○愛知県警察犯罪被害者等給付金支給事務取扱要綱の制定

平成24年5月24日

務住発甲第89号

この度、別記のとおり愛知県警察犯罪被害者等給付金支給事務取扱要綱を制定し、平成24年6月1日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

なお、愛知県警察犯罪被害者等給付金支給事務取扱要綱の制定(平成13年務住発甲第116号。以下「旧通達」という。)は同日をもって廃止するものとし、この通達の実施の際現にあるこの通達による廃止前の旧通達により使用されている書類は、この通達の様式によるものとみなす。

別記

愛知県警察犯罪被害者等給付金支給事務取扱要綱

第1 趣旨

この要綱は、犯罪被害者等給付金(以下「給付金」という。)の支給に関する事務の取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。

第2 準拠

給付金の支給に関する事務の取扱いについては、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(昭和55年法律第36号。以下「法」という。)、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行令(昭和55年政令第287号)及び犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則(昭和55年国家公安委員会規則第6号。以下「規則」という。)その他関係規程に定めるもののほか、この要綱に定めるところによる。

第3 処理体制

1 総括責任者

(1) 警察署に、総括責任者を置く。

(2) 総括責任者は、警察署長をもって充てる。

(3) 総括責任者は、警察署における給付金の支給に関する事務を総括するものとする。

2 処理責任者

(1) 警察署に、処理責任者を置く。

(2) 処理責任者は、警務課長をもって充てる。

(3) 処理責任者は、総括責任者を補佐し、給付金の支給に関する事務の処理について責任を負うとともに、署員に対する指導教養を行うものとする。

3 処理担当者

(1) 警察署に、処理担当者を置く。

(2) 処理担当者は、住民サービスを担当する係長をもって充てる。

(3) 処理担当者は、処理責任者を補佐し、給付金の支給に関する事務を処理するものとする。

4 連絡責任者

(1) 警察署に、連絡責任者を置く。

(2) 連絡責任者は、警察署の課長(隊長を含み、警務課長及び会計課長を除く。)をもって充てる。

(3) 連絡責任者は、給付金に関する制度(以下「犯罪被害給付制度」という。)の教示について責任を負うものとする。

第4 犯罪被害給付制度の教示等

1 犯罪被害給付制度の教示対象者は、別表に掲げる罪に係る事件の犯罪被害者又はその遺族(以下「犯罪被害者等」という。)とする。

2 警察官は、別表に掲げる罪に係る犯罪被害の届出を受理した場合又は犯罪被害者等から事情聴取を行った場合は、当該犯罪被害者等の心身の状態、捜査の進捗状況等を考慮した上で、速やかに犯罪被害給付制度を犯罪被害者等に教示するものとする。この場合において、犯罪被害者等が年少者又は精神障害者等であるため、教示の内容を理解することが困難と認められるときは、親権者、未成年後見人、成年後見人等に犯罪被害給付制度を教示するものとする。

3 2にかかわらず、次に掲げる状況が明らかな場合は教示しないことができる。

(1) 既に犯罪被害者等が予想される給付金の額を上回る額の他の公的給付又は加害者等からの損害賠償を受けているとき。

(2) 犯罪行為が行われた時において、給付金の支給を受けるべき者であって18歳以上の犯罪被害者又は18歳以上の第一順位遺族(第一順位遺族が2人以上ある場合にあっては、その全てが18歳以上であったときのいずれかの者に限る。)と加害者との間に次のいずれかに該当する親族関係があったとき(婚姻を継続し難い重大な事由が生じていた場合その他当該親族関係が破綻していたと認められる事情がある場合若しくはこれと同視することが相当と認められる事情がある場合又は犯罪被害者と加害者との間の親族関係にあっては、加害者が人違いによって、若しくは不特定の者を害する目的で当該犯罪被害者に対して当該犯罪行為を行ったと認められる場合を除く。)。ただし、加害者が心神喪失の状態で当該犯罪行為を行った場合又は犯罪被害者が18歳未満であった第一順位遺族(第一順位遺族が2人以上あるときは、そのいずれかの者)を監護していたときを除く。

