メインメニュー
知事のマニフェスト 知事の発言・寄稿 知事記者会見 県議会知事提案説明 知事からのメッセージ 知事交際費の執行状況 プロフィール トップページ 写真で見る主な活動


県議会知事提案説明

平成25年9月定例県議会 知事提案説明要旨

このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案につきまして、そのご説明を申し上げるとともに、県政を取り巻く最近の状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 まず、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が東京に決定したことにつきまして、招致関係者の方々のご尽力に敬意を表しますとともに、心よりお祝いを申し上げます。
 日本において56年ぶり、アジアで4回目のスポーツと平和の祭典であり、国民全てに夢と感動を与える東京大会となりますよう、その成功に向けまして全力でサポートしてまいりたいと考えております。
 また、愛知は日本有数のスポーツ王国であり、昨年のロンドンオリンピックでも、本県ゆかりの多くの選手の活躍は記憶に新しいところであります。今回の東京オリンピック・パラリンピックにおきましても、多くの愛知のアスリート達が世界の晴れの舞台で大活躍していただけるような環境整備を始め、愛知として何ができるか、何をしていくべきかを、県民の皆様並びに県議会の皆様とともに、しっかりと考えてまいりたいと存じます。

 初めに、最近の経済情勢と本県の財政運営についてであります。
 最近の経済情勢につきましては、企業収益や雇用情勢が改善しているほか、個人消費が持ち直し傾向にあるなど、景気は緩やかに回復しつつあります。
 こうした中、本年度の県税収入につきましては、三月期決算法人の業績が好調であったことなどから、現時点では順調に推移をしているところでありますが、海外景気の下振れが懸念されておりますことから、今後の動向につきましては、慎重に見極めていく必要があります。
 来年度の予算編成に向けましては、本年度内における歳入の確保や経費の節減に最大限努力するとともに、国に対しましても、地方財政措置の充実確保や地方法人特別税の廃止と地方税への復元についてしっかりと働きかけつつ、歳入歳出全般にわたる行財政改革の取組を引き続き進めていかなければならないと考えております。

 こうした取組に加え、産業経済の活性化を進めることにより、地域の雇用を維持・拡大し、税収の確保を図ることも重要であると考えております。
 このため、国が新たな成長戦略に位置づけ、これまでにない大胆な規制改革等を実行するための突破口として創設する「国家戦略特区」につきまして、本県がとりまとめ役となって東海4県3市共同で「モノづくり産業強靭化スーパー特区」と「アグリ・フロンティア創出特区」を、愛知県単独で「有料道路コンセッション特区」を8月に提案したところであります。本県の産業競争力を強化し、日本経済再生の起爆剤となるべく、特区の指定を得られるよう関係県市とスクラムを組んで頑張ってまいりますとともに、必要な規制改革等の実現に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 また、次世代自動車産業の振興につきましては、8月に「あいち次世代自動車インフラ整備推進協議会」を立ち上げ、EV、プラグインハイブリッド自動車や燃料電池自動車の普及促進を図るため、その充電インフラ及び水素ステーションの整備を推進し日本最大の拠点を目指すなど、自動車立県あいちとして先導的な取組を進めてまいります。
 加えて、本県のモノづくり技術の革新を支える研究開発機能の集積・強化を図る必要があることから、豊田・岡崎地区において自動車産業の頭脳となる研究開発拠点の整備を進めているところですが、昨年11月の東工区に続き、今年8月には、中工区の造成工事に着手いたしました。
 こうした産業振興策にもしっかりと取り組み、雇用を確保することで、世界と闘える愛知の実現を目指してまいります。

 次に、あいちトリエンナーレ2013についてであります。
 先月10日の開幕から40日が経過し、79日間の会期前半を折り返したところであり、これまでの延べ来場者数は昨日までで24万人を超えるものとなっており、大変多くの方々にお越しいただいております。
 このトリエンナーレには、34の国と地域から122組のアーティストが参加しており、名古屋市内や岡崎市内の会場に加え、作品を巡回展示する「モバイル・トリエンナーレ」の開催地である豊橋市、春日井市、知多市、東栄町など、県内各地で多くの方々に世界最先端の現代アートを楽しんでいただけているものと考えております。
 トリエンナーレにつきましては、会期後半も、関係者の皆様と一体となって、成功に向け全力で取り組むとともに、世界に発信するアートフェスティバルとして末永く愛知に根づかせ、世界から注目される創造性豊かな地域づくりを進めてまいります。

