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病害虫図鑑 ダイズさび病

ページID:0271815 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Phakopsora pachyrhizi Sydow(糸状菌 担子菌類)

2  被害の様子
 葉、葉柄、茎に発生するが、葉に多い。発生時期は初秋から晩秋である。初発は下位葉で側枝より主茎の比較的成熟した葉にみられることが多い。はじめ淡褐色~黄褐色の小斑点ができ、しだいに盛り上がって褐色~暗褐色(夏胞子層)となり、その後淡褐色の粉(夏胞子)を噴き出す。病斑は葉裏に多く形成される。気温が低下してくると(10月中旬以降)、夏胞子層周辺の表皮下に多角形のやや膨れた黒褐色の斑点(冬胞子層)ができる。被害葉は黄化、脱落する。子実に対する被害は、稔実莢数、着粒数、千粒重の減少である。

3 病原菌の生態
 夏胞子層は小円形で、大きさは83.3~399.8×83.3~366.5μmである。はじめ表皮下にでき、その後表面に露出する。夏胞子は無色または淡黄白色、卵円形で細刺を持つ。大きさは24~40×20~31μmであるが変異が大きい。伝染は夏胞子により起こり、潜伏期間は15℃で13日、20℃で7~8日、22~30℃で6日である。冬胞子層は0.1~1.0mmの大きさで、冬胞子は褐色で楕円形、倒卵形など様々な形状である。大きさは18.6~29.5×4.3~12.8μmだが変異が多少ある。伝染環における冬胞子の役割は不明である。伝染経路はほとんど不明である。好適条件下では、胞子形成→飛散→付着→侵入→発病のサイクルを約10日間隔で繰り返す。寄生植物はダイズの他にツルマメ、クズが確認されている。

4 発生しやすい条件
・晴天が続きダイズ葉上に朝露が多く、しかも長く残る条件下で発生しやすい。
・播種期が早いほど発生、被害が大きい傾向がある。

5 防除対策
・抵抗性の強い品種を用いる。強:フクユタカ、アキヨシ、弱:玉錦、エンレイ、アキシロメ。
・窒素質肥料を多用せず、カリ肥料をやや増施すると発病が軽くなる傾向がある。
・被害茎葉、莢等は翌年度の伝染源となる可能性があるので処分する。

さび病(葉)

さび病(葉)