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県議会知事提案説明

令和2年9月定例県議会 知事提案説明要旨

このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
  新型コロナウイルス感染症の県内の新規感染者数は、7月前半に、ゼロの日が9日間あるなど、収まっていた感がありましたが、7月15日に 16人の感染者を確認して以降、急激に増加を続け、7月31日には、1日の新規感染者数が過去最多の193人となるなど極めて厳しい状況となりました。
 このため、8月5日には、名古屋市中区の栄・錦地区にエリアを限定して営業時間短縮等を要請するとともに、翌8月6日には、県独自の「緊急事態宣言」を発出し、8月24日までの間、不要不急の行動自粛と行動変容、県をまたぐ不要不急の移動自粛、感染防止対策の徹底等を県民・事業者の皆様にお願いしてまいりました。
 これらの取組の結果、7月28日から100人を上回っていた1日当たりの新規感染者数が、8月14日以降は100人を下回る状況が続いたことなどを踏まえ、8月24日に、「緊急事態宣言」及び「営業時間短縮要請」を共に解除いたしました。
 また、7月下旬から8月中旬までのピークに比べ、「新規陽性者数」、「入院患者数」、「陽性率」の3指標の数値は、大きく改善されるなど、全体として状況は落ち着いていることから、こうした状況を総合的に判断し、本日から、「厳重警戒(オレンジ)」から「警戒領域(イエロー)」に移行いたしました。
 新規感染者が急増する中、医療関係者の皆様には、昼夜を問わず最前線で献身的に対応していただくとともに、県民・事業者の皆様には、不要不急の行動自粛や営業時間短縮等の要請などにご協力いただき、全ての皆様に感謝申し上げます。
 しかしながら、新規感染者の発生など感染症のリスクは依然として社会生活の場に続いており、また、インフルエンザの流行も同時に見込まれる冬期も見据え、今後も、社会経済活動とのバランスをとりながら、感染拡大の防止に取り組んでいくことが不可欠であります。
 県民の皆様には、引き続き、感染防止対策の徹底、重症化リスクの高い高齢者等への感染拡大防止等をお願いしてまいります。
 また、県民の生命及び健康を保護し、県民生活及び地域経済に及ぼす影響を最小とするため、本県におけるこれまでの取組を踏まえ、県、県民、事業者の責務を明らかにするとともに、新型コロナウイルス感染症の発生の予防及びまん延を防止するための措置等について、条例として定めることといたしました。
 こうした中、昨日時点の愛知県内の感染者数は4,999人、入院者数は161人、自宅療養者数は120人、宿泊療養施設入所者数は45人となっております。入院病床は70病院791床+α、宿泊療養施設は 1,300室を確保しておりますが、医療提供体制の更なる拡充を図るため、岡崎市立愛知病院を活用し、中等症の患者と軽症の高齢者を集中的に受け入れる最大100床の新型コロナウイルス感染症専門病院を、10月15日に開設する予定としております。
 専門病院を立ち上げることで、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関の役割分担と負担軽減を進め、医療提供体制の一層の強化につなげてまいります。
 さらに、PCR検査につきましては、新たに、8月20日に、唾液採取によるドライブスルー方式のPCR検査所をあいち健康の森健康科学総合センターに開設いたしました。帰国者・接触者外来の負担軽減等を図るとともに、新型コロナウイルス感染症患者の増加に備え、検査体制を大幅に強化してまいります。
 引き続き、県民の皆様、医療関係者、市町村、事業者の皆様と一丸となり、オール愛知で、感染症の克服に全力で取り組んでまいります。
 
