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県議会知事提案説明

平成26年2月定例県議会 知事提案説明要旨

 今議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ちまして、まず、今般の大雪による被害について一言申し上げます。
 今回の大雪では、全国で多くの死傷者が発生するとともに、多くの地区で、ライフライン、通信関係への影響や道路の通行止めなどが発生いたしました。
 被災されました皆様にお見舞いを申し上げますとともに、被災地域の一刻も早い復旧を願っております。また、私ども愛知県といたしましても、万全を期していきたいと思っております。

 さて、平成26年度予算及び今後の愛知県政をご議論いただく大変重要な2月県議会の開会にあたり、県議会の皆様方には、常日頃の県政に対するご支援、ご協力に対し、心から感謝申し上げます。

 さて、まずは、4年に1度のソチ冬季オリンピック・パラリンピックについて申し上げます。
 連日熱戦が続いており、本県ゆかりの10人の選手を始めこれまでの日本選手団の活躍は、大きな感動をもたらし、日本人として大いに誇るべきものでした。
 その中でも、仙台出身の羽生選手が男子フィギュアスケートで史上初の金メダルを獲得されたことは、東北地方を大いに元気づけたものと思います。そして、いよいよ冬季オリンピックの華、女子フィギュアスケートです。本県ゆかりの3選手が代表となっており、今晩からいよいよ競技が実施されますので、ぜひともメダルを獲得していただき、国民・県民の皆様方と喜びを分かち合いたいと思います。
 さらに、来月開催されますパラリンピックにおける日本選手の活躍も期待いたしたいと存じます。

 
 さて、今議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、所信の一端を申し述べ、県議会並びに県民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 私は、就任以来これまで3年間、日本一の産業県である愛知県が、我が国の産業経済をけん引していくという強い決意のもと、「日本一元気な愛知」の実現を目指し産業競争力の強化や雇用の創出など、様々な施策を進めるとともに、東日本大震災や歴史的な円高など、県民生活や本県経済に大きな影響を及ぼす喫緊の課題にもスピード感をもって対応してまいりました。
 愛知が発展を続けていくためには、経済活動を活性化させ、雇用を創出し、さらには、所得の向上や県民サービスの向上による豊かな暮らしの実現という好循環を実現させることで、地域の魅力や活力を一層高めていくことが重要であります。
 このため、今後とも、産業経済対策を強力に推し進めるとともに、地域の発展の礎となる人づくりや県民のくらしの安心・安全の支えとなる医療・福祉などに、県議会並びに県民の皆様方のご理解とご支援を得ながら、全力で取り組んでまいります。

 それでは、まず、愛知県政を取り巻く最近の状況について、申し述べます。

 政府は、実質GDPが4四半期連続でプラス成長になったことなどを踏まえ、昨年10月にこの4月からの消費税率の引上げを決定しました。
 経済再生と財政再建の両立、そして増大する社会保障の持続性と安心の確保などを目指す消費税率の引上げは、一方で、駆け込み需要とその反動減を通じて、景気の下振れリスクとなりうるものでもあります。
 このため、国では、2月6日に成立した平成25年度補正予算において、競争力強化のための投資促進や低所得者等への影響緩和策などを盛り込んだ5兆円を超える経済対策を実施するとともに、26年度政府予算案においても、競争力を強化し、民需主導の経済成長を促す施策などにより、景気の下振れリスクへの対応とその後の経済成長力の底上げと好循環の実現を図り、持続的な経済成長につなげることを目指しています。
 さらに、デフレ不況からの脱却・経済再生に向けた税制上の対応や国家戦略特区を始め本県が提案してきた規制改革などの政策も具体化されつつあるところです。
 私といたしましては、競争力の強化によって経済成長を促す取組に重点が置かれている点を、積極的に評価いたしますとともに、今後、着実に、成長戦略、規制・制度改革などの政策を進め、景気回復を確実なものとするよう、引き続き強く働きかけてまいります。

 続いて、新年度の税制改正について申し上げたいと思います。
 今回、本県財政に大きな影響を与える「地方法人課税の見直し」と「自動車諸税の抜本的な見直し」が行われました。
 地方法人特別税につきましては、受益と負担という税負担の原則に反し、地方分権改革の流れに逆行するものとして、本県は制度導入時から強く反対してまいりました。
 また、県議会におかれましても、昨年の12月議会の開会日に意見書をご議決いただき、関係機関へ働きかけていただきました。
 今回、地方法人特別税の三分の一の縮減と消費税率10%段階での廃止が決定されたことは、大きな成果でありますが、都道府県及び市町村の法人住民税法人税割の一部を国税化する措置が、新たに導入されたことは、都道府県に留まらず、市町村財政にも大きな影響を与えるもので、極めて遺憾であり、到底承服できるものではありません。
 これらの改正は、いずれも平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用されることから、本県及び県内市町村の財政運営に具体的な影響が生じてくるのは平成27年度以降と見込まれます。このため、今後、本県及び県内市町村の財政にどのような影響が生じるのかを十分見極めていくとともに、引き続き国に対しては、本県及び県内市町村の財政運営に支障が生じることのないよう、制度の抜本的見直しを含め、適切な財政措置を強く要請してまいります。
 また、平成23年度以来取り組んでまいりました自動車諸税の抜本的な見直しにつきましては、私ども愛知県から声をかけて、11県知事・2政令市長の連名で11月に緊急声明を発表し、自動車関係団体と一体となって、政府に対し、抜本的な見直しを実現し、景気の下振れや国内生産の空洞化を阻止するよう、強力に働きかけてまいりました。
 県議会におかれましても、昨年の9月議会で自動車取得税・重量税の廃止に向けた意見書をご議決いただき、関係方面へ働きかけていただきました。
 その結果、自動車取得税について、消費税8%時点での税率の引下げ、消費税10%時点での廃止、自動車取得税・重量税のエコカー減税の拡充、自動車税のグリーン化措置の延長等が決定されました。
 これは、本県の基幹産業である自動車産業の活性化につながる画期的な成果であると考えております。これまでの県議会の皆様方のご支援に対し厚く御礼を申し上げます。

