本文
再生CFRPを活用したドローンの開発に取り組む実証実験がスタートします ~廃材から空へ~
県内の工場から廃棄される使用済み炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を再生し、軽量・高強度なドローンの開発に取り組む実証実験※がスタートします。
航空・自動車産業で大量に発生する使用済みCFRPをリサイクルすることで、サーキュラーエコノミーを促進し、脱炭素社会の実現に貢献します。
※「あいち環境イノベーションプロジェクト」の一環として、2024年度に採択したCFRPリサイクルプロジェクトの社会実装に向けた実証実験

1 目的
使用済みCFRPの調達から再生CFRPを最終製品に実装するまでのプロセスを検証し、技術的・経済的課題を整理・解決
2 実験内容
県内の航空機製造工場等から発生する廃棄物に含まれる使用済みCFRPから炭素繊維を取り出し、酸化処理を施すことで傷を除去し、炭素繊維の強度を復元します。
強度復元した炭素繊維に樹脂を混合して再生CFRPサンプルを試作し、ドローン部品の原材料として最大限の活用の可能性を検討します。そのうえで、この一連の供給プロセスにおける技術的・経済的課題を検証します。
3 実施体制 (参考1)参照
(1) 株式会社fff fortississimo(エフエフエフ フォルテッシシモ)
・炭素繊維の強度復元、再生CFRPサンプルの試作
(2) ソブエクレー株式会社(協力企業)
・使用済みCFRPの調達、再生CFRPサンプルの試作
(3) 株式会社AirKamuy(協力企業)
・再生CFRPの加工、ドローンの組立
※本日、再生CFRPの供給に関する連携協定を3者間で締結
4 期間
2025年11月20日(木曜日)から2026年3月まで
(参考1)各事業者の詳細
株式会社fff fortississimo
代表者:代表取締役 入澤 寿平
本社所在地:愛知県名古屋市千種区春岡2-26-15
事業内容:繊維材料及びそれを用いた繊維強化複合材料の開発、製造、販売等
ソブエクレー株式会社
代表者:代表取締役 祖父江 梅夫
本社所在地:愛知県名古屋市港区新船町2丁目1番地4先
事業内容:天然鉱物の微粉砕加工・販売等
株式会社AirKamuy
代表者:代表取締役CEO 山口 拓海
本社所在地:愛知県名古屋市天白区植田西2-1307
事業内容:固定翼ドローンの開発及びサービスの提供
(参考2)あいち環境イノベーションプロジェクト
カーボンニュートラルの実現などの環境分野の課題解決に向け、愛知発の環境イノベーションを創出・実装するため、革新的プロジェクトを採択し、社会実装に向けた伴走支援を実施
<あいち環境イノベーションプロジェクトWebページ>
https://env-innovation.pref.aichi.jp/
(参考3)2024年度採択プロジェクト一覧
| 会社名 [本社所在地・創業年] |
プロジェクト概要 |
|---|---|
| (1)エネルギーの創出・利用モデル | |
| (株)Eサーモジェンテック [京都府京都市・2013年] |
【熱を直接電気に変換する熱電発電システム実装】 工場等で発生する低温排熱を、タービンを使わずに直接電気に変換する「熱電発電」技術を用いた排熱回収システムを工場等に実装 |
| (株)豊橋バイオマスソリューションズ [豊橋市・2021年] |
【次世代型バイオガス発電システム導入】 従来比2倍以上の高効率なメタン発酵技術を活用した次世代型バイオガス発電システムを食品工場等に実装 |
| (2)温室効果ガスの吸収・利用等によるカーボンリサイクルモデル | |
| 東洋建設(株) [東京都千代田区・1929年] |
【CO2の回収・固定化】 海面最終処分場※1の保有水※2等に工場排ガスや大気から回収したCO2を固定化するスキームを構築・展開 ※1 水面を有する場所に設置された廃棄物最終処分場 ※2 最終処分場に溜まっている水 |
| (3)県民と共に進める持続可能な社会の実現モデル | |
| (株)スタジオスポビー [東京都中央区・2017年] |
【県民の環境行動に伴うCO2削減量の見える化】 公共交通機関の利用などの脱炭素行動に伴うCO2削減量を見える化するアプリを活用し、企業の従業員やその家族等を巻き込んだ県民一体の脱炭素行動を促進 |
