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病害虫図鑑 イネミズゾウムシ

ページID:0271749 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 Lissorhoptrus oryzophilus Kuschel

1 形態
  成虫は体長約3mmのゾウムシで体表が灰白色の鱗状のもので覆われている。胸部及び腹部背面に黒色の斑紋があり、他のゾウムシ類と区別ができる。卵は稲の葉に数十個の卵塊で産み付けられる。幼虫は黄褐色で、褐色の縦縞があり、老齢幼虫は約25mm程度に達する。

2 被害の様子
 越冬後の成虫によって、移植直後のイネの葉がかすり状に食害され、著しい生育遅延が起きる。この後、幼虫による根の加害が起こると生育が著しく遅れ、分げつも悪くなり、場合によっては欠株となることもある。

3 生態
 昭和51年に愛知県で我が国の初発生を確認したアメリカ合衆国からの侵入害虫で、我が国で見つかっている個体はすべて雌である。これは、カリフォルニアあたりに生息する単為生殖系統が侵入したためと考えられている。本県では基本的には年1回の発生であるが、一部年2世代経過することもある。
 卵は半透明のソーセージ型で、長径が約0.8mmで、幼虫は細長い乳白色で、背面に6対の鍵状の突起があり、この突起をイネの根に差し込んで呼吸している。幼虫は根を加害しながら移動し、食する根がなくなると体をねじりながら土中を移動し、他の株へ移ることもできる。土中のイネの根にくっついた土繭を作ってその中で蛹化する。8月以降に羽化した成虫はイネやイネ科雑草の葉を食害した後、飛翔や歩行によって越冬場所に移動する。

4 防除対策
・箱施薬剤による防除が確実で、効果も高い。

イネミズゾウムシ成虫

イネミズゾウムシ成虫

イネミズゾウムシによる被害

イネミズゾウムシによる被害