 次に、国政の動きについてであります。
  9月16日、菅新内閣が発足いたしました。この新しい内閣に、国民が求めていることは、特に、新型コロナウイルス感染症の克服と、大きく落ち込んだ社会経済活動の回復であり、国、地方、国民が一丸となり、オールジャパンで立ち向かっていく必要があります。
 そこで、新しい内閣におかれては、医療・検査などの現場を預かる我々地方自治体、特に、感染症のエピセンターとなりやすい大都市圏域の都道府県と緊密に連携していただき、より地域の実情を踏まえた取組を要請したいと存じます。あわせて、大きな打撃を受けている観光集客交流産業をはじめとした業種業態について重点的な対策を講じ、深刻な状況下にある日本経済の立て直しに、最優先に取り組んでいただきたいと思います。
 また、菅首相は、役所の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打破し、引き続き、規制改革・地方創生に取り組むと言われております。このことは、私がかねて申し上げております、本県が、東京一極集中にストップをかけ、日本の成長エンジンとして、我が国の発展を力強くリードしていくためにも必要なことであります。
 新しい内閣におかれましては、菅首相のリーダーシップの下、未曾有の国難である新型コロナウイルス感染症を始め、国内外の諸課題に対し、果敢に取り組まれることを期待いたします。
 
 それでは、県政を取り巻く最近の状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
 
 はじめに、最近の経済情勢と本県の財政運営についてであります。
 最近の経済情勢につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、一段と厳しさが増しております。
 先に内閣府が発表した本年4月から6月期のGDP(国内総生産)は、年率換算でマイナス28.1パーセントと、リーマンショック時を超える戦後最悪のマイナス成長となりました。先行きにつきましても、新型コロナウイルス感染症が内外経済に与える影響に十分注意する必要があります。
 本年度の県税収入は、当初予算において、法人二税について1割を超える減収を見込んで計上しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の減速を踏まえますと、当初予算計上額を更に大きく下回ることが避けられない状況であります。
 そこで、9月補正予算案において、県税及び地方譲与税を合わせて 400億円減額することといたしました。これについては、国が講じた資金繰り支援策による県債の増発などにより対応することで、当面の財政運営に支障はありませんが、来年度の県税収入につきましては、現下の厳しい経済情勢の影響が本格的に現れてまいりますので、更に大幅な減収になるものと考えております。
 このような状況から、来年度以降の財政運営は極めて厳しい局面を迎えるものと考えられますので、まずは、大幅に減少している基金残高の回復が急務であり、本年度内の一層の財源確保に努めるとともに、引き続き、歳入歳出両面にわたる行財政改革に全力で取り組んでまいります。
 こうした取組に加え、産業の活性化を進めることにより、地域の雇用を維持・拡大し、地域の経済を下支えしていくことも重要であります。 このため、2012年度に創設した本県独自の産業空洞化対策減税基金による補助制度により、8月には、企業立地・再投資の分野で、本年度第1回の採択案件16件を決定したところであります。これまでの決定分と合わせますと、補助対象案件は354件、総投資額は5,861億余円となり、5万4千名の常用雇用者が維持・創出される効果が見込まれております。
 また、研究開発や実証実験の支援では、これまでに、次世代自動車、航空宇宙、環境・新エネルギー、健康長寿、IT・ロボット等、今後成長が見込まれる分野において688件を採択するとともに、来年11月のロボカップアジアパシフィック大会の開催を見据えた、サービスロボットの社会実装を目指す取組を21件採択するなど、高付加価値のモノづくりの維持・拡大を図っております。
 こうした中、開発にあたり実証実験等に対して支援を行っている、日本初となる「空飛ぶクルマ」の有人デモフライトの公開イベントが、8月 25日に、豊田市の開発拠点で開催され、私も出席し、この目で「空飛ぶクルマ」が実際に飛行するところを見てまいりました。
 次世代のモビリティである「空飛ぶクルマ」は、愛知県が日本一の集積を誇る航空宇宙産業や自動車産業で培われた最先端の要素技術の結晶であります。 この次世代技術が、愛知・日本から世界に発信されることを大いに期待するとともに、引き続き支援してまいります。