ア 夫婦(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった場合を含む。)

イ 直系血族(親子については、縁組の届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にあった場合を含む。)

(3) 犯罪被害について、犯罪被害者又は第一順位遺族に次のいずれかに該当する行為があったとき。

(ア) 当該犯罪行為を教唆し、又は幇助する行為

(イ) 過度の暴行又は脅迫、重大な侮辱等当該犯罪行為を誘発する行為

(ウ) 当該犯罪行為に関連する著しく不正な行為

(4) 犯罪被害者又は第一順位遺族に次のいずれかの事由があるとき。

(ア) 当該犯罪行為を容認していたこと。

(イ) 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属していたこと。

(ウ) 当該犯罪行為に対する報復として、加害者又はその親族その他の加害者と密接な関係にある者の生命を害し、又は身体に重大な害を加えたこと。

4 警察官は、2の教示をするときは、被害者の手引等の犯罪被害給付制度に関する資料を犯罪被害者等(2の後段により教示するときは、犯罪被害者等の親権者、未成年後見人、成年後見人等)に交付するものとする。この場合において、犯罪被害給付制度教示状況連絡票(様式第1。以下「連絡票」という。)により、当該教示の状況を明らかにしておかなければならない。ただし、愛知県警察被害者連絡実施要領の制定(平成19年刑総・務住・生総・地総・交総・備一発甲第35号。以下「被害者連絡実施要領」という。)第3の2に規定する被害者連絡担当者が、被害者連絡経過票(被害者連絡実施要領様式第1。以下「経過票」という。)を作成したときは、この限りでない。

5 警察官は、2の教示の状況を連絡票又は経過票により、直属の連絡責任者に報告するものとする。ただし、直属の連絡責任者以外の連絡責任者の指揮を受けて教示をしたときは、当該連絡責任者に報告するものとする。

6 5の報告を受けた連絡責任者は、当該連絡票又は経過票(写し)により、速やかに2の教示の状況を処理責任者に連絡するものとする。

7 連絡責任者は、2の教示を必要に応じて処理責任者及び処理担当者と連携して行うものとする。

8 処理責任者は、犯罪事件管理システム運用要綱の制定(令和4年刑総発甲第2号)に定める犯罪事件管理システムを利用して犯罪被害給付事件(給付金の支給対象となる事件をいう。以下同じ。)及び犯罪被害給付事件となる可能性のある事件(以下「犯罪被害給付事件等」という。)の発生を把握するものとする。この場合において、把握した犯罪被害給付事件等に関して支給されるべき給付金の種類が重傷病給付金又は障害給付金であると認めるときは、連絡責任者と連携して当該犯罪被害者の症状の推移を随時確認するものとする。

9 処理責任者は、犯罪被害給付事件を認知したときは、直ちに総括責任者に報告するものとする。

10 総括責任者は、犯罪被害給付制度の教示について、その要否、教示対象等に関する疑義が生じたときは、住民サービス課長と協議するものとする。

第5 犯罪被害給付事件等の報告

1 総括責任者は、犯罪被害給付事件を認知したときは、速やかに犯罪被害給付事件発生報告書(様式第2)により警察本部長(住民サービス課長経由。以下同じ。)に報告するものとする。

2 総括責任者は、四半期ごとに、自所属における第4の教示の状況を犯罪被害給付事件等四半期報告書(様式第3)により当該四半期経過後二月以内に警察本部長に報告するものとする。

3 住民サービス課長は、1の報告の内容を犯罪被害給付事件簿(様式第4)に登載するものとする。

第6 申請の受理等

1 申請の受理

(1) 給付金の支給に係る裁定の申請(以下「申請」という。)の受理は、住民サービス課又は警察署において行うものとする。

(2) 申請は、規則第16条に規定する遺族給付金支給裁定申請書、規則第17条に規定する重傷病給付金支給裁定申請書又は規則第18条に規定する障害給付金支給裁定申請書(以下これらを「申請書」という。)により行うものとする。

