及・教育事業などを展開してまいります。
 このほか、名古屋市博物館と連携を図り、「尾張の歴史」をテーマとした常設展示に三河地域の歴史資料を加え、県内全域の歴史を楽しんでいただけるよう歴史展示の充実を図ります。
 スポーツの振興につきましては、来月の9日から11日まで、競技参加者3万6千人規模の「マラソンフェスティバルナゴヤ・愛知2012」が開催されます。多くのランナーの方々に参加いただける世界を代表する大会に育ててまいりたいと考えており、平成24年度も、引き続き開催を支援してまいります。

 六つ目は、地域の潜在力を引き出す社会基盤づくりであります。
 まず、交通対策の推進についてであります。
 リニア中央新幹線につきましては、昨年5月に整備計画が決定し、平成39年の東京・名古屋間の営業開始に向けて、これから本格的に事業が進んでまいります。平成24年度は、開業が本県に及ぼす影響等について分析するとともに、今後の地域づくりにおける課題について調査検討を行ってまいります。
 愛知環状鉄道につきましては、西三河と尾張北東部地域を結び、名古屋圏の環状線を形成する重要な社会基盤でありますことから、安全・安定輸送のため、耐震対策などの緊急に必要な修繕や施設設備改修に係る経費について、沿線4市とともに支援してまいります。
 次に、道路網の整備につきましては、新東名高速道路、名古屋環状2号線及び三遠南信自動車道などの高規格幹線道路や名豊道路、名古屋高速道路などの地域高規格道路の整備促進に取り組むほか、各地域の主要都市間を連絡する道路の整備など、幹線道路ネットワークの強化を図ってまいります。
 日本を代表する国際貿易港であり、「国際バルク戦略港湾」としてさらに競争力強化を目指す名古屋港につきましては、大型船舶に対応した航路の整備や高潮防波堤の地震・津波対策を進めてまいります。
 衣浦港につきましては、港湾機能の強化を図るための港湾計画の改訂を進めます。
 また、三河港につきましては、蒲郡岸壁の整備を進めるとともに、完成自動車やコンテナ貨物などの拠点港としての戦略策定やポートセールスを実施することにより利用促進や競争力強化を図ってまいります。

 七つ目は、自立・分権・協働の行財政体制づくりであります。
 「身近でやさしい民主主義」を実現するため、住民が地域の身近な課題を話し合い解決する取組を引き続き支援するとともに、市町村への権限移譲をより一層推進し、県民の皆様に対する行政サービスの向上を図ってまいります。
 三河山間地域は、県土の保全や水源のかん養など、県全体にとって重要な役割を果たす一方、若年層の流出や少子高齢化の進行など、深刻な課題に直面しています。
 このため、若者の山里での滞在体験や地域ブランドの掘り起こしなど、地域の魅力を情報発信することにより、観光PRや交流居住を促進し、地域の活性化に取り組んでまいります。

 以上、予算の主な内容につきまして申し上げてまいりましたが、ここにご審議をいただく平成24年度の当初予算は、
   一般会計  2兆2,546億余円
   特別会計    7,515億余円
   企業会計    2,088億余円
 でございまして、合わせて3兆2,149億余円となります。
 このうち、一般会計の財源といたしましては、国庫支出金、県債及び基金からの繰入金などの特定財源1兆580億余円を計上し、一般財源といたしましては、県税、地方交付税など、総額1兆1,965億余円を充当いたします。
 なお、歳入において県税収入の大幅な回復が見込めない一方、歳出において扶助費や公債費などの義務的な経費が増加することにより生じた多額の収支不足への対応につきましては、2か年にわたる財源対策を講ずることといたしました。
 まず、平成23年度においては、特例的な県債の発行や歳出不用額の補正減などにより減債基金の取崩しを取り止めるとともに、平成24年度において、財政調整基金の取崩しなどで財源確保を行いました。
 それでもなお残る収支不足につきましては、解消の目処が立たないことから、臨時的・緊急避難的な措置として、基金からの繰入運用を行うとともに、職員の給与抑制も引き続き行わざるを得ませんでした。
 こうした対応によって編成いたしました一般会計予算の規模は、平成23年度6月補正後予算に対し99.4%でありますが、特殊要因である国補正基金事業費の影響を除きますと実質101.0%となり、厳しい中にあっても、将来につながる分野に投資する積極的な予算になったと考えております。
 一方、収支不足に対応しつつ、県債の発行抑制にも努めました。
 その結果、平成24年度末の県債残高は、4兆9,994億円となる見込みであります。このうち、地方交付税の振替措置である臨時財政対策債の増発によって特例的な県債の残高の増加は避けられませんが、社会資本整備などに充当する、いわゆる通常の県債の残高は引き続き減少し、平成24年度末残高は2兆7,602億円と前年度末より1,010億円の減少を図っております。
 今後も、産業経済の活性化を進め、税収の確保を図るとともに、第五次行革大綱や重点改革プログラムに沿って、事務事業の見直しを徹底し、県債の発行抑制にも努め、都市間競争の基盤となる財政の健全化に引き続き取り組んでまいります。