 次に、スタートアップ・エコシステムの推進についてであります。
 新型コロナウイルス感染症の影響により一旦停止しておりましたスタートアップ中核支援拠点「ステーションAi」の整備・運営を担うPFI事業者の選定手続きにつきましては、民間事業者との対話などを通じて検討を進め、8月3日、新たな実施方針を公表いたしました。
 新たな実施方針では、新型コロナウイルス感染症を踏まえた今後の新しい行動様式やワークスタイルに対応した魅力あるイノベーション施設とするべく、ニューリアリティ対応型の世界初・世界最高レベルのスタートアップ中核支援拠点を目指すことといたしました。
 ステーションAiには、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、急速に進展する非接触・モバイル化などデジタルシフトに対応する高度通信、リモート、ハード・ソフトにわたるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進環境等を整備し、最先端デジタル技術を活用した国内外のスタートアップ・エコシステムとのネットワーク形成や支援プログラムの提供等により、オフライン・オンラインを融合した新たなコミュニティ形成を実現する拠点施設としてまいります。
 また、日本型のスタートアップ・エコシステム拠点の形成を目指し、地方自治体、大学、民間組織等が策定した拠点形成計画を内閣府が認定する「スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市」に、愛知・名古屋及び浜松地域が全国4か所の1つとして認定されましたことから、8月28日には、拠点都市の相互ネットワーク形成による知見・ノウハウの共有、発信力の強化、国の支援との連携強化を図るため、竹本内閣府特命担当大臣始め拠点都市を構成する首長等が参加した「スタートアップ・エコシステム拠点都市推進協議会」が開催されました。
 私からは、日本最大・世界最高レベルのグローバルなスタートアップ中核支援拠点「ステーションAi」について説明いたしました。
 さらに、スタートアップ・エコシステムのノウハウを習得するため、シンガポール、アメリカ、フランス、中国等、世界各地のスタートアップ支援機関・大学との連携を進めております。このうち、世界トップクラスのフランスの経営大学院INSEAD(インシアード)による、愛知県向けにカスタマイズされた、イノベーション創出に向けたハイレベルな人材育成プログラムが10月から開始されます。
 こうした取組を着実に進めながら、ステーションAiを核として国内外の皆様と連携し、世界有数のスタートアップ・グローバルコミュニティの形成を図ってまいります。

 次に、新たな外国人材の受入れについてであります。
 本県の外国人県民は、昨年末時点で約28万1千人となり、外国人の方々が労働者としてだけでなく、生活者として広く地域社会に定着できるよう、多文化共生社会の実現が求められているところであります。
 このため、私がリーダーを務める全国知事会「新たな外国人材の受入れプロジェクトチーム」でとりまとめ、全国知事会議において決定した「外国人材の受入れ・共生に向けた提言」の実現に向けて、7月13日に亀岡文部科学副大臣と、14日には、森法務大臣と、それぞれウェブ会議方式で面談しました。
 亀岡副大臣には、日本語能力の習得や日本社会の習慣に対する理解促進のため、全ての外国人に日本語学習等の機会を提供する公的な仕組みを構築することなどについて、森大臣には、新型コロナウイルス感染症の影響により解雇されるなどした特定技能外国人等に対し、国が示した雇用維持支援体制を速やかに実効性のあるものとすることについて要請しました。
 また、外国人留学生の日本企業への就職を促進するとともに、グローバル人材の活躍の場を増やすことで、本県の誇る日本一の産業力の更なる強化につなげるため、9月10日に開催した愛知県国家戦略特別区域会議において、私から、海外の大学等において学士以上の学位を取得しているなど、一定の要件を満たす外国人留学生について、日本語教育機関卒業後も就職活動継続のための在留資格を、卒業後最大1年間認めるという特例の活用を提案し、区域計画に位置付けました。
 今後も、外国人材の受入れ・共生について、しっかりと取り組んでまいります。

 次に、藤井聡太さんの史上最年少二冠達成についてであります。
 7月16日、瀬戸市出身の藤井聡太さんが、将棋の八大タイトル戦の一つ「棋聖戦」の五番勝負に勝利し、史上最年少でタイトルを獲得されました。さらに、8月20日には、「王位」のタイトルも獲得され、史上最年少で二冠を達成するとともに、八段に昇段されました。心よりお祝いを申し上げます。
 藤井二冠が、史上最年少でのプロ棋士デビューを始め、最多連勝記録の更新や、史上最年少での二冠、八段昇段の達成という大記録を打ち立てられたことは、地元愛知県民の誇りであり、こうした地元出身の若きスターの活躍は、愛知はもちろん日本中の皆様に夢や希望を与えてくれています。
 私からはお祝いのメッセージとお花を贈らせていただきましたが、この記録達成を県民の皆様と共にお祝いするとともに、今後も、将棋界を代表するスターとして、一層活躍されることを期待したいと思います。