 さて、いよいよ今年はESDイヤーです。11月の「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」の開催まで、残り9か月を切りました。開催に向け、全力を挙げて万全の準備を進めなければなりません。去る1月には、「ESDイヤーキックオフイベント」を開催し、多くの県民の方々にご参加いただき、楽しみながらESDに対する理解を深めていただいたところであります。
 今後もより一層多くの県民の方々に理解を深めていただくために、地元経済界、教育関係者等と連携を図りながら、様々なイベントを開催し、大いに盛り上げてまいります。
 また、同じ11月には、「技能五輪・アビリンピックあいち大会2014」を開催することとなっており、着々と準備を進めております。
 これら11月に開催される2つのイベントは、両々あいまって、この地域の発展に大きな効果をもたらすものであることから、成功に向け地域を挙げて取り組むこととしておりますので、県議会並びに県民の皆様方のご理解とご支援をお願いいたします。
 
 また、交通安全対策についても申し上げます。
 昨年の交通事故死者数は219人で、前年より16人減少したものの、平成15年から11年連続ワースト1位という非常に残念な結果となりました。
 また、今年に入ってからも、交通死亡事故が多発し、交通事故死者数は全国ワースト1位に位置しており、非常に厳しい状況にあります。
 本年も、県、県警察、市町村、関係機関が一丸となって実効ある交通安全対策を推進し、交通事故死者数はもとより、交通事故全体の減少を図り、全国ワースト1位の返上に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。


 それでは、平成26年度当初予算編成につきましてご説明いたします。

 まず、最近の経済情勢についてであります。
 我が国の景気は、足元では、個人消費の増加や設備投資の持ち直しなどにより、緩やかに回復しております。先行きにつきましても、景気の回復基調が続くことが期待されますが、海外景気の下振れなどが、景気を押し下げるリスクとなっており、今後の動向を注視していく必要があります。

 このように、景気が緩やかに回復しているものの、平成26年度当初予算は、依然として厳しい財政状況が続く中での編成となりました。
 財政状況を改善していくには、景気回復を確実なものとしていく必要があります。そのためには、喫緊の課題への対応だけでなく、愛知の将来を展望した地域づくりを進めていくことも重要であります。
 2020年に世界中の注目が集まる東京オリンピック・パラリンピックが開催され、ちょうど同じ時期に、この地域の広域道路ネットワークもほぼ完成いたします。さらに、その7年後の2027年度には、リニア中央新幹線の東京〜名古屋の開業が予定されており、愛知の地域づくりにとって大きな節目の年となります。
 そうした中、東京オリンピック・パラリンピックなど様々な機会を捉え多様な魅力を発信するとともに、首都圏にも対抗しうる独自の強みを発揮しながら、リニアの開業により誕生する5,000万人に及ぶ大交流圏の西の拠点として、国内外から人・モノ・カネ・情報をひきつける中京大都市圏づくりを進めていく必要があります。
 また、リニアの開業などにより高まる立地環境をいかし、企業や人材を呼び寄せ、そうした集積により革新的な技術開発を進めることで、グローバルな生産ネットワークを構築し、世界におけるモノづくりの中枢性を高めていくなど、我が国の成長を力強くリードする産業の革新・創造拠点となることが重要であります。
 一方、今後の人口減少社会を見据えますと、若者が前向きにチャレンジし、キャリアを形成していける社会、希望する人が家庭や子どもを持ち、女性が元気に働き続けられる社会、高齢期にも能力を発揮でき、健康で安心して地域で暮らすことのできる社会など、安心安全で誰もが夢と希望を持って活躍できる社会を実現していくことも肝要となります。 
 こうした将来展望を踏まえ、リニアインパクトを最大限に活用し、愛知の強みである産業・経済をさらに発展させ、県民の皆様が暮らしの豊かさを実感できるような社会の実現に向け、「中京大都市圏づくり」、「日本の成長をリードする産業の革新・創造拠点づくり」、「安心安全で誰もが活躍する社会づくり」の3点を重点施策として取り組むことといたしました。


 それでは、まず、平成26年度の当初予算に盛り込みました3つの重点施策について、申し述べたいと存じます。

 第一は、リニアをいかし、世界の中で存在感を発揮する中京大都市圏づくりについてであります。

 2027年度に予定されている東京〜名古屋のリニア中央新幹線開業を見据え、このインパクトをいかした地域づくりを進めるため、来年度は、時間短縮効果を県内全域に波及させ、最大限に活用する観点から、リニア時代の鉄道ネットワークの充実・強化に関する方策案を取りまとめてまいります。

 次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取組についてであります。
 6年後の2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、その大会期間中には、全世界の注目が日本に集中するとともに、選手・関係者の方々を始め多くの人々が日本を訪れることとなり、本県の魅力を世界に発信していく絶好の機会となります。
 こうした機会を捉え、いかしていくためにも、全国、世界に打ち出せる本格的なスポーツ大会を育成・招致し、地域活性化につながる取組を引き続き積極的に進めていくことが重要であります。
 そこで、今年3月の大会から新たに車椅子のアスリートで競う「名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン」も開催する世界最大の女子マラソン「名古屋ウィメンズマラソン」や昨年、県営新城総合公園を活用しその魅力を高めた「新城ラリー」を引き続き積極的に支援してまいります。
 また、新しいスポーツ大会の育成や招致にあたっては、スポーツ関係団体やマスコミなど様々な関係者との調整、連携が必要となってまいりますことから、そうした活動をワンストップで行うスポーツコミッションの設立に向けた検討を進め、スポーツをいかした地域振興に取り組んでまいります。

