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病害虫図鑑 キスジノミハムシ(ダイコン)

ページID:0334561 掲載日:2021年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 Phyllotreta striolata (Fabricius)

1 形態
卵:長径0.3mm内外。
幼虫:頭部は褐色、胴部は淡黄から乳白色。体節ごとに少しくびれ、全体に粗毛がある。体長4mm内外まで生長する。
成虫:体長2mm内外の甲虫。鞘翅は黒褐色で、中央部に黄褐色の三日月形の斑紋が1つずつ縦走する。後脚は発達し、跳躍する。

2 被害の様子
 成虫はダイコンの本葉が出始めてから食害する。食痕は1mm前後の丸形で、葉が生長すると裂孔状となる。食害は概して幼植物時に激しいが、生育を著しく妨げることは少ない。幼虫による根部食害は、初期生育を強く阻害したり、根部表面に食痕を残し、商品価値を低下させる。後者には、肥大初期の食痕が肥大につれてくぼみとなる”なめり”症状、肥大期後半に食害されると褐色の細かい食痕が点々と不規則に生じる”孔”症状、幼虫密度が高く肥大期を通じて激しく食害されて表面がざらざらになる”さめはだ”症状がある。

3 生態
枯れ草の下、土壌の間隙などで成虫態越冬する。
卵は茎葉地際部や根部に産卵される。卵期間は3~5日である。
幼虫は深さ10cm以内の土中に生息する。幼虫期間10~20日を経て蛹となる。
年間3~5世代を経過する。
アブラナ科植物のみに寄生する。

4 発生しやすい条件
・本虫の発生及び加害は、春播き栽培(4~5月播種)と夏播き栽培(6~7月播種)に多く、秋播きでは少ない。
・6月から7月に雨の少ない年は、発生の多い傾向にある。
・幼虫被害は砂土、砂壌土で少なく、壌土、埴壌土で多い傾向がある。
・栽培前半の寄生成虫量と根部被害量は相関する。
・暖冬だと越冬虫の生存率が高い。
・アブラナ科野菜を連作すると発生量が多くなる。

5 防除対策
・根の食害は発芽後15日頃から始まるので、播種時の殺虫剤土壌処理が最も重要である。さらに発芽後1~2回成虫を防除するとよい。

キスジノミハムシ成虫