| (4)域内資源の有効利用を通じたサーキュラーエコノミー型ビジネスモデル | |
| (株)fff fortississimo (エフエフエフ フォルテッシシモ) [名古屋市千種区・2013年] |
【リサイクル困難なプラスチックリサイクル】 リサイクルが困難な使用済み炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から取り出された炭素繊維の強度を復元する技術等を活用し、CFRPのリサイクルサプライチェーンを構築 |
| (株)Spacewasp (スペースワスプ) [岐阜県岐阜市・2022年] |
【100%植物廃棄物由来内装材の製造・リメイク】 野菜くずや果物の皮、木くずといった植物廃棄物のみを原料とし、樹脂化・加工する技術を使って、建材や家具などの建物の内装材を製造・リメイク |
| サハシ特殊鋼(株) [名古屋市港区・1903年] |
【使用済み紙おむつのマテリアルリサイクル】 摩擦熱を利用した粉砕乾燥技術とペアリング消臭技術※を組み合わせた、使用済み紙おむつのマテリアルリサイクルスキームを構築 ※ 香料成分と悪臭成分を融合させ、良い香りに変化させる技術 |
| (5)自然が持つ価値の見える化モデル | |
| DeepForest Technologies(株) (ディープフォレスト テクノロジーズ) [京都府京都市・2022年] |
【ドローン・AIによる森林モニタリングシステム構築】 ドローンで撮影した写真等をもとに、AIで樹種や樹高等を解析し、森林によるCO2固定量を把握可能な森林モニタリング手法の創出 |
(参考4)2025年度採択プロジェクト一覧
| 会社名 [本社所在地・創業年] |
プロジェクト概要 |
|---|---|
| (3)県民・事業者と共に進める持続可能な社会の実現モデル | |
| (株)バイウィル [東京都中央区・2013年] |
【カーボンクレジットによる再エネ・省エネ投資の促進】 小規模な再エネ・省エネ施設※1を活用した、家庭や企業等におけるCO2削減量を集約し、クレジット※2として地元企業等に提供するとともに、その収益をCO2削減者に還元するスキームを構築します。 このスキームを広く展開することで、再エネ・省エネ投資を促進し地域の脱炭素を加速します。 ※1 太陽光発電、蓄電池、LED照明、高効率空調・ボイラー 等 ※2 CO2削減量をクレジットとして国が認証するJクレジット制度を活用 |
| (4)域内資源の有効利用を通じたサーキュラーエコノミー型ビジネスモデル | |
| (株)Aladdin(アラジン) [東京都渋谷区・2020年] |
【AIによるごみの分別・運搬ロボットの開発・実装】 AIを駆使して、ごみを自動で分別し最適なタイミングとルートで指定場所へ運搬するごみ箱型のロボットを開発し、ごみの未分別が課題となっている駅や商業施設などに実装します。 このロボットをシンボルとする、公共空間における新たなごみ収集モデルを構築します。 |
| (6)その他環境課題に対する革新的モデル | |
| (株)クロスイー [名古屋市千種区・2024年] |
【CO2を排出しない食品残渣等処理システムの実装】 工場等の未利用排熱と独自に開発した触媒※を活用して、CO2を排出することなく食品残渣や下水汚泥を処理し、化学原料などにリサイクルするシステムを工場等に実装します。 このシステムによって、動植物に由来する廃棄物の処理に伴うCO2の排出削減や炭素固定、再生利用を促進します。 ※ 有機系廃棄物の水分子を取り除く化学反応を手助けする物質 |
| (株)フレンドマイクローブ [名古屋市千種区・2017年] |
【バイオテックを活用した油脂分解システムの実装】 工場等の排水に含まれる油を、微生物の働きで効率的に分解・除去するシステムを開発し、中小規模の食品工場や商業施設などに実装します。 このシステムの普及を通じ、排水中の油に起因する悪臭や害虫の発生、水質の悪化、グリストラップ※の詰まりや逆流といった排水処理の問題を解決します。 ※ 工場等の排水口と下水道との間に設置されて、排水中の油や残飯、生ごみ等を分離・貯留する施設 |
このページに関する問合せ先
愛知県環境局環境政策部環境政策課
環境イノベーション推進グループ
電話:052-954-6982
メール:kankyo@pref.aichi.lg.jp