 続いて、世界に発信する愛知についてであります。
 これまで、「あいちトリエンナーレ2013」や「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」など様々な機会を通じて、愛知の魅力の発信に努めてきました。
 11月に開催される「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」の成功に向け、安全安心で円滑かつ快適な会議の運営支援、開催地愛知・名古屋の魅力発信、開催機運盛り上げのための普及啓発などに地域を挙げて取り組んでまいります。
 さらに、将来の愛知を担っていく県内の子どもが中心となり、持続可能な社会づくりに向け、自分たちに何ができるか、何をすべきかを考え、その成果を提言として世界に向けて発信する「子ども会議」を開催することとしております。
 日本一の産業県である愛知は、環境をベースとした持続可能な社会づくりへの取組でもトップランナーであるべきと考えており、愛知万博、COP10から続く持続可能な社会づくりの流れを加速させ、「環境首都あいち」を世界に強くアピールしてまいります。
 また、グローバル化が進む中、本県が発展を続けていくためには、経済成長著しいアジアの活力を取り込んでいくことが重要であります。今年4月の東南アジアを所管するバンコク産業情報センター開設を契機に、タイとの戦略的な交流を進めるため、タイ政府関係者などとの会談を始め、経済交流トップセミナー、観光プロモーション、エアポートセールス、農林水産物の販売促進会「愛知フェア」などを集中的に実施してまいります。

 第二は、日本の成長をリードする産業の革新・創造拠点づくりについてであります。

 子どもたちを始めとした多くの方々にモノづくりの素晴らしさを知っていただくことは、次代のモノづくりを担う人材を育成していく上で大変重要であります。
 このため、今年11月に県内8市を会場として開催される「技能五輪・アビリンピックあいち大会2014」に向けて万全の準備を進めてまいります。さらに、本県選手団は、前回大会まで9連覇を成し遂げており、今年地元で大会10連覇を目指して、選手の育成・強化にも取り組み、「モノづくり王国あいち」にふさわしい大会にしてまいります。
 また、今年度創設した全国トップクラスの留学生受入制度により、引き続きアジア諸国から技術系を中心とした留学生を受け入れ、本県企業への就職を促進することにより、世界有数のモノづくり地域を支える人材確保に取り組んでまいります。

 次に産業競争力の強化であります。
 産業空洞化への対応として創設いたしました産業空洞化対策減税基金による補助制度につきましては、これまでに、企業立地・再投資の分野で、91件の補助対象案件を採択し、総投資額1,941億円、21,000人余りの雇用維持・創出効果が見込まれ、研究開発や実証実験の支援についても、継続案件を含め合計126件を採択するなど、大きな成果を上げてまいりました。
 来年度も、50億円を基金に積み立て、この日本一の企業立地補助制度を活用し、本県経済の活性化と雇用の確保に取り組んでまいります。
 また、航空宇宙産業につきましては、愛知県を中心にスタートいたしました国際戦略総合特区「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」の区域を、岐阜県、三重県の区域まで広げるとともに、特区のメリットを中堅・中小企業も享受できるようにしたことで「フルセット」のクラスター形成に向けて、大きく前進しており、来年度は、次のステップとして、長野県・静岡県まで区域を拡大していきたいと考えております。
 さらに、この特区構想の中核的プロジェクトである、県営名古屋空港の隣接地における民間航空機の生産・整備拠点の整備につきましても、取得予定の国有地等の用地整備など進出事業者の誘致に向けた準備を進めるとともに、立体駐車場など空港機能の再整備を進めてまいります。
 こうした取組により、特区のプロジェクトを着実に推進し、航空宇宙産業の一層の高度化と集積を図り、アメリカのシアトル、フランスのツールーズに並ぶ、航空宇宙産業の世界三大拠点となることを目指してまいります。
 このほか、「知の拠点あいち」において、産・学・行政による共同研究開発を実施するとともに、高度な研究開発環境を提供することにより、県内企業の高付加価値なモノづくりを支援し、本県経済の活性化と企業の競争力強化を図ってまいります。
 さらに、本県のモノづくり技術の革新を支える研究開発機能の集積・強化を図るため、豊田・岡崎地区において自動車産業の頭脳となる研究開発拠点の整備を進めているところでありますが、来年度は、新たな区域の造成工事に着手いたします。

 次に、農業の振興についてであります。
 これまで、農業大学校は、農業後継者や農業の担い手等の育成を行い、日本有数の本県農業を人材面から支えてまいりました。
 来年度は、民間が持つ独自技術や施工方法の活用が期待できる設計・施工を一括して発注する「デザインビルド方式」により、学生寮の整備を行い、教育環境の充実に取り組んでまいります。
 また、昭和37年以来51年連続して全国一を続けております本県花き産業の一層の振興を図るため、来年度はESDに関するユネスコ世界会議などの機会を捉えて「花の王国あいち」のPRを行うとともに、
 11月には、開港10周年を記念し中部国際空港において「あいち花フェスタ」を開催いたします。
 さらに、花きの大消費地である名古屋市において来年3月に「フラワー・ガーデニングショー(仮称)」を開催するなど、本県産花きの消費拡大を図ってまいります。

