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病害虫図鑑 ブドウ晩腐病

ページID:0271913 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌:Glomerella cingulata (Stoneman) Spaulding et Schrenk(糸状菌 子のう菌類)

2 被害の様子
 発病部位は果実のほか花穂、葉 で、主に成熟期の果房に発生して果実を腐らせる。
病斑上には鮭肉色の分生子塊を生じ、雨滴により分生子が飛散し、二次伝染していく。幼果時に感染したものは、小黒点を生じるがこの病斑は直ちに拡大することはなく、着色期になってから発病する。成熟期に感染したものは3~5日ののちに発病、1日後には胞子堆を形成する。葉やつるなどにも感染するが、発病することはなく、潜在感染し次年度の伝染源となる。

3 病原菌の生態
 越冬場所:結果母枝や巻きひげの組織内に菌糸のかたちで潜在して越冬する。

病原菌の生態

 菌糸の生育最適温度:26~29℃
 枝上の分生胞子形成の最適温度は20~25℃。雨でぬれた枝では25℃で9時間で胞子形成する。分生胞子は10月まで長期にわたるが、6月から7月が最盛期であり、降雨により左右される。

4 発生しやすい条件
・前年多発すると越冬菌量が多くなり、多発の要因となる。
・花蕾で発病すると、成熟期の発病が多くなる。
・6月中旬~7月上旬の硬核期は第1次伝染が主として起こる時期であり、降雨が多いと多発する。
・着色まぎわに降雨が多いと、二次伝染が増え多発する。
・風通しが悪く、水はけの悪い園、窒素過多の園で発生が多い。

5 防除対策
・伝染源である罹病結果母枝や巻きひげを取り除く。
・密植を避ける。
・梅雨時の薬剤散布。
・雨よけ栽培する。
・袋かけを落花期までに行う。