(3) 申請の受理に当たっては、次の事項に留意するものとする。

ア 申請者の住所地が本県であることを確認すること。

イ 警察署にあっては、申請者の住所地を管轄しているか否かを問わず受理すること。

ウ 申請書に必要な事項の記載及び必要な書類の添付がされていることを確認すること。

エ 申請書の記載及び添付書類に不備があったときは、申請を受理した上、申請者に対して十分な説明を行い、相当な期間を定めて補正を求めるとともに、文書によりその経過を明らかにしておくこと。

オ 申請書の記載の不備のうち、明らかな誤字、脱字等の軽微なものは、職権により補正することができること。

カ 次のいずれかに該当すると認められる場合においても、受理すること。

(ア) 申請書の提出された日が法第10条第2項に規定する期間内でないとき。

(イ) 申請に係る被害が法第2条に規定する「犯罪被害」でないとき。

(ウ) 申請者が給付金の受給資格を有しないとき。

キ 規則第23条第1項の「申請書の余白にその旨を記載して」については、申請書の備考欄に次の事項を記載することにより行うこと。

(ア) 同時に申請をした同一世帯に属する者の氏名

(イ) 省略した添付書類の名称

ク 申請が代理人によって行われたものであるときは、委任状の原本の提出を受け、代理人の住所及び氏名を申請書の申請者欄の下部に記入させること。

ケ 申請に係る犯罪被害を原因として損害賠償を申請者が受ける見込みについて確認するとともに、裁定を受けるまでの間に損害賠償を受けたときは、規則第19条の規定により、その旨を当該裁定の申請を行った公安委員会に届け出なければならないことを十分理解させること。

2 申請書の送付等

(1) 警察署において申請を受理したときは、電話により住民サービス課に受理番号を照会し、申請書の「受付」欄に当該受理番号その他必要事項を記入の上、当該申請書を住民サービス課に送付するものとする。

(2) 住民サービス課長は、住民サービス課及び警察署における申請の受理状況を申請受理簿(様式第5)により管理するものとする。

第7 調査等

1 調査等の実施

住民サービス課長は、住民サービス課において申請を受理したとき及び警察署から申請書の送付を受けたときは、法第13条第1項及び第2項に規定する裁定のための調査等(以下「調査等」という。)を行うものとする。

2 調査等の要領

(1) 法第13条第1項に規定する命令は、報告命令書(様式第6)、物件提出命令書(様式第7)、出頭命令書(様式第8)及び受診命令書(様式第9)により行うものとする。

(2) 法第13条第1項の規定により申請者その他の関係人から口頭で報告を受ける場合において、その結果を記録する必要があると認めるときは、供述録取書(様式第10)を作成するものとする。

(3) 法第13条第1項の規定により物件の提出を受けたときは、預かり証(様式第11)を交付するものとする。また、提出を受けた物件を返還するときは、物件の提出者から提出物件返還請書(様式第12)を徴取するものとする。

(4) 法第13条第2項に規定する照会は、犯罪被害給付関係事項照会書(様式第13)により行うものとする。この場合において、必要と認めるときは、犯罪被害給付関係事項回答書(様式第14)を添えるものとする。

(5) 住民サービス課長は、調査等を行ったときは、検討調書を作成するものとする。

3 回答

総括責任者は、法第13条第2項の規定による照会があったときは、速やかに照会事項について調査し、その結果を回答するものとする。

第8 関係課長等との協議

住民サービス課長は、第7の調査等の結果に基づき、警察本部の関係課長又は関係警察署長と次の事項について協議するものとする。

(1) 給付金又は仮給付金の支給の当否に関すること。

(2) 給付金又は仮給付金の額の当否に関すること。

(3) 申請の却下の当否に関すること。

第9 裁定等の具申

住民サービス課長は、第8の協議の結果に基づき、検討票(様式第15)を作成し、警察本部長の承認を得た上で、関係書類を添えて、公安委員会に裁定又は仮給付金支給の決定の具申を行うものとする。