 第三は、安心安全で誰もが夢と希望を抱き活躍する社会づくりについてであります。

 日本の女性の労働力率は、子育て期にあたる30歳代で谷間となり、40歳代でまた上がる「M字カーブ」を描いており、愛知県は全国に比べその谷が深い状況にあります。
 この解消を目指し、「女性が元気に働き続けられる愛知」の実現に向けて、昨年9月に「あいち女性の活躍促進プロジェクトチーム」を立ち上げ、女性の就労の「定着」と「活躍」の場の拡大をテーマに様々な角度から検討してまいりました。
 来年度におきましては、こうした検討結果を踏まえ、女性の活躍に向けた気運醸成を図るため「あいち女性の活躍促進会議」を開催するとともに、企業の実態調査や先進事例調査を実施し、分析結果から見えてくる課題とメリットをまとめた報告書を公表することで、女性の活躍が企業の経営戦略となるという考え方の浸透を目指してまいります。
 また、女性の就業継続にとって、子どもが急に病気になった場合の保育が大きな課題の一つであることから、病児・病後児保育の拡充に向け、ファミリー・サポート・センターを活用した医療機関連携型の新たなモデル事業を市町村と協力して実施いたします。
 さらに、出産・育児等で離職した女性の再就職を支援する「子育て女性再就職サポートセンター」を愛知県産業労働センター(ウィンクあいち)に新たに設置いたします。
 このほか、女性の活躍促進施策を積極的に展開し、男女共同参画社会の形成をより一層推進するため、「男女共同参画推進課」を設置するとともに、「女性の活躍促進監」を設置いたします。

 次に、特別支援教育の充実についてであります。
 今年度、特別支援教育に関する様々な課題を総合的に捉え、中・長期的な視点に立った推進方策の指針となる「愛知県特別支援教育推進計画」を策定し、来年度から、この計画に基づき対応を進めてまいります。
 まず、児童生徒の増加により過大化が進んでおります知的障害特別支援学校につきましては、児童生徒の教育環境の改善が課題となっております。このため、知多地区の半田養護学校の教室不足を解消する新たな知的障害特別支援学校を大府市に建設することとし、平成30年度の開校を目指して基本設計に着手いたします。
 また、長時間かけて通学する児童生徒の負担軽減などを図るため、スクールバスを増車するとともに、北設楽地区におきましては、身近な地域で特別支援教育が受けられるよう、県立田口高等学校の施設を活用し、豊橋特別支援学校の分教室となる「山(さん)嶺(れい)教室」を開設いたします。
 さらに、医療的ケアが必要な児童生徒に対してより適切な対応ができるよう、県立肢体不自由特別支援学校全校に常勤看護師を配置するとともに、名古屋市、豊橋市が行う特別支援学校の整備を支援するなど、特別支援教育の充実に取り組んでまいります。

 続いて、子育て支援についてであります。
 少子高齢化に伴い人口構造が変化する中で、本県の経済力を維持・発展していくため女性の活躍を促進するという観点からも、子育て支援策を充実し、安心して子どもを生み育てることができる環境を整えることが求められています。
 このため、消費税率の引上げが、子育て世帯の負担を重くし、次代を担う子どもたちの健やかな成長に悪影響を及ぼすことのないよう、国の「子育て世帯臨時特例給付金」とあわせて、新たに子育て支援減税手当を支給することといたします。
 さらに、子どもを安心して預けることができる子育て環境の充実を図るため、来年度は、市町村が実施する放課後児童クラブの整備を積極的に支援し、待機児童の減少に取り組んでまいります。
 次に、障害者福祉であります。本県におきましては、重症心身障害児者が利用できる入所施設が他の類似府県に比べ少なく、身近な地域で必要な医療や療育などの支援が受けられる体制づくりが喫緊の課題となっておりますことから、障害者福祉減税基金を造成し、本県初の民間法人による施設の整備に対して助成を行います。
 このほか、県民の方々が地域で安心して健康に暮らすことができる社会を築いていくため、4つの医療・福祉施設の整備を進めてまいります。
 まず、あいち小児保健医療総合センターにつきましては、小児救急の全県的な拠点として位置づけ、小児専用の集中治療室などを備えた3次救急施設の平成27年度中の開設に向け整備を進めてまいります。
 愛知県心身障害者コロニーにつきましても、発達障害を含む障害児者の医療や地域生活を支援する拠点である「療育医療総合センター(仮称)」として再編整備を行うため、平成27年度中の一部開設に向け建設工事に着手いたします。
 また、城山病院につきましては、精神科救急医療への対応強化や医療観察法による入院患者への対応など機能強化を図るため全面改築を行うこととしており、平成27年度の一部開設を目指し建設工事を進めてまいります。
 さらに、第二青い鳥学園につきましても、三河地域における重症心身障害児者が入所する施設の不足を解消するため、移転改築を行うこととしており、平成27年度中の開設を目指し、建設工事を進めるとともに、看護師等の人材確保などの準備作業を進めてまいります。

 次に、地震防災対策の推進であります。
 「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の改正により、本県では、不特定多数の者が利用する大規模建築物等に加え、県が耐震診断を義務づける道路の沿道建築物についても、建物所有者が自己負担することなく耐震診断を実施できるよう補助制度を拡充いたします。
 さらに、不特定多数の者が利用する大規模建築物等の耐震改修費用につきましても、建物所有者の負担軽減を図る補助制度を創設し、建築物の耐震化を一層促進してまいります。
 また、本県は、外海に面した沿岸域や海抜ゼロメートル地帯を有しておりますことから、津波対策は喫緊の課題であります。そこで、来年度におきましては、津波避難施設等の整備や津波ハザードマップの作成などの経費に対する補助率を引上げるなど、市町村の津波避難対策の促進を図ってまいります。