 次に、8月31日に供用開始した西尾警察署の新庁舎についてであります。
 7月17日に開催された新庁舎の落成式に、私も出席いたしました。新庁舎は、広い待合スペースや授乳室を設置するなど、地域の皆様の利便性、快適性に配慮するとともに、西尾のお茶をイメージした壁面や格子戸を思わせるルーバーを採用するなど、デザイン面や環境面にも配慮しております。また、72時間連続稼働が可能な非常用発動発電機や3日分の給水が可能な受水槽を設置するなど、災害時の活動拠点としても機能する庁舎としております。
 今後も、地域の皆様に親しまれる警察署となることを期待するとともに、新庁舎を拠点に安全・安心の更なる向上に取り組んでまいります。

 次に、あいち環境学習プラザについてであります。
 7月21日、本県の新たな環境学習の拠点として、名古屋市北区にある環境調査センターの建替えに合わせて、本年4月にオープンした「あいち環境学習プラザ」の施設公開セレモニーを開催しました。
 プラザでは、実際に手で操作するハンズオン展示やタブレット学習により、川や海の汚れなどの身近な環境問題から、地球温暖化などの地球規模の環境問題まで幅広く学ぶことができるほか、環境調査センターに整備した先進の新エネ・省エネ設備や環境分析の現場見学など、本物の環境技術にも触れることができる施設となっております。
  環境首都あいちを支える人づくりを進めるため、次代を担う子どもたちを始め、多くの方々に環境学習プラザにお越しいただけるようしっかりと取り組んでまいります。

 次に、リニア中央新幹線の建設促進についてであります。
 現在、リニア中央新幹線の東京・名古屋間においては、沿線各地で本格的な建設工事が進められており、本県におきましても、名古屋駅開削部の用地取得率は9割を超え、また、県内各所で工事が着々と進められております。
 一方、静岡工区では、未だ着工されていない状況にあることから、7月22日、自民党「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」から、リニア中央新幹線の整備に関する意見聴取・意見交換の要請を受け、沿線知事等とともに出席しました。
 私からは、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会の会長として、リニア中央新幹線は、日本の新しい国家の基軸であり、人口減少下にある日本経済を牽引する国家的プロジェクトであることや、名古屋駅のスーパーターミナル化などの本県の取組、静岡工区の早期着工に向けた考えを説明してまいりました。
  そこでの議論を踏まえ、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会9都府県の総意として、早期に静岡工区の課題解決が図られることを強く期待するとの声明を発表いたしました。
  引き続き、本県の更なる成長の基盤となるリニア中央新幹線の早期整備に向けて、沿線地域の皆様とともにしっかりと取り組んでまいります。

 次に、ジブリパークについてであります。
 7月28日、私も出席し、ジブリパークの起工式を開催しました。起工式には、株式会社スタジオジブリの中島代表取締役社長、宮崎常務取締役アニメーション映画監督、株式会社ジブリパークの大島代表取締役社長を始め、ご来賓の皆様方のご臨席を賜り、工事の安全を祈念して鍬入れを行いました。
 全体5エリアのうち、先行して整備する「青春の丘エリア」、「ジブリの大倉庫エリア」及び「どんどこ森エリア」の3エリアについては、 2022年2月までに本体工事を完了し、その後、展示・演示工事を経て、同年秋の開業を予定しております。
 残る「もののけの里エリア」及び「魔女の谷エリア」の2エリアの実施設計についても、ECI方式を採用し、公募プロポーザルの手続きを経て、7月31日、鹿島建設株式会社中部支店を優先交渉権者として、技術協力業務契約を締結したところであり、「夢だけど夢じゃなかった」ジブリパークの実現に向けて、一歩一歩、着実に整備を進めているところであります。
 また、7月22日から9月3日まで、愛知県美術館ギャラリーで開催された「ジブリの“大じゃない”博覧会」では、ジブリパークの建築模型やスケッチ画などを初めて公開したところ、約4万5千人の方々にご来場いただき、大いに盛り上がりました。
  ジブリパークが、日本が世界に誇るスタジオジブリの世界観を表現した唯一無二の公園施設として、将来の長きにわたって、子どもから大人まで多くの方に愛される公園となり、皆様に笑顔あふれる日々をお届けできるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。

