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県議会知事提案説明

平成30年5月臨時県議会 知事提案説明要旨

このたびの臨時県議会に提案をいたしました案件につきまして、そのご説明を申し上げるに先立ち、最近の県政をめぐる状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 はじめに、ジブリパーク構想についてであります。
 本県では、昨年5月に、愛知万博の理念を次世代へ継承するため、愛・地球博記念公園に、多くの方々に見て楽しんでいただけるジブリパークを整備する構想について、スタジオジブリと合意いたしました。
 その後、本構想の具体化に向けて、愛・地球博記念公園の現況調査等を実施するとともに、スタジオジブリと協議を重ね、3月30日に、スタジオジブリと確認書を締結し、4月25日には、スタジオジブリ作成によるジブリパークの基本デザインと開業目標時期を2022年度中とすることを発表いたしました。
  ジブリパークには、「青春の丘エリア」、「ジブリの大倉庫エリア」、「もののけの里エリア」、「魔女の谷エリア」、「どんどこ森エリア」の5つのエリアを設け、ジブリ作品の世界を再現した施設を本物として整備してまいります。
  整備にあたっては、自然環境に配慮し、未利用地や既存施設を有効活用し、また、公園内での様々な活動やイベントなどとも共存し、楽しんで歩いていただけるジブリパークにいたします。
  今後も、スタジオジブリとの連携を深めて、愛・地球博記念公園の魅力と価値を一層高め、子どもから大人まで、多くの皆様に愛されるジブリパークをつくってまいります。

 次に、愛知県国際展示場についてであります。
 3月27日、28日の2日間で、フランスのパリを訪問し、ノール・ヴィルパント見本市会場で開催された、展示面積約10万u、出展企業約2,700社という欧州最大規模の産業展「グローバルインダストリー」に出席し、会場を視察してまいりました。
 会場では、ル・メール経済・財務大臣の立会いのもと、展示会産業における世界有数の主催運営企業で、この産業展の主催者であるGL eventsのジノン会長と、展示会産業の発展に資する協力関係を築くための協定を締結いたしました。ジノン会長からは、「東京オリンピックにより多くの人が日本を訪れ、産業交流の契機となることが期待される。その機会を活かし大きなイベントを開催していきたい」との発言があり、私からは「GL eventsと愛知県で、未来に向かって新しい展示会産業をつくっていきたい」と発言しました。
 また、愛知県国際展示場の運営については、4月27日、在日フランス大使館のムルルヴァ経済公使の立会いのもと、前田・GL eventsグループが設立した特別目的会社である愛知国際会議展示場株式会社のシゼロン代表取締役社長と、「愛知県国際展示場コンセッション公共施設等運営権実施契約」を締結いたしました。
 今後は、愛知国際会議展示場株式会社と連携・協力し、展示会やイベント等の需要創造に向けた取組を積極的に進め、ここ愛知から、日本の新しい展示会産業のスタイルを創出・発信してまいります。

