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病害虫図鑑 バラうどんこ病

ページID:0273699 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
  学名 Oidium sp. (糸状菌 子のう菌類)

2 被害の様子
 通常は、下位葉に多くみられ、うどん粉をふりかけたような白い斑点症状がみられる。多発すると上位葉にも発生し、新葉は葉縁がカールするなど奇形を生じたり、早期に落葉し、ベントネック(花首が垂れたような形になる)を引き起こすなど、商品価値が低下する。 

3 病原菌の生態
 糸状菌の1種で、子のう菌類に属すると考えられているが、わが国では、不完全世代の分生子だけで、まだ完全世代の子のう殻は確認されていない。本菌の子のう殻については海外においてもまれにしか確認できないといわれている。
 病原菌の越冬は、越冬芽に潜在する菌糸や病茎上の分生子あるいは子のう殻などが考えられるが、伝染源の詳細については不明である。露地のバラでは、寒冷地でも芽の鱗片中で越冬可能で、春になり新芽が展開してくると感染し、新たな分生子を形成する。この後は分生子の空気伝染により、2次伝染を繰り返す。
 分生子の発芽の適温は21℃、菌糸の生育適温は18~25℃である。分生子の発芽の好適湿度は97~99%であるが、40~90%程度の湿度があれば発芽する。しかし、水滴中では発芽が抑えられる。

4 発生しやすい条件
 夜間の高湿度(97~99%)と低温(15~16℃)は分生子の形成、発芽、感染の好適条件とされ、昼間のやや高温(23~27℃)と低湿度(40~70%)は分生子の成熟と飛散の好適条件であるため、温室栽培では、夏期の高温期を除き、秋から翌春まで発生が多く、露地では秋冷の時期に晴天が続くと発生しやすい。

5  防除対策
・施設では夜間の暖房と昼間の換気を徹底する。
・被害茎葉は速やかに取り除き、発生初期から系統の異なる薬剤を用いたローテーション防除に努める。

 

うどんこ病感染株

うどんこ病感染株

 

うどんこ病菌の胞子

うどんこ病菌の胞子