 続きまして、平成26年度当初予算において取り組むことといたしましたマニフェストを推進する施策などにつきまして、7つの柱に沿って、順次、ご説明申し上げます。

 一つ目は、元気な経済・産業・地域づくりについてであります。
 次世代自動車産業の振興につきましては、昨年設立した「あいち次世代自動車インフラ整備推進協議会」を中心に、市町村や民間事業者と連携して、次世代自動車の普及や水素ステーションなどのインフラ整備を効果的に推進してまいります。
 さらに、交通事故の抑止及び交通事故死者数の減少を目的として、昨年設置した「自動車安全技術プロジェクトチーム」における取組を推進していくため、県内の中堅・中小企業の自動車安全に係る技術の研究開発や販路開拓を支援するとともに、県民に広く自動車安全技術に対する理解と普及を図ってまいります。
 また、健康長寿産業は、今後の愛知を支えていく次世代産業の一つとして期待されております。このため、県内モノづくり企業の技術をいかした「医療機器分野」、「福祉用具分野」、「次世代ロボット分野」への参入を支援してまいります。
 中小企業に対する金融支援策といたしましては、創業等支援資金と小規模企業等振興資金に、融資期間10年の設備資金を新設するとともに、原材料等の価格上昇や消費税率の引上げなどによる厳しい経営環境を踏まえ、経済対策特別資金において、融資期間10年の運転資金新設と利率の引下げを行ってまいります。
 観光振興につきましては、武将にちなんだ観光地への誘客を図るため、「あいち戦国姫隊」によるPRを継続するとともに、本年秋には武将観光イベント「あいち合戦ワールド」を県営都市公園大高緑地で開催するなど、「武将のふるさと愛知」を全国に発信してまいります。
 また、この地域独自の食文化に着目し、名古屋市と共同で「なごやめし」の戦略的なPR手法について検討を進めるとともに、愛知万博10周年の平成27年に「食」をテーマとしてイタリアで開催されるミラノ国際博覧会に向けて、本県の特色ある食文化と多彩な魅力や愛知万博の理念・成果を発信するための準備を進めてまいります。

 二つ目は、安全で災害に強い地域づくりについてであります。
 まず、地震防災対策の充実・強化についてであります。
 この地域は、木曽三川下流域を中心に愛知、岐阜、三重3県にまたがる日本で最大の海抜ゼロメートル地帯が広がり、広域的な対策が必要となってくることから、県域を越えた自治体間で情報共有を図り、災害時の広域避難や相互応援のあり方を検討するなど、津波浸水対策に取り組んでまいります。
 また、今年8月には碧南市において、津波・地震防災訓練を、9月には、今年度に引き続き、シェイクアウト訓練を実施します。さらに、
 10月には、南海トラフ巨大地震等の大規模地震により公共交通機関が途絶した状況を想定し、名古屋駅周辺において、帰宅困難者対策を始めとした都市型防災訓練を実施し、県民の皆様の地震防災意識の高揚を図ってまいります。
 加えて、大規模災害への対応に必要な災害対策スペースを確保するため、現在、本庁舎にある災害対策本部室、災害情報センター等を自治センターへ移転集約し、災害対応力の強化を図ってまいります。
 さらに、大規模災害が発生した場合、災害廃棄物の処理が大きな課題となりますことから、迅速かつ有効な処理体制について、市町村とも連携しつつ「愛知県災害廃棄物処理計画」の策定に向けて、検討を進めてまいります。
 このほか、県民の安全な生活の基礎となる治安対策のため、愛知県警察本部庁舎の耐震改修を始め、豊田警察署の整備、愛知警察署の改築に向けた取組を進めております。来年度は、新たに、管内が海抜ゼロメートル地帯であり、災害時の浸水対策などに対応する必要がある蟹江警察署について、改築に向けボーリング調査に着手いたします。
 次に、交通安全対策についてであります。
 先ほど申し上げましたとおり、本県の交通事故情勢は大変厳しい状況が続いております。
 このため、交通事故死者数の減少を目指し、引き続き交通安全県民運動を中心とした県民総ぐるみの広報啓発活動を展開していくとともに、本県の交通事故死者数の半数以上を占める高齢者の方の事故防止対策や交通死亡事故の原因の大半を占めるドライバーに対する法令遵守やマナー向上を訴える取組を重点的に実施してまいります。

 三つ目は、環境首都あいちづくりについてであります。
 愛知万博やCOP10を経験し、県民の皆様の環境に対する意識は着実に高まっております。ESDに関するユネスコ世界会議を一つの契機として、こうした意識を、具体的な環境配慮行動「エコアクション」につなげていくため、県民参加型のイベントを開催するとともに、環境学習施設などのネットワークを活用した環境学習の機会を提供してまいります。
 課税期間を5年間延長いたしました「あいち森と緑づくり税」を活用し、来年度から、里山林整備、身近な緑づくりの対象の拡充、市町村が実施する間伐材の搬出に関する取組やNPO等が実施する環境活動等に対する支援の拡充など事業内容を見直し、環境保全・災害防止等の森と緑が有する公益的機能の維持増進を図ってまいります。
 このほか、本県では、環境にやさしい次世代自動車の普及を図るため、民間企業などとともに「EV・PHVタウン」構想の取組を進めております。この計画の目標年度を平成32年度まで延長し、引き続きその本格普及に向けて取り組むとともに、本庁舎駐車場に来庁者向けの充電インフラを整備してまいります。
 あわせて、平成25年度末で期限を迎える電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の新車購入者に対して自動車税を免除する本県独自の「エコカー免税」制度を平成28年度まで3年間延長することとし、本県の基幹産業である自動車産業の振興や地球温暖化対策、環境対策の観点から、次世代自動車の普及を図ってまいります。