 次に、アメリカ・テキサス州との交流についてであります。
 5月6日から13日まで、テキサス州を訪問してまいりました。
 テキサス州へは、平成28年4月に「友好交流及び相互協力に関する覚書」を締結して以来の訪問となり、オースティンでは、アボット知事と2年ぶりにお会いしました。アボット知事からは「お互いの交流、特に若い人の相互訪問が進められているほか、愛知の企業による活発な投資がテキサスの経済を押し上げ、全米50州の中で一番の経済成長率となっている」との発言があり、両地域が連携して発展していくウィンウィンの関係を作り、共に日本と米国の発展に貢献していくことを確認しました。
  また、ヒューストンでは、「日本テキサス経済サミット」で基調講演を行い、私からは、日本一の産業集積が更なる集積を呼び、イノベーションを創出する「愛知型」の成長モデルを紹介し、「日米の成長の中心である愛知とテキサスが、様々な分野で交流を拡大していきたい」とお話ししました。  さらに、ダラスでは、ダラス・フォートワース日米協会主催の「サン&スター・レガシー・アワード授賞式」に出席し、本県が日本及び海外の地方政府で初めてテキサス州と覚書を結び、日米両国の交流を促進したとして、このアワードを私が受賞させていただきました。これまで、元内閣総理大臣中曽根康弘氏、トヨタ自動車株式会社名誉会長豊田章一郎氏、日米両国の歴代大使が受賞されるなど、格式の高い賞であり、私個人というよりも愛知県民全体に授かったものとして、大変名誉なことと率直に受け止め感謝しております。授賞式では、500名を超える日米交流の関係者やテキサス経済界の方々に、愛知とテキサスの交流の進展や、両地域が更なる発展を目指して今後も連携していくことの重要性などについてスピーチを行い、最後には満場のスタンディングオベーションもいただき、大いに盛り上がりました。
  また、今回の渡航では、昨年7月から稼働している北米トヨタ本社をはじめ、JR東海が技術支援する高速鉄道プロジェクトや、中部電力と東京電力の合弁会社JERAが参画する天然ガス液化加工事業のプラント建設など、本県関連企業の活発な事業活動を視察しました。このほか、オースティンで毎年、最先端のIT技術などの見本市を開催しているサウス・バイ・サウスウエストの責任者と面談し、来年3月、大学生や研究者を愛知から派遣する予定であることを申し上げ、見本市の意義や出展者への期待などについて意見交換を行いました。
  今回の渡航を通じ、テキサス州政府を始め現地の自治体や経済団体の方々とネットワークを構築するとともに、様々な機会を通じて愛知の魅力をPRすることができ、大変有意義なものとなりました。
  テキサス州は、人口約2,830万人と全米2位であり、GDP約1兆6千億ドルで日本一国の3分の1もある大経済圏であり、アメリカにおける政治・経済の最重要拠点といっても過言ではありません。
  この2年間でテキサス側から9回もの訪問等があり、愛知側からも県議会の視察、本年2月には、県内の高校生訪問団25名を派遣するなど、これ以上ないと言えるほど活発に交流を重ねております。
  今後とも、Heart of JAPANの愛知とHeart of Americaのテキサスとで、経済、文化、人的交流を推進し、日米関係及び両地域の更なる発展につなげてまいります。

 次に、愛知県特別表彰についてであります。
 本県瀬戸市出身の藤井聡太棋士が、今月18日に行われた竜王戦ランキング戦の勝利により、史上最年少で七段に昇段されました。心よりお祝いを申し上げます。
 藤井七段は、史上最年少でのプロ棋士デビューに始まり、歴代最多連勝記録の更新や、史上最年少での棋戦優勝・六段昇段など、将棋界の歴史的記録を次々と塗り替える素晴らしい活躍を続けられています。
 このたびの昇段に先立ち、3月30日には、こうした活躍をたたえるとともに、更なる飛躍を期待し、愛知県特別表彰として、私から、表彰状とあいちの伝統的工芸品である「豊橋筆」をお贈りしました。
 これからも更に精進を重ねられ、私たち県民、国民に夢や明るい希望を与え続ける存在になっていただきたいと思います。 

  次に、愛知県がんセンター愛知病院の岡崎市への移管についてであります。
  これまで本県と岡崎市で協議を進めてきた結果、移管について基本合意に達したことから、3月31日、岡崎市と覚書を締結いたしました。
  今回の移管により、国指定のがん診療連携拠点病院である愛知病院と、県指定のがん診療拠点病院である岡崎市民病院を統合し、がん診療の充実強化を図るとともに、地理的に近接した両病院の医療機能を再編することにより、限られた医療資源を有効に活用することができます。
 来年4月の移管に向け着実に準備を進め、地域の皆様が安心して治療を受けられる医療環境の整備に努めてまいります。

 次に、大府もちのき特別支援学校についてであります。
 大府市内に整備を進めてまいりました大府もちのき特別支援学校が、4月に開校いたしました。  3月23日には、私も視察してまいりましたが、小学部・中学部・高等部合わせて47学級を設置し、大府市・東海市・豊明市・東浦町から約250人の知的障害のある児童生徒が通学し、これにより半田特別支援学校の児童生徒数の増加による教室不足の解消も図られます。
 この大府もちのき特別支援学校が、校名の由来となった大府市の木「クロガネモチ」のように地域の皆様に愛される学校としてまいります。