第10 裁定の通知等

1 住民サービス課長の措置

住民サービス課長は、裁定又は仮給付金支給の決定があったときは、次の措置を執るものとする。

(1) 住民サービス課において受理した申請については、申請者に次に掲げる書類(以下「裁定通知書等」という。)を交付すること。

ア 裁定があったときは、規則第20条に規定する犯罪被害者等給付金支給裁定通知書及び犯罪被害者等給付金支払請求書

イ 仮給付金支給の決定があったときは、規則第20条に規定する仮給付金支給決定通知書及び仮給付金支払請求書

(2) 警察署において受理した申請については、裁定通知書等を当該警察署に送付すること。

2 総括責任者の措置

1の(2)により住民サービス課長から裁定通知書等の送付を受けた総括責任者は、速やかに当該裁定通知書等を申請者に交付するものとする。

3 受領書の徴取

申請者に裁定通知書等を交付したときは、受領書(様式第16)を徴取するものとする。

第11 処理簿の作成

住民サービス課長は、申請ごとに処理簿(様式第17)を作成し、その処理の経過を明らかにしておくものとする。

第12 争訟

1 給付金の裁定に係る審査請求が愛知県公安委員会に提出されたときは、公安委員会執務官は、住民サービス課長に連絡した上、国家公安委員会に送付するものとする。

2 裁定の不作為に対する審査請求が愛知県公安委員会に提出されたときは、愛知県公安委員会審査請求手続規程(平成28年愛知県公安委員会規程第2号)及び愛知県警察審査請求取扱要綱の制定(平成28年務監発甲第51号)により処理するものとする。

第13 雑則

総括責任者は、他の都道府県公安委員会から法第13条第2項の規定による照会があったときは、速やかに照会事項について調査し、住民サービス課長と協議の上、その結果を回答するものとする。

〔平26務住発甲210号平27務警発甲90号平28務監発甲52号同務住発甲86号平29地総発甲54号平30務住発甲64号令2務警発甲176号令4務住発甲30号・本別記一部改正〕

別表

殺人

強盗、事後強盗、昏睡強盗及び強盗致死傷

強盗・不同意性交等及び同致死

不同意性交等、監護者性交等及び不同意性交等致死傷

不同意わいせつ、監護者わいせつ及び不同意わいせつ等致死傷

傷害及び傷害致死

上記に掲げるもののほか、致死傷の結果が発生したもの(過失犯及び危険運転致死傷を除く。)

備考 各罪に未遂罪の定めがある場合は、これを含む。

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〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平29刑総・警住発甲14号令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平28務住発甲86号・本様式追加、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平28務住発甲86号・本様式追加、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平28務住発甲86号・旧様式10を繰下、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平28務住発甲86号・旧様式11を繰下、令元務警発甲93号令2務警発甲176号・本様式一部改正〕

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〔平28務住発甲86号・旧様式12を繰下、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平28務住発甲86号・旧様式13を繰下、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平28務住発甲86号・旧様式14を繰下、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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〔平28務住発甲86号・旧様式15を繰下、令元務警発甲93号令2務警発甲176号・本様式一部改正〕

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〔平28務住発甲86号・旧様式16を繰下、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕

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愛知県警察犯罪被害者等給付金支給事務取扱要綱の制定

平成24年5月24日 務住発甲第89号

(令和5年7月13日施行)

体系情報
第3編 務/第2章 住民サービス/第2節 犯罪被害者支援
沿革情報
平成24年5月24日 務住発甲第89号
平成26年 務住発甲第210号
平成27年 務警発甲第90号
平成28年 務監発甲第52号
平成28年 務住発甲第86号
平成29年 刑総発甲第102号
平成29年 地総発甲第54号
平成29年 刑総・警住発甲第14号
平成30年 生子発甲第144号
平成30年 務住発甲第64号
令和元年 務警発甲第93号
令和2年 務警発甲第176号
令和4年 務警発甲第38号の1
令和4年 務住発甲第30号
令和5年3月28日 務住発甲第71号
令和5年7月11日 刑総発甲第125号