 次に、防災対策の推進についてであります。
 令和2年7月豪雨では、九州、中部、東北地方を始め、広範な地域において、多くの人命や家屋、ライフライン、地域の産業等に甚大な被害が発生しました。本県では、発災後直ちに、熊本県などに、災害派遣医療チーム(DMAT)のロジスティックチーム、県警察の広域緊急援助隊等を派遣し、捜索・救助活動などにあたったところであります。
 被災された方々に対しまして、心からお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、被災地域の一刻も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
 近年、全国各地で大規模な災害が発生しており、その経験や教訓を今後の防災対策に活かしていくことが急務となっております。
 昨年の房総半島台風では、長期にわたる大規模な停電や通信障害が発生し、本県においても、一昨年9月の台風第24号で、東三河地方を中心に、最大27万戸の停電が発生したことを踏まえ、電力や通信などのライフラインの速やかな復旧に向けた体制を構築するため、8月4日、中部電力株式会社、西日本電信電話株式会社と「災害時における停電・通信障害の早期復旧に向けた連携に関する協定」を締結しました。
 また、避難所における新型コロナウイルス感染症を含む感染症対策に万全を期すため、感染拡大予防ガイドラインを作成するとともに、市町村と連携した感染防止対策研修を実施したほか、市町村が行う感染防止用資機材の整備や避難所運営研修等の経費を支援するための補正予算案を提出しているところであります。
 さらに、9月1日の防災の日には、職員参集訓練や災害対策本部運用訓練を行い、職員の対処能力の向上を図るとともに、約54万人の県民の皆様に参加していただき、県内全域で、「あいちシェイクアウト訓練」を実施いたしました。
 引き続き、県民の皆様の安全・安心を確保する防災対策にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、部活動全国大会の代替大会についてであります。
 新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりました全国高等学校野球選手権愛知大会の代替として開催された「夏季愛知県高等学校野球大会」では、県内各地の球場で例年に勝るとも劣らない数々の熱戦が繰り広げられ、8月10日に行われた決勝戦は、私も観戦させていただき、最後まで戦い抜いた選手達から大きな感動を与えてもらいました。
 部活動の全国大会が中止となる中、野球以外の運動部活動においても高等学校体育連盟などが主催する代替大会が開催されております。
 新型コロナウイルス感染症対策を講じつつ運営するという特別な大会となりますが、苦難を乗り越えた全ての選手、全ての大会関係者の皆様に感謝するとともに、高校生活の集大成として、生徒やその家族、そして関係者にとって深く記憶に刻まれる大会となるようしっかりと支援してまいります。

 次に、愛知県戦没者追悼式についてであります。
 終戦から75年の節目となる8月15日、愛知県戦没者追悼式を挙行し、戦争により亡くなられた全ての方々と、今日にあっても決して癒されることのない御遺族の皆様の深い悲しみに対し、心から哀悼の意を表しました。
 私からは、現在私たちが享受している平和と繁栄は、あの悲惨な戦争により命を落とされた方々の尊い犠牲と、御遺族の皆様の御労苦の上に築かれたものであることを忘れてはならないことなどを述べるとともに、参列者一同で黙祷を捧げ、全国戦没者追悼式の天皇陛下のお言葉を拝聴しました。
 改めて、戦争の犠牲となられた全ての方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、悲惨な戦争から学んだ教訓と平和の尊さを次世代にしっかりと伝えてまいります。

