製品名:コミュニケーションロボット「スマイビ」

コミュニケーションロボット スマイビ

コミュニケーションロボット「スマイビ」とはどのようなものですか。

伊藤さん:

高齢者の方がかわいがることで、しゃべったり泣いたり喜んだりして癒やしてくれる赤ちゃん型のロボットです。うちでは「ねねちゃん」と呼んでいます。

導入した理由を教えてください。

水谷さん:

認知症で徘徊、動き回る利用者さんがいらっしゃり、僕の前任者がこのロボットの存在を知り、導入してみようとの話になりました。

使用対象はどのような方ですか。

水谷さん:

認知症などの症状で落ち着きの無い方、徘徊される方です。

導入効果をお聞かせください。

水谷さん:

動き回っていらっしゃった方に「ねねちゃん」を渡すと、座って落ち着いてくださることが多いです。職員も1人に始終付きっきりでいるわけにはいきませんので、一時的にでも落ち着いて座っていてくださると助かります。

伊藤さん:

子育てされた方は特に感覚的に覚えていらっしゃるのか、「ねねちゃん」が反応するとまたそれに反応してあやしていただける。表情も穏やかになります。普段は厳しいことをおっしゃる方でも、あやしているときは優しい笑顔であやしていらっしゃいます。

コミュニケーションロボット スマイビ

機械が苦手な方でも、すぐに慣れることができましたか。

水谷さん:

操作自体は全く難しくありません。夜、使わないうちに充電して、朝電源を入れるだけです。特に講習などを行う必要もなく全員が使いこなせています。何も設定しなくても、利用者さんがかわいがることで泣いたり喜んだり、瞬きしたりして色々な動きができるようになり、成長している気になります。

導入の感想をお聞かせください。また、介護ロボットや介護のICT化は今後どのようになっていくと良いとお考えですか。

伊藤さん:

あっちに行ったり、こっちに行ったりする方が落ち着かれると、施設全体の雰囲気も変わるのと同時に、忙しい職員の心の余裕もできる二次効果もあったように感じます。人数不足で見守りの負担が増えがちな今、補助的な道具がどんどん必要な状況です。人が増えないのであればその分ICTを導入して職員の負担を軽減したい。しかしICTをいかに使うか、活用するかという課題はあると思います。

水谷さん:

利用者さんが笑顔になったり、みんながかわいいね、かわいいねと言いながら子育てしていたころを思い出すのか柔らかい表情になってくれるのがいいですね。今後、体格の良い大柄な男性利用者さんも増えてきます。女性の職員が移乗するのは大変なことも多いので、女性職員でも簡単に移乗できるようなロボット、デイサービスでは特にお風呂での介助を補助してくれるようなものが導入できればという思いはあります。

伊藤さん:

介護はAIではなく人間がするものだと思います。あくまでも補助的なものですが、行う人間が少しでも楽になるようなものが導入できれば、より良い介護が実現できるのではないかと思います。

答えてくれたのはこのお2人

社会福祉法人弥富福祉会
特別養護老人ホーム輪中の郷
施設長
伊藤 公一さん
どこかに行こうとするタイミングで渡すことが多いです。普段は男性職員の誘導を受け入れてくださらない方でも、「赤ちゃんが、こっちの静かな部屋で寝たいと言っているよ」と言うと受け入れてくださいます。
伊藤公一さん
社会福祉法人弥富福祉会
デイサービスセンター輪中の郷
主任
水谷 和宏さん
「スマイビ」を世話することで長時間安心して落ち着いてくださる方ばかりではありませんが、少しの間でも向き合っていただければ職員の見守り対応の負担が軽減されます。
水谷和宏さん

取材に協力してくれたのは

社会福祉法人弥富福祉会 特別養護老人ホーム輪中の郷
デイサービスセンター輪中の郷

「かかわり・つながり・むすびつき」を大切に、利用者さまが個人の尊厳を保持しつつ自立した生活を地域社会において営むことができるようサービスを提供しています。
私たちスタッフは敬愛の念と謙虚な心を持ち、誰もが自分らしく生きがいを持って生活していただけるよう援助します。福祉サービスの担い手にふさわしい豊かな人間観を持ち、専門的知識と技術の向上を図り、地域福祉に貢献します。

特別養護老人ホーム輪中の郷
問い合わせ先:弥富福祉会 輪中の郷
弥富市大藤町5番地3
TEL:0567-65-5531
FAX:0567-65-5536
URLhttps://yatomifukushikai.com