 次に、交通安全対策についてであります。
 本県の交通事故情勢は、交通事故死者数が全国ワースト1位となった1月中旬以降、交通死亡事故多発警報を5回発令し、県警察や市町村、関係団体と連携して、交通取締り活動や街頭での啓発活動の強化を図ってきたところですが、残念ながら、現在も全国ワースト1位という極めて深刻な状況が続いております。
 こうした中、9月 14日からの高齢者交通安全週間に続き、21日からは秋の全国交通安全運動がスタートするなど、9月後半には、集中的に交通安全対策の取組を県内各地で展開いたします。
 特に、県といたしましては、人気の子役、小林星蘭さんや元気な高齢者の代表である「ぎんさんの娘さん姉妹」の皆さんにご出演いただき、高齢者の方々に交通安全を呼びかけるテレビCMを放送するなど、高齢者の交通事故防止に重点を置いた対策を進めているところであります。
 引き続き、県民総ぐるみの交通安全対策を推進し、関係機関一丸となって、さらに気を引き締め、交通事故を減少させるよう全力で取り組んでまいります。

 次に、地震防災対策の推進についてであります。
 本県では、南海トラフ巨大地震等に備えるため、被害予測調査及び第3次地震対策アクションプランの策定を進めておりますが、まずは、県民の皆様一人ひとりが、地震防災の事前対策として、日頃から地震防災に関する知識を身に付け、災害に対する備えを心がけていただくことが大変重要であると考えております。
 こうしたことから、地震防災意識を一層高めていただくために、本県初めての取組として、あいちシェイクアウト訓練の実施を呼びかけましたところ、26万人を超える多くの方々に参加表明をいただき、9月1日の防災の日には、時報を合図に地震から身の安全を守る行動を実践する訓練を県内全域で実施したところであります。
 このほか、去る8月30日から9月5日までの防災週間には、稲沢市との共催による愛知県・稲沢市総合防災訓練を始め、南海トラフ巨大地震対策中部ブロック協議会広域連携防災訓練や県営名古屋空港での広域医療搬送訓練など、総合的かつ実践的な防災訓練を集中的に実施してまいりました。
 さらに、10月には碧南市での緊急消防援助隊中部ブロック合同訓練や、11月には美浜町での津波・地震防災訓練などを予定しております。
 今後も、県民の皆様の防災意識を高めるための取組を進めるとともに、国や近隣県、防災関係機関などと防災体制の強化を図り、大規模地震にしっかりと備えてまいりたいと考えております。

