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県議会知事提案説明

令和5年2月定例県議会 知事提案説明要旨


  今議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、知事就任のご挨拶と所信の一端を申し述べ、県議会並びに県民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。
  私は、去る2月5日の知事選挙におきまして、県議会の皆様と大変多くの愛知県民の皆様に熱いご支持をいただき、引き続き、知事として愛知県政の舵取りを担うこととなりました。改めてその責任の重大さに身が引き締まる思いです。
  この上は、県民の皆様方から寄せられました熱い期待と信頼にしっかりと応え、愛知のさらなる発展に向けて、引き続き県政運営に全力で取り組んでいく所存です。重ねて、議員の皆様方、県民の皆様方のご支援とご協力を心よりお願い申し上げる次第でございます。
  さて、私は、「日本一元気な愛知をつくる」という決意の下、3期12年間、全力で県政運営に取り組んでまいりました。
  県民の皆様のご理解とご協力をいただき、新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組み、県民の皆様の生命と健康を守るとともに、社会インフラの整備を着実に進め、日本一の産業力を強化してまいりました。その結果、愛知の県内総生産GDPは、12年前の2010年度から21%伸びて41兆円となり、一人当たり県民所得は東京に次ぐ全国2位となりました。あわせて、愛知を支える教育・医療・福祉・女性の活躍・子ども子育て支援・高齢者・障害者福祉など、人づくりを大きく前進させることができました。
  続く4期目の4年間は、その勢いを加速して、日本一元気な愛知をつくり、日本の未来をつくってまいります。
  継続は力です。新型コロナウイルス感染症を克服し、愛知の経済・産業力を更に強くする。若者・女性・高齢者・障害者の雇用・活躍につながり、人づくりが進み、地域が元気になるという、愛知の今のいい流れ、好循環を更に前進させ、「働くことを軸とする安心社会」を愛知からつくってまいりたい。
  そうした思いを念頭に、今後とも、議会の皆様と県民の皆様のご理解とご支援をいただきながら、県政運営に全力で取り組んでまいりますので、引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。

  はじめに、2月6日にトルコ南東部で発生した地震について一言申し上げます。
  この地震により、同国を中心に甚大な被害が発生しています。こうした中、同国の皆様を早急に支援するため、見舞金を贈呈することとし、2月9日に、在名古屋トルコ共和国総領事館を訪問して、総領事に目録をお渡ししました。併せて、平和で安全な日々が訪れることを願いながら、記帳をしてまいりました。被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

  次に、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
  本県では、2020年1月末に、初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が発生してから、この2月で、丸3年が経過しました。
  この間、新型コロナウイルス感染症は、感染力がより強い変異株へと置き換わりを繰り返し、8つの大きな波として推移してきました。
  この秋冬には、第8波に入り、その終息に向け、県独自の感染防止対策を講じてまいりました。
  ・12月8日から2月19日までは、「医療ひっ迫防止緊急アピール」
  ・2月20日からは、「厳重警戒」
での感染防止対策をお願いしていますが、感染状況が一段と落ち着いてきていることから、2月27日からは、「警戒領域」に移行します。
  なお、マスクの着用については、学校では、卒業式及び入学式のマスク着用の緩和に続き、4月1日からは、マスクの着用を求めないことを基本とします。一般の方についても、3月13日から、マスクの着脱について、個人の判断に委ねることとします。
  また、新型コロナウイルス感染症は、5月8日から感染症法上の分類を、季節性インフルエンザと同じ5類感染症に移行することとしています。しかしながら、弱毒化しているとはいえ、季節性インフルエンザに比べ、感染力は強く、重篤化する可能性もより高いという指摘もありますので、引き続き、県内の医療提供体制に万全を期してまいります。そのための新型コロナウイルス感染症対策予算として、2023年度当初予算において2,585億円を計上しています。
  引き続き、オール愛知一丸となって、安心な日常生活と活力ある社会経済活動を取り戻していくことができるよう、皆様一人ひとりのご理解とご協力をお願いします。

  次に、地方選挙の執行に関する要請についてです。
  2月8日、自由民主党梶山幹事長代行、森山選挙対策委員長、公明党山口代表、立憲民主党岡田幹事長、国民民主党玉木代表に、知事選挙後のご挨拶とともに、受験シーズンと重なる地方選挙について、その実情を踏まえての適切な対応を要請しました。
  本件については、4年前に全国知事会でも要請しましたが、1月から3月までに執行される選挙は、18歳になる高校生にとって、人生を賭けて挑む極めて重要な受験の時期と重なります。
  このような時期の選挙執行は、一生懸命勉強に取り組む受験生に対し、受験に専念したい中で投票に行かなければならないと葛藤させ、深刻に悩ませるものであり、極めて問題が大きいものと考えます。
  受験の時期を動かすことが現実的には難しいということであれば、こうした時期を極力避けて選挙を執行することが、高校生を始めとした青少年の健全育成に努める責務がある我々大人の責任です。
  この問題を早急に国会において議論していただき、任期満了に伴う地方選挙は、1月から3月半ばまでの間は執行せず、その前後の時期に執行できるよう、特別な立法措置を講じることを、引き続き、強く求めてまいります。議員各位のご理解を何卒よろしくお願いいたします。

  次に、航空機産業への支援についてです。
  2月7日に、三菱重工業の第3四半期決算発表において、三菱スペースジェットの開発中止が表明されました。
  私は、我が国が航空機の完成機事業を有する意義は非常に大きく、将来の航空機産業の発展のために成し遂げなければならない重要なプロジェクトとして、大いに期待しておりましたので、今回の発表は大変残念です。
  また、今回の開発中止の結果、多くの関係者に多大な影響を及ぼしたことについては、大変遺憾に思います。
  先行投資を行ったサプライヤーへの対応について、三菱重工業へは、丁寧な対応をお願いしたいと思います。本県としても、大変大きな影響を受ける中小企業等に対しては、引き続き、きめ細かな支援を行ってまいります。
  翌2月8日には、西村経済担当大臣に対して、航空機産業への支援を要請してまいりました。
  航空機産業は、最先端の技術が結集されており、また、技術分野の裾野が広い産業であることから、我が国の産業全体の技術力・競争力の強化に大きく寄与する重要な産業です。
  本県としましては、自動車産業に次ぐ第二の柱として、本県が中心となり、名古屋市始め地域の行政、産業振興機関、業界団体及び大学で構成する「あいち・なごやエアロスペースコンソーシアム」を核に、地域一体となって、引き続き航空機産業を支援してまいります。