 次に、国の施策・取組に対する要請についてであります。
 2021年度の政府予算の概算要求に向けて、8月20日に、関係大臣とウェブで面談し、要請活動を実施いたしました。
 西村経済再生担当大臣には、新型コロナウイルス感染症対策の強化について、民間PCR検査機関の地方への拡充、休業要請等に応じた事業者への補償、休業指示に従わない場合の罰則適用、事業活動やイベントの自粛要請等により休業する際の損失補償や協力金の制度化を、要請いたしました。
 また、梶山経済産業大臣には、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける中小企業・小規模事業者等への支援、自動車ユーザーの負担軽減や税体系の簡素化を前提とした自動車税制の在り方の検討、県が取り組む航空宇宙産業振興施策への支援、ロボット産業の振興について、高市総務大臣には、アジア競技大会開催経費への宝くじによる支援、新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動の回復に取り組むための地方一般財源総額の確保・充実、セーフティネットとしての地方交付税総額の増額について、それぞれ要請いたしました。
 引き続き、県政の様々な課題について、国に対して必要な支援や協力をしっかりと働きかけてまいります。

 次に、SDGsの推進についてであります。
 本県は、昨年7月に「SDGs未来都市」に選定され、全庁を挙げた取組を推進しているところでありますが、SDGsの達成に向けて、更なる機運醸成を図るため、来年2月5日、6日に、愛知県国際展示場において、多様な主体が出展するブース展示をはじめ、SDGsの理解を深めるステージイベントや楽しく学ぶワークショップ等を行うSDGs推進フェア「SDGs AICHI EXPO2020」を開催することとしております。
 このため、9月4日に、中部SDGs推進センター、経済・学術団体、NPO、国際機関等を構成員とする実行委員会の設立総会を開催し、私が会長に就任いたしました。
  今後、実行委員会の皆様からご意見をいただきながら、「SDGs AICHI EXPO2020」がSDGsのリードモデルとなるよう、開催準備を着実に進めてまいります。

 次に、新・国際芸術祭(仮称)についてであります。
 2022年の開催に向けて新たな組織体制で行うこととし、9月8日には、運営組織である「新・国際芸術祭(仮称)組織委員会」を新たに設立し、株式会社大林組代表取締役会長である大林剛郎氏に会長に就任いただきました。大林会長は、地元の方々一人ひとりが関心を持って楽しんでいただける、祝祭感あふれる芸術祭にしたいと言われております。
  あわせて、大林会長をサポートするための支援組織として、私が会長を務めます「新・国際芸術祭(仮称)推進協議会」も、新たに設置いたしました。
 新・国際芸術祭(仮称)が、現代美術を基軸とした国内最高峰の芸術祭となり、多くの県民の皆様に親しまれ、この愛知から世界へ向けて文化芸術の魅力を発信できるよう、しっかりと取り組んでまいります。

 次に、愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」の営業再開と「名古屋ものづくりワールド」についてであります。
 愛知県国際展示場は、延床面積約9万uを誇る、我が国初の空港直結型の国際展示場として、昨年8月30日に開業し、1年が経過しました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月、4月には、臨時閉館するなどしましたが、5月に再開されて以来、初めてとなる本格的な産業展示会として、9月9日から11日の3日間にわたり「名古屋ものづくりワールド」が開催され、430社が出展し、工場設備や機械要素技術、計測機器などが披露されました。
 こうした展示会が今後も開催されていくことで、この地域の活力が高まり、産業首都あいち、ひいては日本経済の発展につながるものと考えます。
 引き続き、新型コロナウイルス感染防止対策に取り組みつつ、運営会社と連携し、展示会の再開を後押ししてまいります。

 次に、みかわ牛のブランド力強化についてであります。
 9月11日に、農業団体、和牛肥育農家、食肉業者、食肉販売店と連携し、私を名誉会長とする「みかわ牛銘柄推進協議会」を立ち上げました。
  これまで、農業団体や生産者が中心となり、「みかわ牛」のブランドで品質の良い牛を生産してきましたが、「みかわ牛」のブランド力を強化し、市場評価を高めることで、畜産農家を始めとした業界関係者の収益力の向上などを図ってまいります。
  このため、「みかわ牛」の生産流通体制の活性化を図るための取組を支援するため補正予算案を提出しているところであります。
  今後は、この協議会が中心となって、「みかわ牛」のおいしさなどを消費者にPRするとともに、販売取扱店の拡大などにより、「みかわ牛」を生産者ブランドから食肉販売店を含めたオール愛知のブランドに格上げするなど、ブランド力を強化してまいります。