 四つ目は、安心できる健康・医療・福祉社会づくりであります。
 まず、保健医療の充実についてであります。
 救急医療につきましては、あいち小児保健医療総合センターにおいて、現在、一部の曜日に限り実施している小児2次救急を、すべての曜日に拡大して実施することとし、小児救急医療体制の充実を図ってまいります。
 また、いじめ・不登校などの未然防止や早期発見・早期解決のため、小学校へのスクールカウンセラーの配置を拡大いたします。
 次に、地域福祉対策についてであります。
 高齢者が地域で安心して暮らすことができるよう、医療・介護・予防・生活支援・住まいを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築が求められております。
 このため、来年度におきましては、地域の特性に応じて、医療と介護の連携において地区医師会が中心となるモデルや訪問看護ステーションを中心としたモデルなど5つのモデル事業を実施し、地域包括ケアシステムの全県的な普及につなげてまいります。
 また、東日本大震災において、高齢者や障害者など災害時要援護者の支援のあり方が大きな課題となりましたことから、本県におきましても、被災市町村への福祉人材の派遣など市町村域を越える広域的な支援体制づくりの検討を行うとともに、市町村災害時要援護者支援体制マニュアルの改訂を進めるなど、災害時要援護者への支援強化を図ってまいります。
 続いて、障害者対策についてであります。
 障害者支援施設を巡回し、絵画教室などの出前講座を開催するとともに、愛知芸術文化センターにおいて作品を広く県民の方々にご覧いただく機会を設けるなど、芸術活動を通じて障害者の社会参加を促進してまいります。
 さらに、健康対策についてであります。
 がん対策につきましては、引き続き女性や働く世代が検診、治療を受けやすくするための環境づくりや、自らががん治療を経験した「ピア・サポーター」による患者・家族に対する相談支援事業など、愛知県がん対策推進条例や愛知県がん対策推進計画に基づき、総合的な対策を推進してまいります。
 また、風しん対策につきましては、先天性風しん症候群の発生を予防するため、来年度は、妊娠を希望する女性に対し新たに抗体検査を実施するとともに、検査結果を踏まえて市町村が実施するワクチン接種に対する助成を継続してまいります。
 次に、雇用対策についてであります。
 国の補正予算により拡充・延長された緊急雇用創出事業基金を引き続き活用し、失業者に対する雇用機会を提供する事業や在職者の処遇改善を図る事業について、市町村とも連携して実施してまいります。
 さらに、若者の雇用につきましては、未就職卒業者等を対象とした就職支援事業、新規学卒者向け合同企業説明会の開催や中小企業経営者と学生との交流会などを実施するとともに、「あいち若者職業支援センター(ヤング・ジョブ・あいち)」において、国と連携し、就職相談から職業紹介までワンストップで支援を行ってまいります。

 五つ目は、教育・文化立県あいちづくりについてであります。
 まず、教育立県あいちの礎となる愛知の将来を担う人づくりについてであります。
 小学校1年生及び2年生並びに中学校1年生の35人学級を引き続き実施するとともに、いじめ問題への対応や発達障害児の学習支援など、きめ細やかな配慮のできる教育環境づくりを進めてまいります。
 特別支援教育につきましても、肢体不自由特別支援学校に長時間かけて通学する児童の負担軽減や学習意欲の向上を図るため、近隣の小学校での共同学習や交流活動を行うモデル事業を引き続き実施いたします。
 高等学校につきましては、時代のニーズに的確に対応し、中長期的な視点に立った今後の高等学校教育の指針となる「県立高等学校教育改革基本計画」を策定いたします。さらに、本県の工業教育の中核となる「愛知総合工科高等学校」の平成28年度開校に向け、建設工事に着手いたします。
 県立芸術大学につきましては、魅力あふれる大学づくりを推進するため、教育活動の多様化に対応したデザイン棟の整備に向けた調査などに着手いたします。
 さらに、本県の学校教育において重要な役割を果たしている私立学校につきましては、その振興と父母負担の軽減を図るため、私立学校経常費に対する補助、国の就学支援金制度改正を踏まえた授業料への補助や入学納付金への補助を充実するなど各種助成を着実に実施してまいります。
 次に、文化芸術の振興についてであります。
 来年度は、「あいちトリエンナーレ2016」に向け、芸術監督の決定や企画内容の検討などの準備を着実に進めるとともに、現代芸術への関心を地域に広げるため、現代美術展やワークショップの開催、学校へのアーティストの派遣などを実施してまいります。
 また、名古屋市と共同で運営する「戦争に関する資料館調査会」では、終戦70年の節目となる平成27年8月を目途に、収蔵資料の常設展示を予定しております。これにあわせまして、戦前からの歴史的建築物である県庁大津橋分室を展示室として活用するための整備を進めてまいります。

 六つ目は、地域の潜在力を引き出す社会基盤づくりであります。
 まず、交通対策の推進についてであります。
 尾張地域と三河地域をつなぐ広域公共交通ネットワークの一部を形成する東部丘陵線いわゆるリニモは、今後の地域の発展に欠くことのできない極めて重要な路線であり、利用者も着実に増加しております。
 しかし、リニモを運営する愛知高速交通株式会社につきましては、初期投資に係る借入金の返済負担が重く、経営の安定化が求められておりますことから、県、沿線市、民間企業が協調して2年間にわたり経営支援を行ってまいります。
 次に、道路網の整備につきましては、新東名高速道路を始め、名古屋環状2号線及び三遠南信自動車道などの高規格幹線道路や、名豊道路などの地域高規格道路の整備促進に取り組むほか、空港・港湾、インターチェンジへのアクセス道路や主要都市間を連絡する幹線道路ネットワークの整備を進めることにより、地域の産業、経済の活性化や本県の国際競争力の強化に努めてまいります。また、地域の皆様の生活に密着する道路や山間道路などの整備についてもしっかりと取り組んでまいります。
 また、社会インフラを民間に開放し、民間の資金とノウハウを活用するため、現在、本県は我が国初となる有料道路事業におけるコンセッション導入について特区提案をしており、来年度におきましては、関係法令の改正を見据えつつ、その実現に向けた手続きを進めてまいります。
 さらに、港湾につきましては、完成自動車の輸出入で全国トップクラスである三河港において、今後も取扱量の増加が見込まれますことから、神野西地区において、ふ頭用地の拡張整備を進めるなど機能強化に努めてまいります。
 このほか、全国都市緑化フェアにつきましては、平成27年秋の開催に向けて、メイン会場である「愛・地球博記念公園」の会場整備を進めるとともに、愛知万博10周年を記念して、愛知らしさを全国に発信するフェアとなるよう、イベント内容の充実に向け準備を進めてまいります。