  次に、H3ロケットの打ち上げについてです。
  2月17日に、H3ロケットの打ち上げが試みられましたが、残念ながら補助の固体ロケットブースタに着火しないというトラブルが起き、飛び立つことができませんでした。
  ただ、本体はそのまま残っていますので、来月10日までに、再び打ち上げがなされるということです。
  多くの宇宙産業関係者の期待を集めていた、このH3プロジェクトですが、そのエンジンを始め多くが、宇宙航空研究開発機構・JAXAと三菱重工業との共同プロジェクトにより、この愛知で作られています。そういったことを含め、愛知県は、航空宇宙産業の集積の要です。大変多くの皆様も期待していますので、今回のトラブルの状況をしっかりと検証していただいて、打ち上げの再チャレンジにおいては、是非とも成功していただけるよう、大いに期待をしたいと思っています。

 それでは、愛知県政を取り巻く最近の状況について申し上げます。
 
 まず、国政の状況等についてです。
  国においては、経済財政運営で、物価高を克服しつつ、新しい資本主義の旗印の下、社会課題の解決に向けた取組を成長のエンジンへと転換し、我が国経済を民需主導で持続可能な成長経路に乗せていくとしています。
  本県においても、引き続き、愛知独自のスタートアップ・エコシステムの形成を促進し、愛知発のイノベーションを次々と生み出す「国際イノベーション都市」を目指してまいります。

  次に、「STATION Ai起工式」についてです。
  1月6日には、名古屋市公会堂において、「STATION Ai起工式」を開催し、須﨑議長、内閣府の鈴木大臣政務官を始め、約40名のご来賓の皆様にご臨席を賜り、工事の安全を祈念して鍬入れを行いました。
  今後は、2024年10月のオープンに向け、工事を着実に進めていくとともに、先行して設置したPRE-STATION Aiを最大限活用し、本県とSTATION Ai株式会社が一体となったスタートアップ支援施策を展開してまいります。

  次に、大河ドラマ「どうする家康」についてです。
  1月8日の「どうする家康」初回放送を、岡崎市内のパブリックビューイング会場で観覧させていただきました。会場では、主演の松本潤さんや、瀬名役の有村架純さんら出演者によるトークショーも行われ、大いに盛り上がました。
  1月18日には、愛知・名古屋の玄関口であるJR名古屋駅中央コンコースにおいて、家康公ゆかりの地や交通アクセスなどの情報を案内するインフォメーションセンターを開設するとともに、1月21日からは、岡崎市の大河ドラマ館のオープンに合わせ、県内160か所の武将ゆかりの地を巡る周遊デジタルスタンプラリーも開始しています。
  さらに、来月には、首都圏でのPRイベントや、愛知県芸術劇場でのトークショーの開催も予定しています。
  「どうする家康」の放送を機に、関係者と連携して本県の武将観光を全国にPRし、県外からの観光誘客の拡大と、県内各地を巡る周遊観光の促進にしっかりと取り組んでまいります。

  次に、関東東海花の展覧会についてです。
  1月27日から29日までの3日間、東京のサンシャインシティ文化会館において、国内最大の花きイベントである「第71回関東東海花の展覧会」を本県はじめ1都11県等の主催で開催しました。
 展覧会初日には、秋篠宮皇嗣殿下、同妃殿下、佳子内親王殿下、彬子女王殿下にご観覧を賜り、県産の花をふんだんに使った特別展示などを、私が、展覧会会長としてご案内させていただきました。特に、秋篠宮皇嗣殿下は、花に造詣が深く、かがり弁ぎく、カラーリングマム、洋らん、観葉植物等について、熱心に、私の説明をお聞きいただきました。また、愛知の花の日本一の原点は、とのご質問に対し、私から「今から60年以上前の電照菊の生産から始まって、改良に改良を積み重ね、今日の愛知の日本一の花の生産があります。」とお答え申し上げました。殿下からは、かつて電照菊をご視察いただいたお話を頂き、大変光栄でありました。
  展覧会期間中、1万5千人を超える皆様にご来場いただき、首都圏の方々に「花の王国あいち」を大いにPRすることができました。
  今後も、あいちの花を暮らしの中に取り入れる「花いっぱい県民運動」を展開するとともに、農産物をはじめとした愛知の魅力を積極的に発信してまいります。

  次に、交通安全対策です。
  昨年の交通事故死者数は137人で、4年連続で全国ワースト1位を回避することができましたが、前年比では、プラス20人と、大幅な増加に転じております。
  今後とも、悲惨な交通事故による犠牲者を1人でも減らせるよう、県、県警察、市町村、関係機関の連携による啓発の実施や、県警察による取締りの強化等を通じ、県民総ぐるみで交通事故抑止に取り組んでまいります。

  それでは、2023年度当初予算編成について、ご説明いたします。
  世界は、グローバル化やデジタル化の加速度的な進展、カーボンニュートラルを目指す潮流などにより、大きく変化をしています。愛知県がこれからも、日本の成長エンジンとして、日本の活力を生み出していくためには、こうした時代の波を乗りこなし、イノベーション創出に向け挑戦していかなければなりません。2023年度も、海外の有力スタートアップ支援機関等との連携強化を図りながら、愛知の強みである分厚い集積を誇るモノづくり産業と融合した愛知独自のスタートアップ・エコシステムの形成を促進し、愛知発のイノベーションを次々と生み出す「国際イノベーション都市」を目指してまいります。
  また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立を図りながら、社会インフラ整備、農林水産業の振興、教育・人づくり、女性の活躍、医療・福祉、環境、雇用、多文化共生、防災・交通安全、東三河地域の振興など、県民の皆様の生活と社会福祉の向上に力を注いでまいります。
  2023年度、ジブリパークでは、「もののけの里」と「魔女の谷」の2エリアが開園します。この第2期オープンに向け、万全の準備を進め、「ジブリパークのある愛知」の魅力を国内外に向けて発信してまいります。
  また、ジブリパークの開園に続いて、2024年10月オープンを目指す「STATION Ai」を始め、2025年度の愛知国際アリーナ、基幹的広域防災拠点のオープン、2026年度のアジア競技大会・アジアパラ競技大会の開催、2027年度のリニア中央新幹線開業、中部国際空港第二滑走路の供用開始など、日本の未来を形作るビッグプロジェクトを成功に導き、跳び上がる兎のように愛知を更に飛躍させていく。そうした思いを込めて、2023年度当初予算は、『跳躍飛躍』予算として編成させていただきました。
  2023年度当初予算については、新型コロナウイルス感染症対策に加え、選挙で県民の皆様にお示しした4年間の政策集「あいち重点政策ファイル360プラス1」と、「あいちビジョン2030」に掲げた重要政策の方向性を踏まえ、それを具現化する施策を、15の柱に沿って整理させていただきました。
  それでは、この柱立てに沿いまして、主要な事業を説明させていただきます。
  なお、具体的内容については、できる限り簡潔明瞭に申し上げますので、ご理解をお願いいたします。