 次に、G20外務大臣会合についてであります。
 4月2日、2019年のG20外務大臣会合を本県で開催することが決定いたしました。
 これを受け、地元受入体制の整備を進めるため、政策企画局国際課内に新たに「G20外相会合準備グループ」を設置いたしました。
 さらに、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催された今年のG20外務大臣会合の最終日の5月21日には、河野外務大臣から、2019年の会合開催時期を11月22日、23日とし、開催地を愛知県名古屋市とする旨の発表があったところであります。
 G20サミットは、リーマン・ショックを契機に発生した経済・金融危機に主要先進国・新興国が協調して対処するために設けられた枠組みであることから、主要国の重要閣僚が来県するこの機会を活かし、日本一の産業力や経済力、世界最先端の技術力など愛知が有するポテンシャルを世界に発信するとともに、参加国との連携・協力関係を深めてまいります。
 また、本県でこれまで開催された2005年の愛知万博や2010年のCOP10、2014年のESDユネスコ世界会議等の大規模会議の実績や経験を活かし、G20外務大臣会合においても、地域が一丸となったおもてなしを提供し、会合の成功に貢献してまいります。

 次に、ノーベル賞受賞者顕彰施設についてであります。
 4月9日、本県と名古屋市で名古屋市科学館内に整備を計画している愛知・名古屋ゆかりの7名のノーベル賞受賞者の業績などを分かりやすく伝える顕彰施設の施設構成や展示内容など、施設の展開イメージをまとめた基本計画を発表しました。
 顕彰施設では、特に子どもたちを対象に、科学技術への好奇心や探求心、夢を触発する展示を行っていくこととしており、受賞者の業績などをダイナミックな映像やストーリー性のある展示で分かりやすく紹介するとともに、受賞研究をテーマとした実験教室など、体験や交流の場も用意し、楽しみながら各受賞者の功績に触れることができるものにしたいと考えております。
 この施設が、子どもたちの科学者や技術者への夢を醸成する、世界に誇れる科学技術の学習・観光拠点となるよう、2020年度内のオープンを目指して、しっかりと整備を進めてまいります。

 次に、杉原千畝顕彰施設についてであります。
 4月12日、杉原千畝氏の人道的功績を語り伝える顕彰施設の展示概要を発表しました。
 顕彰施設は、杉原氏の母校である旧制愛知県立第五中学校、現在の瑞陵高等学校の正門西側の広さ475uのポケットパークのような屋外空間に、「決断と希望」、「運命のビザ」、「杉原千畝の生涯」、「歴史と年譜」の4つのゾーンを設け、施設の中央にはメインモニュメントである杉原氏とユダヤ人家族のブロンズ像を置き、2,257人分のビザ・リストを焼き付けた陶板のほか、学生時代や外交官時代の資料など、杉原氏の生涯を紹介する様々な資料を展示し、見ごたえのある内容としてまいります。
 杉原氏の人道的功績の全体像に触れ、その歴史的な意義を学び、平和への思いを深めることができる施設となるよう、しっかりと整備を進め、 10月中旬には完成記念式典を開催し、杉原氏の功績を国内外に広く発信してまいります。

 次に、2023年技能五輪国際大会の招致についてであります。
 昨年9月、国は、2023年の技能五輪国際大会について、愛知県を開催地として招致する方針を正式に決定しました。
 これを受け、4月18日、国において、オールジャパン体制で招致活動や招致機運の醸成に取り組むことを目的に、私を委員長とし、労使団体、技能関係団体、有識者など幅広い方々で構成する「2023年技能五輪国際大会招致委員会」が設置され、初会合に出席しました。
 来年夏のロシア・カザンでのワールドスキルズインターナショナル(WSI)総会で開催地決定を勝ち取ることができるよう、愛知ならではの大会プランを打ち出すとともに、国・県・関係者が一丸となって、しっかりと招致活動に取り組んでまいります。

 次に、第20回アジア競技大会についてであります。
 2026年の開催に向けた準備を強力に推進する組織委員会の設立に向け、4月24日に、私を会長とする「愛知・名古屋アジア競技大会組織委員会(仮称)設立準備委員会」の第1回会議を開催いたしました。
 今後は、市町村やスポーツ関連団体、観光団体、経済界等と連携し、地域一丸となって万全の準備を進めてまいります。