 七つ目は、自立・分権・協働の行財政体制づくりであります。
 経済のグローバル化の進展を背景に、アジアはもとより世界的なレベルで都市間競争が激しく繰り広げられる中、大都市こそが成長のエンジンとなって我が国を引っ張っていくことが必要であります。
 そのため、「産業活力」、「都市基盤・防災」など4つの分科会における専門的な議論などを踏まえ、中京独立戦略本部で取りまとめる中京都構想の推進に向けた基本的な考え方をもとに、しっかりと取り組んでまいります。
 「東三河県庁」につきましては、東三河全体で共有する地域づくりの羅針盤となる「将来ビジョン」の実現に向け、来年度も引き続き、地域と一体となって、新たなテーマに関する「主要プロジェクト推進プラン」を策定するなど「東三河振興ビジョン」に関する取組を進めてまいります。
 また、伊良湖休暇村公園で整備を進めている、全国初となる再生した砂丘とオアシス、「花咲く砂丘の園(デューンガーデン)」(仮称)は、今年10月に、砂丘に生育する海浜植物を中心とした観光エリアの一部を供用開始する予定としております。
 加えて、今年10月には、131自治体で構成される生物多様性自治体ネットワークの総会を豊橋市で開催するとともに、「花咲く砂丘の園」を訪れるエコツアーや、本県の先導的な取組である生態系ネットワーク形成等を全国に発信するフォーラムなどを開催することとしております。
 さらに、行財政改革につきましては、現行の第五次行革大綱の計画期間が来年度で終了しますが、本県の財政状況は依然として厳しく、健全で持続可能な財政基盤の確立が必要であります。また、県行政を取り巻く様々な環境変化に的確に対応し、求められる役割・責任を果たしていくためには、一層効果的・効率的な行政運営に向けた取組が重要でありますことから、来年度、次期行革大綱を策定し、引き続き行財政改革に全力で取り組んでまいります。

 以上、予算の主な内容につきまして申し上げてまいりましたが、ここにご審議をいただく平成26年度の当初予算は、一般会計2兆3,618億余円、特別会計7,661億余円、企業会計2,293億余円でございまして、合わせて3兆3,573億余円となります。
 一般会計予算の規模は、平成25年度当初予算に対し106.0%でありますが、4月1日から地方消費税の税率が1%から1.7%に引き上げられ、地方消費税清算金や地方消費税交付金などの地方消費税関連支出が多額となっており、地方消費税関連支出を除くと102.7%となります。
 歳入につきましては、大宗をなす県税は、企業の平成26年3月期の通期業績予測などを踏まえまして、平成20年度以来6年ぶりに1兆円を超え、1兆915億円を計上することといたします。これに、法人事業税の一部を国税化し地方に再配分される地方法人特別譲与税1,216億円を加えますと1兆2,131億円となります。
 地方交付税と臨時財政対策債を合わせた地方財政措置につきましては、大幅な税収増に伴い、一定程度減額することとなり、地方交付税は400億円を確保の上、臨時財政対策債2,100億円を計上いたします。
 臨時財政対策債を含む特例的な県債は、平成25年度当初予算に比べ減少する一方、社会資本整備などに充当する、いわゆる通常の県債は、投資的経費の増加に伴い平成25年度をやや上回る額を計上し、県債合計では3,114億円と、平成25年度当初予算に比べ640億円、17.1%の減となります。
 しかしながら、多額の発行が続く臨時財政対策債の影響により、平成26年度末の県債残高は、平成25年度末見込みに対し、766億円増の5兆3,111億円となる見込みであります。一方で、通常の県債の残高は、平成25年度末見込みを650億円下回る2兆6,422億円となる見込みであり、第五次行革大綱の「平成26年度当初予算時点における残高を平成21年度決算時点よりも減少させる」という目標を達成いたします。
 臨時財政対策債を含む特例的な県債の償還には交付税措置がとられ国が保障するものであり、本来の通常の県債残高は減少させているところでありますが、引き続き、財政の健全化に向けて着実に取り組んでまいりたいと存じます。
 歳出につきましては、人件費は、平成26年度は一般職員の給与抑制を行わないこととしたことから、抑制を行った前年度と比べ増額となり、
 扶助費については、医療、福祉、介護などの経費の増に伴い増額となります。
 公債費については、これまでに発行した県債の元金償還金や、満期一括償還分の減債基金への積立金の増があり、高止まり傾向が続きます。
 投資的経費については、国庫補助金を活用して、防災・減災対策等に重点的に取り組むほか、県単独事業としても県民の皆様の安心・安全につながるような社会基盤整備を積極的に進めることとし、全体で243億円、110.8%の大幅な増加となりました。
 今回の予算編成では、年始の時点で、県税収入の増収見込みもありましたが、依然として多額の収支不足が見込まれました。こうした厳しい財政状況の中ではありましたが、5年連続で実施していた職員の給与抑制を回避したいとの思いから、一般職員については実施しないことをまず決断いたしました。
 その上で、収支不足への対応につきましては、2か年にわたる財源調整で対応することとし、平成25年度の減債基金の取崩し額の一部を取り止め、平成26年度に再活用するなどの財源確保を行い、なお残る収支不足につきましては、臨時的・緊急避難的な措置として、基金からの繰入運用を再度計上せざるを得ませんでした。
 景気が緩やかに回復している中、今後の県税収入にも期待したいところですが、海外景気の下振れリスクや消費税率引上げに伴う駆け込み需要及びその反動が見込まれることから、なかなか容易ではないと考えられます。
 従って、第五次行革大綱の着実な実施と次期行革大綱の策定を通して、財政の健全化に取り組むとともに、本県の財政状況を改善させるためには、特に法人税収の回復を図ることが肝要でありますので、地域経済を支えるインフラや産業空洞化対策減税基金による企業立地補助金など、本県の産業振興に向けた取組を、引き続き着実に推進してまいります。