◎ 新型コロナウイルス感染症の克服
  まず、「新型コロナウイルス感染症の克服」です。
  新型コロナウイルス感染症対策については、これまで、「感染拡大防止や医療面での対策」、「県民生活への対策」、「経済対策」を3つの柱に、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けて、県民の皆様を始め関係者一丸となり、全力で取り組んでまいりました。
  引き続き、新型コロナウイルス感染症の克服に向けて、感染状況を的確に把握・分析しながら、適時適切に必要な対策を講じてまいります。

  まず、感染拡大防止や医療面での対策です。
  ・病床確保や医療機器等の整備に要する経費を支援し、最大2,540床、うち重症病床210床を確保
  ・陽性患者の転院の受入れや分娩対応を行う医療機関のほか、年末年始等の長期に休診となる期間に臨時に診療・検査を行う医療機関等を本県独自に支援
  ・軽症者等が療養を行う宿泊療養施設を運営
  ・自宅療養者に対する配食サービス、入院搬送体制を確保
  ・自宅療養者等の医療費の本人負担分を公費で負担
  ・自宅療養者への往診や訪問を行う医療機関等に対し、上乗せで交付金を支給
  ・PCR検査については、医療機関などでの行政検査に係る本人負担分を公費で負担
  ・大学等にPCR検査を委託し、1日あたり約97,000件の検査能力を確保
  ・高齢者施設等職員へのスクリーニング検査を実施
  ・感染拡大傾向時における感染不安を感じる無症状者等のPCR等検査費用を無料化
  ・ワクチン接種については、引き続き、接種体制の確保を図るとともに、接種を行う医療機関を支援
  ・ワクチン接種の副反応に関する専門相談窓口を設置するとともに、副反応を発症した県民に対し、本県独自の見舞金を支給
  ・入院医療機関に対する本県独自の応援金を交付
  ・第2次救急医療を担う医療機関向けの本県独自の無利子・無担保の融資制度を実施
  ・感染者が発生した介護事業所、障害福祉サービス施設等における消毒液、マスク等の衛生用品の購入などを支援
  ・特別支援学校のスクールバスの増車を継続し、乗車定員を少人数化

  次に、県民生活への対策です。
  ・社会生活や経済活動に不安を抱いている方や、様々な悩みを抱える児童・生徒の心のケアを行うため、SNS等を活用した相談を実施
  ・全ての県立学校に整備した一人一台タブレット端末により、ICT教育を推進
  ・不登校を経験した生徒たちを対象に民間学習支援サービスを活用
  ・小中学校にスクール・サポート・スタッフや学習指導員を配置

  次に、経済対策です。
  ・中小企業への制度融資について、「創業等支援資金」のメニューに個人保証を必要としない「経営者保証免除」を創設するほか、「サポート資金」のメニューに「伴走支援」を創設
  ・中小企業等が取り組むポストコロナ社会における新サービス・新製品の開発及び販路拡大を支援
  ・商店街が行う集客イベント等や、市町村が実施するプレミアム商品券発行事業に対する支援を拡充
  ・社会保険労務士や臨床心理士による専門労働相談を実施

◎ With/Afterコロナを見据えた成長戦略
  次に、「ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた成長戦略」です。
  日本が世界に誇るスタジオジブリ作品の世界観を表現した唯一無二の公園施設「ジブリパーク」の魅力やブランド力、「STATION Aiプロジェクト」で進めている、海外の主要な大学やスタートアップ支援機関との連携による国際的なイノベーション創出拠点の形成により、世界中から最先端の技術・サービス、人材を愛知に呼び込み、新時代を担う人材の発掘・育成を進めてまいります。

  まず、「ジブリパークの整備推進」です。
  ・2023年度に「もののけの里」と「魔女の谷」の整備工事及び演示工事が完了し、ジブリパーク全5エリアが開園
  ・愛・地球博記念公園では、「魔女の谷のみえる展望台」と、展望台へのバリアフリー経路となる昇降設備を整備
  ・「もののけの里」の近くに映画「猫の恩返し」の猫王の城をモチーフにした遊具を整備
  ・「ネコバス」をイメージしたモビリティの運行に向けた協議を開始
  ・公園北側の駐車場を整備
  ・ジブリパークに国内外から訪れる多くの来場者を、県内各地での宿泊や周遊観光へ誘導する、PR・プロモーションなどを実施

  次に、「STATION Aiプロジェクトの推進」です。
  ・「STATION Ai」を始めとした「Aichi-Startup戦略」に基づく取組を強力に推進
  ・「革新事業創造戦略」に基づき、産学官金の多様な主体からのイノベーション創出に向けた提案を受け付ける「革新事業創造提案プラットフォーム(愛称:A-idea(アイディア))」を運営
 民間主導で行われるプロジェクトに対する補助制度を創設
  ・「STATION Ai」について、2024年10月の開設に向けた施設整備を推進
  ・本県ゆかりの創業者や経営者の業績などを伝える「産業偉人展示施設」の整備に向け、実施設計、展示物製作及び関連工事を実施
  ・「PRE-STATION Ai」においては、引き続き統括マネージャー等を配置し、スタートアップの成長段階に応じた支援事業を集中的に展開
  ・海外の主要な大学やスタートアップ支援機関との連携事業をより一層加速
  ・新たにユニコーン企業創出に向けて、ディープテック系スタートアップに対し、総合的な支援を実施
  ・スタートアップへの就労希望者等の人材プールを構築
  ・STATION Aiパートナー拠点として位置づけた「東三河スタートアップ推進協議会」を支援するため、統括マネージャーの配置を継続
  東三河以外の県内各地域でも、統括マネージャーを増員し、地域への支援を強化
  ・「あいち農業イノベーションプロジェクト」を推進
  ・「あいちデジタルヘルスプロジェクト」の基本計画を策定

  次に、人を呼び込むための社会インフラの整備と仕掛けづくりです。
  人の往来が戻るアフターコロナの世界に備え、リニア中央新幹線の推進、中部国際空港の将来構想の推進、国際展示場の最大限の活用、アジア・アジアパラ競技大会の推進、愛知国際アリーナの整備、官民におけるDXの推進、カーボンニュートラルの実現など、人を呼び込むための社会インフラの整備と仕掛けづくりを進めます。

  まず、「リニア中央新幹線の推進」です。
  リニア大交流圏の玄関口となる名古屋駅について、名古屋市と連携しながら、わかりやすい乗換空間の形成等によるスーパーターミナル化を推進します。

  次に、「中部国際空港の将来構想の推進」です。
  2023年度は、2027年度を目途とした現空港用地内での第二滑走路の供用開始を目指し、中部国際空港株式会社が行う配置計画策定、環境影響評価調査に対して、財政的な支援を引き続き実施します。