 次に、国家戦略特区を活用した「農業支援外国人受入事業」についてであります。
 この事業は、平成28年11月に本県が提案し、昨年9月の国家戦略特別区域法の改正により実現いたしました。
 本年3月に、内閣総理大臣から区域計画の認定を受け、4月26日に、全国に先駆けて、本県と内閣府、名古屋入国管理局、愛知労働局、東海農政局で構成する「愛知県適正受入管理協議会」を設置し、事業を開始しました。
 この協議会では、外国人を雇用し県内の農業経営体に派遣する特定機関が法令等の基準に適合していることを確認するほか、外国人からの苦情や相談にも対応してまいります。
 本県は、全国有数の農業県であり、全国屈指の施設園芸産地であります。今後、この事業を積極的に推進し、農業分野の労働力の確保を図り、強い農業の実現と国際競争力の強化にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、油ヶ淵水辺公園についてであります。
 本県では、碧南市と安城市にまたがる県内唯一の天然湖沼である油ヶ淵とその周辺区域において、西三河で初めての県営都市公園となる油ヶ淵水辺公園の整備を進めております。
 4月29日、碧南市側の「水生花園」と安城市側の「自然ふれあい生態園」の2つのエリアの一部が、第1期分として開園いたしました。
 ぜひ多くの方々に来園していただき、季節感あふれる油ヶ淵の風景や自然環境を楽しんでいただきたいと思います。

 次に、平昌オリンピック・パラリンピック選手への表彰についてであります。
 5月21日、平昌オリンピックのフィギュアスケート男子シングルで銀メダルを獲得した宇野昌磨選手を始め、素晴らしい活躍を見せてくれました本県ゆかりの10名の選手の皆さんを、愛知県スポーツ顕彰規程に基づいて表彰いたしました。
 また、パラリンピックのスノーボードで6位入賞の小栗大地選手とバイアスロンで8位入賞の佐藤圭一選手の健闘をたたえ、愛知県障害者スポーツ顕彰要綱に基づいて表彰いたしました。
 これからも、愛知の若い力が更に伸びて活躍し、日本中を大いに沸かせていただくことを期待しています。

 次に、交通安全対策についてであります。
 本県の交通事故死者数は、昨年まで15年連続の全国ワースト1位であり、今年も、交通事故情勢は依然として厳しい状況が続いております。
 このため、県警察や市町村、関係諸団体と連携した交通安全運動に加え、インターネットや映画館を活用し、車両運転中の「ながらスマホ」の悪質・危険性等を訴える動画広報や啓発イベントを実施するほか、今年度新たに、ドライバーとして遵守すべき横断歩道における歩行者保護意識の醸成に向けた啓発活動を実施してまいります。
 今後とも、県民総ぐるみでの交通安全対策をより一層推進し、交通事故及び交通事故死者数の減少に全力で取り組んでまいります。

  それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し述べたいと思います。
  まず、補正予算案についてでございますが、総額3億7,600万円を、一般会計で増額補正するものであります。
  その内容は、ジブリパークの整備に向けた基本構想の策定及び基本設計の実施、ジブリパーク構想の情報発信等を行うための経費を計上するものでございます。先に申し上げましたとおり、スタジオジブリとの連携を深め、基本デザインをもとにジブリの世界を再現した施設を整備し、2022年度中の開業に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
  次に、補正予算案以外の議案につきましては、工事請負契約の締結についての議案1件及び人事案件6件並びに先般の2月定例県議会以降におきまして専決処分をいたしました事案2件でございます。
  はじめに、工事請負契約の締結につきましては、蟹江警察署庁舎建設工事に係るものでございます。
  次に、人事関係議案につきましては、収用委員会の委員の任期満了及び予備委員の辞任並びに監査委員の辞任に伴います後任者をそれぞれ選任するものであります。
  続いて、専決処分につきましては、愛知県県税条例の一部改正と控訴の提起についてでございます。
  まず、愛知県県税条例の一部改正につきましては、地方税法等の一部を改正する法律が去る3月31日に公布されたことに伴いまして、法律の施行に合わせ、4月1日から愛知県県税条例を改正する必要があり、専決処分を行ったものでございます。
  その主な内容といたしましては、不動産取得税における税率の特例措置の適用期限を延長するほか、自動車取得税における車線逸脱警報装置を備える自動車に係る課税標準の特例措置について対象車種を拡大するものなどでございます。
  次に、控訴の提起についてでございますが、これは、半田警察署によるドメスティック・バイオレンスの被害者に対する援助措置の対応にかかる損害賠償請求事件について、去る4月25日の第一審判決において愛知県が敗訴した部分の取消し及び同部分に係る相手方の請求の棄却を求めたものでありまして、控訴期限の関係から専決処分を行ったものでございます。
  ここに、ご報告を申し上げ、ご承認をお願いするものであります。
  どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。