 次に、2014年度から連続して開催し、7回目となる「あいちアール・ブリュット展」についてであります。
 芸術・文化活動を通じて障害のある方の社会参加と自立を促進するとともに、県民の皆様に障害への理解を深めていただくため、9月17日から22日まで、名古屋市内で「あいちアール・ブリュット展」を開催しております。
 今年は、666点の公募作品に加え、愛知を代表する作家53名の作品を展示するほか、義足のダンサーとして知られる大前光市さんを始め、東海地方の障害のある方を交えて制作した朗読劇の映像作品を上映しております。
 あわせて、障害のある方の芸術的才能の発掘にご協力をいただいている民間事業者と連携し、展示作品から原画を選定して、企業のノベルティグッズを制作する取組も行ってまいります。
 私も、開催初日である昨日、作品を鑑賞してまいりましたが、今年も個性豊かな素晴らしい作品に出会い、感銘を受けたところであります。
 新型コロナウイルス感染症対策もしっかり講じておりますので、ぜひ、多くの県民の皆様にご鑑賞いただき、障害のある方の「芸術のチカラ」を直に感じていただきたいと思います。

 次に、交通安全対策の推進についてであります。
 本県の交通事故死者数は、昨年、全国ワースト1位を脱したものの、今年に入ってからは交通死亡事故が多発するなど、厳しい状況が続いております。
  特に、高齢者の方々の歩行中や自転車乗用中の事故が多発していることから、9月16日には、「高齢者交通安全広報大使」に就任していただいた、本県出身の俳優・松平健さんとの対談を通じて、夜間の事故防止に効果的な反射材の着用や、高齢者の安全運転を支える安全運転サポート車の活用を呼びかけたところであります。
  さらに、県内の交通事故の現状や自転車の安全利用に関する県民意識の変化などを踏まえ、自転車が関わる交通事故を防止するため、乗車ヘルメット着用や自転車保険加入の促進、交通安全教育の推進などを規定した、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の制定に向けた検討を進めているところであります。
 9月20日には「秋の全国交通安全運動」がスタートします。悲惨な交通事故を1件でも減少させるため、引き続き、県警察、市町村及び関係機関の皆様とより一層連携し、総力を挙げて交通事故抑止に取り組んでまいります。
 
 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げたいと存じます。

 まず、補正予算案についてであります。
 補正予算案の総額は、804億6,972万余円でございまして、会計別では、一般会計で804億4,072万余円、特別会計で2,900万円を増額補正するものであります。
 補正予算案の主な内容でございますが、はじめに、歳入についてであります。
 これは、先に申し上げましたとおり、本年度の県税及び地方譲与税について、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予算額を下回る見込みとなるため、県税のうち法人事業税を200億円、地方譲与税のうち特別法人事業譲与税を200億円、合わせて400億円を減額するものであります。
 この県税等の減額には、地方交付税の決定増及び県債の増額を合わせて400億円の財源を確保することで対応いたします。
  このように、現下の税収環境は、極めて厳しい状況にございますが、新型コロナウイルス感染症対策を始め、県民の皆様の生活や安全・安心をしっかりと守っていけるよう国庫補助金等も活用しつつ、補正予算案には、必要な事業を計上しております。