  次に、「国際展示場の最大限の活用」です。
  ・愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」の運営権対価を原資とする展示会産業振興基金を財源として官民連携による催事の開催を支援
  ・スマートシティに関連する次世代技術をテーマとした産業展示会を新たに開催
  ・「SDGs AICHI EXPO 2023」を開催
  ・欧州最大級の国際産業展「グローバル・インダストリー」の日本版である「SMART MANUFACTURING SUMMIT BY GLOBAL INDUSTRIE」の開催を支援
  ・2030年に導入が見込まれる5G等デジタル技術を活用した近未来の事業・サービスについて、2025年度を目途に実装を目指す「あいちデジタルアイランドプロジェクト」を推進
  ・「スーパーシティ」構想実現に向けた官民連携の推進組織の運営や先端的サービスを検討

  次に、「アジア・アジアパラ競技大会の推進」です。
  ・アジア・アジアパラ競技大会の運営に関する個別の運営計画の作成、競技会場仮設施設の基本設計、中国・杭州大会に合わせたPRや開催機運醸成の取組を推進
  ・名古屋競馬場跡地の後利用に向けた基盤整備を推進
  ・競技会場となる市町村の施設整備を支援
  ・「アジア・アジアパラ競技大会基金」への積立を実施

  次に、「愛知国際アリーナの整備」です。
  2025年夏のオープンに向けて、PFI手法に基づき、設計・建設及び維持管理・運営を一体として実施する「BTコンセッション方式」により整備を推進します。

  次に、「官民におけるDXの推進」です。
  ・新たに電子契約を導入
 ・「元気な愛知の市町村づくり補助金」における市町村のデジタル化・DXを推進する補助メニューにより、市町村の取組を支援
  ・市町村が事務で使用するシステムについて、国が定める標準化基準に適合したシステムへの移行を支援
  ・産業分野では、情報セキュリティ対策等を支援するとともに、中小企業を対象に新たにノーコードツールを活用できるスキルを習得する研修を実施
  ・「あいちテレワークサポートセンター」において、中小企業等におけるテレワークの導入・定着を支援

  次に、「カーボンニュートラルの実現」です。
  ・「あいち地球温暖化防止戦略2030(改定版)」に基づき、中小企業の脱炭素経営の支援や、県有施設へのPPA方式による太陽光発電設備導入を検討
  ・「あいちカーボンニュートラル戦略会議」を開催
  ・「矢作川カーボンニュートラルプロジェクト」については、実現できるものから順次、事業化
  ・植林や森林整備などによる二酸化炭素の吸収量をクレジット化する「森林クレジット制度」の導入に向けた調査等を実施
  ・名古屋競馬場跡地の後利用における「まちづくり」において統一的に木造・木質化を図る先導的な取組を支援
  ・衣浦港、三河港において「カーボンニュートラルポート」形成計画を策定
  ・「県営名古屋空港脱炭素化推進計画」を策定
  ・パワーアップ資金「カーボンニュートラル」により、中小企業におけるカーボンニュートラルの実現に向けた取組を支援

◎ 予算の重点事項
  続いて、予算の重点事項を13の柱に沿って説明いたします。

(1) 「リニア大交流圏」の形成
 まず、「『リニア大交流圏』の形成」です。
  ・名豊道路や西知多道路、三遠南信自動車道などの高規格道路を始めとした道路ネットワークの整備を推進
  名古屋高速道路の都心アクセス向上などの取組を推進
  ・地域の皆様の生活に密着する道路や山間道路などの整備
  ・名古屋港、衣浦港、三河港について、「愛知県港湾物流ビジョン」に基づき、港湾物流機能を強化
  ・「あいち交通ビジョン」に基づき、持続可能な公共交通の確保・充実に向けた基本方針や目標等を定める「地域公共交通計画」を策定
  ・「MaaS」の導入に向け、ジブリパークが開園した名古屋東部丘陵地域に加え、新たにセントレアを中心とする知多地域において、実証実験を実施
  ・地域バス事業者が行う交通系ICカードシステムの整備に対して、新たに沿線市町と連携して支援
  ・JR名古屋駅のホームドア設置を支援
  ・JR刈谷駅のホームの拡幅やコンコース拡大などを支援
  ・地域鉄道事業者が鉄道輸送の安全性を確保するために行う施設整備に対して、沿線市と連携して支援
  ・「スマートシティ」のモデルとなる市町村の取組を支援

(2) 産業首都あいち
  次に、「産業首都あいち」です。
  ・「中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議」において、水素・アンモニアのサプライチェーン構築及び利活用を推進する普及啓発等を実施
  ・本県独自の補助制度により、水素ステーションの整備や燃料電池フォークリフトの導入を支援
  ・自動運転については、中部国際空港島やその周辺地域、公園などの集客施設、都心部の名古屋市内において実証実験を実施
  ・西尾次世代産業地区、知多大興寺(2期)地区、豊明柿ノ木地区、幸田須美地区において、引き続き工業団地の造成を進めるとともに、新たにあま方領地区の造成に着手
  ・厳しい状況にある航空機産業に対し「あいち・なごやエアロスペースコンソーシアム」において、需要回復後を見据えた中小サプライヤーの競争力強化支援や新規受注獲得に向けた集中的なハンズオン支援を新たに実施
  ・「ロボカップアジアパシフィック2021あいち」のレガシーとして、「高校生ロボットシステムインテグレーション競技会」を開催
  ・「知の拠点あいち重点研究プロジェクトⅣ期」を実施
  ・産業空洞化対策減税基金による補助制度については、この11年間で企業立地・再投資の分野で452件の補助対象案件を採択し、総投資額7,395億円、約6万6千名の雇用維持・創出
  研究開発・実証実験の分野では、11年間で832件の補助対象案件を採択し、高付加価値のモノづくりを拡大
  2023年度は、基金に40億円を積み立て
  「新あいち創造研究開発補助金」の成果を一堂に集めた展示会を「Aichi Sky Expo」で開催
  ・商工会・商工会議所がキッチンカーや移動販売車を導入し、地域の特産品を活用した商品の販路開拓などを行う取組を引き続き支援
  ・「商店街の未来を拓くプロジェクト」を継続
  ・商工会・商工会議所を始めとした支援機関向けセミナーを新たに開催
  ・「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」のレガシーとして、新たにインターンシップを活用した後継者確保を支援

(3) 農林水産業の振興
   次に、「農林水産業の振興」です。
  ・本県独自の「あいち型産地パワーアップ事業費補助金」により、農業施設の整備や、スマート農業機械の現場導入への支援を拡充
  ・「あいち花マルシェ2023(仮称)」を開催し、60年連続花き産出額全国1位を誇る愛知県の花きの魅力を全国に発信
  ・鳥インフルエンザや豚熱の感染防止のため、野生動物侵入防止柵、防鳥ネット等の設置を支援
  鳥インフルエンザにより深刻な影響を受けた農家へ借入利息の無利子化等の経営支援を実施
 豚熱対策として、飼養豚へのワクチン接種のほか、野生イノシシの捕獲や経口ワクチンの散布を実施
  ・小牧市内で整備している畜産総合センター新種鶏場を本年3月に供用開始
  ・ICTを活用したスマート林業を推進
  ・大径化した木材の有効利用を図るため、外国産材に依存している横架材の県産木材への転換に向けた取組を実施
  新たに「あいち木造・木質化サポートセンター」を設置
  ・「木の香る都市づくり事業」によりPR効果の高いモデル的な施設の木造・木質化を支援
  ・2024年に第70回全国植樹祭5周年記念事業を実施するため、開催に向けた準備を実施
  ・水産業については、「愛知県漁業振興計画」に基づき、干潟・浅場の造成や貝類増殖場の整備等を推進
  栽培漁業センターにおける新たな種苗生産棟の建設に向けた実施設計に着手

