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病害虫図鑑 ヒメトビウンカ

ページID:0271744 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 Laodelphax striatella  Fallén

1 形態
 成虫には長翅型と短翅型があり、成虫の体長は約3~4mmで、セジロウンカより一回り小さい。雄の胸部背面は黒色で雌はやや茶色がった白色の帯がある。卵は長さ約1mmのバナナ型をしている。幼虫はやや黄色から褐色の丸みを帯びた白色の粉を被る。

2 被害の様子
 吸汁による直接害よりも、縞葉枯病の媒介による被害の方が大きい。縞葉枯病ウイルスのイネへの感染は、麦畑等で増殖した第1世代成虫で引き起こされ、第2世代によって引き起こされる7月以降の感染は後期感染と呼ばれる。本種による被害は、第1世代で出現することが多く、長い口(口吻)をイネの導管や師管に直接差し込んで水分や栄養分を吸い取る。飛来数が多い年には出穂前のイネの生育が悪くなり、ほ場全体が黄化する。

3 生態
 日本国内で幼虫越冬しており、縞葉枯病等の媒介が問題となる。
土着のウンカで、4齢幼虫でイネ科雑草内で越冬しており、年5世代程度繰り返す。幼虫は比較的イネの株元で加害する。イネ以外では特にムギを好み、増殖率も高く、麦作の面積が大きくなると被害が問題となる。

4 発生しやすい条件
・越冬世代成虫は長翅型率が比較的低いものの、第1世代成虫は長翅型率が高く、活発に移動分散し、水田へも侵入する。そのため、続く第2世代成虫が7月中旬頃に急激に密度が高くなるケースも知られている。
・本種の発生は、量の多少はあるものの多くのほ場で確認されているが、縞葉枯病の媒介には保毒虫率が大きく関与しており、10%を越えると危険であることがわかっている。

5 防除対策
・薬剤防除として、長期間効果の持続する箱施薬剤を利用する。
・越冬世代成虫出現前に水田、休耕田を耕起し、寄生植物となるイネ科雑草を枯死させる。
・畦畔や裏作栽培ほ場の雑草を防除する。

ヒメトビウンカ雄成虫
ヒメトビウンカ雄成虫