 次に、予算以外の案件につきまして、ご説明を申し上げます。
 条例は、制定、一部改正及び廃止を合わせまして、38件を提案いたしております。
 まず、公の施設の使用料等の改定に関する条例の制定についてであります。
 消費税及び地方消費税の課税対象となる県の施設の使用料や工業用水道料金などについて、消費税及び地方消費税の税率引上げの影響を適切に反映するため、対象となる30条例を一括して改正するものでございます。
 次に、知事等及び職員の給与の特例に関する条例の制定についてであります。
 依然として厳しい財政状況に対応するため、引き続き1年間、私を始め特別職と管理職の職員を対象に、給与の一部を減額するものでございます。
 次に、愛知県職員定数条例の一部改正についてであります。
 事務事業の見直しや事務処理方法の改善などに伴い、知事の事務部局などの職員を26人減員する一方、高等学校、特別支援学校の児童・生徒数の増加などに対応するため教職員を4人増員するものであります。
 また、手数料に係る改正につきましては、法令の改正に伴い保育士試験全部免除申請手数料を新設するものなどであります。
 さらに、条例以外の案件といたしましては、名古屋高速道路公社の基本財産の変更始め12件を提案いたしております。
 
 
 次に、平成25年度関係の諸議案についてであります。

 まず、今回の補正予算は、国の補正予算への対応や国庫補助金及び事業費の確定に伴う所要の措置並びに平成26年度当初予算編成のための財源対策等を行うものであります。
 補正予算を会計別に申し上げますと、一般会計441億1,278万余円の増額、特別会計153億7,148万余円の減額、企業会計76億5,580万余円の減額でございまして、合わせて210億8,549万余円の増額となります。
 以下、主なものにつきまして、概要をご説明申し上げます。
 まず、国の補正予算関連事業費といたしまして、消費行政活性化基金始め7基金の増額を行うほか、道路街路事業費などの公共事業について、所要の経費を計上いたします。
 なお、今回、増額いたしました基金を活用した事業につきましては、平成26年度当初予算で所要額を計上したところでございます。
 以上、ご説明申し上げました一般会計の一般財源といたしましては、県税収入の増収や地方交付税の増額などにより、全体で1,158億8,209万円を増額することといたしております。
 また、特定財源につきましては、国の補正予算等関連事業の財源として国庫支出金を増額する一方で、臨時財政対策債を減額するほか、減債基金の取崩しの一部を取り止めましたことなどから、全体で717億6,930万余円を減額することといたしております。

 次に、補正予算以外の議案につきましては、条例関係議案としまして、まず、農地中間管理事業等推進基金条例の制定についてであります。
 これは、平成25年12月13日に公布された農地中間管理事業の推進に関する法律により、農用地の利用の効率化及び高度化を促進するため、都道府県ごとに農地中間管理機構を指定し、担い手への賃貸による集積・集約化を推進することとされましたことから、事業に要する経費を、県が設置する基金に積み立てるため、所要の規定を定めるものでございます。
 この他、消費者行政活性化基金条例の一部改正について始め5件、その他の議案として、財産の買入れ及びこのたび提案をいたしております補正予算に伴う関係市町村の負担金の変更など15件でございます。


 以上、提案をいたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げました。なお、詳細につきましては、議事の進行に従いましてご説明を申し上げたいと存じます。よろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
 最後に、結びとして今一度申し上げたいと存じます。
 知事就任以来、昨年まで、日本一の産業県愛知が元気を取り戻し、成長エンジンとして日本をけん引するという強い決意のもと、産業経済対策を始め全力で県政運営に取り組んでまいりましたが、製造品出荷額も、リーマンショック以来4年ぶりに40兆円を超えるなど、このところの経済情勢には、ようやく明るい兆しがみえてまいりました。
 これまでの取組を着実なものとし、今後の発展に向け、この3月には、2030年を見据え新しい地域づくりを進める「あいちビジョン2020」を策定し、将来目指すべき愛知の姿を明らかにしてまいります。
 輝かしい愛知を実現していくためには、その礎となる人が夢と希望を抱き輝いている社会、すなわち「人が輝く」「愛知が輝く」〜愛知の新しい時代を担う人づくりが重要となってきます。
 このような思いから、平成26年度当初予算では、ESDに関するユネスコ世界会議や技能五輪・アビリンピックあいち大会2014など将来の愛知の人づくりのための施策や県民誰もが活躍できる社会を目指して、女性の活躍促進や特別支援教育の充実などの施策をできる限り盛り込んだところであります。
 こうした施策の着実な実施により、愛知を日本一経済活動が活発な地域とし、福祉・医療などの県民サービスを向上させ、県民の豊かな暮らしの実現を目指してまいります。さらに、活発な経済活動による雇用の創出や県民所得の向上などにより、国内外から人・モノ・カネを呼び込む好循環のもとで、活力と持続力を併せ持つ大都市圏「愛知」をつくっていきたいと考えております。
 今後も全力で県政運営に取り組んでまいる所存でありますので、県議会議員の皆様方並びに県民の皆様方の、ご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。