(4) 次代を創る教育・人づくり
  次に、「次代を創る教育・人づくり」です。
  まず、「教育立県あいち、人財創造あいち」です。
  ・小学校第1学年から第4学年、中学校第1学年で実施している35人学級を、本県独自に小学校第5学年に拡充
  ・「県立高等学校再編将来構想」に基づき、稲沢・稲沢東・尾西高校を統合し2023年度に開校する稲沢緑風館高校や、津島北・海翔高校を統合し2025年度に開校する新校の施設整備を推進
  ・中高一貫教育の導入について、2025年度の開校を目指す第一次導入校として、明和高校、半田高校、津島高校及び刈谷高校の敷地内に必要となる中学校用施設についての実施設計及び建設工事を実施
  明和高校では、合わせて音楽棟、音楽ホールの設計・工事に着手
  2026年度の開校を目指す第二次導入校として、時習館高校、豊田西高校及び西尾高校の敷地内に必要となる中学校用施設についての基本設計及び実施設計に着手
  ・三谷水産高校の実習船「愛知丸」を更新するため、建造工事に着手
  ・公立高校入試において、2024年度入学者選抜からWeb出願を導入するため、関連システムを運用
  ・市町村が実施する部活動の地域移行を進めるための実証事業を実施
  ・スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を拡充
  校内教育支援センター(校内フリースクール)を中学校2校に設置
  ・春日井高校の校舎の改築に向けて設計・工事に着手
  すべての普通教室棟、管理棟及び一部の特別教室棟にある湿式トイレについて、2023年度中に洋式化や床の乾式化を実施
  これで、5年計画分はすべて完了ということです。
  ・総合教育センターについては、岡崎市内に移転するための実施設計に着手
  ・私学助成については、高等学校及び専修学校高等課程の授業料及び入学納付金について、引き続き年収720万円未満の世帯まで実質無償化
  経常費補助金では、幼稚園について、バス添乗員等の外部人材等の配置に係る経費に対して補助する制度を創設
  施設設備整備費補助金の補助対象に、ICT機器のレンタル・リースによる整備を新たに追加
  ・教員OBなどの地域住民の協力により学習支援を行う「地域未来塾」の活動を支援
  外国人を対象とした日本語学習支援の実施地域を拡充

  次に、「グローバル人材の育成・獲得」です。
  ・外国語指導助手の活用による高校生の英語力強化や専門高校生の海外インターンシップなどを通じて、グローバル人材を育成
  ・外国人留学生の県内企業でのインターンシップや本県の魅力を発信し地域への定着を図るイベントの開催

(5) 安心と支え合いの福祉・社会づくり
  次に、「安心と支え合いの福祉・社会づくり」です。
  まず、「子ども・子育て支援」です。
  ・「子どもが輝く未来へのロードマップ」に基づき、生活困窮世帯等の子どもの学習・生活支援や子ども食堂の開設支援
  ・「子どもが輝く未来基金」を活用し、「児童養護施設入所児童等の自立支援」や「子ども食堂の支援」の取組を実施
  ・認定こども園・幼稚園・保育所、市町村が認可する地域型保育事業への給付を行うとともに、幼児教育・保育の無償化にも対応
  放課後児童クラブの設置促進など、子育て支援事業を着実に推進
  ・潜在保育士の就職を支援するとともに、保育士の負担軽減を図る保育補助者等を雇用する経費に対して助成
  ・身近な地域でのヤングケアラー支援体制の整備に向けた市町村モデル事業を実施するとともに、コーディネーターを配置
  ・愛・地球博記念公園において婚活イベントを開催するとともに、出会いサポートポータルサイト「あいこんナビ」により、結婚支援の取組を積極的に推進
  ・妊婦・子育て家庭への経済的支援及び伴走型相談支援を行う市町村の取組を支援
  ・児童福祉司や児童心理司を増員するとともに、弁護士との連携による相談体制の確保やSNSによる相談を実施
  ・施設に入所する児童等の意見を調査審議する機関の設置など、社会的養護下にある児童の意見を受け止める仕組みを構築

  次に、「高齢者・地域福祉対策」です。
  ・「あいちオレンジタウン構想第2期アクションプラン」に基づき、「地域づくり」と「研究開発」の両面から先進的・重点的な取組を実施
  ・「地域医療介護総合確保基金」を活用して、介護従事者の確保、介護施設等の整備を推進
  ・地域包括ケアを推進
  ・本年10月に「Aichi Sky Expo」で開催される「高齢者の自立」をテーマとした国際的なイベント「インディペンデントエイジング2023」の成功に向けた支援
  ・高齢者、障害者、子どもなどの各分野を超えて市町村が相談支援などの取組を一体的に行う重層的支援体制の整備を支援
  ・生活困窮・性暴力・性犯罪被害・家庭関係破綻など、複雑化・多様化する困難な問題を抱える女性を支援するための基本計画を策定

  次に、「障害者福祉・支援、ノーマライゼーション推進」です。
  ・県立東浦高校の敷地内に設置する幼稚部及び小学部に対応した「千種聾学校ひがしうら校舎」が本年4月に開校
  ・県立農業大学校の敷地内へ移転する岡崎特別支援学校について、2024年4月の開校を目指し、建設工事を実施
  ・いなざわ特別支援学校については、2025年9月の供用開始に向けて校舎増築の実施設計に着手
  ・小牧特別支援学校において、2026年4月の供用開始に向けて校舎増築の実施設計に着手
  ・体育館への空調設備の整備を進めるとともに、特別支援学校における看護師の配置を拡充
  ・名古屋市が2024年度に開校を予定している市立若宮高等特別支援学校の整備を支援
  ・全ての中小企業を対象とした本県独自の「中小企業応援障害者雇用奨励金」を支給
  ・開催10周年を迎える「あいちアール・ブリュット展」について、記念式典や記念展示などを実施
  ・本年9月にバンテリンドームナゴヤで開催される「第5回世界身体障害者野球大会」の成功に向けて、名古屋市と連携して支援