 まず、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、総額719億余円、外に債務負担行為240億余円を計上いたします。この結果、昨年度2月補正予算から今回の9月補正予算案までの累計額は2,595億円、債務負担行為1,201億円となります。
 感染拡大防止や医療面での対策としましては、PCR検査体制の更なる強化を図るため、藤田医科大学などへのPCR検査業務の委託及び検査機器整備に助成するとともに、先に申し上げましたとおり、岡崎市立愛知病院を活用して、新型コロナウイルス感染症専門病院を設置・運営するほか、重点医療機関等の病床確保経費や高度医療向け設備の整備について支援してまいります。
 さらに、新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行する場合を見据え、医療機関の負担軽減を図るため、市町村が実施する高齢者等に対するインフルエンザワクチンの定期接種事業や、あん摩マッサージ指圧師等の施術所が実施する感染拡大防止の取組を支援してまいります。
 県民生活への対策としましては、休業や失業により収入が減少した世帯への生活資金の貸付けを行うための経費を増額するほか、県立高等学校・県立特別支援学校におけるICT環境を整備してまいります。
 経済対策としましては、事業者の資金繰りを支援するため、実質無利子・無担保・保証料ゼロの融資制度である「新型コロナウイルス感染症対応資金」の融資枠を拡大いたします。
 また、感染症対策に資する新サービス・新商品の開発及び販路拡大に取り組む中小企業や、商店街のプレミアム商品券発行事業について支援するほか、地場産業につきましては、消費喚起や販路拡大に取り組むとともに、来年11月に、愛知県国際展示場での開催が決定した「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」に向け、基本計画の策定を進めてまいります。
  さらに、山車まつり保存団体が実施する感染拡大防止対策、祭礼・練習に要する経費を支援するほか、観光消費の回復を図るため、旅行商品の割引に加え、県内のホテル・旅館が実施する衛生管理改善設備の整備を支援するとともに、旅行時における感染防止のための留意事項の普及啓発を行ってまいります。
 また、県産のウナギ、ニジマス、シラスを学校給食食材として提供し、県内漁業者等を支援するほか、県産木材を使用した住宅建築への支援や、飛沫防止間仕切りなどの「新しい生活様式」に対応した県産木材製品の開発・PRによる県産木材の需要拡大対策、運転資金の融資の無利子化など、林業・木材産業者を支援してまいります。
 さらに、必要な感染症対策を行った上で、運行している鉄軌道事業者や路線バス事業者に対して支援してまいります。

 次に、新型コロナウイルス感染症対策以外の補正予算案の内容であります。
 大規模災害時に、全国からの応援人員や物資等を円滑に受け入れ、被災現場や地域の防災拠点に迅速かつ的確に供給するための「後方支援を担う新たな防災拠点」につきましては、名古屋空港北西部を候補地として、整備する建物や公園施設の概要、アクセス道路等の諸条件、PFIの導入可能性について、調査検討などを進めてまいります。

  次に、建設事業につきましては、道路舗装の修繕や河川の浚渫、護岸の改修や治山事業などの単独事業と合わせて、国庫補助の内示増に伴う公共事業といたしまして、幹線道路等の整備、砂防事業、漁港事業等の地震・防災対策、公園整備事業などについて追加計上いたします。
 さらに、県内の厳しい交通事故情勢を踏まえ、緊急交通安全対策として、事故が多発する交差点の道路標示・標識の更新や、信号灯器のLED化に要する経費について計上し、交通事故の抑止に努めてまいります。
 
 次に、補正予算案以外の議案についてであります。
 今回提案をいたしております案件は、条例関係議案が7件、その他の議案が18件でございます。
 まず、条例関係議案として、愛知県新型コロナウイルス感染症対策推進条例の制定についてであります。
 これは、先に申し上げましたとおり、今後も、引き続き感染拡大を防止するとともに、的確かつ迅速に感染症対策を講じていくために制定するもので、県、県民、事業者の責務や県独自の対策本部が設置できることなどを定めるほか、県独自の緊急事態宣言の発出や、重症化の危険性が高い者等への適切な配慮について、全国で初めて条例で規定してまいります。

 また、人事案件でございますが、教育委員会の委員、監査委員及び土地利用審査会の委員の任期満了に伴いまして、その後任者をそれぞれ選任するものでございます。
 
 以上、提案をいたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては、議事の進行に伴いましてご説明申し上げたいと思います。
 なお、令和元年度一般会計及び特別会計並びに公営企業会計決算につきましては、監査委員の審査意見を付しまして提出いたしております。
 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願いを申し上げます。