 次に、予算以外の案件につきまして、ご説明を申し上げます。
 条例は、制定、一部改正及び廃止を合わせまして、36件を提案いたしております。
 まず、職員の給与に関する条例等の一部改正並びに知事等及び職員の給与の特例に関する条例の制定についてであります。
 深刻な財政状況に対応するため、関係職員団体との話し合いを踏まえ、昨年10月31日、人事委員会から受けました職員の給与等に関する報告及び勧告につきましては、本年4月1日からの実施とするとともに、引き続き1年間、私を始め特別職と一般職のすべての職員を対象に、給料及び期末手当等の一部を減額するものでございます。
 次に、知事等及び職員の給与の特例に関する条例等の一部を改正する条例の一部の施行期日を定める等の条例の制定についてでありますが、知事の特別職の秘書の給与に関する規定の施行期日を定めるとともに、その給与を減額して支給する規定を整備いたします。
 次に、中小企業者等向け融資の損失補償に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例の制定についてであります。
 これは、中小企業者等の事業再生を円滑に進めることを目的として、愛知県信用保証協会が中小企業者に対する求償権の放棄等を行う場合、一定の条件の下に、県の回収納付金を受け取る権利を放棄することに関して必要な事項を定めるものであります。
 次に、愛知県県税条例の一部改正についてであります。
 先に申し上げました自動車税の免除に係る改正のほか、昭和52年2月以降、緊急を要する河川や治山整備などの防災事業の財源に充てるためご協力をいただいている法人事業税の超過課税につきましては、なお推進すべき事業が多く残っており、また、東日本大震災の発生などを踏まえ、災害の未然防止対策が急務となっておりますことから、さらに3年間、現行税率での延長をお願いしたいと考えております。
 次に、愛知県職員定数条例の一部改正についてでございます。
 事務事業の見直しや事務処理方法の改善などに伴い、知事の事務部局などの職員を70人減員する一方、中学校、高等学校の生徒数の増加などに対応するため教職員を180人、治安体制を強化するため警察官を23人、それぞれ増員するものであります。
 このほか、第五次行革大綱に基づいて、愛知県豊橋勤労福祉会館及び愛知県サンライフ名古屋を廃止するため、愛知県労働者福祉施設条例の一部改正を行います。
 なお、使用料及び手数料に係る改正につきましては、法令の改正に伴い手数料を新設するほか、愛・地球博記念公園の多目的球技場やサイクリング用自転車などの使用料を新設するものなどでございます。
 さらに、条例以外の案件といたしましては、名古屋高速道路公社の基本財産の額の変更始め13件を提案いたしております。

 次に、平成23年度関係の諸議案についてであります。
 まず、今回の補正予算は、国の補正予算への対応や国庫補助金及び事業費の確定に伴う所要の措置、並びに平成24年度当初予算編成のための財源対策等を行うものであります。
  補正予算を会計別に申し上げますと、
   一般会計  140億6,709万余円の減額
   特別会計  123億2,970万円の減額
   企業会計   61億2,170万円の減額
 でございまして、合わせて325億1,849万余円の減額となります。
  以下、主なものにつきまして、概要をご説明申し上げます。
 まず、国の第4次補正予算関連事業費といたしまして、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金始め6基金の増額を行うほか、土地改良事業などの公共事業につきまして、所要の経費を計上いたします。
 次に、国の第3次補正予算関連事業費として、緊急雇用創出事業基金始め4基金の増額を行うことといたしました。
 なお、今回、増額いたしました基金を活用した事業費につきましては、平成24年度当初予算で所要額を計上したところでございます。
 また、稲沢市内の尾張西部都市拠点地区用地につきましては、平成10年に愛知県土地開発公社により先行取得して以来、県有施設等の公的施設の立地について検討を重ねてまいりましたが、今後は民間活力を導入した地域の活性化を図ることとし、今回、公募による売却を行うため、土地開発公社から当該用地を取得する経費を計上することにいたしました。
 以上、ご説明申し上げました一般会計の一般財源といたしましては、県税収入の増収や地方交付税の決定増などにより、全体で232億8,061万円を増額することといたしております。
 また、特定財源につきましては、国の補正予算関連事業の財源として国庫支出金を増額するほか、特例的な県債の発行など県債を増額する一方で、減債基金の取崩しを取り止めましたことなどから、全体で373億4,770万余円を減額することといたしております。
 
 次に、補正予算以外の議案につきましては、条例関係議案として、高等学校授業料減免等事業基金条例の一部改正について始め5件、その他の議案として、県有財産の売払い及びこのたび提案をいたしております補正予算に伴う関係市町村の負担金の変更など7件でございます。

 以上、提案をいたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げました。なお、詳細につきましては、議事の進行に従いましてご説明を申し上げたいと存じます。よろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
 最後に、結びとして今一度申し上げたいと存じます。
 昨年は、日本にとって、東日本大震災、電力不足、歴史的な円高など、多難な試練の年でありました。日本一の産業県である本県の産業がフル回転して日本を支える、そうした思いで、全力で県政運営に取り組んでまいりました。
 依然として厳しい状況の中でありますが、来年度は、日本の総力を結集して、東日本大震災からの復旧・復興を果たし、日本が力強く再生する年であります。
 そのためには、モノづくり産業を始め、世界に誇りうる産業力、経済力、豊かな文化力、地域力が蓄積している本県が、まず元気を取り戻し、先頭に立って日本を引っ張っていかなければなりません。
 平成24年度当初予算には、その先駆けとなる施策をできる限り盛り込みましたが、これらの施策を着実に実行し、愛知が元気を取り戻し、日本をけん引してまいりたいと考えております。
 こうした思いを、私は、年初に「飛竜乗雲」としたためさせていただきました。さらに、新しい年度に向けましては、「飛竜愛知」として、愛知が飛竜となって元気を取り戻し、本来の実力を十二分に発揮して、日本を牽引してまいりたいと存じます。
 県議会議員の皆様方並びに県民の皆様方の、ご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。