(6) 安心できる医療体制の構築
  次に、「安心できる医療体制の構築」です。
  ・愛知医科大学病院に加え、藤田医科大学病院に本県2機目のドクターヘリを導入
  ・将来のがんセンターの整備に向けた検討調査を実施 
   がん患者アピアランスケア支援事業を引き続き実施
   がん患者等の妊よう性(妊娠するための力)温存治療に対して引き続き支援
  ・新たに、若年がん患者の在宅サービス利用料や福祉用具の貸与・購入費を支援
  ・「地域医療介護総合確保基金」を活用して、病床機能の分化・連携や病床規模の適正化、在宅医療の充実、医療従事者の確保を推進

(7) 誰もが活躍できる社会づくり
  次に、「誰もが活躍できる社会づくり」です。
  まず、「産業人材の育成・確保」です。
  ・本年11月に、国等の主催により「Aichi Sky Expo」等で開催される技能五輪全国大会・全国アビリンピックの開催を支援
  ・高等技術専門校の再編・整備については、岡崎校新校舎の2025年4月の供用開始を目指し、建設工事を推進
  ・人手が不足している業界の人材確保に向けて、新たに学生や離転職者等とのマッチングを支援
  ・若年者、障害者、高年齢者、定住外国人の方などの雇用促進に向けた専門相談窓口による相談対応や就職面接会を開催

  次に、「女性の活躍促進」です。
  ・県内全域で中小企業向けセミナー及び相談会を実施
  ・県内2地域を選定し、市町村と地元経済団体等のネットワークを形成することを通じて中小企業の女性活躍に向けた働き掛けを実施
  ・女子大学生と女性活躍推進企業の交流会や、女子大学生の取材による女性活躍推進企業の紹介動画の制作
  ・「あいち子育て女性再就職サポートセンター」において、キャリアカウンセラーによる相談や女性採用に積極的な企業とのマッチング等を実施
  ・男性が育児休業を取得しやすい職場環境づくりに取り組む中小企業等を対象に、新たにアドバイザーの派遣や、セミナー等を開催

 次に、「人権施策の推進」です。
  ・「愛知県人権尊重の社会づくり条例」に基づき、愛知県人権施策推進審議会を開催
  ・「あいち人権センター」において、人権に関する総合的な相談対応を実施
  ・インターネット上の人権侵害に対するモニタリングを引き続き実施

  次に、「就職氷河期世代対策」です。
  ・「あいち就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム」による官民一体となった取組を推進
  ・紹介予定派遣制度を活用した職場実習を実施
  ・デジタル技術等を習得する研修と企業での職場実習を組み合わせた雇用型訓練を実施
  ・新たに、若者の職場定着に向けた取組を行う中小企業等にアドバイザーを派遣
  ・「あいちひきこもり地域支援センター」において、市町村が実施するひきこもり対策を支援
  ・支援対象者の掘り起こしや働き掛けを行うアウトリーチによる支援を実施

(8) あいちのグローバル展開
  次に、「あいちのグローバル展開」です。
  ・海外産業情報センターやサポートデスクにおいて、進出企業からの各種相談に対応
  ・日本語に不慣れな外国人児童生徒に対応する小中学校の教員の配置を拡充
   市町村が実施する「日本語初期指導教室」の運営や、多言語翻訳機を活用した教育を支援するとともに、新たに「プレスクール」の運営を支援
  ・外国人児童生徒数が多い県立学校へ小型通訳機を配備するとともに、県立定時制高校に就労アドバイザーを配置
  ・「あいち地域日本語教育推進センター」を中心に、コーディネーターによる指導・助言や、市町村等が実施する日本語教育関連事業を支援
  ・日常生活で必要とする情報を新たに多言語で発信するほか、防災や災害対策への理解を深める外国人県民向け防災ガイドブックを作成
  ・ウクライナ避難民の方々へ、引き続き生活一時金の支給やタブレット端末の貸与及びプリペイドSIMカードの支給等を実施

(9) 選ばれる魅力的な地域づくり
  次に、「選ばれる魅力的な地域づくり」です。

  まず、「文化・芸術都市あいち」です。
  ・国際芸術祭については、2025年の開催に向けて芸術監督の選任のほか、テーマ、会期、会場等の企画概要の決定などの準備を進めるとともに、現代美術展を西尾市で開催
  ・県立芸術大学については、2024年度の供用開始に向けて、新彫刻棟の建設工事を実施
  ・「あいち朝日遺跡ミュージアム」では、弥生時代の文化や朝日遺跡に関する企画展を開催
  ・国指定史跡「断夫山古墳」については、名古屋市と共同で実施した発掘調査で出土した埋蔵文化財の整理や報告書の作成を実施
  ・国の指定・登録文化財や県・市町村の指定文化財に至らない地域の文化財を保護するため、愛知県文化財登録制度を創設するとともに、県登録文化財の活用や継承のための取組を支援
  ・昨年12月に策定した「あいち文化芸術振興計画2027」を踏まえ、伝統芸能を鑑賞し体験できるイベントを開催

次に、「スポーツ王国あいち」です。
  ・2026年アジア・アジアパラ競技大会等に向けて、強化指定選手の競技力を強化
  ・豊橋市が行う新アリーナの整備に向けた取組を支援
  ・総合型地域スポーツクラブの運営や指導者確保を支援
  ・2024年2月に日本ガイシホールで開催される「第4回世界弓道大会」の成功に向けて、名古屋市と連携して支援
  なお、弓道人口は日本で一番愛知県が多い、東京よりも多いということで、盛り上げていきたいと思います。
  ・本年11月に、愛知・岐阜両県で開催される「FIA世界ラリー選手権ラリージャパン」の成功に向けて、開催を支援

  次に、「観光都市あいち」です。
  ・大河ドラマ「どうする家康」を活用して、観光誘客の拡大を図るため、大河ドラマ展の開催やPR・プロモーションを実施
  ・「サムライ・ニンジャフェスティバル」の開催、「徳川家康と服部半蔵忍者隊」による武将観光のPR等、「武将のふるさと愛知」を発信
  ・本年11月に「Aichi Sky Expo」において、「あいちの自然観光フェア」を開催
  ・「あいち山車まつり日本一協議会」の取組により、市町・保存団体とともに愛知の山車まつりの魅力を広く発信
  ・「ハート・オブ・ジャパン」のキャッチワードのもと、特設サイトにより外国人旅行者の趣向に合わせたコンテンツを発信
 ・2026年のアジア・アジアパラ競技大会に向け、本県の観光地としての魅力を情報発信し、アジア各国からのインバウンド観光を促進

  次に、「あいちの魅力発信」です。
  ・2025年に、愛知万博20周年記念事業を実施するため、開催に向けた準備を実施
  ・若年層に「愛知の住みやすさ」を広くPRすることで「働くなら愛知、住むなら愛知」という流れを促進
  ・東京と名古屋に設置したUIJターン支援センターにおいて、就職イベントや個別相談を実施
  ・名古屋コーチン、みかわ牛、花、抹茶、かんきつ、なし、ウナギなど本県の優れた農林水産物のブランド力を一層強化
  ・三河山間地域の振興については、バス路線を維持している市町村への補助や東京都内のふるさと回帰支援センターにおいて移住相談窓口を運営
  ・離島地域の振興については、民間企業や学生を対象としたワーケーション等の実証事業を新たに実施