 次に、海外渡航についてであります。
 ブラジル愛知県人会の創立55周年にあわせ、7月末から8月にかけて、私は、久保田県議会議長始め県議会議員の皆様方とともに、ブラジルとアルゼンチンを訪問し、現地の愛知県人会の式典に出席してまいりました。
 さらに、9月8日から5日間、中部国際空港とアジア各国を結ぶ路線の充実、本県への観光客の増加や交流の拡大を図るため、マレーシア、ベトナム、韓国を訪問してまいりました。
 まず、経済界の皆様方などとともに、マレーシアのエアアジア本社とベトナムのベトナム航空本社を訪れ、エアポートセールスを行いました。エアアジアXからは、来年前半には、クアラルンプールから中部国際空港便を就航させたいと明言いただくなど、路線の開設や拡充について前向きに検討する意向をお示しいただきました。
 次に、韓国第二の都市、釜山では、釜山広域市と現地の旅行会社などを訪問し、愛知の観光の魅力をPRするとともに、本県の観光事業者の方々と現地の旅行業者との商談会を開催いたしました。たいへん盛況な商談会となり、本県の知名度アップと観光客誘致に貢献できたものと考えております。
 ブラジルを始めとした今回の渡航は、県議会や経済界の皆様方などとともに協力して、本県と海外各国との様々な交流を深めることができ、たいへん有意義なものとなりました。今後とも、人材交流を始め、観光やビジネスなどの活性化を図るため、国際交流の拡大に取り組んでまいります。
 こうした中、明日9月20日から22日まで、日本とベトナムの外交関係樹立40周年記念事業として、ベトナムの舞踊団によるコンサートやベトナムの料理・文化芸術などを楽しめる「ベトナムフェスティバルin愛知」を開催いたします。私も、率先してフェスティバルに参加いたしまして、本県とベトナムとの交流をさらに深めてまいりたいと考えております。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げたいと思います。
 まず、補正予算案についてであります。補正予算の総額でございますが、118億2,656万余円でございまして、会計別では、一般会計で117億9,777万円、企業会計で2,879万余円であります。
 一般会計補正予算案の主な内容でございますが、まず、国庫補助の内示増に伴う公共事業といたしまして、地震、津波などに対する防災機能強化を図る河川・海岸整備や農地防災事業などを重点的に実施することとしました。
 また、地震防災対策として、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の改正に伴い、耐震診断が義務化される病院・店舗・旅館などの不特定多数の方が利用される大規模な建築物等について、その耐震診断の補助事業を行う市町村に対する助成制度を拡充することとし、建築物の耐震化の一層の促進を図ってまいります。
 次に、「アジアNo1航空宇宙産業クラスター形成特区」構想実現に向けた、県営名古屋空港隣接地への民間航空機の生産・整備拠点の形成につきまして、必要な用地の確保と空港機能の維持を図るため、立体駐車場の整備を進めてまいります。
 次に、昨年度、国が補正予算で増額した地域医療再生基金を活用して、地域の医療課題に対応するため、医師確保、在宅医療や災害医療対策の充実強化に取り組んでまいります。
 続いて、障害者医療の拠点施設として再編整備を進めております「療育医療総合センター(仮称)」につきましては、医療型障害児入所施設の建設工事に係る債務負担行為の補正を行うものであります。
 さらに、平成26年11月から12月にかけて開催いたします「技能五輪・アビリンピックあいち大会2014」につきまして、大会競技に必要な機械器具の購入に係る債務負担行為の補正を行うものであります。
 去る7月の上旬にドイツで開催されました技能五輪国際大会では、日本選手団入賞者34名のうち愛知県の選手が19名であり、その成績は金、銀、銅メダル11名、敢闘賞8名という素晴らしい活躍をされました。引き続き、選手の育成・強化など本県の技能振興・継承に取り組むとともに、あいち大会の成功に向けて着実に準備を進めてまいります。
 このほか、県内の厳しい交通事故情勢を踏まえ、通学路の信号機整備、事故が多発する交差点の信号機のLED化や標識・標示の更新に要する経費についても計上いたしました。
 また、企業会計では、地域医療再生基金を活用し、小児救急の全県的な拠点として施設整備を進めております「あいち小児保健医療総合センター」につきまして、小児専用の集中治療室などを備えた3次救急施設の建設工事に着手いたします。

 次に、補正予算案以外の議案についてであります。
 今回提案をいたしております案件は、条例関係議案が5件、その他の議案が12件でございます。
 主な案件につきましてご説明申し上げます。
 まず、愛知県公立大学法人に係る財産の出資と定款の変更についてであります。
 これは、芸術大学音楽学部棟始め5棟の建設が完了しましたことから、これらの建物について、愛知県から愛知県公立大学法人に出資するとともに、愛知県公立大学法人の定款中の資産を追加するものであります。
 次に、人事案件といたしましては、教育委員会の委員の任期満了に伴いまして、その後任者を選任するものであります。

 以上、提案をいたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては、議事の進行に伴いましてご説明を申し上げたいと存じます。
 なお、平成24年度一般会計及び特別会計並びに公営企業会計決算につきましては、監査委員の審査意見を付しまして提出いたしております。
 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願いを申し上げます。