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病害虫図鑑 ホウレンソウべと病

ページID:0273408 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Peronospora farinosa (Freis) Fries f. sp. spinaciae Byford (糸状菌/鞭毛菌類)
     (Peronospora effusa (Greville) Cesati から学名変更(2011年12月1日))

2 被害の様子
 葉の表面に蒼白色~黄色の境界不明瞭な小斑点を生じ、その後拡大して淡黄色または淡紅色の不正形病斑となり、さらに葉の大部分が淡黄色となって、やがて枯死乾燥する。病斑の裏面に灰色~灰紫色粉状のかび(分生子)を生ずる。開葉した外葉に発生することが多い。病原菌が生長点に侵入すると、葉が肥大萎縮する奇形を呈する場合もある。

3 病原菌の生態
 分生胞子と卵胞子をつくる。分生子は灰色、短楕円形、22~37×17~26μm。卵胞子は組織内に生じ、厚膜、球形で直径35~43μm。分生胞子形成の適温は7~15℃、発芽は3~24℃で行われ、適温は8~10℃である。卵胞子が土中に残る、あるいは種子に付着して、第一次伝染源となる。また、菌糸の形で被害株について越冬し、気温の上昇とともに分生子を形成して第一次伝染源となる。卵胞子、分生胞子とも直接発芽し、発芽管を出して侵入する。その後は、病斑上に分生子を形成し、形成された分生子により第二次伝染が行われる。

4 発生しやすい条件
・平均気温が8~18℃で多湿が続くと発生が多い。
・平均気温が10℃内外に達すると発病する。
・春季は菜種梅雨後に発生が多く、秋雨が長引いたり暖冬の年には晩秋にも発生する。
・連作ほ場、特に周年栽培ほ場で多発しやすい。
・本葉3、4枚~収穫期の葉が混み合っているときに発生が多い。

5 防除対策
・抵抗性品種を利用する。わが国におけるホウレンソウべと病菌には現在8つのレースが知られているので、発生しているレースに抵抗性を有する品種を選択するか、広い範囲のレースに抵抗性を持つ品種を選択する。
・発生初期から薬剤防除を行う。
・通風不良で過湿状態が続くと発生が多いので、混んでいる部分の間引きを行う。
・初発時に病葉を取り除く。全身病斑を示す株は株ごと除去する。

ホウレンソウべと病