(10) 安全・安心なあいち
  次に、「安全・安心なあいち」です。
  ・「愛知県基幹的広域防災拠点」を豊山町青山地区に整備するため、PFI事業者と特定事業契約を締結するとともに、引き続き用地取得、敷地造成工事等を実施
  ・ゼロメートル地帯において整備を進めている広域的な防災活動拠点については、木曽三川下流域の愛西市において本年3月に供用開始
  弥富市において、拠点の実施設計に着手
  西三河南部地域の西尾市において、防災倉庫の建築工事を実施
  東三河南部地域の豊橋市において、事業予定地の用地測量、基本設計に着手
  ・次世代高度情報通信ネットワークを整備
  ・ドローン等のデジタル技術を活用し、土木施設の被災に速やかに対応できるシステムの導入を推進
  ・南海トラフ地震等対策事業費補助金の対象に災害対応のDX化や、避難所におけるペット受入資機材の整備等を推進する取組を追加
  ・消防団員加入をより一層促進するため、市町村からの提案に基づくモデル事業を実施
  ・住宅や建築物の耐震診断、耐震改修、ブロック塀除却費用に対する補助を実施
  ・住宅や建築物の瓦屋根について、新たに耐風診断、耐風改修費用に対する補助を実施
  ・盛土規制法に基づく規制区域の指定に向けた候補案の作成のため、土地利用や地形・地質の状況等の調査を実施
  ・交通安全対策について、横断歩道における歩行者保護意識の醸成に向けた重点的な広報やドライバーの運転マナー向上に向けた取組を実施
  ・高齢者モニターの選任や企業、学校等から「愛知県ヘルメット着用促進宣言」を募集し、ヘルメットの着用促進に向けた取組を実施
  ・信号灯器の視認性を高めるためのLED化を進めるとともに、横断歩道を始めとした道路標示、道路標識を整備
  ・市町村と連携し、防犯カメラなどの防犯対策設備・機器の購入に対する補助制度を創設
  ・犯罪被害者等に対する支援を推進
  ・防犯カメラ等の映像データを集約し、AI等の最先端技術により効率的に映像を解析して被疑者を特定するシステムを新たに導入
  ・警察署については、豊川警察署の新庁舎が本年9月に供用開始。岡崎警察署、半田警察署の建築工事を実施するとともに、一宮警察署、瀬戸警察署の基本設計等を実施
  大府警察署(仮称)については、新設に向けて、ボーリング調査を実施
  ・交番・駐在所は、名古屋市内の栄幹部交番を始め9交番を建替え

(11) 環境首都あいちの推進
  次に、「環境首都あいちの推進」です。
  ・太陽光発電等の自家消費型再生可能エネルギー発電設備を導入する事業者に対する補助を実施
  ・省エネ設備への更新や、建築物をZEB化する事業者に対する補助を実施
  ・電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)及びハイブリッドユニバーサルデザインタクシーに対し、本県独自の助成制度により導入を支援
  本年度末で期限を迎える本県独自の「自動車税種別割の課税免除制度」を2年間延長
  ・住宅用地球温暖化対策設備の導入補助制度により、太陽光発電施設等の一体的導入を支援するとともに、太陽光発電設備・EV・充電設備をセットで導入する個人に対する補助制度を創設
  ・「あいちサーキュラーエコノミー推進プラン」に基づき、サーキュラーエコノミーに資する設備の導入等を支援
  ・「あいちプラスチックごみゼロ宣言」に基づき、消費者向けの普及啓発や市町村の分別収集・再商品化に向けた計画の策定支援を実施
  ・「愛知県食品ロス削減推進計画」に基づき、各家庭での食品ロスの減量にチャレンジする県民参加型事業を実施
  ・「世界目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」として、2024年のCOP16に向けた準備会合に参加
  ・生物多様性の保全等に積極的に取り組む優良な事業者を認証する制度を推進
  ・「あいちエコアクション・ポイント」を発行
  ・幼児から中高年・シニアまで幅広い世代で環境学習を実施

(12) 東三河の振興
  次に、「東三河の振興」です。
  ・東三河地域に「新しい人の流れによる新たな魅力と価値」を創造することを目的に、地域内外の関係人口の創出と移住・定住を促進する取組を市町村等とともに推進
  ・「徳川家康ゆかりの地」を活用したデジタルスタンプラリーを開催
  ・「東三河教育プロジェクト」として、時習館高校の「あいちリーディングスクール」の指定、豊橋西高校における総合学科の設置による学校の活性化、豊橋工科高校のロボット工学科におけるSTREAM教育、渥美農業高校における「あつみ次世代農業創出プロジェクト」を推進
  御津あおば高校における全日制単位制普通科への改編や昼間定時制併置による多様な生徒に対応した学校づくりを推進
  ・へき地学校におけるICTを活用した交流学習を支援
  ・三河港については、蒲郡地区における大型船舶に対応した岸壁やふ頭用地の整備等を推進するとともに、三河港港湾計画を改訂

(13) 地方分権・行財政改革の推進
  次に、「地方分権・行財政改革の推進」です。
  ・「あいちビジョン2030」の進捗状況を点検・評価し、新たに取り組むべき政策課題を把握するため「フォローアップ報告書(仮称)」を作成
  ・地方創生については、国の「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を踏まえ、新たな総合戦略を策定
  ・行財政改革については、昨年12月に個別取組事項の内容を追加・充実し策定した「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づき、全庁を挙げて取組を推進
  ・民間活力の導入については、PFI方式により県営住宅の建替えを推進
  ・県有施設については、長寿命化に向けた改修等を実施
  重要文化財である本庁舎については、老朽化が著しい銅板屋根の全面ふき替え等の修理に着手
  トイレの洋式化や床の乾式化等に向けた基本設計などを実施
  本庁舎へのコンビニエンスストア導入に向けた実施設計や改修工事を実施
  ・知多総合庁舎と知多福祉相談センターについては、2施設を集約した新総合庁舎の建設工事に着手
  ・豊田加茂総合庁舎と豊田加茂福祉相談センターについても、2施設を集約し、県産木材を積極的に活用した一部木造による新総合庁舎の整備に向けて、設計を実施
  施設・設備の老朽化が著しい設楽公舎の今後のあり方について、検討調査を実施
  燃料価格高騰の影響を受ける庁舎、県立学校、警察署等について、施設運営に支障が生じることがないよう光熱費を増額
  ・国家戦略特区による規制改革を推進

