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病害虫図鑑 ブロッコリー菌核病

ページID:0273392 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Sclerotinia sclerotiorum(Libert)de Bary

2 被害の様子
・地際部の茎や葉柄部、花梗や花蕾などが淡褐色から暗緑色で水浸状の病斑を生じ、軟化、腐敗する。
・湿度が高いと病斑部に白色綿毛状の気中菌糸を生じ、表面に灰褐色から黒色で楕円形から不整形で大きさ5mm前後のネズミの糞状の菌核を形成する。

3 病原菌の生態
・菌核は白色綿毛状の気中菌糸上に形成され、宿主体にゆるく付着する。ネズミの糞状で灰褐色から黒色。地上に落ちたり、被害植物ごと地面に落ちた菌核は、春もしくは秋に発芽して子のう盤(キノコ状。傘の部分は直径5mm程度)を形成する。子のう盤は菌核から1~数本生じ、有柄、淡褐色で柔らかく、ロート状~カップ状。皿状の頭部に多数の子のうが形成され、子のうは8個の子のう胞子(9~14×3~6μm)を内蔵する。子のう胞子は風により飛散し、葉の基部など湿度の高い部分に落下したものが発芽し、老化した部分や傷口などから侵入する。一次感染は子のう胞子によって起こるが、発病株から隣接株への伝染は菌糸によって起こる。菌核は乾燥条件下では数年以上生存する。畑土壌中での生存期間は2~3年、湛水下では死滅する。子のう盤の形成には適湿と適温(15~20℃)が必要である。子のう盤形成には少なくとも20日程度の日数を要する。
・菌糸生育の適温は20℃前後である。
・多犯性でアブラナ科作物、トマト、ナス、キュウリなど多数の作物を侵す。

4 発生しやすい条件
・春と秋に発生しやすい。
・子のう盤の形成に好適な温度(15~20℃)の時期に大雨があったり降雨が続くと湿度条件も好適となるので発生が多くなる。

5 防除対策
・発生地でのアブラナ科植物の連作は避ける。
・発生状況や気象条件を考え、予防的に薬剤散布をする。
・発病株は菌核を形成しないうちに抜き取り、非耕地に深く埋めるなどする。
・水田転換畑では、夏季に湛水処理を行う。
・ほ場の排水を良好にする。肥培管理を適正にし、過繁茂とならないようにする。                          

 茎に形成途中の菌核
 茎に形成途中の菌核