(14) 当初予算の全体概要
  以上、予算の主な内容について説明しましたが、ここにご審議いただく2023年度の当初予算は、
 一般会計 2兆9,657億余円
  特別会計 1兆3,591億余円
  企業会計   2,790億余円
  です。合わせて4兆6,039億余円となります。
  このうち、一般会計の予算規模は、2022年度当初予算に対し、 104.9%となります。新型コロナウイルス感染症対策関連事業について、感染の第7波実績(2022年7月~10月)ベースで年間所要額を計上したことにより667億円増加したことなどから、予算規模が拡大していますが、これを除いて比較すると、102.7%となります。
  歳入について、県税は、前年度から978億円増の1兆2,467億円を計上します。企業収益の回復による法人二税の増、個人所得の回復による個人県民税の増、輸入増加による地方消費税の増を見込んでいます。
  県税全体では、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する前の水準を回復しますが、今後、懸念材料である海外景気の下振れ、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分留意が必要です。
  地方交付税及び臨時財政対策債は、2023年度地方財政計画及び本県の税収動向を踏まえ、前年度から600億円減の1,500億円を計上します。このうち、地方交付税は、900億円を計上します。
  県債は、2,286億円を計上します。地方交付税の振替措置である臨時財政対策債は、前年度から600億円減の600億円を計上します。
  必要な公共投資は、交付税措置のある有利な県債などを活用しながら積極的に対応する一方、着実に県債の償還を進めます。これにより、満期一括償還積立を除く通常の県債の実質的な残高は、2023年度末で2兆54億円と、「あいち行革プラン2020後半期」の取組においても維持することとした数値目標(2019年度末実績2兆567億円以下)を堅持します。
  歳出では、人件費は、2023年度から定年年齢が段階的に引き上がるため、退職者が減少することに伴い、退職手当が減少します。
  なお、退職手当は、定年年齢の段階的引上げの影響により、今後年度間で大きく増減することから、財政負担の平準化を図るため、退職手当平準化基金を新設します。
  医療・介護などの扶助費は、2025年にかけて団塊の世代が75歳以上の高齢者となることなどに伴い、大きく増加します。
  公債費は、これまでに発行した県債の元利償還や、減債基金への満期一括償還分の積立てが多額となっており、引き続き高止まりとなっています。
  投資的経費のうち、国庫補助金を活用した道路、河川等の公共事業は、2022年度当初予算と同水準を確保します。単独事業についても、公共施設の長寿命化改修や計画的な施設整備により、将来を見据えた投資を着実に推進します。
  2023年度当初予算編成に向けての財源確保については、まず、2022年度において、県税収入及び地方交付税がともに当初予算額を上回ったことなどにより確保した財源によって、年度内に予定していた減債基金(任意積立分)及び財政調整基金の取崩し1,260億円を全額取り止めました。さらに、2022年度中の法人二税収入の増加等に伴う交付税の後年度減額精算に備えるため、財政調整基金に370億円積み立てます。
  その上で、2023年度において、減債基金(任意積立分)999億円、財政調整基金425億円、合わせて1,424億円もの基金取崩しを計上せざるを得ず、多額の基金取崩しに依存する厳しい財政状況が継続しています。

 次に、予算以外の案件について、ご説明を申し上げます。
  条例は、制定、一部改正を合わせて、22件を提案しています。
 まず、愛知県職員定数条例の一部改正については、知事の事務部局等の職員定数について、児童相談センターの体制強化やアジア・アジアパラ競技大会の開催準備などに必要な人員を確保する一方で、愛知病院の休止に伴う減員等により、全体で62人減員します。
  また、小学校第5学年への35人学級の拡充等により教職員を437人増員します。
 次に、知事等の給与の特例に関する条例の一部改正については、現下の厳しい財政状況に鑑み、引き続き特別職の職員を対象に、給与の一部を減額するものです。
  さらに、条例以外の案件として、名古屋高速道路公社の基本財産の額の変更について等10件を提案しています。

 次に、2022年度関係の諸議案についてです。

(1) 令和4年度補正予算
  まず、令和4年度補正予算です。
  これは、新型コロナウイルス感染症対策や、アジア・アジアパラ競技大会の開催に向けた必要な資金の確保、国庫補助金や事業費の確定に伴う所要の措置並びに2023年度当初予算編成に向けての財源確保等を行うものです。
 補正予算を会計別に申し上げますと
   一般会計 956億1,274万余円の増額
   特別会計  45億4,863万余円の増額
   企業会計  65億3,419万余円の減額
  で、合わせて、936億2,719万余円の増額です。
  以下、一般会計の主なものについて、概要をご説明申し上げます。
  まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
  保健所設置市が行う相談窓口設置に要する経費を支援するほか、生活福祉資金の債権管理に要する経費や、「いいじゃん、あいち旅キャンペーン第2弾」に必要な経費等について、国の追加内示に基づき増額します。
  また、あん摩マッサージ等の事業者に対して光熱費を支援します。
  さらに、燃料価格高騰の影響等を受ける公の施設の指定管理者に対して光熱費を支援するほか、庁舎等の県直営施設の光熱費についても増額します。
  次に、その他の補正予算の主な内容ですが、国が実施した明治用水頭首工漏水事故の復旧対策にかかる県負担金を計上するほか、第20回アジア競技大会・第5回アジアパラ競技大会の開催に必要な財源を確保するため、「アジア・アジアパラ競技大会基金」に、103億余円の積立てを行います。
  また、2022年度中の法人二税収入の増加等に伴う交付税の後年度減額精算に備えるため、財政調整基金に積立てを行います。
  以上ご説明いたしました一般会計の一般財源は、県税収入や地方交付税の増額などにより、全体で2,235億8,964万余円を増額します。
  特定財源については、臨時財政対策債の減額や、減債基金取崩しの全部取りやめなどから、全体で1,279億7,689万余円を減額します。

(2) 補正予算以外の議案
  次に、補正予算以外の議案については、その他の議案として、工事請負契約の締結など14件を提案しています。

 以上、提案をいたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げました。なお、詳細につきましては、議事の進行に従いましてご説明を申し上げたいと存じます。よろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。
  最後に、結びとして一言申し上げたいと存じます。
  これからも本県は、東京一極集中にストップをかけ、イノベーションを創出する好循環を生み出す日本の成長エンジンとして、将来にわたって我が国の発展を力強くリードし続けてまいります。
  「ジブリパークのある愛知」の魅力を国内外に向けて発信するとともに、「STATION Ai」を始めとした日本の未来を形作るビッグプロジェクトを成功に導き、跳び上がる兎のように愛知を更に飛躍させていく。こうした思いを2023年度当初予算に込め、『跳躍飛躍』予算として編成させていただきました。
  そして、グローバル化、デジタル化、SDGsに全力で取り組み、日本一の産業集積・愛知を更に成長させ、県民の皆様すべてが豊かさを実感できる住みやすさ日本一の愛知、すべての人が輝き、多様な文化・スポーツ・歴史を享受できる、未来へ輝く「進化する愛知」をつくってまいりたいと考えております。
  県議会議員の皆様方並びに県民の皆様方の、ご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。